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金子
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かね
ふりがな文庫
“
金子
(
かね
)” の例文
巾着の紐が指に引懸って横になるとパラ/\/\と中から
金子
(
かね
)
が
散乱
(
ちらばっ
)
たから慌てゝお筆が之を隠し手拭を
一筋
(
ひとつ
)
に一朱銀を
一個
(
ひとつ
)
出して
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
併し町人と違つて其処が大名育ちだから
強
(
あなが
)
ち
金子
(
かね
)
で張らうといふ
鄙
(
さも
)
しい考は無いやうだが、イヤモウ一生懸命に
精々
(
せつせ
)
と進物を運び込む。
犬物語
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
(著)
そんなものを見るために一銭二銭の
金子
(
かね
)
を払って嬉しがっているのは多く
頑是
(
がんぜ
)
ない子供ですが、まことに浅ましい事ではございませんか。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
どうやら彼の父は、
金子
(
かね
)
を貯めよ
金子
(
かね
)
を貯めよと、口先だけは喧ましく言っても、自分ではいっこう貯めなかったものと見える。
死せる魂:02 または チチコフの遍歴 第一部 第二分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
玄知は
家
(
うち
)
に帰つて、これまで持ち慰さむだ茶道具の幾つかを売払つた。そして
金子
(
かね
)
を
懐中
(
ふところ
)
に、いそいそと小百姓を訪ねて往つた。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
▼ もっと見る
一方子爵がどの位の
金子
(
かね
)
をもって旅に出たかは不明であるけれども、発見された時には
弗
(
ドル
)
入の中に二十円たらずの金があったばかりだった。
正義
(新字新仮名)
/
浜尾四郎
(著)
「あの、極りが悪いんですがね、お前さんのために使おうと思ったのを、使わないで済んだんです。お
金子
(
かね
)
だと思わないで、お千世さん。」
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それから充分に
金子
(
かね
)
も送ってくれましたし、衣服等も汚れれば直ぐ郷里へ送り返すと、新しい着替えを送ってくれるというようになりました。
職業の苦痛
(新字新仮名)
/
若杉鳥子
(著)
申さぬシテ何事で御座ると問に掃部イヤ外の事でも御座らぬが我々の
親分
(
おやぶん
)
鎌倉屋金兵衞事
桶川宿
(
をけがはじゆく
)
鷲
(
わし
)
の宮に於て殺され其上に五百兩と云ふ
金子
(
かね
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
最初の
金子
(
かね
)
は雑誌の費用に
遣
(
つか
)
つて
仕舞
(
しま
)
つたので、其れと感
附
(
づ
)
いた妹は又一年程の
後
(
のち
)
に二度目の五十円を送つて呉れたが
執達吏
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
金子
(
かね
)
の方は行きがけの駄賃に過ぎない、こういうことを垂井の宿へ一同が引きあげた後、岡崎藩の美少年に向ってひそかに銀杏加藤の奥方が打洩らしつつ
大菩薩峠:33 不破の関の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
円い黒い頭をしてよく手入れの届いている黒いヒゲをはやして鳥の様にピカピカする眼をしてましたわ、その人はいつもポケットの中でお
金子
(
かね
)
をガチャガチャさせて
見えざる人
(新字新仮名)
/
ギルバート・キース・チェスタートン
(著)
見返すほどの
金子
(
かね
)
をこしらえよう。二人の力を合わせても、あの
売女奴
(
ばいため
)
を
身請
(
みうけ
)
しよう
名娼満月
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
又
金子
(
かね
)
を沢山
懐中
(
ふところ
)
に入れて芝居を観ようと思って行っても、爪も立たないほどの
大入
(
おおいり
)
で、
這入
(
はい
)
り
所
(
どころ
)
がなければ観る事は出来ませぬ。
闇夜の梅
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
だが、警察署へ訴えたところで、じきにあいつらが
捕
(
つかま
)
ろうか。捕ったところで、うまく
金子
(
かね
)
が戻るだろうか。あぶないものだ。
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それはいつも、引き出すと同時に大急ぎで押しこまれてしまうため、一体どのくらい
金子
(
かね
)
が
蔵
(
しま
)
ってあるのやら、確かなことは分らなかった。
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
させるのは親の本意と思はねど身に
替難
(
かへがた
)
き
年貢
(
ねんぐ
)
の
金子
(
かね
)
ゆゑ子に
救
(
すく
)
はるゝのも
因果
(
いんぐわ
)
なり娘の
勤
(
つと
)
めは如何ならん
嘸
(
さぞ
)
や
故郷
(
こきやう
)
の事を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
でも、次ぎの瞬間には執事を呼んで、ツンプト式顕微鏡を買ふだけの
金子
(
かね
)
をエナのヘツケル教授あてに送るやうに言ひつけるのを忘れなかつた。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
中には
金子
(
かね
)
のある奴は此頃は斯ういふ品が
流行
(
はや
)
りますと貴重な贅沢品を高い銭を出して買つて来るのもある。
犬物語
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
(著)
美奈子は其の
金子
(
かね
)
をも大部分
生活
(
くらし
)
の方に遣い込んで妹が上京して来た時余り
体裁
(
きまり
)
が悪いので、
言訳
(
いひわけ
)
計
(
ばか
)
りに古道具屋を探して
廉物
(
やすもの
)
を買つて来たのが此の箪笥であつた。
執達吏
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
番「
打
(
ぶ
)
たいでも
宜
(
え
)
え、
私
(
あたい
)
は理の当然をいうのや、お嬢
様
(
さま
)
を殺して
金子
(
かね
)
を取ったという訳じゃないが、
然
(
そ
)
う思われても是非がないと云うのや」
闇夜の梅
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
と
云
(
い
)
つたが、
其
(
そ
)
の
土袋
(
どぶつ
)
の
細君
(
さいくん
)
ださうです。
土地
(
とち
)
の
豪農
(
がうのう
)
何某
(
なにがし
)
が、
内證
(
ないしよう
)
の
逼迫
(
ひつぱく
)
した
華族
(
くわぞく
)
の
令孃
(
れいぢやう
)
を
金子
(
かね
)
にかへて
娶
(
めと
)
つたと
言
(
い
)
ひます。
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
當に行先々の氣配りに
難儀
(
なんぎ
)
艱難辛苦
(
かんなんしんく
)
とも
云
(
いは
)
ん方なき事どもなり漸々にして三州岡崎迄は
來
(
きたれ
)
ども
素
(
もと
)
より
手薄
(
てうす
)
の其上に旅の日數も重なれば手當の
金子
(
かね
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
私はあなたに
金子
(
かね
)
を差しあげるのですよ、紙幣で十五ルーブリという
金子
(
かね
)
を——分りますかね?
金子
(
かね
)
ですよ。往来で見つかる代物じゃありませんよ。
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
金子
(
かね
)
さえ出したら絶対に買えないものは無いだろうが、一冊でも多く外国書籍を普及したい日本では、縦令再び同じものを得られるとしても、焼けたものは矢張日本の文化の損失である。
灰燼十万巻:(丸善炎上の記)
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
箪笥の
代
(
しろ
)
にせよと五十円の
金子
(
かね
)
を送つて呉れた。
執達吏
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
心の
中
(
うち
)
で親父は病気疲れで能く眠るだろうし、娘も看病疲れで寝るだろうし、能く寝付いた処へ忍込んであの
金子
(
かね
)
さえ取れば
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
堅気はそうじゃあござんすまい、こうした稼業の
果敢
(
はかな
)
い事は、
金子
(
かね
)
の力のある人には、
屹
(
きっ
)
と身を任せている、と思われます。
浮舟
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
つまり『倹約して銭を貯めよ』と諭した父の教訓が骨身にしみこんでいた訳である。しかし、彼は決して
金子
(
かね
)
そのもののために
金子
(
かね
)
に執着を持っていたのではない。
死せる魂:02 または チチコフの遍歴 第一部 第二分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
信州
小室
(
こむろ
)
の
在
(
ぜえ
)
に友達が行って居りますから無心を云おうと思いまして参ったのでごぜえますが、途中で災難に遭い、
金子
(
かね
)
を……
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
寝さしておいて、謡を教えさしたッて
一廉
(
ひとかど
)
の役には立つのに、お
金子
(
かね
)
だといや直ぐあれなんだもの。考えてみりゃ心細いよ。
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
プリューシキンは、しかし彼女を赦して、いたいけな孫にテーブルの上に載っかっていた
釦
(
ボタン
)
かなんかを持たせて遊ばせたくらいだったが、
金子
(
かね
)
は一文もやらなかった。
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
独逸
(
どいつ
)
の
名高
(
なだか
)
い作者レツシングと
云
(
い
)
ふ人は、
至
(
いた
)
つて
粗忽
(
そそつか
)
しい
方
(
かた
)
で、
其上
(
そのうへ
)
法外
(
ばか
)
に忘れツぽいから、
無闇
(
むやみ
)
に
金子
(
かね
)
や
何
(
なに
)
かゞ
失
(
な
)
くなる
(洋)金の勘定を仕ずに来た
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
おまけに、それが小春さんに、
金子
(
かね
)
も、店も田地までも
打込
(
ぶちこ
)
んでね。
一時
(
いっとき
)
は、三月ばかりも、家へ入れて、かみさんにしておいた事もあったがね。
みさごの鮨
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
チチコフは早速、古ぼけた家邸を、取るに足らぬ僅かな地所もろとも、一千ルーブリの
金子
(
かね
)
にかえ、農奴の一家を
市
(
まち
)
に移して、そこに落ちついて勤務につこうと目論んだ。
死せる魂:02 または チチコフの遍歴 第一部 第二分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
此頃
(
このごろ
)
無闇
(
むやみ
)
に
金子
(
かね
)
が
失
(
な
)
くなつて
仕
(
し
)
やうが
無
(
な
)
いから、これ/\
斯
(
か
)
う
云
(
い
)
ふ事にして
来
(
き
)
た、
是
(
これ
)
で
誰
(
たれ
)
が取ると
云
(
い
)
ふのがチヤンと
解
(
わか
)
るね。
(洋)金の勘定を仕ずに来た
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
こゝに
巣
(
す
)
をくふ
平吉
(
へいきち
)
と
云
(
い
)
ふ
博奕仲間
(
ぶちなかま
)
に
頼
(
たの
)
んで、
其
(
そ
)
の
袷
(
あはせ
)
と
綿入
(
わたいれ
)
を
一枚
(
いちまい
)
づゝ、
帶
(
おび
)
を
添
(
そ
)
へて
質入
(
しちい
)
れにして、
小助
(
こすけ
)
が
手
(
て
)
に
握
(
にぎ
)
つた
金子
(
かね
)
が……
一歩
(
いちぶ
)
としてある。
一席話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
腹
(
はら
)
ン
中
(
なか
)
に五六十
両
(
りやう
)
の
金子
(
かね
)
が
這入
(
はいつ
)
てる、
加之
(
おまけ
)
に
古金
(
こきん
)
だ、
何
(
ど
)
うして
呉
(
くれ
)
よう、知つてるのは
己
(
おれ
)
ばかりだが、ウム、
宜
(
い
)
い事がある。
黄金餅
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
何や! 払うな、と俺が
吩咐
(
いいつ
)
けたからその通り申します、と申しますが、呆れるわい、これ、払うべき
金子
(
かね
)
を払わいで、主人の一分が立つと思うか。
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
微温湯
(
ぬるまゆ
)
だから
其儘
(
そのまゝ
)
ゴツクリ
飲
(
の
)
むと、
空
(
から
)
ツ
腹
(
ぱら
)
へ五六十
両
(
りやう
)
の
金子
(
かね
)
と
餅
(
もち
)
が
這入
(
はいつ
)
たのでげすからゴロ/\/\と
込上
(
こみあ
)
げて
来
(
き
)
た。源
黄金餅
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
それは深切なこの婆さんが、
金子
(
かね
)
を頂かされたのを見て、あの金子が自分のものなら、
老人
(
としより
)
のものにしたいと、……そうだ。そこを見込まれたのだ。
政談十二社
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
名前も明さずに
金子
(
かね
)
を遣った処は誠に済まんが、明日は早々にお筆さんの帰れる様にして上げるから、金子を遣って苦労をかけた段は
免
(
ゆる
)
して下さい
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「だって私は、ちっともお
金子
(
かね
)
が無いんですもの。お茶屋へ行って、呼ばなくっては逢えないのじゃありませんか。」
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
何
(
ど
)
うも
可哀
(
かあい
)
さうな事をしましたな、
私
(
わたし
)
も長らく
一緒
(
しよ
)
に
居
(
を
)
つたが
喰
(
く
)
ふ物も
喰
(
く
)
はずに
修業
(
しゆげふ
)
して歩き、
金子
(
かね
)
を
蓄
(
ため
)
た人ですから少しは
貯金
(
こゝろがけ
)
がありましたらう。
黄金餅
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
それに何さ、兄さんとかいう人に存分療治をさせたい、
金子
(
かね
)
も
自
(
おのず
)
から
欲
(
ほし
)
くなくなるといったような、ね、まあまあ心配をすることはないよ、来たまえ!
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
とちょいと其の頃千両からの
金子
(
かね
)
を貰って、立派な飴屋になるというので嬉しいから、指の先を切って血判をいたし
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
奥さんが
手切
(
てぎれ
)
なり
心着
(
こころづけ
)
なり下すった
幾干
(
いくら
)
かの
金子
(
かね
)
を
資本
(
もとで
)
にして、初めは浅間の額堂裏へ、大弓場を出したそうです。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
粂「はてな、是はあの人が置いて行ったのか知ら、ア、そう/\、これを置いて
行
(
ゆ
)
くからは
此
(
こ
)
ん中へ八十両の
金子
(
かね
)
を入れて来いという謎かも知れない」
闇夜の梅
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
早瀬 (涙を払い、気を替う)さあ、ここに
金子
(
かね
)
がある、……下すったんだ、受取っておいておくれ。(渡す。)
湯島の境内
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
よそで聞けば、十四五まで着られる柔かい着もの
一葛籠
(
ひとつづら
)
、お
金子
(
かね
)
もそれぞれ私につけて下さったそうながね、私は一度かって袖を通した事もないのです。
卵塔場の天女
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
金
常用漢字
小1
部首:⾦
8画
子
常用漢字
小1
部首:⼦
3画
“金子”で始まる語句
金子堅太郎
金子屋
金子元臣
金子紫草
金子重輔
金子御用達