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默然
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もくねん
ふりがな文庫
“
默然
(
もくねん
)” の例文
新字:
黙然
身に
纒
(
まと
)
ひ
何樣
(
どのやう
)
なる出世もなる
筈
(
はず
)
を娘に別れ孫を失ひ
寄邊
(
よるべ
)
渚
(
なぎさ
)
の
捨小舟
(
すてこぶね
)
のかゝる島さへ
無
(
なき
)
身
(
み
)
ぞと
叫
(
わつ
)
と
計
(
ばか
)
りに
泣沈
(
なきしづ
)
めり寶澤は
默然
(
もくねん
)
と此長物語を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
しかし、そこには、俊亮が
默然
(
もくねん
)
と腕組をして立っていた。次郎は、彼と眼を見あわせた瞬間に、急に身動きが出来なくなってしまった。
次郎物語:01 第一部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
私
(
わたくし
)
は
默然
(
もくねん
)
として、
猶
(
なほ
)
も
其處
(
そこ
)
を
見詰
(
みつ
)
めて
居
(
を
)
ると、
暫時
(
しばらく
)
して
其
(
その
)
不思議
(
ふしぎ
)
なる
岩陰
(
いわかげ
)
から、
昨日
(
きのふ
)
も
一昨日
(
おとゝひ
)
も
聽
(
き
)
いた、
鐵
(
てつ
)
の
響
(
ひゞき
)
が
起
(
おこ
)
つて
來
(
き
)
た。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
宗助
(
そうすけ
)
は
周圍
(
しうゐ
)
のざわつく
中
(
なか
)
に
默然
(
もくねん
)
として、
他
(
ひと
)
の
倍
(
ばい
)
も三
倍
(
ばい
)
も
時
(
とき
)
を
過
(
す
)
ごした
如
(
ごと
)
くに
感
(
かん
)
じた
末
(
すゑ
)
、
遂
(
つひ
)
に
坐
(
すわ
)
り
切
(
き
)
れずに
席
(
せき
)
を
立
(
た
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
今まで眼を閉ぢて
默然
(
もくねん
)
たりし瀧口は、やうやく
首
(
かうべ
)
を
擡
(
もた
)
げて父が顏を見上げしが、兩眼は
潤
(
うるほ
)
ひて無限の情を
湛
(
たゝ
)
へ、滿面に顯せる悲哀の
裡
(
うち
)
に
搖
(
ゆる
)
がぬ決心を示し、
徐
(
おもむ
)
ろに兩手をつきて
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
▼ もっと見る
氣
(
き
)
に
逆
(
さか
)
らつてもならぬからとて
義母
(
はゝ
)
が
手
(
て
)
づから
與
(
あた
)
へられし
皮蒲團
(
かはぶとん
)
を
貰
(
もら
)
ひて、
枕
(
まくら
)
もとを
少
(
すこ
)
し
遠
(
とほ
)
ざかり、
吹
(
ふ
)
く
風
(
かぜ
)
を
背
(
せ
)
にして
柱
(
はしら
)
の
際
(
きは
)
に
默然
(
もくねん
)
として
居
(
ゐ
)
る
父
(
ちゝ
)
に
向
(
むか
)
ひ、
靜
(
しづか
)
に
一
(
ひと
)
つ
二
(
ふた
)
つ
詞
(
ことば
)
を
交
(
まじ
)
へぬ。
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
昌黎
(
しやうれい
)
、
言
(
ものい
)
ふこと
能
(
あた
)
はず、
涙
(
なんだ
)
先
(
ま
)
づ
下
(
くだ
)
る。
韓湘
(
かんしやう
)
曰
(
いは
)
く、
今
(
いま
)
、
公
(
きみ
)
、
花間
(
くわかん
)
の
文字
(
もんじ
)
を
知
(
し
)
れりや。
昌黎
(
しやうれい
)
默然
(
もくねん
)
たり。
時
(
とき
)
に
後
(
おく
)
れたる
從者
(
じゆうしや
)
辛
(
から
)
うじて
到
(
いた
)
る。
昌黎
(
しやうれい
)
顧
(
かへり
)
みて、
詢
(
と
)
うて
曰
(
いは
)
く、
此
(
こ
)
の
地
(
ち
)
何處
(
いづこ
)
ぞ。
藍關
(
らんくわん
)
にて
候
(
さふらふ
)
。
花間文字
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
一同
(
いちどう
)
は
詮方
(
せんかた
)
なく
海岸
(
かいがん
)
の
家
(
いへ
)
に
皈
(
かへ
)
つたが、
全
(
まつた
)
く
火
(
ひ
)
の
消
(
き
)
えた
後
(
あと
)
のやうに、
淋
(
さび
)
しく
心細
(
こゝろぼそ
)
い
光景
(
くわうけい
)
。
櫻木大佐
(
さくらぎたいさ
)
は
默然
(
もくねん
)
として
深
(
ふか
)
く
考
(
かんがへ
)
に
沈
(
しづ
)
んだ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
自分は
默然
(
もくねん
)
としてわが
室
(
へや
)
に歸つた。さうして
胡瓜
(
きうり
)
の音で
他
(
ひと
)
を
焦
(
じ
)
らして死んだ男と、
革砥
(
かはど
)
の音を羨ましがらせて
快
(
よ
)
くなつた人との相違を心の中で思ひ比べた。
変な音
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
差上申べしと云ば伯母お早も
默然
(
もくねん
)
として居たりしが此上にも傳吉殿に
養
(
やしな
)
はれ申も氣の毒なり梅方へ參り度と申ければ其儀なら私しが
貯
(
ため
)
たる金子百五十兩の中を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
維盛卿も、傍らに
侍
(
じ
)
せる重景も
首
(
かうべ
)
を垂れて
默然
(
もくねん
)
たり。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
『あら、あら、あの
音
(
おと
)
は——。』と
日出雄少年
(
ひでをせうねん
)
は
眼
(
め
)
をまん
丸
(
まる
)
にして
母君
(
はゝぎみ
)
の
優
(
やさ
)
しき
顏
(
かほ
)
を
仰
(
あふ
)
ぐと、
春枝夫人
(
はるえふじん
)
は
默然
(
もくねん
)
として、
其
(
その
)
良君
(
をつと
)
を
見
(
み
)
る。
濱島武文
(
はまじまたけぶみ
)
は
靜
(
しづ
)
かに
立上
(
たちあが
)
つて
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
といふを聞て天忠
暫
(
しば
)
し兩手を
組
(
くみ
)
て
默然
(
もくねん
)
たりしが
稍
(
やゝ
)
有て三人に
向
(
むか
)
ひ
拙僧
(
せつそう
)
少し所存あり夫は只今此所へ茶を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
宗助
(
そうすけ
)
は
暗
(
くら
)
い
座敷
(
ざしき
)
の
中
(
なか
)
で
默然
(
もくねん
)
と
手焙
(
てあぶり
)
へ
手
(
て
)
を
翳
(
かざ
)
してゐた。
灰
(
はひ
)
の
上
(
うへ
)
に
出
(
で
)
た
火
(
ひ
)
の
塊
(
かた
)
まり
丈
(
だけ
)
が
色
(
いろ
)
づいて
赤
(
あか
)
く
見
(
み
)
えた。
其
(
その
)
時
(
とき
)
裏
(
うら
)
の
崖
(
がけ
)
の
上
(
うへ
)
の
家主
(
やぬし
)
の
家
(
うち
)
の
御孃
(
おぢやう
)
さんがピヤノを
鳴
(
なら
)
し
出
(
だ
)
した。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
默
部首:⿊
16画
然
常用漢字
小4
部首:⽕
12画
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默
默止
默祷
默々
默禮
默頭
默言
默示録
默念
默拜