旧字:騷々
「やいやい、岩吉、騒々しいぞ。御用を預かる家で、一々大変だなんぞと云ってたんじゃ、客人に笑われるぜ。気をつけろい」
乳を刺す:黒門町伝七捕物帳 (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
クリストフは騒々しく話しだし、頭に浮かぶことはなんでも言ってのけ、オットーを厭になるほどなれなれしく取扱った。
ジャン・クリストフ:04 第二巻 朝 (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
ふだん何ごともない時には、いつも駈けたり跳ねたり、つまずいたり、たんかをきったり、とても騒々しいあわてん坊で、一人で町内をさわがしているんだが。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
愛子が注意の上に注意をしてこそとの音もさせまいと気をつかっているのに、葉子がわざとするかとも思われるほど騒々しく働くさまは、日ごろとはまるで反対だった。
その晩は無事に寝て、翌朝、隣の室が騒々しいので、竜之助は朝寝の夢を破られました。ああ、昨夜の男女の客は——惜しい宝を石に落して砕いたような気持がしないでもない。
大菩薩峠:03 壬生と島原の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
旧聞日本橋:23 鉄くそぶとり(続旧聞日本橋・その二) (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
青べか日記:――吾が生活 し・さ (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
「岩、てめえの話ア、騒々しくっていけねえ。黒門町もいる事だ。もうちっと落ち着いて話をしねえ」
乳を刺す:黒門町伝七捕物帳 (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
いやもっと、元気いっぱいで、いつも騒々しく賑やかなのは、小姓組であった。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
大菩薩峠:06 間の山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
はつ恋 (新字新仮名) / イワン・ツルゲーネフ(著)
ジャン・クリストフ:04 第二巻 朝 (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
酔っている男、笑っている女、賑やかを通り越して騒々しい位であるが、そのなかで酒も飲まず、しかも独りぼっちの若い記者は唯ぼんやりと坐っているのである。隣りの老人にも連れはない。
この時に行手の方で、騒々しい人の足音と、声とが起りました。
大菩薩峠:18 安房の国の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「はて。騒々しいのう」
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかしすぐその後で彼女は、彼がはしゃいでいると、あまり騒々しく笑うと言ってきびしく非難した。彼は驚いた。笑うのにも彼女に気がねをしなければならないとは思いもよらないことだった。
ジャン・クリストフ:04 第二巻 朝 (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)