)” の例文
もなくいんさまは三浦みうらすけ千葉ちばすけ二人ふたり武士ぶしにおいいつけになって、なんさむらい那須野なすのはらててわたしをさせました。
殺生石 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
西町奉行にしまちぶぎやう荒尾但馬守あらをたじまのかみが、江戸表えどおもてから着任ちやくにんするといふので、三十與力よりきは、非番ひばん同心どうしんれて、先例せんれいとほ守口もりぐちまで出迎でむかへた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
時に、鉄鋲てっぴょうった鉢兜はちかぶと小具足こぐそくをつけ、背に伝令旗でんれいばたし立てた一、伊那丸のめいをうけて、五陣のあいだをかけめぐりながら
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しょうはなて、そうすれば、うおし、波をひらいて去らん、というのを微吟びぎんして、思わず、えりにはらはらと涙が落ちる。
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
このお話は、そういう出没自在しゅつぼつじざい神変しんぺんふかしぎの怪賊と、日本一の名探偵めいたんてい明智小五郎あけちこごろうとの、力と力、知恵と知恵、火花をちらす、一うちの大闘争だいとうそうの物語です。
怪人二十面相 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
明兵みんぺいは、朝月めがけて、やり青竜刀せいりゅうとうをかざしてせまった。人馬じんばちのものすごい光景が、どっと、もえあがる火にうき上がったのを見たのは味方であった。
三両清兵衛と名馬朝月 (新字新仮名) / 安藤盛(著)
「何をいかるやいかの——にわかげきする数千突如とつじょとして山くずれ落つ鵯越ひよどりごえ逆落さかおとし、四絃しげんはし撥音ばちおと急雨きゅううの如く、あっと思う間もなく身は悲壮ひそう渦中かちゅうきこまれた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
りようの・むしたる、(一一二)擾狎ぜうかふしてし。しかれどもその喉下こうか(一一三)逆鱗げきりん(一一四)徑尺けいしやくなるあり。ひとこれるるあればすなはかならひところす。人主じんしゆにもまた逆鱗げきりんり。
関東の各地に行われているオシラこうの祭神は、馬にし桑の枝を手に持った女人像の掛軸かけじくであり、名馬に導かれて天に昇り、絹をく一種の虫となってふたたびこの世にくだったという
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
「本田か、ふむ。……だが、室崎と一うちでは、ちょっと骨だったろう。」
次郎物語:02 第二部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
十二ぐわつの四であつた。幻花子げんくわしと二くつわならべてつてると。
上宮太子じやうぐうたいし天馬てんばして
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
為朝ためともれいの二十八をつれて西にしもんまもっておりますと、そこへ清盛きよもり重盛しげもり大将たいしょうにして平家へいけ軍勢ぐんぜいがおしよせてました。
鎮西八郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
「忍剣どのも加わるとあれば、千兵せんぺいにまさる今日きょうの味方、穴山一族の武者どもが、たとえ、いくいくあろうとも、おそるるところはござりませぬ」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あきらかなる時、花のおぼろなるゆうべ、天女が、この縁側えんがわに、ちょっと端居はしいの腰を掛けていたまうと、経蔵から、侍士じし童子どうじ払子ほっす錫杖しゃくじょうを左右に、赤い獅子にして、文珠師利もんじゅしりが、悠然と、草をのりながら
七宝の柱 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
丑満うしみつごろになると、三百城門じょうもんを開き、明軍みんぐんの中に突撃とつげきした。
三両清兵衛と名馬朝月 (新字新仮名) / 安藤盛(著)
こうなると為朝ためとも一人ひとりいかにりきんでもどうもなりません。れいの二十八もちりぢりになってしまったので、ただ一人ひとり近江おうみほうちて行きました。
鎮西八郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
「けっして、かれをおそれるわけではありませぬが、音にきこえた天嶮てんけん野武士城のぶしじょう、いかに七の勇があっても攻めて落ちるはずのものとは思われませぬ」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
漆塗うるしぬり、金の八角はちかくの台座には、本尊、文珠師利もんじゅしり、朱の獅子にしておわします。獅子のまなこ爛々らんらんとして、かっと真赤な口を開けた、青い毛の部厚な横顔がられるが、ずずッと足を挙げそうな構えである。
七宝の柱 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
夜討ようちなどということは、おまえなどの仲間なかまの二十か三十でやるけんか同様どうようぜりあいならばらぬこと、おそおおくも天皇てんのう上皇じょうこうのおあらそいから
鎮西八郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
それはもうながながい九ねんたたかいもそろそろおしまいになろうという時分じぶんのことでした。ある日はげしいいくさのあとで、義家よしいえてき大将たいしょう貞任さだとうとただ二人ふたり、一ちの勝負しょうぶをいたしました。
八幡太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)