トップ
>
難義
>
なんぎ
ふりがな文庫
“
難義
(
なんぎ
)” の例文
行く手は二丁ほどで切れているが、高い所から赤い
毛布
(
けっと
)
が動いて来るのを見ると、登ればあすこへ出るのだろう。路はすこぶる
難義
(
なんぎ
)
だ。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
平常
(
つね
)
の
美登利
(
みどり
)
ならば
信如
(
しんによ
)
が
難義
(
なんぎ
)
の
體
(
てい
)
を
指
(
ゆび
)
さして、あれ/\
彼
(
あ
)
の
意久地
(
いくぢ
)
なしと
笑
(
わら
)
ふて
笑
(
わら
)
ふて
笑
(
わら
)
ひ
拔
(
ぬ
)
いて、
言
(
い
)
ひたいまゝの
惡
(
にく
)
まれ
口
(
ぐち
)
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
是
(
これ
)
東南
寸雪
(
すんせつ
)
の国の事也、北方
丈雪
(
ぢやうせつ
)
の国我が越後の雪
深
(
ふかき
)
ところの雪吹は雪中の
暴風
(
はやて
)
雪を
巻騰
(
まきあぐる
)
飇
(
つぢかぜ
)
也。雪中第一の
難義
(
なんぎ
)
これがために死する人年々也。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
◎
大阪
(
おおさか
)
俳優
中村福円
(
なかむらふくえん
)
の
以前
(
もと
)
の
住居
(
すまい
)
は、
鰻谷
(
うなぎだに
)
の
東
(
ひがし
)
の
町
(
ちょう
)
であったが、弟子の
琴之助
(
ことのすけ
)
が肺病に
罹
(
かか
)
り余程の重態なれど、
頼母
(
たのも
)
しい親族も無く
難義
(
なんぎ
)
すると聞き自宅へ
引取
(
ひきとり
)
やりしが
枯尾花
(新字新仮名)
/
関根黙庵
(著)
斯
(
か
)
う
難義
(
なんぎ
)
をさせますかと思ひますれば、誠にお
恥
(
はづ
)
かしいことでございます。
大仏餅。袴着の祝。新まへの盲目乞食
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
かゝる
嵐
(
あらし
)
に
値
(
あひ
)
て人に
難義
(
なんぎ
)
をかくるほどなればとても
極楽
(
ごくらく
)
へはゆかるまじ、などつぶやきつゝ立いづるを見て、吾が国の
雪吹
(
ふゞき
)
に
比
(
くら
)
ぶればいと安しとおもへり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
胸
(
むね
)
はわくわくと
上氣
(
じようき
)
して、
何
(
ど
)
うでも
明
(
あ
)
けられぬ
門
(
もん
)
の
際
(
きわ
)
にさりとも
見過
(
みすご
)
しがたき
難義
(
なんぎ
)
をさま/″\の
思案
(
しあん
)
盡
(
つく
)
して、
格子
(
かうし
)
の
間
(
あいだ
)
より
手
(
て
)
に
持
(
も
)
つ
裂
(
き
)
れを
物
(
もの
)
いはず
投
(
な
)
げ
出
(
いだ
)
せば
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
かゝる
嵐
(
あらし
)
に
値
(
あひ
)
て人に
難義
(
なんぎ
)
をかくるほどなればとても
極楽
(
ごくらく
)
へはゆかるまじ、などつぶやきつゝ立いづるを見て、吾が国の
雪吹
(
ふゞき
)
に
比
(
くら
)
ぶればいと安しとおもへり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
珍
(
めづ
)
らしき
客
(
きやく
)
に
馳走
(
ちそう
)
は
出來
(
でき
)
ねど
好物
(
かうぶつ
)
の
今川燒
(
いまがはやき
)
、
里芋
(
さといも
)
の
煮
(
に
)
ころがしなど、
澤山
(
たくさん
)
たべろよと
言
(
い
)
ふ
言葉
(
ことば
)
が
嬉
(
うれ
)
し、
苦勞
(
くらう
)
はかけまじと
思
(
おも
)
へど
見
(
み
)
す
見
(
み
)
す
大晦日
(
おほみそか
)
に
迫
(
せま
)
りたる
家
(
いゑ
)
の
難義
(
なんぎ
)
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
雪吹
(
ふゞき
)
の人を
殺
(
ころ
)
す事大方右に
類
(
るゐ
)
す。
暖地
(
だんち
)
の人花の
散
(
ちる
)
に
比
(
くらべ
)
て
美賞
(
びしやう
)
する
雪吹
(
ふゞき
)
と其
異
(
ことなる
)
こと、
潮干
(
しほひ
)
に
遊
(
あそ
)
びて
楽
(
たのしむ
)
と
洪濤
(
つなみ
)
に
溺
(
おぼれ
)
て
苦
(
くるしむ
)
との
如
(
ごと
)
し。雪国の
難義
(
なんぎ
)
暖地
(
だんち
)
の人おもひはかるべし。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
世
(
よ
)
にたのまれぬを
男心
(
をとこごゝろ
)
といふ、それよ
秋
(
あき
)
の
空
(
そら
)
の
夕日
(
ゆふひ
)
にはかに
掻
(
か
)
きくもりて、
傘
(
かさ
)
なき
野道
(
のみち
)
に
横
(
よこ
)
しぶきの
難義
(
なんぎ
)
さ、
出
(
で
)
あひし
物
(
もの
)
はみな
其樣
(
そのやう
)
に
申
(
まを
)
せども
是
(
こ
)
れみな
時
(
とき
)
のはづみぞかし
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
さりとて
此
(
この
)
まゝさし
置
(
お
)
かんに、
内政
(
ないせい
)
のみだれ
世
(
よ
)
の
攻撃
(
こうげき
)
の
種
(
たね
)
に
成
(
な
)
りて、
淺
(
あさ
)
からぬ
難義
(
なんぎ
)
現在
(
げんざい
)
の
身
(
み
)
の
上
(
うへ
)
にかゝれば、いかさまに
爲
(
せ
)
ばやと
持
(
も
)
てなやみぬ、
我
(
わが
)
まゝも
其
(
その
)
まゝ、
氣隨
(
きずい
)
も
其
(
その
)
まゝ
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
姉
(
あね
)
たちの
難義
(
なんぎ
)
が
見
(
み
)
ゆる
樣
(
やう
)
なれば、
今
(
いま
)
しばらく
止
(
と
)
まりてと、
母君
(
はヽぎみ
)
は
物
(
もの
)
やはらかに
曰
(
のたま
)
ひたれど、お
許
(
ゆる
)
しの
出
(
いで
)
しに
甲斐
(
かひ
)
なく、
夫々
(
それ/\
)
に
支度
(
したく
)
して
老實
(
まめやか
)
の
侍女
(
つき
)
を
撰
(
え
)
らみ、
出立
(
しゆつたつ
)
は
何日々々
(
いつ/\
)
と
内々
(
ない/\
)
に
取
(
とり
)
きめけるを
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
今更
(
いまさら
)
難義
(
なんぎ
)
と
思
(
おも
)
ふ
時
(
とき
)
もあれど、
召使
(
めしつか
)
ひの
人々
(
ひと/″\
)
心
(
こゝろ
)
を
得
(
え
)
て
御命令
(
おいひつけ
)
なきに
眞柴
(
ましば
)
折
(
をり
)
くべ、お
加减
(
かげん
)
が
宜
(
よろ
)
しう
御座
(
ござ
)
りますと
朝床
(
あさどこ
)
のもとへ
告
(
つ
)
げて
來
(
く
)
れば、
最
(
も
)
う
廢
(
よ
)
しませうと
幾度
(
いくたび
)
か
思
(
おも
)
ひつゝ、
猶
(
なほ
)
相
(
あひ
)
かはらぬ
贅澤
(
ぜいたく
)
の一つ
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
此下駄
(
このげた
)
で
田町
(
たまち
)
まで
行
(
ゆ
)
く
事
(
こと
)
かと
今
(
いま
)
さら
難義
(
なんぎ
)
は
思
(
おも
)
へども
詮方
(
せんかた
)
なくて
立上
(
たちあが
)
る
信如
(
しんによ
)
、
小包
(
こづゝ
)
みを
横
(
よこ
)
に二タ
足
(
あし
)
ばかり
此門
(
このもん
)
をはなれるにも、
友仙
(
ゆうぜん
)
の
紅葉
(
もみじ
)
目
(
め
)
に
殘
(
のこ
)
りて、
捨
(
す
)
てゝ
過
(
す
)
ぐるにしのび
難
(
がた
)
く
心殘
(
こゝろのこ
)
りして
見返
(
みかへ
)
れば
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
難
常用漢字
小6
部首:⾫
18画
義
常用漢字
小5
部首:⽺
13画
“難”で始まる語句
難
難有
難波
難儀
難渋
難所
難癖
難題
難船
難破