『伝四郎兄妹（でんしろうきょうだい）』

若菜はせっせと矢竹をけずっていた。 そのまえの年、天正二年の冬からとなりの国と戦争をしているので、この肥前（長崎県）大村城のるすをまもるものたちは、鎧甲のつくろいをしたり、武者草鞋や弓矢をこしらえたり、女も子供も手のあるかぎりは戦に必要な物 …

著者	山本周五郎
初出	「少女倶楽部」大日本雄辯會講談社、1939（昭和14）年6月号
文字種別	新字新仮名
読書目安時間	約22分（500文字/分）
朗読目安時間	約37分（300文字/分）

作品に特徴的な語句

番頭（ばんがしら） 膳（ぜん） 笠（かさ） 箸（はし） 篝火（かがりび） 簑（みの） 粁（キロ） 肥前（ひぜん） 肥後（ひご） 馬蹄（ばてい） 若菜（わかな） 草鞋（わらじ） 藪（やぶ） 轟然（ごうぜん） 鍵（かぎ） 鎧甲（よろいかぶと） 鞍（くら） 位牌（いはい） 有明（ありあけ） 俵藤（ひょうどう） 元亀（げんき） 千浪（ちなみ） 壕（ほり） 天正（てんしょう） 峰打（みねうち） 島原（しまばら） 暁（あかつき） 砦（とりで） 松火（たいまつ） 柵（さく） 槍（やり） 武時（たけとき） 燭台（しょくだい） 牢屋（ろうや） 玄蕃（げんば）