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詐欺
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さぎ
ふりがな文庫
“
詐欺
(
さぎ
)” の例文
窃盜
(
せつたう
)
、
姦淫
(
かんいん
)
、
詐欺
(
さぎ
)
の
上
(
うへ
)
に
立
(
た
)
てられてゐるのだ。であるから、
病院
(
びやうゐん
)
は
依然
(
いぜん
)
として、
町
(
まち
)
の
住民
(
ぢゆうみん
)
の
健康
(
けんかう
)
には
有害
(
いうがい
)
で、
且
(
か
)
つ
不徳義
(
ふとくぎ
)
なものである。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
さうかと思ふと、平生は泥棒でも
詐欺
(
さぎ
)
でもしさうな奴が、碁将棋盤に向くとまるで人が変つてしまふて、君子かと思ふやうな事をやる。
病牀六尺
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
しかし、やがて
贈
(
おく
)
り
主
(
ぬし
)
の
悲
(
かな
)
しき
形
(
かた
)
見になつたその
寫眞器
(
しやしんき
)
は、
支那
(
しな
)
の旅から
歸
(
かへ
)
ると
間
(
ま
)
もなく、或る
文
(
ぶん
)
學青年の
詐欺
(
さぎ
)
にかゝつてうしなはれた。
写真と思ひ出:――私の写真修行――
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
「わが
夫
(
つま
)
様は米穀何百俵を
詐欺
(
さぎ
)
横領しましたという——」きまった始まりで、御詠歌のように云って歩く「バカ」のいたのを。
母たち
(新字新仮名)
/
小林多喜二
(著)
遂に空しい望みを抱いたまま、哀れな母は死んだ。「津」は正に
詐欺
(
さぎ
)
である。今は十時過ぎである、盆踊りの唄を歌って通る若者や娘達が絶えない。
青べか日記:――吾が生活 し・さ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
▼ もっと見る
「
否
(
いや
)
、それがさ、徳川時代の文学の積りで註文したんだが、案外好くない本でね、まあ
詐欺
(
さぎ
)
に
罹
(
かか
)
ったようなものさ」
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「両親不明、身分不詳で、数度の
詐欺
(
さぎ
)
その他の犯罪のために、ミュンヘンの警察から追跡されておって、今は多分デンマアクへ逃走の途中らしいのだが」
トニオ・クレエゲル
(新字新仮名)
/
パウル・トーマス・マン
(著)
皆さん、どうぞよく御覧下さい。メリー嬢は
詐欺
(
さぎ
)
でも
騙
(
かた
)
りでもありません。此の通り、
此処
(
ここ
)
に居る子供たちは、すっかり魔術にかゝって居ります。
睾丸
(
きんたま
)
を
小僧の夢
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
たとえば文吉たちが
詐欺
(
さぎ
)
にあってひどい目を見せられたようなとき、彼らの友人のひとりは同情しながらも
雑居家族
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
その条件が実は手品または
詐欺
(
さぎ
)
の挿入し得る条件だったのであるが、それだといって実験を打ち切れば、結局
水掛論
(
みずかけろん
)
に終り、火は益々燃え上るばかりである。
千里眼その他
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
それは見事な
詐欺
(
さぎ
)
なのであるが、友人たちは、私を訴えることを、ようせぬばかりか、路で逢っても、よう、からだは丈夫か、とかえって私をいたわるのである。
春の盗賊
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
元来国と国とは辞令はいくらやかましくっても、徳義心はそんなにありゃしません。
詐欺
(
さぎ
)
をやる、ごまかしをやる、ペテンにかける、めちゃくちゃなものであります。
私の個人主義
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
何故世の中には
情死
(
しんぢう
)
や
殺人
(
ひとごろし
)
や
強盗
(
がうとう
)
や
姦通
(
かんつう
)
や
自殺
(
じさつ
)
や
放火
(
はうくわ
)
や
詐欺
(
さぎ
)
や
喧嘩
(
けんくわ
)
や
脅迫
(
けふはく
)
や
謀殺
(
ぼうさつ
)
の騒が斷えぬのであらうか、何故また
狂人
(
きちがひ
)
や
行倒
(
ゆきだふれ
)
や
乞食
(
こじき
)
や
貧乏人
(
びんぼうにん
)
が出來るのであらうか。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
そのあげく、こんどは、わしの名を
騙
(
かた
)
り歩いて、大胆な
詐欺
(
さぎ
)
をして廻った。大隈の親戚、千坂の娘というので、慾につられた被害者が、ぞくぞくと、警察へ届けてくる。
かんかん虫は唄う
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
後で銀子も知ったことだが、猪野は大きな
詐欺
(
さぎ
)
事件で、長く未決へ投げ込まれていたが、このごろようやく保釈で解放され、係争中をしばらく家に謹慎しているのだった。
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
名誉
毀損
(
きそん
)
、結婚
詐欺
(
さぎ
)
、財産横領、器物破壊、家宅侵入、損害賠償、暴力行為、傷害、印鑑・私文書偽造、貞操
蹂躙
(
じゅうりん
)
——あらゆる罪名が、にぎやかに、金五郎のうえにつけられた。
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
わたしたちは二人とも、なにを
目標
(
もくひょう
)
に
雌牛
(
めうし
)
のよしあしを見分けるか知らなかったから、
獣医
(
じゅうい
)
の世話になることにした。わたしたちはよく牛を買うときに
詐欺
(
さぎ
)
に会う話を聞いていた。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
この国では、盗みよりも
詐欺
(
さぎ
)
の方が悪いことになっています。詐欺をすれば死刑です。盗みは、こちらが馬鹿でなく用心さえしていれば、まず、物を盗まれるということはありません。
ガリバー旅行記
(新字新仮名)
/
ジョナサン・スウィフト
(著)
詐欺
(
さぎ
)
貯金で数百万円の金を細民から絞り取った上、その経営して居る会社が
破綻
(
はたん
)
と見るや、幾十万人の怨みと嘆きを後に、回収の出来るだけの現金有価証券、
併
(
あわ
)
せて百万円余を取りこんで
悪人の娘
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
詐欺
(
さぎ
)
師だの、強盗だの、大山師だの、わたしは女性の犯罪としてこれらのことをすこしも考えることが出来ないのですけれども、ここでみせて貰った、現犯時の年齢と
罪名
(
ざいめい
)
と云う統計書には
新生の門:――栃木の女囚刑務所を訪ねて
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
倉知夫人の
詞
(
ことば
)
は
如何
(
いか
)
にも正義が、奇術的な
詐欺
(
さぎ
)
をはたらいたと云わないばかりの詞であった。と、そこへ電報が来た。務は兄が泊った先から打ったものではないかと思って急いで開けてみた。
白っぽい洋服
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
国民の子弟を教育すべき教科書事件の騒動を考えてみ給え。いかに文章辞句が巧妙でも
収賄
(
しゅうわい
)
詐欺
(
さぎ
)
不徳無道の人の手に成ったものや検定されたものがどうして健全なる国民を教育し得るだろう。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
貴様とつき合って行くためには、貴様に軽蔑されないためには己はその外に方法がなかったのだ。
詐欺
(
さぎ
)
で訴えられて、己は今ひかれて行くのだ。いつか貴様に金策を頼んだことを覚えているか。
一寸法師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
四谷街道に接している
故
(
せい
)
か、
馬力
(
ばりき
)
の車が
絶間
(
たえま
)
なく通って、さなきだに
霜融
(
しもどけ
)
の
路
(
みち
)
をいよいよ
毀
(
こわ
)
して行くのも
此頃
(
このごろ
)
です。子供が竹馬に乗って歩くのも此頃です。火の番銭の
詐欺
(
さぎ
)
の
流行
(
はや
)
るのも此頃です。
二階から
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「こいつは
詐欺
(
さぎ
)
と
賭博
(
とばく
)
で食って居たんだ」
誰が何故彼を殺したか
(新字新仮名)
/
平林初之輔
(著)
いずれもまぎれのない
詐欺
(
さぎ
)
である。
自然界の虚偽
(新字新仮名)
/
丘浅次郎
(著)
詐欺
(
さぎ
)
せしといふ
一握の砂
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
窃盗
(
せっとう
)
、
姦淫
(
かんいん
)
、
詐欺
(
さぎ
)
の
上
(
うえ
)
に
立
(
た
)
てられているのだ。であるから、
病院
(
びょういん
)
は
依然
(
いぜん
)
として、
町
(
まち
)
の
住民
(
じゅうみん
)
の
健康
(
けんこう
)
には
有害
(
ゆうがい
)
で、かつ
不徳義
(
ふとくぎ
)
なものである。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
日本人
(
にほんじん
)
のあの
花合
(
はなあは
)
せにさへ
實
(
じつ
)
に
多岐多樣
(
たきたやう
)
な
詐欺
(
さぎ
)
、いんちきの
仕方
(
しかた
)
があるといふのだから、
勝負事
(
しようぶごと
)
といふものが
存在
(
そんざい
)
する
限
(
かぎ
)
り
止
(
や
)
むを
得
(
え
)
ないことかも
知
(
し
)
れない。
麻雀を語る
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
おまけに大阪の富商の手代が蓑賀参蔵を
詐欺
(
さぎ
)
犯人であると証言するや、ごうごうがくがくと蓑賀殿の悪事醜行が並べられ、ついにこの筆頭与力殿も縛られなされた。
三悪人物語:忍術千一夜 第二話
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
手品か
詐欺
(
さぎ
)
のような要素が巧妙にはいっている場合には、なかなかそれを見破ることは出来ない。
千里眼その他
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
「これは
一寸
(
ちょっと
)
詐欺
(
さぎ
)
にかゝったような気持がするね。これぐらいの岩なら大抵の海岸にある」
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
出世の
蔓
(
つる
)
とはゆかないまでも、体の売れ口はないものかと
僥倖
(
ぎょうこう
)
をたのむ気持が、そのために、赤壁
八十馬
(
やそま
)
にうまうまと
詐欺
(
さぎ
)
にかかった後までも、いまだに量見からなくなっていない。
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
あの人たちのする事は、一から十まで心理の
駈引
(
かけひ
)
き、巧妙卑劣の
詐欺
(
さぎ
)
なのだから、いやになる。僕は、ゆうべ、やっと
判
(
わか
)
って、判ったら、ぎょっとした。あの人たちは、おそろしい。
新ハムレット
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
控訴院から大審院まで持って行った猪野の
詐欺
(
さぎ
)
、横領に関する事件がいよいよ第二審通り決定した旨の電報が入り、渡弁護士の
斡旋
(
あっせん
)
によって、弁護士の権威五人もの弁論を煩わしたこの係争も
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「ならいいよ。そいつは
詐欺
(
さぎ
)
なんだからね。気をつけろよ。」
雑居家族
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
「そんな事なんか誰にでも出来らい!
詐欺
(
さぎ
)
!
大騙
(
おおかた
)
り!」
小僧の夢
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
痴漢、
詐欺
(
さぎ
)
漢、非人道のボス、玉井金五郎を葬れ。
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
こうなるとまるで
詐欺
(
さぎ
)
ですね。
盗難
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
或
(
あるひ
)
は
公書
(
こうしよ
)
の
如
(
ごと
)
きものに
詐欺
(
さぎ
)
同樣
(
どうやう
)
の
間違
(
まちがひ
)
でも
爲
(
し
)
はせぬか、
他人
(
たにん
)
の
錢
(
ぜに
)
でも
無
(
な
)
くしたり
爲
(
し
)
はせぬか。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
とは
或
(
あ
)
る
向
(
むか
)
うの
消息通
(
せうそくつう
)
が
僕
(
ぼく
)
に
聞
(
き
)
かせた
詞
(
ことば
)
だが、ばくち
好
(
ず
)
きで、またばくちの
天才
(
てんさい
)
の
支那人
(
しなじん
)
だけに
麻雀道
(
マアジヤンだう
)
に
於
(
おい
)
ても
中
(
なか
)
には
恐
(
おそ
)
ろしい
詐欺
(
さぎ
)
、いんちきを
企
(
くはだ
)
てるものが
可成
(
かな
)
りあるらしい。
麻雀を語る
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
柴さんの主張は要するに教育全体が政府の
詐欺
(
さぎ
)
にかゝっているということだった。
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
悪辣
(
あくらつ
)
なる
詐欺
(
さぎ
)
と言ってよかろう。また、瀕死の病人の魂を大声で呼びとめるというのも、恥かしいみじめな思想だ。さらにまた、医は能く病いを癒すも、命を癒す能わず、とは何という暴論だ。
惜別
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
かれは、
掏摸
(
すり
)
、
窃盗
(
せっとう
)
、
詐欺
(
さぎ
)
などの小さい吟味や、民事の訴訟事などは、いくら数があっても、余り多忙顔はしなかった。白洲にのぞむ時間は、水のながるるような快断をもって、処理して行った。
大岡越前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
或
(
あるい
)
は
公書
(
こうしょ
)
の
如
(
ごと
)
きものに
詐欺
(
さぎ
)
同様
(
どうよう
)
の
間違
(
まちがい
)
でもしはせぬか、
他人
(
たにん
)
の
銭
(
ぜに
)
でも
無
(
な
)
くしたりしはせぬか。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
唯
(
たゞ
)
に
醫者
(
いしや
)
として、
邊鄙
(
へんぴ
)
なる、
蒙昧
(
もうまい
)
なる
片田舍
(
かたゐなか
)
に一
生
(
しやう
)
、
壜
(
びん
)
や、
蛭
(
ひる
)
や、
芥子粉
(
からしこ
)
だのを
弄
(
いぢ
)
つてゐるより
外
(
ほか
)
に、
何
(
なん
)
の
爲
(
な
)
す
事
(
こと
)
も
無
(
な
)
いのでせうか、
詐欺
(
さぎ
)
、
愚鈍
(
ぐどん
)
、
卑劣漢
(
ひれつかん
)
、と一
所
(
しよ
)
になつて、いやもう!
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
ただに
医者
(
いしゃ
)
として、
辺鄙
(
へんぴ
)
なる、
蒙昧
(
もうまい
)
なる
片田舎
(
かたいなか
)
に一
生
(
しょう
)
、
壜
(
びん
)
や、
蛭
(
ひる
)
や、
芥子粉
(
からしこ
)
だのを
弄
(
いじ
)
っているより
外
(
ほか
)
に、
何
(
なん
)
の
為
(
な
)
すことも
無
(
な
)
いのでしょうか、
詐欺
(
さぎ
)
、
愚鈍
(
ぐどん
)
、
卑劣漢
(
ひれつかん
)
、と一
所
(
しょ
)
になって、いやもう!
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
“詐欺”の解説
詐欺(さぎ)は、他人を騙して、金品などを奪ったり損害を与えたりする犯罪行為。経済犯罪の一つ。
(出典:Wikipedia)
詐
常用漢字
中学
部首:⾔
12画
欺
常用漢字
中学
部首:⽋
12画
“詐欺”で始まる語句
詐欺師
詐欺漢
詐欺賭博
詐欺物
詐欺的
詐欺罪