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顔色
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がんしょく
ふりがな文庫
“
顔色
(
がんしょく
)” の例文
旧字:
顏色
と、ちょろりと舌を出して
横舐
(
よこなめ
)
を、
遣
(
や
)
ったのは、
魚勘
(
うおかん
)
の小僧で、赤八、と云うが青い
顔色
(
がんしょく
)
、岡持を
振
(
ぶ
)
ら下げたなりで道草を食散らす。
白金之絵図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
一時半月旗の影のダニウーブ河畔に
翩翻
(
へんぽん
)
たりし時には、全欧州民族に
顔色
(
がんしょく
)
が無かったでないか。
然
(
しか
)
るに今果して如何の状に在るか。
現代の婦人に告ぐ
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
ああ其時のダンチョン様の不思議な物凄い顔と云ったら!
手布
(
はんけち
)
より白い其
顔色
(
がんしょく
)
(血の気など何処にもございません)釣上った、赤い
西班牙の恋
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
というから粥河はこれを飲んでは大変と
顔色
(
がんしょく
)
が変りまする。其の
間
(
うち
)
海の方に月は追々昇って来ますると、庭の
榎
(
えのき
)
に縛られて居る小兼が
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「人相はともかく、問答に事よせて、
顔色
(
がんしょく
)
を
覗
(
うかが
)
いにまいった。御落胤か、
偽
(
いつわ
)
り者か、問答しながら、顔色を見ようと——うまうま
篏
(
はま
)
った」
大岡越前の独立
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
▼ もっと見る
が、指令を終った後の法水の態度は、また意外だった。再び
旧
(
もと
)
の暗い
顔色
(
がんしょく
)
に帰って、懐疑的な錯乱したような影が往来を始めた。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
それから、私の顔を見て、今度はおずおず「どうかして」と尋ねました。私の
顔色
(
がんしょく
)
は確かに、灰のようになっていたのに相違ございません。
二つの手紙
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
それで父の意も解け、
顔色
(
がんしょく
)
も和らぐことかと思ったのは間違いで、父は恐ろしく
厳励
(
きび
)
しい声で、私に怒鳴りつけて来ました。
幕末維新懐古談:18 一度家に帰り父に誡められたはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
デモ持主は得意なもので、髭あり服あり我また
奚
(
なに
)
をか
覔
(
もと
)
めんと済した
顔色
(
がんしょく
)
で、火をくれた
木頭
(
もくず
)
と
反身
(
そっくりかえ
)
ッてお帰り遊ばす、イヤお
羨
(
うらやま
)
しいことだ。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
三合入りの大杯たてつけに五つも重ねて、赤鬼のごとくなりつつ、肩を
掉
(
ふ
)
って県会に臨めば、議員に
顔色
(
がんしょく
)
ある者少なかりしとか。さもありつらん。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
この書を写すに幾日かゝったか
能
(
よ
)
く覚えないが、何でも二十日以上三十日足らずの
間
(
あいだ
)
に写して
仕舞
(
しま
)
うて、原書の主人に
毛頭
(
もうとう
)
疑うような
顔色
(
がんしょく
)
もなく
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
急病でも起したのであろうか、
顔色
(
がんしょく
)
は土のように青ざめ、額から鼻の頭にかけて、
脂汗
(
あぶらあせ
)
が玉をなして吹き出している。
悪魔の紋章
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
顔色
(
がんしょく
)
生けるが如くにみえたので、県令はさてこそという
気色
(
きしょく
)
でいよいよ厳重に吟味したが、王はなかなか服罪しない。
女侠伝
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
二郎が
眼
(
まなこ
)
は鋭く光りて
顔色
(
がんしょく
)
は死人かと思わるるばかり
蒼白
(
あおしろ
)
く、十蔵は怪しげなる微笑を口元に帯びてわれらを迎えぬ。
おとずれ
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
キラリと光る
刃
(
やいば
)
、女どもはさすがに
顔色
(
がんしょく
)
を失いました。早瀬は深々と顔を埋めて、兄の顔を仰ぐ気力もありません。
銭形平次捕物控:045 御落胤殺し
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
この書肆の資金を以て文芸その他諸雑誌の発行に着手せんかこれまで
独天下
(
ひとりてんか
)
の春陽堂博文館ともどもに
顔色
(
がんしょく
)
なからんとわれ
人
(
ひと
)
共に第一号の発刊を待ちかねたり。
書かでもの記
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
妾
(
しょう
)
にちょっと当地まで来れよとの通信ありければ、病児をば人に托して直ちに旅館に至りしに、彼が
顔色
(
がんしょく
)
常ならず、身に附くものとては、ただ一着の洋服のみとなりて
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
「社長室へ呼ばれたこと丈けは確かだね。先刻廊下で行き会った時、
顔色
(
がんしょく
)
土
(
つち
)
の如くだったもの」
ガラマサどん
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
うちの主人は時々手拭と
石鹸
(
シャボン
)
をもって
飄然
(
ひょうぜん
)
といずれへか出て行く事がある、三四十分して帰ったところを見ると彼の
朦朧
(
もうろう
)
たる
顔色
(
がんしょく
)
が少しは活気を帯びて、晴れやかに見える。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「雨を帯びたるよそほひの、
太液
(
たいえき
)
の芙蓉のくれなゐ、
未央
(
びおう
)
の柳のみどりも、これにはいかでまさるべき、げにや
六宮
(
ろくきゅう
)
の
粉黛
(
ふんたい
)
の、
顔色
(
がんしょく
)
のなきもことわりや、顔色のなきもことわりや」
盲目物語
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
歯の根も合わぬほどなるも、風雨の中を縦横奔走して、指揮監督し、
或
(
あ
)
る時は自ら
鍬
(
くわ
)
を
揮
(
ふる
)
い、または自ら
衣
(
い
)
を
剥
(
ぬい
)
で人夫に与え、
力
(
つと
)
めて平気の
顔色
(
がんしょく
)
を粧い
居
(
い
)
たりしも、予も
均
(
ひと
)
しく人間なれば
寒中滞岳記:(十月一日より十二月廿一日に至る八十二日間)
(新字新仮名)
/
野中至
(著)
園部の
顔色
(
がんしょく
)
はこのとき急に
蒼白
(
そうはく
)
に変じ、身体をブルブルと震わせたが
麻雀殺人事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
平生
(
へいぜい
)
金銭に
無頓着
(
むとんじゃく
)
であった抽斎も、これには頗る当惑して、
鋸
(
のこぎり
)
の音
槌
(
つち
)
の響のする中で、
顔色
(
がんしょく
)
は次第に
蒼
(
あお
)
くなるばかりであった。五百は
初
(
はじめ
)
から兄の指図を
危
(
あやぶ
)
みつつ見ていたが、この時夫に向っていった。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
「
武
(
ぶ
)
をもって
横行
(
おうこう
)
するやからの
顔色
(
がんしょく
)
をなくしてやろうぞ」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
春照高番の里に許すまじき
顔色
(
がんしょく
)
で控えている。
大菩薩峠:36 新月の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
汝
(
わり
)
ゃ、はいはいで、用を済まいた
顔色
(
がんしょく
)
で、人間並に桟敷裏を足ばかりで立って行くが、帰ったら番頭に何と言うて返事さらすんや。
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
よもやそれ程の金入とも存じませんから
好加減
(
いゝかげん
)
に
胡麻化
(
ごまか
)
し掛けたを問詰められ、
流石
(
さすが
)
の悪人も
顔色
(
がんしょく
)
が変って返答に差詰りました。
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
しかし長老は
斯
(
こ
)
う云った時何故か其顔を
赭
(
あか
)
くした。勿論次の瞬間には僧侶らしい強い意志の力で
顔色
(
がんしょく
)
を元へ返えしはしたが。
喇嘛の行衛
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
文三は恐ろしい
顔色
(
がんしょく
)
をしてお勢の
柳眉
(
りゅうび
)
を
顰
(
ひそ
)
めた
嬌面
(
かお
)
を
疾視付
(
にらみつ
)
けたが、恋は
曲物
(
くせもの
)
、こう疾視付けた時でも
尚
(
な
)
お「美は美だ」と思わない訳にはいかなかッた。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
歌劇「ボリス・ゴドゥノフ」は驚くべき作曲で、
滴
(
したた
)
るような現実感に、従来の
嘘
(
うそ
)
八百の歌劇を
顔色
(
がんしょく
)
なからしめる。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
心配そうな顔してグチャ/\
述立
(
のべた
)
てると、奥平も
大
(
おおい
)
に驚いた
顔色
(
がんしょく
)
を作り、
左様
(
そう
)
か、ソリャ気の毒な事じゃ、
嘸
(
さぞ
)
心配であろう、
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
に早く帰国するが
宜
(
よ
)
かろう
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
治修
(
はるなが
)
は
顔色
(
がんしょく
)
を
和
(
やわら
)
げたまま、静かに三右衛門の話し出すのを待った。三右衛門は
間
(
ま
)
もなく話し出した。
三右衛門の罪
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
乃公も嘘を吐けばよかった。富田さんは見る間に
顔色
(
がんしょく
)
を変えて、何か言いたそうに口をモグモグさせたが、グーイと喉を鳴らしただけで一言もなく、さっさと出て行って
了
(
しま
)
った。
いたずら小僧日記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「そんなことを云わねえで、
後生
(
ごしょう
)
だから助けておくんなせえ。この通りだ」と、七蔵は両手をあわせて半七を拝んだ。根が差したる悪党でもない彼は、もうこうなると生きている
顔色
(
がんしょく
)
はなかった。
半七捕物帳:14 山祝いの夜
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
この
狂人
(
きちがい
)
は、突飛ばされず、打てもせず、あしらいかねた
顔色
(
がんしょく
)
で、家主は不承々々に中山高の
庇
(
ひさし
)
を、堅いから、こつんこつんこつんと
弾
(
はじ
)
く。
白金之絵図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と是から萩原束が
真赤
(
まっか
)
に酔って、耳のあたりまで
真黒
(
まっくろ
)
に
頬髭
(
ほゝひげ
)
の生えている
顔色
(
がんしょく
)
は、
赤狗
(
あかいぬ
)
が胡麻汁を喰ったようでございます。
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
小言いッて観る者は千人に一人か二人、十人が十人まず花より団子と思詰めた
顔色
(
がんしょく
)
、去りとはまた苦々しい。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
自ら血気を抑えて時としては人の
顔色
(
がんしょく
)
をも犯し、世を
挙
(
こぞ
)
って皆酔うの最中、独り自ら
醒
(
さ
)
め、独行勇進して左右を顧みざることなれば、随分容易なる
脩業
(
しゅぎょう
)
にあらず。
日本男子論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
直
(
すぐ
)
に小増に
遣
(
つか
)
わし、これから
酒肴
(
さけさかな
)
を取って機嫌好く飲んで居たが、その晩も又小増が来ないから
顔色
(
がんしょく
)
を変えて
怒
(
おこ
)
りました。
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
という
顔色
(
がんしょく
)
で、竹の鞭を、ト
笏
(
しゃく
)
に取って、
尖
(
さき
)
を握って
捻向
(
ねじむ
)
きながら、帽子の下に暗い額で、髯の白いに、金が
顕
(
あらわ
)
な
北叟笑
(
ほくそえみ
)
。
露肆
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
イヤもう
既
(
すで
)
に印度洋から軍艦を増発して何千の兵士は
唯
(
ただ
)
今支度最中、
然
(
しか
)
るにこの戦争の時期を
延
(
のば
)
して待つなどゝは
謂
(
いわ
)
れのない話だ
云々
(
うんぬん
)
と、思うさま
威嚇
(
おど
)
して聞きそうな
顔色
(
がんしょく
)
がない。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
(内へ
怪
(
ば
)
けものが出た、来てくれせえ。)と
顔色
(
がんしょく
)
、手ぶりで
喘
(
あえ
)
いで言うので。……こんな時鉄砲は強うございますよ、ガチリ、
実弾
(
たま
)
をこめました。
眉かくしの霊
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
長「黙れ、其の方がどうも其の姿や
顔色
(
がんしょく
)
にも
愧
(
は
)
じず、千代に惚れたなどと
怪
(
け
)
しからん奴だなア、
乃
(
そこ
)
で手前が割ったというも本当には出来んわ、馬鹿々々しい」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
何もそう、
顔色
(
がんしょく
)
を変えて
恐怖
(
おっかな
)
がる事もありますめえ。病気で苦しんでる処を介抱してやったといえばそれ迄のことだ。
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
今夜にも両人を
槍
(
やり
)
で
突殺
(
つきころ
)
し、其の場で己も腹
掻切
(
かきゝ
)
って死のうか、そうすれば是が御主人様の顔の見納め、と思えば
顔色
(
がんしょく
)
も青くなり、主人の顔を見て涙を流せば
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
指環は
緑紅
(
りょくこう
)
の結晶したる玉の如き
虹
(
にじ
)
である。
眩
(
まぶ
)
しかつたらう。坊主は
開
(
ひら
)
いた目も閉ぢて、
懵
(
ぼう
)
とした
顔色
(
がんしょく
)
で、しつきりもなしに、だら/\と
涎
(
よだれ
)
を垂らす。
伯爵の釵
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
と源兵衞の顔を見詰めている
中
(
うち
)
に、
顔色
(
がんしょく
)
が変ってまいると、秋月喜一郎は
態
(
わざ
)
とにや/\笑いかけました。
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「歌の先生、どうだ歌先、ちょっと奥さん、はははは、
今日
(
こんち
)
ア。」と、けろりと天井を仰いだが、陶然として酔える
顔色
(
がんしょく
)
、フフンといって中音になり
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と云い放たれ、
恟
(
びっく
)
り致したが、そこは悪党でございますから、じりゝと前へ膝を進めて
顔色
(
がんしょく
)
を変え。
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
指環は緑紅の結晶したる玉のごとき
虹
(
にじ
)
である。
眩
(
まぶ
)
しかったろう。坊主は開いた目も閉じて、
懵
(
ぼう
)
とした
顔色
(
がんしょく
)
で、しっきりもなしに、だらだらと
涎
(
よだれ
)
を垂らす。
伯爵の釵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“顔色”の意味
《名詞》
顔 色(がんしょく、かおいろ)
かおいろ。
(出典:Wiktionary)
“顔色”の解説
顔色は『世にも奇妙な物語』で1992年7月23日に放送されたストーリー。同様に『完全犯罪』『DOOR』がある。
(出典:Wikipedia)
顔
常用漢字
小2
部首:⾴
18画
色
常用漢字
小2
部首:⾊
6画
“顔色”で始まる語句
顔色容貌