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清水
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きよみず
ふりがな文庫
“
清水
(
きよみず
)” の例文
私は毎日のように夕方になるとこの町に最後の別れをするために、
清水
(
きよみず
)
辺りから
阿弥陀
(
あみだ
)
ヶ
峰
(
みね
)
へかけての
東山
(
ひがしやま
)
の高見へ上っていました。
蝶が飛ぶ 葉っぱが飛ぶ
(新字新仮名)
/
河井寛次郎
(著)
祇園
(
ぎおん
)
清水
(
きよみず
)
知恩院
(
ちおんいん
)
、
金閣寺
(
きんかくじ
)
拝見がいやなら
西陣
(
にしじん
)
へ行って、帯か三
枚
(
まい
)
襲
(
がさね
)
でも見立てるさ。どうだ、あいた口に
牡丹餅
(
ぼたもち
)
よりうまい話だろう。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
あの女がまだ娘の時分に、この
清水
(
きよみず
)
の観音様へ、
願
(
がん
)
をかけた事がございました。どうぞ一生安楽に暮せますようにと申しましてな。
運
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
だみ声で耳の根に
叩
(
たた
)
きつけるやうな南禅寺の鐘、すこし離れて追ひ迫る智恩院の鐘、遠くに並んできれいに澄む
清水
(
きよみず
)
、長楽寺の鐘。
上田秋成の晩年
(新字旧仮名)
/
岡本かの子
(著)
彼の姿絵を、床の下に敷きながら、
焦
(
こが
)
れ死んだ娘や、彼に対する恋の
叶
(
かな
)
わぬ悲しみから、
清水
(
きよみず
)
の舞台から身を投げた女さえない事はない。
藤十郎の恋
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
▼ もっと見る
お京の
爪皮
(
つまかわ
)
が雪を
噛
(
か
)
んで出た。まっすぐに
清水
(
きよみず
)
下の道へは出ないで、横に池について、褄はするすると
捌
(
さば
)
くが、足許の
辿々
(
たどたど
)
しさ。
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
京都
(
きょうと
)
に行ったことのある人は、きっとそこの
清水
(
きよみず
)
の
観音様
(
かんのんさま
)
にお
参
(
まい
)
りをして、あの
高
(
たか
)
い
舞台
(
ぶたい
)
の上から目の下の
京都
(
きょうと
)
の
町
(
まち
)
をながめ
田村将軍
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
つい近頃友人のうちでケンプェルが日本の事を書いた書物の挿絵を見た中に、京都の
清水
(
きよみず
)
かどこかの景と称するものがあった。
雑記(Ⅰ)
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
その晩珍しく内気で引っ込み思案の小糸が
清水
(
きよみず
)
の舞台から飛び下りた積りで晴れがましくも圓朝とただ二人、花火見物の屋根船と洒落込んだ。
小説 円朝
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
「おん奥の方には、先つ頃、
上洛
(
のぼ
)
りました節、
清水
(
きよみず
)
の
御堂
(
みどう
)
のほとりで、よそながらお姿を拝したことがござりますが、お
館
(
やかた
)
には、今宵が初めて」
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
という
見得
(
みえ
)
半分の意地っ張りから、
蔵前
(
くらまえ
)
人形問屋の若主人
清水
(
きよみず
)
屋伝二郎は、前へ並んだ小皿には箸一つつけずに、雷の
怖
(
こわ
)
さを払う下心も手伝って
釘抜藤吉捕物覚書:07 怪談抜地獄
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
六波羅が、てんでに右往左往している間に、叡山の僧兵は、六波羅には、見向きもせず、
清水
(
きよみず
)
寺へ押し寄せて、またたく間に焼き払ってしまった。
現代語訳 平家物語:01 第一巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
京の
清水
(
きよみず
)
の観音様や、
大和
(
やまと
)
の
長谷
(
はせ
)
の観音様など、なかまの名高い仏様にも会ってこられたそうだし、そのほか、あちこち、まわってこられたそうだ。
長彦と丸彦
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
よい女房を求めるには「辻取り」ということをせよと教えられて、
清水
(
きよみず
)
のほとりに出でて、女の辻取りをやる。
大菩薩峠:26 めいろの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
ふとん着て寝た姿の東山、
清水
(
きよみず
)
からは霞が降って、花には遅いがそれゆえにまた程よく程のよい
青嵐
(
あおあらし
)
の嵐山。
旗本退屈男:04 第四話 京へ上った退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
◎
京都
(
きょうと
)
の画工某の
家
(
いえ
)
は、
清水
(
きよみず
)
から
高台寺
(
こうだいじ
)
へ
行
(
ゆ
)
く間だが、この家の
召仕
(
めしつかい
)
の
僕
(
ぼく
)
が
不埒
(
ふらち
)
を働き、主人の妻と幼児とを
絞殺
(
こうさつ
)
し、火を放ってその家を
焼
(
やい
)
た事があるそうだ
枯尾花
(新字新仮名)
/
関根黙庵
(著)
親鸞
祇園
(
ぎおん
)
、
清水
(
きよみず
)
、
知恩院
(
ちおんいん
)
、
嵐山
(
あらしやま
)
の紅葉ももう色づきはじめましょう。なんなら案内をさせてあげますよ。
出家とその弟子
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
伸縮あたかも扇様で
清水
(
きよみず
)
の舞台から傘さして飛び下りるごとく、高い処から斜に飛び下りること甚だ
巧
(
うま
)
い。
十二支考:03 田原藤太竜宮入りの話
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
少年と少女とは、
清水
(
きよみず
)
の坂に立って、今夜の月を仰いでいるのであった。京の夜露はもうしっとりと
降
(
お
)
りてきて、肌の薄い二人は寒そうに小さい肩を擦り合ってあるき出した。
玉藻の前
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
祇園の石段を上って、雨に煙る高台寺下の静かな通りを
清水
(
きよみず
)
へ抜ける道筋も悪くはない。
雨の宿
(新字新仮名)
/
岩本素白
(著)
東山は白い靄に包まれて
清水
(
きよみず
)
の塔が
音羽
(
おとわ
)
山の中腹に夢のようにぼんやりと浮んで見える。
黒髪
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
幸子は貞之助を促して境内に
這入
(
はい
)
ったが、ぐずぐずしていて日が暮れると、又もう一晩泊りたくなることが、毎度の経験で知れているので、嵯峨にも、八瀬大原にも、
清水
(
きよみず
)
にも
細雪:01 上巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
清水
(
きよみず
)
の舞台から飛び降りたような語勢は鼻の先でふふんと留った。母はまたおやと思う。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
大弐のお
館
(
やかた
)
の奥様が
清水
(
きよみず
)
の観世音寺へお参りになった時の御様子をご存じですか、
帝
(
みかど
)
様の
行幸
(
みゆき
)
があれ以上のものとは思えません。あなたは思い切ったひどいことをお言いになりますね
源氏物語:22 玉鬘
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
清水
(
きよみず
)
の三本柳の一羽の
雀
(
すずめ
)
が
鷹
(
たか
)
に取られたチチャポン/\
一寸
(
ちょっと
)
百ついて渡いた渡いた
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
女の方からも
清水
(
きよみず
)
の
煎茶茶碗
(
せんちゃぢゃわん
)
をよこしたり、細君へ半襟を贈ってくれたりした。
爛
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
そのほか
四条派
(
しじょうは
)
の画には
清水
(
きよみず
)
の桜、
栂
(
とが
)
の
尾
(
お
)
の
紅葉
(
もみじ
)
などいふ真景を写したのがないではないやうであるが、しかしそれは一小部分に止つてしまつて、全体からいふと景色画は写生でないのが多い。
病牀六尺
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
京都の手仕事といえば、すぐ
西陣
(
にしじん
)
と
清水
(
きよみず
)
との名が想い浮ぶでしょう。前者は織物で、後者は焼物でその名を高めました。仕事の跡を見ますと、技の点では随分進んだもののあるのを見出します。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
丁度三月の下旬で、もうそろそろ
清水
(
きよみず
)
の
一重桜
(
ひとえざくら
)
が咲きそうな——と云っても、まだ
霙
(
みぞれ
)
まじりの雨がふる、ある寒さのきびしい夜の事である。
西郷隆盛
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
博覧会を初め名所
古刹
(
こさつ
)
を遊覧し、西陣に織り物を求め、
清水
(
きよみず
)
に
土産
(
みやげ
)
を買い、優遊の限りを尽くして、ここに十余日を過ぎぬ。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
更に、日もおかず、お絹が土手番町へ訪ねて来た、しかもその夜、上野の
清水
(
きよみず
)
の
御堂
(
みどう
)
の舞台に、おなじように、二人で立つ事になったんです——
白花の朝顔
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
では、汝、玄正よ、この弟にもここは一番
清水
(
きよみず
)
の舞台から飛び下りたつもりで、おつけ晴れて好き好む芸人修業、落語家修業をさせてやろうか。
小説 円朝
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
いよいよ
出陣
(
しゅつじん
)
の
支度
(
したく
)
ができ
上
(
あ
)
がって、
京都
(
きょうと
)
を
立
(
た
)
とうとする
朝
(
あさ
)
、
田村麻呂
(
たむらまろ
)
はいつものとおり
清水
(
きよみず
)
の
観音様
(
かんのんさま
)
にお
参
(
まい
)
りをして
田村将軍
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
清水
(
きよみず
)
の茶店を守っている八十幾歳の老婆の昔語りや、円山公園の夜桜、それから
大原女
(
おはらめ
)
の話、また嵯峨野の奥の古刹から、進んでは僧庵や尼僧の生活まで。
恩人
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
歌の中山や、
清水
(
きよみず
)
の丘や、
花頂山
(
かちょうざん
)
の峰々に抱かれて、そこは、京の町を見下ろした静かな盆地になっていた。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
祇園
(
ぎおん
)
から
八坂
(
やさか
)
の塔の眠れるように、
清水
(
きよみず
)
より大谷へ、
烟
(
けむり
)
とも霧ともつかぬ柔らかな夜の水蒸気が、ふうわりと
棚曳
(
たなび
)
いて、天上の美人が甘い眠りに落ちて行くような気持に
大菩薩峠:03 壬生と島原の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「なに、三十三銭。えー三十と三銭。
廉
(
やす
)
いな。この仁清の傑作が、メクラかい。あき盲どもだ。だがまあ仕方ない。札元引取りにしたいんだが
清水
(
きよみず
)
の舞台から飛び降りたつもりで」
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
文化九
申
(
さる
)
年の三月三日から渋谷の
長谷寺
(
ちょうこくじ
)
に、京都の
清水
(
きよみず
)
観音の出開帳がありました。
半七捕物帳:65 夜叉神堂
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
清水
(
きよみず
)
の方角にだけ
灯
(
ひ
)
がたくさんに見えて多くの
参詣
(
さんけい
)
人の
気配
(
けはい
)
も聞かれるのである。
源氏物語:04 夕顔
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
姉様
(
あねさま
)
の
是
(
これ
)
ほどの御病気、
殊更
(
ことさら
)
御幼少
(
おちいさい
)
のもあるを他人任せにして置きまして
祇園
(
ぎおん
)
清水
(
きよみず
)
金銀閣見たりとて何の面白かるべき、
妾
(
わたし
)
は
是
(
これ
)
より
御傍
(
おそば
)
さらず御看病致しましょと
云
(
い
)
えば七蔵
顔
(
つら
)
膨
(
ふく
)
らかし
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
その
裡
(
うち
)
に、花が咲いたと云う消息が、都の人々の心を騒がし始めた。
祇園
(
ぎおん
)
清水
(
きよみず
)
東山
(
ひがしやま
)
一帯の花が
先
(
ま
)
ず開く、
嵯峨
(
さが
)
や
北山
(
きたやま
)
の花がこれに続く。こうして都の春は、
愈々
(
いよいよ
)
爛熟
(
らんじゅく
)
の色を
為
(
な
)
すのであった。
藤十郎の恋
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
夏の
夜
(
よ
)
の月
円
(
まる
)
きに乗じて、
清水
(
きよみず
)
の堂を
徘徊
(
はいかい
)
して、
明
(
あきら
)
かならぬ
夜
(
よる
)
の色をゆかしきもののように、遠く
眼
(
まなこ
)
を
微茫
(
びぼう
)
の底に放って、幾点の
紅灯
(
こうとう
)
に夢のごとく
柔
(
やわら
)
かなる空想を
縦
(
ほしい
)
ままに
酔
(
え
)
わしめたるは
京に着ける夕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
それからまた「
清水
(
きよみず
)
」と「
高瀬川
(
たかせがわ
)
」という題で、絵馬か覗きからくりの絵からでも進化したような絵があったが、あれにもやはり無限に近づこうとする努力の第一歩がないとは云われなかった。
帝展を見ざるの記
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
浅香 ちょっと
清水
(
きよみず
)
へお参りして来ると言って出たのですがね。
出家とその弟子
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
清水
(
きよみず
)
炎上
(
えんじょう
)
現代語訳 平家物語:01 第一巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
清水
(
きよみず
)
の
石磴
(
いしだん
)
は、三階五階、白瀬の走る、声のない滝となって、落ちたぎり流るる道に、
巌角
(
いわかど
)
ほどの人影もなし。
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
一、二度、
清水
(
きよみず
)
のあたりで、姿はよそながら見たことがある。まだ、年もお若いはずだ。人妻でこそあるが、まことに、清純な麗人でおわした印象が今もふかい。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
この平太夫はいつぞや
清水
(
きよみず
)
の阪の下で、
辻冠者
(
つじかんじゃ
)
ばらと
刃傷
(
にんじょう
)
を致しました時、すんでに命も取られる所を、あなた様の御かげによって、落ち延びる事が出来ました。
邪宗門
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
田村麻呂
(
たむらまろ
)
はそんなに
強
(
つよ
)
い人でしたけれど、またたいそう
心
(
こころ
)
のやさしい人で、
人並
(
ひとな
)
みはずれて
信心深
(
しんじんぶか
)
く、いつも
清水
(
きよみず
)
の
観音様
(
かんのんさま
)
にかかさずお
参
(
まい
)
りをして、
武運
(
ぶうん
)
を
祈
(
いの
)
っておりました。
田村将軍
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
清水
(
きよみず
)
の舞台から飛んだつもりで、廊下伝いに飛び立ってしまいました。
大菩薩峠:40 山科の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
“清水”の意味
《名詞》
澄んで清らかな水。清澄な湧水。
(出典:Wiktionary)
清
常用漢字
小4
部首:⽔
11画
水
常用漢字
小1
部首:⽔
4画
“清水”で始まる語句
清水寺
清水谷
清水港
清水堂
清水越
清水昌一
清水川原
清水粂之介
清水町
清水焼