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頭髪
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あたま
ふりがな文庫
“
頭髪
(
あたま
)” の例文
旧字:
頭髮
その様子を見るとまた
身体
(
からだ
)
でも良くないと思われて、真白い顔が少し
面窶
(
おもやつ
)
れがして、
櫛巻
(
くしま
)
きに
結
(
い
)
った
頭髪
(
あたま
)
がほっそりとして見える。
うつり香
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
来いと仰しゃれば
行
(
ゆ
)
きもしましょうが、
頭髪
(
あたま
)
を剃らんでも改心さえすれば宜しい頭ばかり
円
(
まる
)
くっても心を改めんでは
何
(
なん
)
にもなりません
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
お庄は
尻
(
しり
)
から二番目の妹と、一つの車に乗せられた。汽車に乗る前に、父親に町で買ってもらった
花簪
(
はなかんざし
)
などを大事そうに
頭髪
(
あたま
)
にさしていた。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
今頃は定めてお登和さんが
襷掛
(
たすきがけ
)
で
手拭
(
てぬぐい
)
を
頭髪
(
あたま
)
へ
被
(
かぶ
)
って家の中を掃除しているだろう。お登和さんは実に働きものだよ。君の幸福
想
(
おも
)
い
遣
(
や
)
られる
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
「さあ、これがお前のシャツと股引だよ。わたしはヷシカと一緒に行くんだ。あの人の
頭髪
(
あたま
)
の方が、お前よりよっぽど房々しているんだもの」
クロイツェル・ソナタ:01 クロイツェル・ソナタ
(新字新仮名)
/
レオ・トルストイ
(著)
▼ もっと見る
丁寧にこうお辞儀をするその櫛目のはいったばかりの
頭髪
(
あたま
)
へ夫人の眼がいった。その眼が徐かに離れの方を見やった。唐沢氏が半身を現して
女心拾遺
(新字新仮名)
/
矢田津世子
(著)
かたすみの煎餅蒲団に、チョビ安が、
蜻蛉
(
とんぼ
)
のような
頭髪
(
あたま
)
をのぞかせ、小さな手足を踏みはだかって、気もちよさそうな寝息を聞かせています。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
なんだと思う。
頭髪
(
あたま
)
の
黄巾
(
きれ
)
を見ろ。大賢良師張角様の
方将
(
ほうしょう
)
、馬元義というものだ。家探しして、もし食物があったら、素ッ首をはね落すがいいか
三国志:02 桃園の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
成程
頭髪
(
あたま
)
に塗つてみるとすつとして気持が
好
(
い
)
い。だが
香気
(
にほひ
)
だけは余り感心しなかつたので、よく調べてみると、上等のウイスキイだつたさうだ。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
コンナに
逆上
(
のぼ
)
せ上っては駄目だ。気を
急
(
せ
)
かしては駄目だ。一つ
頭髪
(
あたま
)
でも
刈直
(
かりなお
)
して、サッパリとしてからモウ一度、ここへ来て考え直してみるかな。
山羊髯編輯長
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
それからさらに、ルピック氏は、彼のもじゃもじゃの
頭髪
(
あたま
)
へ手を通し、そして、
虱
(
しらみ
)
でも
潰
(
つぶ
)
すように爪をぱちんと鳴らす。これが、先生得意の
戯談
(
じょうだん
)
である。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
誰の
頭髪
(
あたま
)
にも、みんな
白髪
(
しらが
)
の一本や二本——もっとあるであろう。その面上にも、細かき、荒き、
皺
(
しわ
)
が見える。
遠藤(岩野)清子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
「私がこんな幽霊のような
頭髪
(
あたま
)
をしていたもんですから、三吉さんも驚いて逃げて行って了いました……」
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「どんなに寒かったか知れない。」と爺は言いながら、堅く結んで凍っている合羽の紐を
漸
(
ようや
)
く解いた。女の巣のような
頭髪
(
あたま
)
からは、雪が解けて、
雫
(
しずく
)
が
滴
(
したた
)
っている。
凍える女
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
幸子は当日の
頭髪
(
あたま
)
を
拵
(
こしら
)
えるために雪子と二人で井谷の美容院へ出かけたが、自分はセットだけのつもりなので、雪子を先にやらせて、番の来るのを待っていると
細雪:01 上巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
ぼうぼう
頭髪
(
あたま
)
のごりごり
腮髯
(
ひげ
)
、
面
(
かお
)
は
汚
(
よご
)
れて
衣服
(
きもの
)
は
垢
(
あか
)
づき破れたる見るから厭気のぞっとたつほどな様子に、さすがあきれて
挨拶
(
あいさつ
)
さえどぎまぎせしまま急には出ず。
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
あの頃、よく、
頭髪
(
あたま
)
に花をさした美しい娘が、君のアトリエの前で馬車を止めさせて、君が絵を描くのを見てゐた。さも、君の描いてゐる絵が、よくわかるやうな顔をして見てゐた。
序文
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
生涯を学問に貢献しやうといふ先生が嬢様のお気に入らうと
頭髪
(
あたま
)
を
仏蘭西
(
フランス
)
風とかに刈つて香水を
塗
(
なす
)
りつけコスメチツクで髯を堅め金縁目鏡に金指環で
妙
(
おつ
)
ウ容子振つた
態
(
さま
)
は堪らない子。
犬物語
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
(著)
その
中
(
うち
)
にやっと順番が来て事務所へ呼ばれて行くと、
頭髪
(
あたま
)
をてかてかにひからせた二十四、五の男が
仔細
(
しさい
)
らしく住処、姓名、年齢、経歴、それからこれまでの職業などを質問した後
ひかげの花
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
次ぎにエンマは、結婚の翌朝、彼が
頭髪
(
あたま
)
に櫛を当てている時、鏡に映って見えたのだが、前頭部の髪の中に、間違う可くもなく、すこし変った形をした傷痕があるのを認めたと言った。
消えた花婿
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
後から見ると
頭髪
(
あたま
)
ばかりが若いので、貞之進はいよ/\
落胆
(
がっかり
)
して、すぐに出るも変なものとちょっと坐りは坐ったが、高座で何事を云うか耳には
這入
(
はいら
)
ない、
他
(
ひと
)
の笑ったのに誘われて顔を挙げると
油地獄
(新字新仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
洋行帰りのハイカラで、牛乳配達のように綺麗に
頭髪
(
あたま
)
を分けている。頭も気に入ったが
此男
(
このおとこ
)
の帽子も気に入った。山高の低い奴で、此頃流行の形だ。手品師も丁度
此
(
こ
)
んな帽子を使ったと覚えている。
いたずら小僧日記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
偏
(
ひと
)
えにそれはかれの如才なさのたまものだった。たとえば、かれは、支那兵に扮するのに
頭髪
(
あたま
)
を丸坊主にしてかゝった。舞台の合い間には何くれとなく、自分からすゝんで上の役者たちの用を足した。
春泥
(新字新仮名)
/
久保田万太郎
(著)
頭髪
(
あたま
)
を
剃
(
す
)
って
斯
(
こ
)
んな身の上になったから逢われますものゝ、定めて不実の親だと腹も立ちましょうが、どうぞ堪忍して下さいあやまります
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
看
(
み
)
ればハイカラに仕立てたお島の
頭髪
(
あたま
)
は、ぴかぴかする安宝石で輝き、指にも見なれぬ指環が光って、体に
咽
(
むせ
)
ぶような香水の
匂
(
におい
)
がしていた。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「ああ悔しい‼……思いつめた女に友達と見変えられた」といってかっと両子で
頭髪
(
あたま
)
を引っ
掻
(
か
)
いて蒲団の中で
身悶
(
みもだ
)
えした。
うつり香
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
壁の根に背をあずけてコクリコクリやっていると——
何刻
(
なんどき
)
経ったか、ふと、しきりに
頭髪
(
あたま
)
にさわるものがあるので、右近は夢中で手をやって払い
退
(
の
)
けた。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
この頃は自分の
頭髪
(
あたま
)
を掻きまわしたり、耳の上を挙固でコツンコツンとなぐったりしてここがドウかなっているに違いない違いないと云い出しはじめた。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
で何かの会合で知合に
出会
(
でつくは
)
すと、鼻先を見る前に(実業家といふものは、
狗
(
いね
)
と同じで、鼻先さへ見ればその日の機嫌がわかるものだ)先づ
頭髪
(
あたま
)
へ気をつける。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
源太は却つて
心
(
しん
)
から
可笑
(
をかし
)
く思ふとも知らずにお傳はすいと明くれば、のろりと入り来る客は色ある新造どころか香も艶もなき無骨男、ぼう/\
頭髪
(
あたま
)
のごり/\
腮髯
(
ひげ
)
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
「橋本さん——貴方はそんな
頭髪
(
あたま
)
をしていらっしゃるから旦那に捨てられるんです」
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「おいでなさい。」と、おじいさんは、
目
(
め
)
をこすりながら
立
(
た
)
ち
上
(
あ
)
がりました。そして、
曲
(
ま
)
がった
脊
(
せ
)
をのして、いすに
腰
(
こし
)
をかけて、
鏡
(
かがみ
)
に
向
(
む
)
かっている
若者
(
わかもの
)
の
頭髪
(
あたま
)
を
刈
(
か
)
ろうといたしました。
てかてか頭の話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
美妙は
鯔
(
いな
)
の背のように光ったベラベラ着物に
角帯
(
かくおび
)
をキチンと締め、イツでも
頭髪
(
あたま
)
を奇麗に分けて
安香水
(
やすこうすい
)
の匂いをさしていたが、紅葉は
燻
(
くす
)
んだ光らない着物に絞りの
兵児帯
(
へこおび
)
をグルグル巻いて
美妙斎美妙
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
雪子は井谷の美容院へ明日の
頭髪
(
あたま
)
を
拵
(
こしら
)
えに行っていて留守であったが、帰って来て話を聞くと、外のことは承知したけれども、集合の場所をオリエンタルホテルにしたことについて難色を示した。
細雪:01 上巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
又初めの沈黙に帰って居ると、婢は小歌の
頭髪
(
あたま
)
を見て、洗ったね何だか
低
(
さが
)
ったようだよそれに
鬢
(
びん
)
がと云って手を掛けようとするを、何でもいゝんだよこれが好きだって、おやそうだれが、
良人
(
やど
)
がさ
油地獄
(新字新仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
と、振向いて、お内儀さんの
頭髪
(
あたま
)
の
禿
(
はげ
)
をそこから見下ろす。
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
美代 もう、
頭髪
(
あたま
)
分
(
わ
)
けてんのね。
空の悪魔(ラヂオ・ドラマ)
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
お増は
階下
(
した
)
で着更えをすると、
埃
(
ほこり
)
っぽい顔を洗ったり、袋から出した懐中鏡で、気持のわるい
頭髪
(
あたま
)
に櫛を入れたりしていた。
爛
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
二、三日
逢
(
あ
)
わなかった懐かしい顔は
櫛巻
(
くしま
)
きに
束
(
つか
)
ねた
頭髪
(
あたま
)
に、
蒼白
(
あおじろ
)
く
面窶
(
おもやつ
)
れを見せて
平常
(
いつも
)
よりもまだ好く思われた。
うつり香
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
比丘尼
(
びくに
)
は
前名
(
ぜんみょう
)
を熊と申す女に
似気
(
にげ
)
ない放蕩無頼を致しました
悪婆
(
あくば
)
でございまするが、今はもう改心致しまして、
頭髪
(
あたま
)
を
剃
(
そ
)
り落し、鼠の着物に腰衣を着け
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「へい/\、お値段の所は精々勉強いたしてございます。」番頭は櫛の目の立つた
頭髪
(
あたま
)
へ一寸手をやつた。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
……鼻が
尖
(
と
)
んがって……眼が落ち
窪
(
くぼ
)
んで……
頭髪
(
あたま
)
が
蓬々
(
ぼうぼう
)
と乱れて……
顎鬚
(
あごひげ
)
がモジャモジャと延びて……。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
今思えば
真実
(
ほんと
)
に
夢
(
ゆめ
)
のようなことでまるで
茫然
(
ぼんやり
)
とした事だが、まあその頃はおれの
頭髪
(
あたま
)
もこんなに
禿
(
は
)
げてはいなかったろうというものだし、また色も少しは白かったろうというものだ。
太郎坊
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
今までどこに
潜
(
ひそ
)
んでいたのか、
縞
(
しま
)
の着物に
股引
(
ももひ
)
き
腹掛
(
はらが
)
け、
頭髪
(
あたま
)
も変えて、ちょいと前のめりに
麻裏
(
あさうら
)
を突っかけて、歩こうかという、すっかり職人姿の
舞台
(
いた
)
に付いているこの喬之助である。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
毛並のいい
頭髪
(
あたま
)
を
銀杏返
(
いちょうがえ
)
しに結って、
中形
(
ちゅうがた
)
のくしゃくしゃになった
寝衣
(
ねまき
)
に、
紅
(
あか
)
い
仕扱
(
しごき
)
を締めた姿が、細そりしていた。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
旦那が少し
春気
(
はるけ
)
で
頭髪
(
あたま
)
が
痒
(
か
)
いゝから床屋を呼びにやってくれと云うと、はてな、まだ
毎
(
いつ
)
もより少し刈込みがお早いが、それには何処かへお
出
(
いで
)
なさるのだろう
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
お見かけの通り黒っぽい木綿着物に白木綿の古
兵児帯
(
へこおび
)
を
締
(
しめ
)
て、
頭髪
(
あたま
)
を
蓬々
(
ぼうぼう
)
とさしておりますから、多少
老
(
ふ
)
けて見えるかも知れませぬが、よく御覧になりましたならば
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
那威
(
ノールウエー
)
の詩人イブセンは色々人と
異
(
ちが
)
つた癖をたんと持つてゐたが、
頭髪
(
あたま
)
の好みなぞもその一つで、普通ならば綺麗に櫛の目が立つたのがよかりさうなものだのに、その人は
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
不思議でしょう! ……あなた此の頃、
頭髪
(
あたま
)
に付ける
香油
(
あぶら
)
かなんか買って来たでしょう。ちゃんと机の上に瓶が置いてあるというではありませんか。そうして鏡を見ては
頭髪
(
かみ
)
を
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
目こする
間
(
ま
)
に、さっさと
髷
(
まげ
)
に取揚げられた内儀さんの
頭髪
(
あたま
)
は、
地
(
じ
)
が所々
引釣
(
ひきつ
)
るようで、痛くて
為方
(
しかた
)
がなかった。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
“頭髪”の解説
頭髪(とうはつ)は、ヒトの頭部に生える毛である。毛髪(もうはつ)、髪の毛(かみのけ)、また単に髪(かみ)ともいう。
(出典:Wikipedia)
頭
常用漢字
小2
部首:⾴
16画
髪
常用漢字
中学
部首:⾽
14画
“頭髪”で始まる語句
頭髪飾