“四条派”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しじょうは75.0%
しでうは25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
大抵たいていのものは絵画にしきえのなかに生い立って、四条派しじょうはの淡彩から、雲谷うんこく流の墨画すみえに老いて、ついに棺桶かんおけのはかなきに親しむ。かえりみると母がある、姉がある、菓子がある、こいのぼりがある。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
私は喜多川歌麿きたがわうたまろの描いた『絵本虫撰むしえらび』を愛してまざる理由は、この浮世絵師が南宗なんそうの画家も四条派しじょうはの画家も決して描いた事のない極めて卑俗な草花そうかと昆虫とを写生しているがためである。
麻布あざぶ古川ふるかは芝山内しばさんないの裏手近く其の名も赤羽川あかばねがはと名付けられるやうになると、山内さんないの樹木と五重塔ごぢゆうのたうそびゆるふもとめぐつて舟揖しうしふの便を与ふるのみか、紅葉こうえふの頃は四条派しでうはの絵にあるやうな景色を見せる。
水 附渡船 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)