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粘土
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ねんど
ふりがな文庫
“
粘土
(
ねんど
)” の例文
それがいまでは、こわれた二つの大理石の円柱のあいだに
粘土
(
ねんど
)
でこしらえた小さなみすぼらしい家を通って、入口がついているのです。
絵のない絵本:01 絵のない絵本
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
ただその
大部分
(
だいぶぶん
)
がその上に
積
(
つも
)
った
洪積
(
こうせき
)
の
赤砂利
(
あかじゃり
)
や
壚※
(
ローム
)
、それから
沖積
(
ちゅうせき
)
の
砂
(
すな
)
や
粘土
(
ねんど
)
や何かに
被
(
おお
)
われて見えないだけのはなしでした。
イギリス海岸
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
この
埴輪
(
はにわ
)
といふ
言葉
(
ことば
)
の
埴
(
はに
)
といふのは
粘土
(
ねんど
)
といふことで、
輪
(
わ
)
といふのは
輪
(
わ
)
の
形
(
かたち
)
に
竝
(
なら
)
べることから
出
(
で
)
た
名前
(
なまへ
)
だといふことであります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
らかん橋の下を流れてゆく浅いきれいな水が、時々、
粘土
(
ねんど
)
でも
溶
(
と
)
かすように白く濁って、しばらくすると、また、それがきれいに澄んでいた。
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
やゝ平べつたい
粘土
(
ねんど
)
細工の
饅頭
(
まんぢう
)
を二つ合せたやうなもので、二つの中程にはやゝ大きい豆粒ほどの半圓の穴がそれ/″\に凹みを
拵
(
こしら
)
へて居り、二つ合せると
銭形平次捕物控:262 綾の鼓
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
それが
横
(
よこ
)
にも
竪
(
たて
)
にも
大
(
おほ
)
きくなつて、
肌膚
(
はだ
)
もつやゝかに
見
(
み
)
えて
髮
(
かみ
)
も
長
(
なが
)
くなつた。おつぎの
家
(
いへ
)
の
後
(
うしろ
)
の
崖
(
がけ
)
のやうに
成
(
な
)
つた
處
(
ところ
)
からは
村
(
むら
)
のものが
能
(
よ
)
く
黄色
(
きいろ
)
な
粘土
(
ねんど
)
を
採
(
と
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
両河地方
(
メソポタミヤ
)
では
埃及
(
エジプト
)
と違って
紙草
(
パピルス
)
を産しない。人々は、
粘土
(
ねんど
)
の板に
硬筆
(
こうひつ
)
をもって複雑な
楔形
(
くさびがた
)
の
符号
(
ふごう
)
を
彫
(
ほ
)
りつけておった。書物は
瓦
(
かわら
)
であり、図書館は
瀬戸物屋
(
せとものや
)
の倉庫に似ていた。
文字禍
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
……うかがうところどうやら
下総
(
しもおさ
)
なまり。それに名札の紙が、
古河
(
こが
)
で出来る
粘土
(
ねんど
)
のはいった
間似合紙
(
まにあいがみ
)
ということになると、あらためて武鑑をひっくりかえすまでのことはない。
顎十郎捕物帳:10 野伏大名
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
これは前からわかっていたことであるが、太平洋の底の赤
粘土
(
ねんど
)
のほうが、ほかの海のものよりも流星球を遥かに多く含んでいる。それでこの赤粘土について詳細に研究をした。
黒い月の世界
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
冷却
(
れいきゃく
)
して
後
(
のち
)
、
飛散
(
ひさん
)
するとすれば、
高尚
(
こうしょう
)
なる
殆
(
ほとん
)
ど
神
(
かみ
)
の
如
(
ごと
)
き
智力
(
ちりょく
)
を
備
(
そな
)
えたる
人間
(
にんげん
)
を、
虚無
(
きょむ
)
より
造出
(
つくりだ
)
すの
必要
(
ひつよう
)
はない。そうして
恰
(
あたか
)
も
嘲
(
あざけ
)
るが
如
(
ごと
)
くに、また
人
(
ひと
)
を
粘土
(
ねんど
)
に
化
(
か
)
する
必要
(
ひつよう
)
は
無
(
な
)
い。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
四方の壁は丸太で組み上げて、天井は荒板張りの
籠
(
かご
)
編み、水気をいとってところどころに
粘土
(
ねんど
)
が塗りつめてある。床には
筵
(
むしろ
)
が何枚も敷き詰めているとみえて、誰が歩いても
跫音
(
あしおと
)
がしない。
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「
粘土
(
ねんど
)
で原型を造ることもありますが、直接実物からとる場合もあるのです」
悪霊物語
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
わたしなどの若いころには、どの地方へ旅行して見ても、瓦を焼くけむりの見られないところはなかった。燃料はたいてい松の
枯枝
(
かれえだ
)
で、土はそこいらの
粘土
(
ねんど
)
を持ってきて、水でこねて
型
(
かた
)
にとった。
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
「ああ、あの六号室の
粘土
(
ねんど
)
やさんか。」
夕張の宿
(新字新仮名)
/
小山清
(著)
第二に、この泥岩は、
粘土
(
ねんど
)
と
火山灰
(
かざんばい
)
とまじったもので、しかもその
大部分
(
だいぶぶん
)
は
静
(
しず
)
かな水の中で
沈
(
しず
)
んだものなことは明らかでした。
イギリス海岸
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
また
濕
(
しめ
)
つた
粘土
(
ねんど
)
が
火
(
ひ
)
の
傍
(
そば
)
に
置
(
お
)
かれると、
固
(
かた
)
くなることを
知
(
し
)
つたといふことなどが
發見
(
はつけん
)
の
緒
(
いとぐち
)
となつたかと
想像
(
そう/″\
)
せられます。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
「……どうしたのだ、いくら老人にせよ、まるで
粘土
(
ねんど
)
のような顔いろをして、いまにも泣きだしそうなその
容子
(
ようす
)
は」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
髮
(
かみ
)
が
黏
(
ねば
)
るやうになるとおつぎは
其
(
そ
)
の
粘土
(
ねんど
)
をこすりつけて、
肌
(
はだ
)
ぬぎになつた
儘
(
まゝ
)
黄色
(
きいろ
)
く
染
(
そ
)
まつた
頭
(
あたま
)
を
井戸
(
ゐど
)
の
側
(
そば
)
で
洗
(
あら
)
ふのである。さうして
其
(
そ
)
のふつさりとした
髮
(
かみ
)
は二
度
(
ど
)
梳
(
す
)
く
處
(
ところ
)
は三
度
(
ど
)
梳
(
す
)
くやうに
成
(
な
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
冷却
(
れいきやく
)
して
後
(
のち
)
、
飛散
(
ひさん
)
するとすれば、
高尚
(
かうしやう
)
なる
殆
(
ほとん
)
ど
神
(
かみ
)
の
如
(
ごと
)
き
智力
(
ちりよく
)
を
備
(
そな
)
へたる
人間
(
にんげん
)
を、
虚無
(
きよむ
)
より
造出
(
つくりだ
)
すの
必要
(
ひつえう
)
はない。
而
(
さう
)
して
恰
(
あたか
)
も
嘲
(
あざけ
)
るが
如
(
ごと
)
くに、
又
(
また
)
人
(
ひと
)
を
粘土
(
ねんど
)
に
化
(
くわ
)
する
必要
(
ひつえう
)
は
無
(
な
)
い。あゝ
物質
(
ぶつしつ
)
の
新陳代謝
(
しんちんたいしや
)
よ。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
木は
圧
(
お
)
し
潰
(
つぶ
)
され、
埋
(
う
)
められ、まもなくまた水が
被
(
かぶ
)
さって
粘土
(
ねんど
)
がその上につもり、全くまっくらな処に埋められたのでしょう。
イギリス海岸
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
答「たとえば
粘土
(
ねんど
)
を以て一つの
円
(
まろ
)
い
陶壺
(
すえつぼ
)
を仕上げようとなされていたものが、真二つとなってしまったからでした」
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
また、この
新石器時代
(
しんせつきじだい
)
になつてから、
人類
(
じんるい
)
の
發明
(
はつめい
)
した
大切
(
たいせつ
)
な
品物
(
しなもの
)
は
土器
(
どき
)
であります。
土器
(
どき
)
といひますと
粘土
(
ねんど
)
で
形
(
かたち
)
を
造
(
つく
)
つて、それを
火
(
ひ
)
で
燒
(
や
)
いたものであります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
血相
(
けっそう
)
かえて、小山の
素天
(
すて
)
ッぺんへ
駈
(
か
)
けあがってきた
早足
(
はやあし
)
の
燕作
(
えんさく
)
、きッと、あたりを見まわすと、はたして、そこの
粘土
(
ねんど
)
の地中に
狼煙
(
のろし
)
の
筒
(
つつ
)
がいけてあった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
みんながばたばた
防
(
ふせ
)
いでいたら、だんだん
粘土
(
ねんど
)
がすべって来て、なんだかすこうし下へずれたようになった。しゅっこはよろこんで、いよいよ水をはねとばした。
さいかち淵
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
一歩一歩、火の
粘土
(
ねんど
)
を踏むようだった。汗が
額
(
ひたい
)
ににじんで来る。全身の骨が、ばらばらになるかと思う。
宮本武蔵:04 火の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
アルプスの
探険
(
たんけん
)
みたいな
姿勢
(
しせい
)
をとりながら、青い
粘土
(
ねんど
)
と
赤砂利
(
あかじゃり
)
の
崖
(
がけ
)
をななめにのぼって、せなかにしょった長いものをぴかぴかさせながら、上の
豆畠
(
まめばたけ
)
へはいってしまった。
さいかち淵
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
それが亭主の
厨子野耕介
(
ずしのこうすけ
)
という男らしいのである。肉の薄い、そして
粘土
(
ねんど
)
のような青い顔には研師のようなするどさも見えない。
月代
(
さかやき
)
から
顎
(
おとがい
)
までは、怖ろしく長い顔に見えた。
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
しゅっこは、はじめに、
昨日
(
きのう
)
あの
変
(
へん
)
な
鼻
(
はな
)
の
尖
(
とが
)
った人の上って行った
崖
(
がけ
)
の下の、青いぬるぬるした
粘土
(
ねんど
)
のところを
根
(
ね
)
っこにきめた。そこに
取
(
と
)
りついていれば、鬼は
押
(
おさ
)
えることができない。
さいかち淵
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
「そうかい。そんならいいよ。お前のような恩知らずは早く
粘土
(
ねんど
)
になっちまえ。」
楢ノ木大学士の野宿
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
と、まるで
粘土
(
ねんど
)
のような青い顔して、舌の根もうわの空に、告げるのだった。
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「なんでもいいから、汗と
鬱気
(
うっき
)
を出してしまうんだ。……そうだ」と、後ろを仰いだ。里の者が
粘土
(
ねんど
)
でも採った跡であろう、崖の中腹から上へ真っすぐに二丈ばかり山肌が
削
(
そ
)
ぎ取られてあった。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その芝原へ杉を植えることを
嘲笑
(
わら
)
ったものは決して平二だけではありませんでした。あんな処に杉など育つものでもない、底は
硬
(
かた
)
い
粘土
(
ねんど
)
なんだ、やっぱり馬鹿は馬鹿だとみんなが云って
居
(
お
)
りました。
虔十公園林
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
蛾次郎がさいごの力をこめた
飛礫
(
つぶて
)
がピュッと、燕作のこめかみにあたったので、かれは、急所の一
撃
(
げき
)
に、くらくらと目をまわして、竹童のからだを横にかかえたまま、
粘土
(
ねんど
)
の
急坂
(
きゅうはん
)
を
踏
(
ふ
)
みすべって
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ええ。それは世界裁判長のお
邸
(
やしき
)
でございます。ここから二チェーンほどおいでになりますと、大きな
粘土
(
ねんど
)
でかためた家がございます。すぐおわかりでございましょう。どうか私もよろしくお引き立てを
ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
粘土
(
ねんど
)
のみちだ。
乾
(
かわ
)
いている。黄色だ。みち。粘土。
台川
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
“粘土”の解説
粘土(ねんど、en: clay)は、以下のような意味をもつ言葉。
原義は、地層中などから得られ、焼き物(陶磁器や土器)の素材にもなる「粘っこい土」のこと。「ねばつち」「へなつち」とも読む。
学術・産業上は「非常に細かい粒子でできた堆積物」として定義される。
土粘土のほか塑造やモデリング用に商品化された粘土様の造形材料のこと。学校教材としても馴染みが深い。
以下、上記 2. を「堆積物としての粘土」、3. を「造形材料としての粘土」とし、それぞれについて解説する。
(出典:Wikipedia)
粘
常用漢字
中学
部首:⽶
11画
土
常用漢字
小1
部首:⼟
3画
“粘土”で始まる語句
粘土打
粘土色
粘土細工
粘土の標的