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しうち
ふりがな文庫
“
仕打
(
しうち
)” の例文
今日
(
こんにち
)
の
方々
(
かたがた
)
は
随分
(
ずいぶん
)
無理解
(
むりかい
)
な
仕打
(
しうち
)
と
御思
(
おおも
)
いになるか
存
(
ぞん
)
じませぬが、
往時
(
むかし
)
はよくこんな
事
(
こと
)
があったものでございまして……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
嵐徳三郎が今度璃寛を襲名するについて、
仕打
(
しうち
)
の
松竹
(
まつたけ
)
合名社から口上役について、徳三郎の
許
(
もと
)
へ相談に往つたものだ。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
父
(
ちゝ
)
の
仕打
(
しうち
)
は
彼
(
かれ
)
の予期以外に面白くないものであつた。其仕打は
父
(
ちゝ
)
の人格を反射する丈夫丈多く代助を不愉快にした。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「……鎌倉殿のお
仕打
(
しうち
)
です。
疾
(
と
)
くに、鎌倉殿のご推挙によって、あの無能な
蒲殿
(
かばどの
)
さえ、
参河守
(
みかわのかみ
)
に任官され従五位下に
叙
(
じょ
)
せられておるではございませんか」
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
お滝も、あの時の無情な
仕打
(
しうち
)
を考え出しては多少良心に
愧
(
は
)
じないわけにはゆかないから、言葉を
濁
(
にご
)
して
大菩薩峠:02 鈴鹿山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
▼ もっと見る
「
爺
(
ぢい
)
げお
茶
(
ちや
)
入
(
せ
)
えべえ」おつぎは
立
(
た
)
つて
茶碗
(
ちやわん
)
を
洗
(
あら
)
つた。
卯平
(
うへい
)
は
濃霧
(
のうむ
)
に
塞
(
ふさ
)
がれた
森
(
もり
)
の
中
(
なか
)
へ
踏込
(
ふみこ
)
むやうな一
種
(
しゆ
)
の
不安
(
ふあん
)
を
感
(
かん
)
じつゝ
來
(
き
)
たのであつたが、
彼
(
かれ
)
はおつぎの
仕打
(
しうち
)
に
心
(
こゝろ
)
が
晴々
(
せい/\
)
した。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
何処
(
どこ
)
までも
人
(
ひと
)
を
凌
(
しの
)
いだ
仕打
(
しうち
)
な
薬売
(
くすりうり
)
は
流盻
(
しりめ
)
にかけて
故
(
わざ
)
とらしう
私
(
わし
)
を
通越
(
とほりこ
)
して、すた/\
前
(
まへ
)
へ
出
(
で
)
て、ぬつと
小山
(
こやま
)
のやうな
路
(
みち
)
の
突先
(
とつさき
)
へ
蝙蝠傘
(
かうもりがさ
)
を
差
(
さ
)
して
立
(
た
)
つたが、
其
(
その
)
まゝ
向
(
むか
)
ふへ
下
(
お
)
りて
見
(
み
)
えなくなる。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「おいら夢にも知らなかった。まさかお前が江戸も江戸、浅草奥山でも人気のある、
葉村
(
はむら
)
一座の
仕打
(
しうち
)
として、こんな所にいようとはな。……なるほど、世間はむずかしい、これじゃ探しても目付からなかった訳だ」
大捕物仙人壺
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「あんたはなにか
冷淡
(
れいたん
)
な
仕打
(
しうち
)
をしたのですか」
脳の中の麗人
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「かりにそうなったっていゝじゃァねえか? ——俺たちには『矢の倉』というものがついているんだ。——『矢の倉』というしっかりした師匠がついているんだ。——会社と縁が切れたって天下に
仕打
(
しうち
)
は大ぜいいるんだ。」
春泥
(新字新仮名)
/
久保田万太郎
(著)
延若は
仕打
(
しうち
)
の白井松次郎の顔を見ると、いつもかう言つたものだ。用心深い白井は、横着者の延若の
言草
(
いひぐさ
)
だけにおいそれと直ぐには承知しなかつた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
で、
私
(
わたくし
)
どもに
向
(
むか
)
って
身上噺
(
みのうえばなし
)
をせいと
仰
(
お
)
ッしゃるのは、
言
(
い
)
わば
辛
(
かろ
)
うじて
治
(
なお
)
りかけた
心
(
こころ
)
の
古疵
(
ふるきず
)
を
再
(
ふたた
)
び
抉
(
えぐ
)
り
出
(
だ
)
すような、
随分
(
ずいぶん
)
惨
(
むご
)
たらしい
仕打
(
しうち
)
なのでございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
何でもいいでさあ、——全く赤シャツの
作略
(
さりゃく
)
だね。よくない
仕打
(
しうち
)
だ。まるで
欺撃
(
だましうち
)
ですね。それでおれの月給を
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そんなに
野暮
(
やぼ
)
な
仕打
(
しうち
)
ばかりはございません、こんなことでいちいちお関所破りをつかまえて、磔刑にかけた日には、関所の廻りは磔刑柱の林になってしまいます
大菩薩峠:15 慢心和尚の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
関ヶ原から村へ帰った後にうけた
仕打
(
しうち
)
の憎さは、いちいち
骨髄
(
こつずい
)
に徹しているが、由来この婆には、勝てないものという幼い時からの癖がついているので、
時経
(
ときた
)
てば、あの時の無念さも
宮本武蔵:04 火の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
どこまでも人を
凌
(
しの
)
いだ
仕打
(
しうち
)
な薬売は
流眄
(
しりめ
)
にかけて
故
(
わざ
)
とらしゅう
私
(
わし
)
を
通越
(
とおりこ
)
して、すたすた前へ出て、ぬっと小山のような路の
突先
(
とっさき
)
へ蝙蝠傘を差して立ったが、そのまま向うへ下りて見えなくなる。
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
御米
(
およね
)
はこれを
故意
(
こい
)
から
出
(
で
)
る
小六
(
ころく
)
の
仕打
(
しうち
)
かとも
疑
(
うたぐ
)
つた。
然
(
しか
)
し
自分
(
じぶん
)
が
佐伯
(
さへき
)
に
對
(
たい
)
して
特別
(
とくべつ
)
の
利害
(
りがい
)
を
感
(
かん
)
じない
以上
(
いじやう
)
、
御米
(
およね
)
は
叔母
(
をば
)
の
動靜
(
どうせい
)
を
耳
(
みゝ
)
にしない
方
(
はう
)
を、
却
(
かへ
)
つて
喜
(
よろ
)
こんだ。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
神
(
かみ
)
として
最
(
もっと
)
も
戒
(
いまし
)
むべきは
怠慢
(
たいまん
)
の
仕打
(
しうち
)
、
同時
(
どうじ
)
に
最
(
もっと
)
も
慎
(
つつし
)
むべきは
偏頗不正
(
へんばふせい
)
の
処置
(
しょち
)
である。
怠慢
(
たいまん
)
に
流
(
なが
)
るる
時
(
とき
)
はしばしば
大事
(
だいじ
)
をあやまり、
不正
(
ふせい
)
に
流
(
なが
)
るる
時
(
とき
)
はややもすれば
神律
(
しんりつ
)
を
紊
(
みだ
)
す。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
こっちにも
落度
(
おちど
)
があるとはいうものの竜之助の
仕打
(
しうち
)
があまりに
面憎
(
つらにく
)
く思えるから、血気の連中の立ちかかるのを
敢
(
あえ
)
て止めなかったから、勢込んでバラバラと竜之助に飛び
蒐
(
かか
)
る。
大菩薩峠:07 東海道の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
三千代は例によつて多くを語る事を
好
(
この
)
まなかつた。然し平岡の妻に対する
仕打
(
しうち
)
が結婚当時と変つてゐるのは
明
(
あきら
)
かであつた。代助は夫婦が東京へ帰つた当時
既
(
すで
)
にそれを見抜いた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
主膳としても不意であったろうし、お銀様としても、我を忘れた乱暴な
仕打
(
しうち
)
であります。
大菩薩峠:17 黒業白業の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
宗助
(
そうすけ
)
は
叔母
(
をば
)
の
仕打
(
しうち
)
に、
是
(
これ
)
と
云
(
い
)
ふ
目立
(
めだ
)
つた
阿漕
(
あこぎ
)
な
所
(
ところ
)
も
見
(
み
)
えないので、
心
(
こゝろ
)
の
中
(
うち
)
では
少
(
すく
)
なからず
困
(
こま
)
つたが、
小六
(
ころく
)
の
將來
(
しやうらい
)
に
就
(
つ
)
いて
一口
(
ひとくち
)
の
掛合
(
かけあひ
)
もせずに
歸
(
かへ
)
るのは
如何
(
いか
)
にも
馬鹿々々
(
ばか/\
)
しい
氣
(
き
)
がした。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
お安くない夫婦の間の音信をこのわたしたちに見せつける能登守の
仕打
(
しうち
)
を憎いと思いました。能登守のような若い殿様に可愛がられる奥方は、どんな人か
面
(
かお
)
が見てやりたいように思いました。
大菩薩峠:11 駒井能登守の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
所
(
ところ
)
が
今日
(
けふ
)
歸
(
かへ
)
りを
待
(
ま
)
ち
受
(
う
)
けて
逢
(
あ
)
つて
見
(
み
)
ると、
其所
(
そこ
)
が
兄弟
(
きやうだい
)
で、
別
(
べつ
)
に
御世辭
(
おせじ
)
も
使
(
つか
)
はないうちに、
何處
(
どこ
)
か
暖味
(
あたゝかみ
)
のある
仕打
(
しうち
)
も
見
(
み
)
えるので、つい
云
(
い
)
ひたい
事
(
こと
)
も
後廻
(
あとまは
)
しにして、
一所
(
いつしよ
)
に
湯
(
ゆ
)
になんぞ
這入
(
はい
)
つて
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
仕
常用漢字
小3
部首:⼈
5画
打
常用漢字
小3
部首:⼿
5画
“仕”で始まる語句
仕
仕業
仕事
仕舞
仕度
仕方
仕合
仕出来
仕掛
仕様