眞先まつさき)” の例文
新字:真先
ゆきつかねたやうですが、いづれも演習行軍えんしふかうぐんよそほひして、眞先まつさきなのはたうつて、ぴたりとむねにあててる。それが長靴ながぐつたかんでづかりとはひる。
雪霊続記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
かれ起上おきあがつて聲限こゑかぎりにさけび、さうしてこゝより拔出ぬけいでて、ニキタを眞先まつさきに、ハヾトフ、會計くわいけい代診だいしん鏖殺みなごろしにして、自分じぶんつゞいて自殺じさつしてしまはうとおもふた。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
かういふ構造こうぞうおいては、おほきな地震動ぢしんどうたいして眞先まつさきいたむのは最下層さいかそうである。さら震動しんどうつよいと階下かいか部分ぶぶんつぶれ、上層じようそうおほくは直立ちよくりつ位置いちまゝ取殘とりのこされる。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
つきくまない、その眞先まつさき黒烟こくゑんいてすゝんでるのは、二本にほん烟筒ゑんとう二本にほんマスト! 見忘みわすれもせぬ四ねんまへのそれ※
ちひさきかみ川村太吉かはむらたきちかいりたるをよみみて此處こゝだ/\とくるまよりりける、姿すがたつけて、おゝ番町ばんちやう旦那樣だんなさまとおさんどんが眞先まつさきたすきをはづせば、そゝくさは飛出とびだしていやおはやいおいで
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
持せしは藤井左京さきやうなり少しはなれて白黒しろくろ摘毛つみげの鎗を眞先まつさき押立おしたて麻上下あさがみしもにて馬上なるは赤川大膳にて今日の御供頭おともがしらたり右の同勢堂々だう/\として渡邊橋の旅館を立出たちいでしたに/\と制しをなし御城代の屋敷やしき
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
斯くして神に眞先まつさきに恐怖の念を注がれし 655
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
いてストンと貴女あなたくつうらかへしてげた、げるとるとはやこと!……卷狩まきがりゐのしゝですな、踏留ふみとまつた學生がくせい突退つきのけて、眞暗まつくら三寶さんばう眞先まつさき素飛すつとびました。
艶書 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
老若男女ろうじやくだんじよすべちからのあらんかぎ災害防止さいがいぼうしつとむべきである。火災かさい防止ぼうし眞先まつさきにし、人命救助じんめいきゆうじよをそのつぎとすること。これすなは人命じんめい財産ざいさん損失そんしつ最小さいしようにする手段しゆだんである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
その眞先まつさき砂塵すなけむり蹴立けたてゝ、かけつてるのはまさしく猛犬稻妻まうけんいなづま
斯く戰陣の眞先まつさきに彼の出でしを望み見て、30
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
相屆あひとゞける頃は享保きやうほ十一午年九月廿日天一坊が京都出立の行列ぎやうれつ先供さきどもは例の如く赤川大膳と藤井左京の兩人りやうにん一日代りの積りにて其供方には徒士かち若黨わかたう四人づつ長棒ながぼう駕籠かご陸尺ろくしやく八人跡箱あとばこ二人やり長柄ながえ傘杖草履取兩掛合羽籠等なり其跡は天一坊の同勢にて眞先まつさきなる白木しらきの長持にはあふひ御紋ごもん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
大漢子おほをのこ兩手りやうては、のびをして、天井てんじやう突拔つきぬごとそらざまにたなかゝる、と眞先まつさきつたのは、彈丸帶たまおびで、外套ぐわいたうこしへぎしりとめ、つゞいてじうろして、ト筈高はずだかにがツしとけた。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
地震ぢしん災害さいがい最小限度さいしようげんど防止ぼうしせんとするにあた主義しゆぎとして人命救護じんめいきゆうごもつとおもきをくことは勿論もちろんであるが、たゞ此主義このしゆぎ實行手段じつこうしゆだんとして、火災かさい防止ぼうし眞先まつさきにすることが必要條件ひつようじようけんとなるのである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
トロイア軍の眞先まつさきに盟にそむき、戰勝の 70
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)