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みくら
ふりがな文庫
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(
みくら
)” の例文
我
(
わ
)
が
獲
(
え
)
ものとを
見較
(
みくら
)
べながら、かたまけると
云
(
い
)
ふ
笑方
(
ゑみかた
)
の、
半面
(
はんめん
)
大
(
おほ
)
ニヤリにニヤリとして、
岩魚
(
いはな
)
を
一振
(
ひとふり
)
、ひらめかして、また、すた/\。
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ところが、
遽
(
あわただ
)
しい旅の仕度が整うにつれ、かの女は、むす子の落着いた姿と
見較
(
みくら
)
べて
憂鬱
(
ゆううつ
)
になり出した。とうとうかの女はいい出した。
母子叙情
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
「考えるまでもなくここにいるじゃないか。君と僕さ。二人を
見較
(
みくら
)
べればすぐ解るだろう、余裕と切迫で代表された生活の結果は」
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
珠子は、果して
大悦
(
おおよろこ
)
びだった。私の予期した以上の悦び方だった。私の両手を握って
見較
(
みくら
)
べ、以前よりも
艶々
(
つやつや
)
してきたと褒めた。
大脳手術
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「もうじき
鷲
(
わし
)
の停車場だよ。」カムパネルラが向う岸の、三つならんだ小さな青じろい三角標と地図とを
見較
(
みくら
)
べて云いました。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
▼ もっと見る
「こないだは、ずいぶん怒ってお帰りになりましたのよ。」と相変らず
上機嫌
(
じょうきげん
)
に笑いながら、僕と斎藤氏と二人の顔を
見較
(
みくら
)
べながら言った。
正義と微笑
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
お祖父さんは、まだはまらない本箱のふたの、うしろからのぞいてゐる本と、栄蔵の顔を
見較
(
みくら
)
べた。そしていつた。
良寛物語 手毬と鉢の子
(新字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
園絵は、はいってみると、そこに喬之助がいて、いま一緒に来た駕籠の一つからも喬之助そっくりの男が立ち
出
(
い
)
でたので、ビックリして二人を
見較
(
みくら
)
べている。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
こういう自分を、ひろい社会の多数の女性に
見較
(
みくら
)
べると、彼女は自分の希望が、余りに自分の身に過ぎていて、なにか大それた夢かのように思えてしまうのだった。
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一つは当時文壇に重きをなしたユーゴーやジスレリーの翻訳小説に
馴
(
な
)
れた眼で
見較
(
みくら
)
べられたからであるが、一つは硯友社の芸術至上が京伝
三馬
(
さんば
)
系統の化政度戯作者
気質
(
かたぎ
)
に即して
硯友社の勃興と道程:――尾崎紅葉――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
「でも、泉ちゃんも繁ちゃんも大きくなったね」と岸本は二人の子供を
見較
(
みくら
)
べながら
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
彼は少しどきまぎしながら、近視のように眼を細くしてその二つの写真を
見較
(
みくら
)
べた。彼は何とはなしにその一つの方を
指
(
さ
)
してしまった。そのとき彼の指の先がそっとその写真の
頬
(
ほお
)
に触れた。
ルウベンスの偽画
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
やや斜に拡げて弥助と
見較
(
みくら
)
べ「こつちを向いて見ろ」といひ、絵姿を拡げしまま右手の方へ廻して見較べ「これに
違
(
ちげ
)
えねえ」といひて、絵姿を思はず前の方へ持つて来て、慌てて後へ廻し
いがみの権太:(明治二十九年一月、明治座)
(新字旧仮名)
/
三木竹二
(著)
「
只今
(
たゞいま
)
」と可愛い声してあがり来れる
未
(
ま
)
だ十一二の美しき
小女
(
せうぢよ
)
、只ならぬ其場の様子に、お六と花吉との顔
暫
(
し
)
ばし黙つて
見較
(
みくら
)
べつ、狭き
梯子
(
はしご
)
ギシつかせて、
狐鼠狐鼠
(
こそこそ
)
低き二階へ逃げ行けり
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
僕は石原の目を
掠
(
かす
)
めるように、女の顔と岡田の顔とを
見較
(
みくら
)
べた。いつも
薄紅
(
うすくれない
)
に
匀
(
にお
)
っている岡田の顔は、確に
一入
(
ひとしお
)
赤く染まった。そして彼は偶然帽を動かすらしく
粧
(
よそお
)
って、帽の
庇
(
ひさし
)
に手を掛けた。
雁
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
それでも頭の中の像と実物とを
見較
(
みくら
)
べながら、そういう線を探して行くと、時にはそれらしいと気のつくこともあった。しめたと思って早速描いて見ると、勿論思うような形の線にはならない。
南画を描く話
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
私は「恵那峡
舟遊
(
しゅうゆう
)
案内」と
見較
(
みくら
)
べ見較べ、いそがしい、いそがしい。
木曾川
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
町人体の未知の若者とを
見較
(
みくら
)
べるようにした。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
南
(
みなみ
)
の
亭主
(
ていしゆ
)
は
二人
(
ふたり
)
を
見較
(
みくら
)
べるやうにしていつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
切符の番号と
見較
(
みくら
)
べて席をさがす人々。
踊る地平線:07 血と砂の接吻
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
最後に漆の髪の主と、故人の肖像とを
見較
(
みくら
)
べた。見較べてしまった時、聳えたる人は
瘠
(
や
)
せた肩を動かして、宗近君の頭の上から云う。——
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
貴方
(
あなた
)
、お
手
(
て
)
をお
擧
(
あ
)
げ
下
(
くだ
)
さい。
家内
(
かない
)
とは
一方
(
ひとかた
)
ならぬ。」と
云
(
い
)
ひかけて
厭
(
いや
)
な
顏
(
かほ
)
もしないが、
婦
(
をんな
)
と
兩方
(
りやうはう
)
を
見較
(
みくら
)
べながら
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「あ、判りました。部屋をお見せいたすのでしょう」といったが「けれども……あんな部屋」とまた云って私と向う側の貸間札のかかっている部屋の硝子扉を
見較
(
みくら
)
べた。
河明り
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
不安な顔をして、法師の鈴と、少年の
鞭
(
むち
)
とを、
見較
(
みくら
)
べた。法師は、
傲然
(
ごうぜん
)
と
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼は
暗
(
あん
)
にこの老先生の
用向
(
ようむき
)
と自分の用向とを
見較
(
みくら
)
べた。無事に苦しんで義太夫の
稽古
(
けいこ
)
をするという浜の二人をさらにその
傍
(
かたわら
)
に並べて見た。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
と
裳
(
もすそ
)
をずりおろすようにして
止
(
と
)
めた顔と、まだ
掴
(
つか
)
んだままの
大
(
おおき
)
な銀貨とを
互
(
たがい
)
に
見較
(
みくら
)
べ、
二個
(
ふたり
)
ともとぼんとする。時に
朱盆
(
しゅぼん
)
の口を開いて、
眼
(
まなこ
)
を
輝
(
かがやか
)
すものは何。
春昼後刻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
すると堺屋の妻はまだ本当には安心し切らないような様子で半眼を開いて、じっと母と僕と娘の顔を
見較
(
みくら
)
べながらやがて死んだ。木下の母親は堺屋の妻の死後までその時の様子を憎んでいた。
河明り
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
自分の
四辺
(
しへん
)
にちらちらする弱い電灯の光と、その光の届かない先に
横
(
よこた
)
わる大きな
闇
(
やみ
)
の姿を
見較
(
みくら
)
べた時の津田にはたしかに夢という感じが起った。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
……木魚の下に、そのままの涼しい夏草と、ちょろはげの鞄とを
見較
(
みくら
)
べながら
灯明之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
その癖彼は一々絹糸で釣るした
価格札
(
ねだんふだ
)
を読んで、品物と
見較
(
みくら
)
べて見た。そうして実際金時計の安価なのに驚ろいた。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
しかし、
十時四十八分發
(
じふじよんじふはちふんはつ
)
には、まだ
十分間
(
じつぷんかん
)
ある、と
見較
(
みくら
)
べると、
改札口
(
かいさつぐち
)
には、
知
(
し
)
らん
顏
(
かほ
)
で、
糸崎行
(
いとざきゆき
)
の
札
(
ふだ
)
が
掛
(
かゝ
)
つて、
改札
(
かいさつ
)
のお
係
(
かゝり
)
は、
剪
(
はさみ
)
で
二
(
ふた
)
つばかり
制服
(
せいふく
)
の
胸
(
むね
)
を
叩
(
たゝ
)
いて、
閑也
(
かんなり
)
と
濟
(
す
)
まして
居
(
ゐ
)
らるゝ。
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
原口さんは突然
黙
(
だま
)
つた。
何所
(
どこ
)
か六※かしい
所
(
ところ
)
へ
来
(
き
)
たと見える。
二歩許
(
ふたあしばかり
)
立ち
退
(
の
)
いて、美禰子と画を
頻
(
しきり
)
に
見較
(
みくら
)
べてゐる。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
撫子 (
熟
(
じっ
)
と籠なると手の撫子とを
見較
(
みくら
)
ぶ。)
錦染滝白糸:――其一幕――
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
其癖
(
そのくせ
)
彼
(
かれ
)
は
一々
(
いち/\
)
絹糸
(
きぬいと
)
で
釣
(
つ
)
るした
價格札
(
ねだんふだ
)
を
讀
(
よ
)
んで、
品物
(
しなもの
)
と
見較
(
みくら
)
べて
見
(
み
)
た。さうして
實際
(
じつさい
)
金時計
(
きんどけい
)
の
安價
(
あんか
)
なのに
驚
(
おど
)
ろいた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
と
上下
(
うへした
)
、
天守
(
てんしゆ
)
を
七分
(
しちぶ
)
、
青年
(
わかもの
)
を
三分
(
さんぶ
)
に
見較
(
みくら
)
べ
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
余は余の立っている高い山の鼻と、遠くの先にある白いものとを
見較
(
みくら
)
べて、その中間に
横
(
よこた
)
わる距離を
胸算用
(
むなざんよう
)
で割り出して見て、軍人の根気の好いのにことごとく敬服した。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
髭
(
ひげ
)
は真白と云わんよりは、寧ろ黄色である。そうして、話をするときに相手の
膝頭
(
ひざがしら
)
と顔とを半々に
見較
(
みくら
)
べる癖がある。その時の眼の動かし方で、白眼が
一寸
(
ちょっと
)
ちらついて、相手に妙な心持をさせる。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
原口さんは、此時又
二歩
(
ふたあし
)
ばかり
後
(
あと
)
へ
退
(
さが
)
つて、美禰子と画とを
見較
(
みくら
)
べた。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
代助は封書を巻きながら、妙な顔をして、両方
見較
(
みくら
)
べていた。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
自分は二人の前に坐って、双方を
見較
(
みくら
)
べた。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
見
常用漢字
小1
部首:⾒
7画
較
常用漢字
中学
部首:⾞
13画
“見”で始まる語句
見
見惚
見物
見出
見下
見上
見送
見透
見做
見当