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ふりがな文庫
“
馬方
(
うまかた
)” の例文
馬方
(
うまかた
)
と
馬方
(
うまかた
)
が
喧嘩
(
けんくわ
)
をはじめました。
砂
(
すな
)
ツぽこりの
大道
(
だいどう
)
の
地
(
ぢ
)
べたで、
上
(
うへ
)
になつたり
下
(
した
)
になつたり、まるであんこ の
中
(
なか
)
の
團子
(
だんご
)
のやうに。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
そう言って
甚兵衛
(
じんべえ
)
は、仲間の
馬方
(
うまかた
)
や村の人達の間をたずね廻りましたが、誰一人としてそんなことを知ってる者はいませんでした。
天下一の馬
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
部落の人達も、
植付期
(
うえつけどき
)
とか
収穫期
(
とりいれどき
)
とかの、農繁期になると、子供の
馬方
(
うまかた
)
で間に合うようなときには、伝平をわざわざ頼みに来た。
馬
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
と
馬方
(
うまかた
)
が
言
(
い
)
ひますと、
馬
(
うま
)
は
片足
(
かたあし
)
づゝ
盥
(
たらひ
)
の
中
(
なか
)
へ
入
(
い
)
れます。
馬
(
うま
)
の
行水
(
ぎやうずゐ
)
は
藁
(
わら
)
でもつて、びつしより
汗
(
あせ
)
になつた
身體
(
からだ
)
を
流
(
なが
)
してやるのです。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
夏の炎天
神田
(
かんだ
)
の
鎌倉河岸
(
かまくらがし
)
、
牛込揚場
(
うしごめあげば
)
の河岸などを通れば、荷車の馬は
馬方
(
うまかた
)
と共につかれて、
河添
(
かわぞい
)
の大きな柳の木の
下
(
した
)
に居眠りをしている。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
なにかと思って見ると、
街道稼
(
かいどうかせ
)
ぎの
荷物持
(
にもつも
)
ちか
馬方
(
うまかた
)
らしいならず者がふたり、
黒鉄
(
くろがね
)
に
毛
(
け
)
をはやしたような
腕
(
うで
)
ぶしをまくりあげて
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
馬方
(
うまかた
)
らは夜行には、たいてい十人ばかりも
群
(
むれ
)
をなし、その一人が
牽
(
ひ
)
く馬は
一端綱
(
ひとはづな
)
とてたいてい五六七
匹
(
ぴき
)
までなれば、常に四五十匹の馬の数なり。
遠野物語
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
この場合において
馬方
(
うまかた
)
は資本家であり、馬は労働者である。ただ人間の労働者とちがうのは、口が利けない事である。プロパガンダの出来ない事である。
鑢屑
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
そのクリスマスの晩に、テナルディエ飲食店の天井の低い広間の中では、
馬方
(
うまかた
)
や行商人など数人の男が、四、五の
燭台
(
しょくだい
)
のまわりに陣取って酒を飲んでいた。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
一風
(
いっぷう
)
変わったつもりか知らないけど……。それから、すぐに
鼻唄
(
はたうた
)
を歌ったり、歯と歯の間で口笛を吹いたり、気楽な
馬方
(
うまかた
)
の
真似
(
まね
)
をしたら、今度は承知しないよ。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
でも
心配
(
しんぱい
)
なので、おとうさんがうしろからそっとついて行きますと、たにしの子は馬の上から、
馬方
(
うまかた
)
のするとおりかけ声ひとつで、きように馬を進めて行きました。
たにしの出世
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
醉
(
よ
)
つ
拂
(
ぱら
)
つたか、
寢込
(
ねこ
)
んだか、
馬方
(
うまかた
)
め、
馬鹿
(
ばか
)
にしやがると、
異説
(
いせつ
)
、
紛々
(
ふん/\
)
たる
所
(
ところ
)
へ、
提灯
(
ちやうちん
)
片手
(
かたて
)
に
息
(
いき
)
せいて
十六夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
私
(
わたし
)
は、いわれるままに
立
(
た
)
っていました。そのうちに
馬方
(
うまかた
)
は、
馬
(
うま
)
を
引
(
ひ
)
いていってしまいました。ガラガラと
車
(
くるま
)
の
音
(
おと
)
は、しばらく
遠
(
とお
)
くなるまで
私
(
わたし
)
の
耳
(
みみ
)
に
聞
(
き
)
こえていました。
子供の時分の話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
下僕
(
しもべ
)
とか
馬方
(
うまかた
)
とかいうような者は、皆
合羽
(
かっぱ
)
を着て居るから好都合であるけれども、
金襴
(
きんらん
)
の衣裳を着けた大臣達は、顔も手先も雨と霰に打たれながらびしょ濡れになって
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
身体は動くし、車の音はするし、
馬方
(
うまかた
)
が
無暗
(
やけ
)
に馬を叱るもんだから、なかなか寝られやしない。少しうとうとすると直ぐに目が覚めてしまう。その
中
(
うち
)
に明るくなって来た。
いたずら小僧日記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
案内に来た青年は
馬方
(
うまかた
)
で、
馬力
(
ばりき
)
の荷物のうしろの方に
空所
(
あき
)
を作って、そこに座布団を敷いて、三味線と、下駄を抱えた女を乗せると、最新流行のスットントン節を唄いながら
いなか、の、じけん
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
しかしわたしは何かわたしの仕事をさせるために馬や牛を
馴
(
な
)
らし、それを下宿させておくようなことはしない。わたしが単なる
馬方
(
うまかた
)
または牛飼いになることを恐れるからである。
森の生活――ウォールデン――:02 森の生活――ウォールデン――
(新字新仮名)
/
ヘンリー・デイビッド・ソロー
(著)
俺
(
おれ
)
は、悟空の
文盲
(
もんもう
)
なことを知っている。かつて天上で
弼馬温
(
ひつばおん
)
なる
馬方
(
うまかた
)
の役に任ぜられながら、弼馬温の字も知らなければ、役目の内容も知らないでいたほど、無学なことをよく知っている。
悟浄歎異:―沙門悟浄の手記―
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
銀座か新宿——もっとも当時の新宿は甲州街道で、お百姓と
馬方
(
うまかた
)
と
肥
(
こ
)
やし車と蠅の行列だったものだが——とにかく女給かダンサーにでもなって華やかな日を送りたいという心掛けだから
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
ある
田舎
(
いなか
)
の山里に、
甚兵衛
(
じんべえ
)
という
馬方
(
うまかた
)
がいました。
至
(
いた
)
ってのんき者で、お金がある間はぶらぶら遊んでいまして、お金がなくなると働きます。
天下一の馬
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
馬方
(
うまかた
)
、
牛方
(
うしかた
)
、人足の世話から、道路の修繕、
助郷
(
すけごう
)
の
掛合
(
かけあい
)
まで、街道一切のめんどうを見て来たその心づかいは言葉にも尽くせないものがあった。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
口をきいてるのを聞くと憲兵かとも思われ、酒を飲んでるところを見ると
馬方
(
うまかた
)
かとも思われ、コゼットをこき使ってるところを見ると
鬼婆
(
おにばば
)
とも思われるほどだった。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
これなどは荷馬車が多くなった時代に、主として
馬方
(
うまかた
)
が
篤志
(
とくし
)
ではこんだということで、これにもやはり行くさきが書いてあるのを、読める人がもう多くなったお
蔭
(
かげ
)
であった。
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
田のなかで草をとっていたお
百姓
(
ひゃくしょう
)
たちは、
馬方
(
うまかた
)
のかげも見えないのに、
俵
(
たわら
)
をつけた馬だけが、のこのこ、
畑道
(
はたけみち
)
をあるいて行くうしろ
姿
(
すがた
)
を、みんなふしぎそうに見送っていました。
たにしの出世
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
船頭
(
せんどう
)
、
馬方
(
うまかた
)
、
木樵
(
きこり
)
、
機業場
(
はたおりば
)
の
女工
(
ぢよこう
)
など、あるが
中
(
なか
)
に、
此
(
こ
)
の
木挽
(
こびき
)
は
唄
(
うた
)
を
謠
(
うた
)
はなかつた。
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
普請中
(
ふしんちゅう
)
の
貸家
(
かしや
)
も見える。道の上には長屋の子供が五、六人ずつ群をなして遊んでいる。
空車
(
からぐるま
)
を曳いた馬がいかにも疲れたらしく、
鬣
(
たてがみ
)
を垂れ、
馬方
(
うまかた
)
の背に額を押しつけながら歩いて行く。
元八まん
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
村
(
むら
)
の
酒屋
(
さかや
)
の
店前
(
みせさき
)
までくると、
馬方
(
うまかた
)
は
馬
(
うま
)
をとめました。いつものやうに、そしてにこにことそこに
入
(
はい
)
り、どつかりと
腰
(
こし
)
を
下
(
をろ
)
して
冷酒
(
ひやざけ
)
の
大
(
おほ
)
きな
杯
(
こつぷ
)
を
甘味
(
うま
)
さうに
傾
(
かたむ
)
けはじめました。一
杯
(
ぱい
)
一
杯
(
ぱい
)
また一
杯
(
ぱい
)
。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
「わたしは、みんなに
知
(
し
)
れるとひどいめにあいますから、ここから
帰
(
かえ
)
りますよ。
坊
(
ぼっ
)
ちゃんは、いまあっちからくる
馬方
(
うまかた
)
に
頼
(
たの
)
んであげます。」と、
女
(
おんな
)
はいって、ガラガラと
馬
(
うま
)
に
車
(
くるま
)
を
引
(
ひ
)
かせてきた
馬方
(
うまかた
)
に
子供の時分の話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
そんな
日
(
ひ
)
でも、
馬
(
うま
)
が
荷物
(
にもつ
)
をつけ、
合羽
(
かつぱ
)
を
着
(
き
)
た
村
(
むら
)
の
馬方
(
うまかた
)
に
引
(
ひ
)
かれて
雪
(
ゆき
)
の
路
(
みち
)
を
通
(
とほ
)
ることもありました。
父
(
とう
)
さんが
竹馬
(
たけうま
)
の
上
(
うへ
)
から
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
物馴
(
ものな
)
れた旅人が狐の尻尾を腰さげにして、わざとちらちらと
合羽
(
かっぱ
)
の下から見せ、
駕籠屋
(
かごや
)
・
馬方
(
うまかた
)
・宿屋の亭主に、尊敬心を起こさせたという噂は興味をもって迎えられ、甚だしきはあべこべに
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
車力
(
しゃりき
)
や
馬方
(
うまかた
)
が多い時には五人も六人も休んで飯をくっている事もあった。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
引手
(
ひきて
)
も
馬方
(
うまかた
)
もない
畜生
(
ちくしやう
)
が、あの
大地震
(
おほぢしん
)
にも
縮
(
ちゞ
)
まない、
長
(
なが
)
い
面
(
つら
)
して、のそり/\と、
大八車
(
だいはちぐるま
)
のしたゝかな
奴
(
やつ
)
を、たそがれの
塀
(
へい
)
の
片暗夜
(
かたやみ
)
に、
人
(
ひと
)
もなげに
曳
(
ひ
)
いて
伸
(
の
)
して
來
(
く
)
る。
重荷
(
おもに
)
に
小
(
こ
)
づけとはこの
事
(
こと
)
だ。
十六夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「
馬方
(
うまかた
)
の甚兵衛さん、お願いですから、助けて下さい」
天下一の馬
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
「ここだ。」といって、
馬方
(
うまかた
)
は
車
(
くるま
)
を
止
(
と
)
め
子供の時分の話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
父
(
とう
)
さんがお
家
(
うち
)
の
門
(
もん
)
の
外
(
そと
)
に
出
(
で
)
て
見
(
み
)
ますと
馬
(
うま
)
が
近所
(
きんじよ
)
の
馬方
(
うまかた
)
に
引
(
ひ
)
かれて
父
(
とう
)
さんの
見
(
み
)
て
居
(
ゐ
)
る
前
(
まへ
)
を
通
(
とほ
)
ります。この
馬
(
うま
)
は
夕方
(
ゆふがた
)
になると、きつと
歸
(
かへ
)
つて
來
(
く
)
るのです。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
馬
常用漢字
小2
部首:⾺
10画
方
常用漢字
小2
部首:⽅
4画
“馬方”で始まる語句
馬方三吉
馬方宿
馬方節
馬方達