仕打しうち)” の例文
今日こんにち方々かたがた随分ずいぶん無理解むりかい仕打しうち御思おおもいになるかぞんじませぬが、往時むかしはよくこんなことがあったものでございまして……。
嵐徳三郎が今度璃寛を襲名するについて、仕打しうち松竹まつたけ合名社から口上役について、徳三郎のもとへ相談に往つたものだ。
ちゝ仕打しうちかれの予期以外に面白くないものであつた。其仕打はちゝの人格を反射する丈夫丈多く代助を不愉快にした。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「……鎌倉殿のお仕打しうちです。くに、鎌倉殿のご推挙によって、あの無能な蒲殿かばどのさえ、参河守みかわのかみに任官され従五位下にじょせられておるではございませんか」
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
お滝も、あの時の無情な仕打しうちを考え出しては多少良心にじないわけにはゆかないから、言葉をにごして
大菩薩峠:02 鈴鹿山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
ぢいげおちやえべえ」おつぎはつて茶碗ちやわんあらつた。卯平うへい濃霧のうむふさがれたもりなか踏込ふみこむやうな一しゆ不安ふあんかんじつゝたのであつたが、かれはおつぎの仕打しうちこゝろ晴々せい/\した。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
何処どこまでもひとしのいだ仕打しうち薬売くすりうり流盻しりめにかけてわざとらしうわし通越とほりこして、すた/\まへて、ぬつと小山こやまのやうなみち突先とつさき蝙蝠傘かうもりがさしてつたが、そのまゝむかふへりてえなくなる。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「おいら夢にも知らなかった。まさかお前が江戸も江戸、浅草奥山でも人気のある、葉村はむら一座の仕打しうちとして、こんな所にいようとはな。……なるほど、世間はむずかしい、これじゃ探しても目付からなかった訳だ」
大捕物仙人壺 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「あんたはなにか冷淡れいたん仕打しうちをしたのですか」
脳の中の麗人 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「かりにそうなったっていゝじゃァねえか? ——俺たちには『矢の倉』というものがついているんだ。——『矢の倉』というしっかりした師匠がついているんだ。——会社と縁が切れたって天下に仕打しうちは大ぜいいるんだ。」
春泥 (新字新仮名) / 久保田万太郎(著)
延若は仕打しうちの白井松次郎の顔を見ると、いつもかう言つたものだ。用心深い白井は、横着者の延若の言草いひぐさだけにおいそれと直ぐには承知しなかつた。
で、わたくしどもにむかって身上噺みのうえばなしをせいとッしゃるのは、わばかろうじてなおりかけたこころ古疵ふるきずふたたえぐすような、随分ずいぶんむごたらしい仕打しうちなのでございます。
何でもいいでさあ、——全く赤シャツの作略さりゃくだね。よくない仕打しうちだ。まるで欺撃だましうちですね。それでおれの月給を
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
そんなに野暮やぼ仕打しうちばかりはございません、こんなことでいちいちお関所破りをつかまえて、磔刑にかけた日には、関所の廻りは磔刑柱の林になってしまいます
大菩薩峠:15 慢心和尚の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
関ヶ原から村へ帰った後にうけた仕打しうちの憎さは、いちいち骨髄こつずいに徹しているが、由来この婆には、勝てないものという幼い時からの癖がついているので、時経ときたてば、あの時の無念さも
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
どこまでも人をしのいだ仕打しうちな薬売は流眄しりめにかけてわざとらしゅうわし通越とおりこして、すたすた前へ出て、ぬっと小山のような路の突先とっさきへ蝙蝠傘を差して立ったが、そのまま向うへ下りて見えなくなる。
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
御米およねはこれを故意こいから小六ころく仕打しうちかともうたぐつた。しか自分じぶん佐伯さへきたいして特別とくべつ利害りがいかんじない以上いじやう御米およね叔母をば動靜どうせいみゝにしないはうを、かへつてよろこんだ。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
かみとしてもっといましむべきは怠慢たいまん仕打しうち同時どうじもっとつつしむべきは偏頗不正へんばふせい処置しょちである。怠慢たいまんながるるときはしばしば大事だいじをあやまり、不正ふせいながるるときはややもすれば神律しんりつみだす。
こっちにも落度おちどがあるとはいうものの竜之助の仕打しうちがあまりに面憎つらにくく思えるから、血気の連中の立ちかかるのをあえて止めなかったから、勢込んでバラバラと竜之助に飛びかかる。
大菩薩峠:07 東海道の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
三千代は例によつて多くを語る事をこのまなかつた。然し平岡の妻に対する仕打しうちが結婚当時と変つてゐるのはあきらかであつた。代助は夫婦が東京へ帰つた当時すでにそれを見抜いた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
主膳としても不意であったろうし、お銀様としても、我を忘れた乱暴な仕打しうちであります。
大菩薩峠:17 黒業白業の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
宗助そうすけ叔母をば仕打しうちに、これ目立めだつた阿漕あこぎところえないので、こゝろうちではすくなからずこまつたが、小六ころく將來しやうらいいて一口ひとくち掛合かけあひもせずにかへるのは如何いかにも馬鹿々々ばか/\しいがした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
お安くない夫婦の間の音信をこのわたしたちに見せつける能登守の仕打しうちを憎いと思いました。能登守のような若い殿様に可愛がられる奥方は、どんな人かかおが見てやりたいように思いました。
ところ今日けふかへりをけてつてると、其所そこ兄弟きやうだいで、べつ御世辭おせじ使つかはないうちに、何處どこ暖味あたゝかみのある仕打しうちえるので、ついひたいこと後廻あとまはしにして、一所いつしよになんぞ這入はいつて
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)