トップ
>
盲人
>
めくら
ふりがな文庫
“
盲人
(
めくら
)” の例文
へへへへ、ではどうか、御ゆっくりおやすみを……へえ、へえ、
俄
(
にわ
)
か
盲人
(
めくら
)
とちがいますから、手を引いて下さらなくても大丈夫です……
按摩
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
すると、彼のそののんきな様子を耳にとめたのでせう、同じ道を歩いてた三人の
盲人
(
めくら
)
が、彼の前に立止つて、施しを求めました。
エミリアンの旅
(新字旧仮名)
/
豊島与志雄
(著)
何
(
なん
)
で、
約束
(
やくそく
)
した
其
(
そ
)
の
婦
(
をんな
)
に
逢
(
あ
)
ひに
行
(
い
)
つては
成
(
な
)
らぬのかと——
今
(
いま
)
のお
前樣
(
まへさま
)
の
通
(
とほ
)
りを、
又
(
また
)
其
(
そ
)
の
時
(
とき
)
私
(
わたし
)
が
尋
(
たづ
)
ねますと、
彼
(
あ
)
の
盲人
(
めくら
)
が
申
(
まを
)
すには
三人の盲の話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
鈍い、黄味がかった
盲人
(
めくら
)
の
鞏膜
(
しろめ
)
のような、しかし、ぼやついたその
靄
(
もや
)
の奥には、いつでも踏みこらえるような不思議な力がこもっていた。
地虫
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
彼は
盲人
(
めくら
)
である。年ごろは三十二三でもあろうか、日に焼けて黒いのと、
垢
(
あか
)
に
埋
(
うず
)
もれて汚ないのとで年もしかとは判じかねるほどであった。
女難
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
▼ もっと見る
彼女は、
盲人
(
めくら
)
のそばをすれすれに歩き、わざと
肱
(
ひじ
)
をぶつけたり、足を踏んだりするのである。彼はしかたがなく、
後退
(
あとすざ
)
りする。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
どうも教わりたてゞございますから能く分りません、向うは
盲人
(
めくら
)
だから書いた物を出して見ても宜しいが、娘が居りますから
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
そう思って、この痩せ衰えた
盲人
(
めくら
)
を見ると、何となくこの盲人が怖しいように感ぜられた。二人はその後無言であった。私の手は
折々
(
おりおり
)
戦
(
ふる
)
えた。
黄色い晩
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ヒュ——ドロドロの科学実験はこれじゃこれじゃ……
見料
(
けんりょう
)
は大人が十銭、小供なら半額、
盲人
(
めくら
)
は
無料
(
ただ
)
……アッ……そんなに押してはいけない。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
私はこんな大和路の古い街にも住む
按摩
(
あんま
)
が、奇妙にも懐かしく
詩興
(
しきょう
)
を深く感じた、そこで、
早々
(
そうそう
)
二階へ
呼上
(
よびあ
)
げたら
彼
(
か
)
れは
盲人
(
めくら
)
の
老按摩
(
あんま
)
であった。
菜の花物語
(新字新仮名)
/
児玉花外
(著)
この
盲人
(
めくら
)
がな! それだのに手前たちのために俺は運をなくしなきゃならねえ! 馬車を乗り𢌞せようってのに、
這
(
へ
)
えつくばいの乞食になって
宝島:02 宝島
(新字新仮名)
/
ロバート・ルイス・スティーブンソン
(著)
若し途中で、或は
蹇
(
あしなへ
)
、或は
盲人
(
めくら
)
、或は癩を病む者、などに逢つたら、(その前に能く催眠術の奧義を究めて置いて、)
葬列
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
求法
(
ぐほう
)
の
僧衆
(
そうしゅう
)
が、最も苦しみ闘うのは、そのうちでも「女色禁」の一戒であった。女に対して、眼をつぶることは、生れながらの
盲人
(
めくら
)
でさえもなし難い。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
斯様いふ連中は全く
盲人
(
めくら
)
といふでも無く、さればと云つて高慢税を進んで沢山納め奉るほどの金も意気も無いので、得て中有に迷つた亡者のやうになる。
骨董
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
姥
(
おばば
)
、あぶない、逃げな、あぶない! ……
盲人
(
めくら
)
が……竹の杖で……凄い腕だ! ……そいつが来るのだ!
姥
(
おばば
)
を
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
ホメロスと呼ばれた
盲人
(
めくら
)
のマエオニデェスが、あの美しい歌どもを唱ひ出すよりずつと以前に、斯うして一人の詩人が喰はれて了つたことを、誰も知らない。
狐憑
(旧字旧仮名)
/
中島敦
(著)
説明する前にはつきりと申上げますがね、もし僕があなたをお
援
(
たす
)
けするとすれば、それは
盲人
(
めくら
)
が
跛足
(
びつこ
)
を援けると同じ事だといふ僕の注意を忘れないで下さい。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
盲人
(
めくら
)
蛇に
怯
(
お
)
じず、
藪
(
やぶ
)
を突ついて蛇、毛を吹いて傷を求め、飛んで火に入る夏の虫か、
蟷螂
(
とうろう
)
の竜車に向う
斧
(
おの
)
、いやはや、いやはや、おかしくって
臍
(
へそ
)
が茶を沸かすぞ
百足ちがい
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
若松屋惣七という
盲人
(
めくら
)
はお高を想っているのだから、このことは、あいつからももれる心配はあるまい。
巷説享保図絵
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
君、君、
盲人
(
めくら
)
蛇に
怖
(
お
)
じずとは君のことだよ。そりゃあ成る程、君に取ってはこの女は世界一の宝だろう。
痴人の愛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
で、
莫迦莫迦
(
ばかばか
)
しいようだが、ドイツは、
盲人
(
めくら
)
に、よいように手紙を読んでやる長屋の悪書生みたいな
遣
(
や
)
り方で、アフガニスタンを
誤魔化
(
ごまか
)
してなにかせしめようとした。
戦雲を駆る女怪
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
これらの㕝
逃入村
(
にごろむら
)
の
不思議
(
ふしぎ
)
に類せり。しかれども
件
(
くだん
)
の二ツは
社
(
やしろ
)
ありて丹後の人を
忌
(
いみ
)
、
墓
(
はか
)
ありて
盲人
(
めくら
)
をきらふなり、
逃入村
(
にごろむら
)
は
墳
(
つか
)
あるゆゑに天満宮の
神灵
(
しんれい
)
此地を
忌
(
いみ
)
玉ふならん。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
「
慾
(
よく
)
の
市
(
いち
)
という
盲人
(
めくら
)
だそうだ。此奴に引っ張られて行くから、詰まりは泥沼へ落ちるって」
村一番早慶戦
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
この
盲人
(
めくら
)
は、同じ仲間に手を引かれているとは夢にも知らないで、おれのことを親切な金持ちの旦那さまだと信じきっている。して見ればおれは、ほんとうの金持ちになったも同様だ。
幻想
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
それを右に見て鹿島神社の方へ行けば、
按摩
(
あんま
)
を渡世にする頭を
円
(
まる
)
めた
盲人
(
めくら
)
が居る。
駒鳥
(
こまどり
)
だの
瑠璃
(
るり
)
だのその他小鳥が
籠
(
かご
)
の中で
囀
(
さえず
)
っている間から、人の好さそうな顔を出す鳥屋の隠居が居る。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
一といふ
盲人
(
めくら
)
に、二といふ女盲人、悲しい
生命
(
いのち
)
は其の間からうまれた
太陽の子
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
盲人
(
めくら
)
よ
盲人
(
めくら
)
一心に何か聴きすましあかあかし顔を日に向けてゐる
雲母集
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
腰附、肩附、
歩行
(
ある
)
く
振
(
ふり
)
、
捏
(
で
)
っちて
附着
(
くッつ
)
けたような
不恰好
(
ぶかっこう
)
な
天窓
(
あたま
)
の工合、どう見ても按摩だね、
盲人
(
めくら
)
らしい、めんない千鳥よ。
歌行灯
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それから、彼女は、ちょっと
意趣返
(
いしゅがえ
)
しのつもりで、
盲人
(
めくら
)
の腕をつねり、通りへ押し出す。そこは、雪をふるい落とした灰色の
絨毛
(
わたげ
)
の下である。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
つまり、『
鷹の城
(
ハビヒツブルグ
)
』が来てから十日の後、また三人の
盲人
(
めくら
)
の方は、その二日まえ——五月二十九日にここへ参りましたのです
潜航艇「鷹の城」
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
主人から引止められるのを断つて、三人の
盲人
(
めくら
)
と自分との勘定に金貨を二枚おいて、名残りををしみながらお礼をいつて、こつそり出かけました。
エミリアンの旅
(新字旧仮名)
/
豊島与志雄
(著)
少し仰向き加減に、首と右肩との角度を六十度ぐらいにして居るところを見ると、生れつきの
盲人
(
めくら
)
であるらしい。
按摩
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
こういう連中は全く
盲人
(
めくら
)
というでもなく、さればといって高慢税を進んで沢山納め奉るほどの金も意気もないので、
得
(
え
)
て
中有
(
ちゅうう
)
に迷った亡者のようになる。
骨董
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
今日の明け方この社地で、社殿の縁に腰をかけ、
盲人
(
めくら
)
の阪東薪十郎と、妾の噂をなされた時にも、その常夜燈の蔭にかくれ、立ち聞き致しましてございます。
任侠二刀流
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
ホメロスと呼ばれた
盲人
(
めくら
)
のマエオニデェスが、あの美しい歌どもを
唱
(
うた
)
い出すよりずっと以前に、こうして一人の詩人が喰われてしまったことを、誰も知らない。
狐憑
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
あ……夢かア、おや/\
盲人
(
めくら
)
てえものは
妙
(
めう
)
な
者
(
もん
)
だなア、
寐
(
ね
)
てゐる
中
(
うち
)
には
種々
(
いろ/\
)
のものが見えたが、
眼
(
め
)
が
醒
(
さ
)
めたら
何
(
なに
)
も見えない。……
心眼
(
しんがん
)
と
云
(
い
)
ふお話でございます。
心眼
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
ああ、やっと、
私
(
わたし
)
は、
盲人
(
めくら
)
の
手
(
て
)
から、
脱
(
ぬ
)
け
出
(
で
)
てきた。一
刻
(
こく
)
も、
休
(
やす
)
みなく、
堅
(
かた
)
い
石
(
いし
)
の
上
(
うえ
)
や
土
(
つち
)
の
面
(
おもて
)
を、こつこつやられたのでは、
私
(
わたし
)
の
身
(
み
)
がたまったものでないからな。
河水の話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
これらの㕝
逃入村
(
にごろむら
)
の
不思議
(
ふしぎ
)
に類せり。しかれども
件
(
くだん
)
の二ツは
社
(
やしろ
)
ありて丹後の人を
忌
(
いみ
)
、
墓
(
はか
)
ありて
盲人
(
めくら
)
をきらふなり、
逃入村
(
にごろむら
)
は
墳
(
つか
)
あるゆゑに天満宮の
神灵
(
しんれい
)
此地を
忌
(
いみ
)
玉ふならん。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
どなたか御親切な旦那さま、哀れな
盲人
(
めくら
)
に教えてやって下さい。私はわがイギリスのために、ジョージ陛下万歳! 名誉の戦争に出まして、大事な眼をなくした者でございます。
宝島:02 宝島
(新字新仮名)
/
ロバート・ルイス・スティーブンソン
(著)
ほんに、仰っしゃるとおりで、
黄昏
(
たそがれ
)
に
旅籠
(
はたご
)
を求めそこね、一里先へ行ったらあるか、二里歩いたら泊まれるかと、ついつい
盲人
(
めくら
)
の勘と
強情
(
ごうじょう
)
から、こう参ったのがまちがいの
因
(
もと
)
でした。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
古い伝えは
延喜
(
えんぎ
)
の昔に。あのや
蝉丸
(
せみまる
)
、
逆髪
(
さかがみ
)
様が。何の因果か二人も揃うて。
盲人
(
めくら
)
と狂女のあられぬ姿じゃ。父の
御門
(
みかど
)
に棄てられ給い。花の都をあとはるばると。知らぬ憂目に
逢坂
(
おうさか
)
山の。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
馬頭観世音の前を通れば
甘薯畑
(
いもばたけ
)
盲人
(
めくら
)
こち向け日が
真赤
(
まつか
)
ぞよ
雲母集
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
單調に
盲人
(
めくら
)
はおもふ
太陽の子
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
盲人
(
めくら
)
は
不安気
(
ふあんげ
)
である。足が
湿
(
しめ
)
り
気
(
け
)
を感じ、片一方ずつ上へあがる。泥のまじった雪を押しのけ、そいつを遠くへ散らかす。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
處
(
ところ
)
に、
右
(
みぎ
)
の
盲人
(
めくら
)
、カツ/\と
杖
(
つゑ
)
を
鳴
(
な
)
らして、
刎上
(
はねあが
)
つて、
飛
(
と
)
んで
參
(
まゐ
)
り、これは
無體
(
むたい
)
な
事
(
こと
)
をなされる。……
強
(
きつ
)
い
元氣
(
げんき
)
ぢや。
三人の盲の話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
エミリアンは、
盲人
(
めくら
)
たちのあとをつけて、同じ宿屋にはいり、そこに泊りました。そして朝早く
眼
(
め
)
をさまして、盲人たちが起上るのを待つてゐました。
エミリアンの旅
(新字旧仮名)
/
豊島与志雄
(著)
いずれにしても、遭難の夜の秘密は底知れないのであるが、もしかして三人の
盲人
(
めくら
)
を訊問してみたら、あるいはその真相が判ってくるのではないかと思われた。
潜航艇「鷹の城」
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
「両方の眼をつぶして
盲人
(
めくら
)
になるんですよ。眼をつぶせば、あの恐しいモルヒネ中毒さえなおるのですもの、ニコチン中毒ぐらいは訳もなくなおると思うのです」
按摩
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
……すると突然男の
乞食
(
こじき
)
が——その乞食はどうやら片腕のない、
盲人
(
めくら
)
のようでございましたが、持っていた杖を突き出したんで。……それも二度でございました。
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
未だ
纒
(
まとま
)
りのつかぬ道連の小平と
盲人
(
めくら
)
のおかめ
母子
(
おやこ
)
の事などは、鹽原多助
後日譚
(
ごにちのものがたり
)
として、
尚
(
な
)
お追々お聞きに達しますことゝ致しまして、
一先
(
ひとま
)
ず此処で打切りに致します。
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
盲
常用漢字
中学
部首:⽬
8画
人
常用漢字
小1
部首:⼈
2画
“盲人”で始まる語句
盲人怨
盲人相撲
盲人縞仕立