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影法師
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かげぼふし
ふりがな文庫
“
影法師
(
かげぼふし
)” の例文
然
(
さ
)
うかと
思
(
おも
)
ふと、
膝
(
ひざ
)
のあたりを、のそ/\と
山猫
(
やまねこ
)
が
這
(
は
)
つて
通
(
とほ
)
る。
階子
(
はしご
)
の
下
(
した
)
から
上
(
あが
)
つて
来
(
く
)
るらしく、
海豚
(
いるか
)
が
躍
(
をど
)
るやうな
影法師
(
かげぼふし
)
は
狐
(
きつね
)
で。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
月の
隈
(
くま
)
の中から、長い/\
影法師
(
かげぼふし
)
を
曳
(
ひ
)
いて現れたのは、錢形平次の子分、ガラツ八の八五郎の忠實な姿でした。
銭形平次捕物控:075 巾着切の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
影法師
(
かげぼふし
)
偏奇館吟草
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
すると……
其
(
そ
)
の
婦人
(
をんな
)
の
主人
(
あるじ
)
と
云
(
い
)
ふのは……
二階座敷
(
にかいざしき
)
の
火
(
ひ
)
のない
中
(
なか
)
を、
媚
(
なまめ
)
かしい
人
(
ひと
)
の
周圍
(
まはり
)
を、ふら/\とまはり
繞
(
めぐ
)
つた
影法師
(
かげぼふし
)
とは
違
(
ちが
)
ふらしい。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
眼を擧げると、
朧
(
おぼろ
)
の中に、必死と揉み合ふのは、内と外から合圖をして逢つた二つの
影法師
(
かげぼふし
)
ではありませんか。
銭形平次捕物控:062 城の絵図面
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
上
(
うへ
)
へ五
本
(
ほん
)
めの、
一
(
ひと
)
つ
消
(
き
)
え
殘
(
のこ
)
つた
瓦斯燈
(
がすとう
)
の
所
(
ところ
)
に、
怪
(
あや
)
しいものの
姿
(
すがた
)
が
見
(
み
)
える……
其
(
それ
)
は、
凡
(
すべ
)
て
人間
(
にんげん
)
の
影
(
かげ
)
を
捉
(
と
)
る、
影
(
かげ
)
を
掴
(
つか
)
む、
影法師
(
かげぼふし
)
を
啖
(
くら
)
ふ
魔
(
ま
)
ものぢや。
三人の盲の話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
『は、は、は、』と
形
(
かたち
)
も
定
(
さだ
)
めず、むや/\の
海鼠
(
なまこ
)
のやうな
影法師
(
かげぼふし
)
が、
案山子
(
かゝし
)
の
脚
(
あし
)
もとを
四
(
よ
)
ツ
五
(
いつ
)
ツむら/\と
纒
(
まと
)
ふて
進
(
すゝ
)
む。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
凡
(
およ
)
そ、
月
(
つき
)
と
日
(
ひ
)
とともに、
影法師
(
かげぼふし
)
のある
所
(
ところ
)
、
件
(
くだん
)
の
魔
(
ま
)
もの
附絡
(
つきまと
)
はずと
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
なうて、
且
(
か
)
つ
吸
(
す
)
ひ、
且
(
か
)
つ
嘗
(
な
)
め、
蹂躙
(
ふみにじ
)
る。が、いづれ
其
(
そ
)
の
人
(
ひと
)
の
生命
(
いのち
)
に
及
(
およ
)
ぶには
間
(
ま
)
があらう。
三人の盲の話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
丁
(
ちやう
)
と
小脇
(
こわき
)
に
引
(
ひき
)
そばめて
上
(
あ
)
げつゝ、
高々
(
たか/″\
)
と
仰向
(
あふむ
)
いた、さみしい
大
(
おほき
)
な
頭
(
あたま
)
ばかり、
屋根
(
やね
)
を
覗
(
のぞ
)
く
來日
(
くるひ
)
ヶ峰
(
みね
)
の
一處
(
ひとところ
)
を
黒
(
くろ
)
く
抽
(
ぬ
)
いて、
影法師
(
かげぼふし
)
を
前
(
まへ
)
に
落
(
おと
)
して、
高
(
たか
)
らかに
笛
(
ふえ
)
を
鳴
(
な
)
らした。
城崎を憶ふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
其
(
そ
)
の
影法師
(
かげぼふし
)
が、
鐵燈籠
(
かなどうろう
)
の
幽
(
かすか
)
な
明
(
あか
)
りで、
別嬪
(
べつぴん
)
さんの、しどけない
姿
(
すがた
)
の
上
(
うへ
)
へ、
眞黒
(
まつくろ
)
に
成
(
な
)
つて、
押
(
おし
)
かぶさつて
見
(
み
)
えました。そんな
處
(
ところ
)
へ
誰
(
だれ
)
が
他人
(
たにん
)
を
寄
(
よ
)
せるものでございます。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
枕
(
まくら
)
に
就
(
つ
)
いたのは
黄昏
(
たそがれ
)
の
頃
(
ころ
)
、
之
(
これ
)
を
逢魔
(
あふま
)
が
時
(
とき
)
、
雀色時
(
すゞめいろどき
)
などといふ
一日
(
いちにち
)
の
内
(
うち
)
人間
(
にんげん
)
の
影法師
(
かげぼふし
)
が
一番
(
いちばん
)
ぼんやりとする
時
(
とき
)
で、
五時
(
ごじ
)
から
六時
(
ろくじ
)
の
間
(
あひだ
)
に
起
(
おこ
)
つたこと、
私
(
わたし
)
が十七の
秋
(
あき
)
のはじめ。
怪談女の輪
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
放
(
はな
)
して
退
(
すさ
)
ると、
別
(
べつ
)
に
塀際
(
へいぎは
)
に、
犇々
(
ひし/\
)
と
材木
(
ざいもく
)
の
筋
(
すぢ
)
が
立
(
た
)
つて
並
(
なら
)
ぶ
中
(
なか
)
に、
朧々
(
おぼろ/\
)
とものこそあれ、
學士
(
がくし
)
は
自分
(
じぶん
)
の
影
(
かげ
)
だらうと
思
(
おも
)
つたが、
月
(
つき
)
は
無
(
な
)
し、
且
(
か
)
つ
我
(
わ
)
が
足
(
あし
)
は
地
(
つち
)
に
釘
(
くぎ
)
づけになつてるのにも
係
(
かゝは
)
らず、
影法師
(
かげぼふし
)
は
三尺角拾遺:(木精)
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
待
(
ま
)
て、
待
(
ま
)
て、
死骸
(
しがい
)
を
見
(
み
)
たでは
無
(
な
)
い。ぢやが、
正
(
しやう
)
のものでもなかつた……
謂
(
い
)
はゞ
影
(
かげ
)
ぢやな。
声
(
こゑ
)
の
有
(
あ
)
る
色
(
いろ
)
の
有
(
あ
)
る
影法師
(
かげぼふし
)
ぢや……
其
(
そ
)
のものから、
御身
(
おみ
)
に
逢
(
あ
)
ふて
話
(
はな
)
してくれい、と
私
(
わし
)
が
托言
(
ことづけ
)
をされたよ。……
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
影法師
(
かげぼふし
)
も
露
(
つゆ
)
に
濡
(
ぬ
)
れて——
此
(
こ
)
の
時
(
とき
)
は
夏帽子
(
なつばうし
)
も
單衣
(
ひとへ
)
の
袖
(
そで
)
も、うつとりとした
姿
(
なり
)
で、
俯向
(
うつむ
)
いて、
土手
(
どて
)
の
草
(
くさ
)
のすら/\と、
瀬
(
せ
)
の
音
(
おと
)
に
搖
(
ゆら
)
れるやうな
風情
(
ふぜい
)
を
視
(
なが
)
めながら、
片側
(
かたかは
)
、
山
(
やま
)
に
沿
(
そ
)
ふ
空屋
(
あきや
)
の
前
(
まへ
)
を
寂
(
さみ
)
しく
歩行
(
ある
)
いた。
月夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“影法師”の意味
《名詞》
光の遮蔽により壁や地上などに写し出された影。
(出典:Wiktionary)
影
常用漢字
中学
部首:⼺
15画
法
常用漢字
小4
部首:⽔
8画
師
常用漢字
小5
部首:⼱
10画
“影法師”で始まる語句
影法師越