“しじょうは”の漢字の書き方と例文
語句割合
四条派100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
大抵たいていのものは絵画にしきえのなかに生い立って、四条派しじょうはの淡彩から、雲谷うんこく流の墨画すみえに老いて、ついに棺桶かんおけのはかなきに親しむ。かえりみると母がある、姉がある、菓子がある、こいのぼりがある。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
私は喜多川歌麿きたがわうたまろの描いた『絵本虫撰むしえらび』を愛してまざる理由は、この浮世絵師が南宗なんそうの画家も四条派しじょうはの画家も決して描いた事のない極めて卑俗な草花そうかと昆虫とを写生しているがためである。
そのほか四条派しじょうはの画には清水きよみずの桜、とが紅葉もみじなどいふ真景を写したのがないではないやうであるが、しかしそれは一小部分に止つてしまつて、全体からいふと景色画は写生でないのが多い。
病牀六尺 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
麻布あざぶ古川ふるかわ芝山内しばさんないの裏手近くその名も赤羽川あかばねがわと名付けられるようになると、山内の樹木と五重塔ごじゅうのとうそびゆる麓を巡って舟楫しゅうしゅうの便を与うるのみか、紅葉こうようの頃は四条派しじょうはの絵にあるような景色を見せる。