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いき
ふりがな文庫
“
活
(
いき
)” の例文
まさかこればかりを客に出すわけにもいかないから、
活
(
いき
)
あゆの塩焼きといっしょにして「
源平焼
(
げんぺいや
)
きでございます」などといって出す。
インチキ鮎
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
そして黙ったままその大石に一著を補って
活
(
いき
)
とした。瀬川が素知らぬ風を装ってることが、ちらと動いた頬の筋肉で彼に感じられた。
愚かな一日
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
活
(
いき
)
づくりはお断わりだが、実は
鯉汁
(
こいこく
)
大歓迎なんだ。しかし、魚屋か、何か、都合して、ほかの鯉を使ってもらうわけには行くまいか。
眉かくしの霊
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
彼女は
活
(
いき
)
々と金を欲しがった。女学校時代、金は何か卑しいもののやうに評価されてゐたのが、今は金の華やかさにすっかり感嘆した。
滑走
(新字旧仮名)
/
原民喜
(著)
「すみちゃん。おれは
昨夜
(
ゆうべ
)
から急に何だか若くなったような気がしているんだ。昨夜だけでも
活
(
いき
)
がいがあったような気がしているんだ。」
濹東綺譚
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
「それぢや一と風呂浴びて來るが、——その間によく考へて置くが宜い。その
大石
(
たいせき
)
はどう考へたところで
活
(
いき
)
はあるまいが」
銭形平次捕物控:177 生き葬ひ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
壮
(
わか
)
い芳郎の眼はその花にひきつけられた。冬薔薇のような赤い
活
(
いき
)
いきとした花は、
鼠
(
ねずみ
)
色にぼかされた
四辺
(
あたり
)
の物象の中にみょうにきわ立って見えた。
赤い花
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
活
(
いき
)
られるだけ
活
(
いき
)
てみようじゃないか。何のこれが見付かりさえすれば助かるのだ。事に寄ると、骨は
避
(
よ
)
けているかも知れんから、そうすれば必ず治る。
四日間
(新字新仮名)
/
フセヴォロド・ミハイロヴィチ・ガールシン
(著)
前途にどれ程の困難があり、危険があり、この世の
外
(
ほか
)
の
活
(
いき
)
地獄が横わっているかを、まるで想像もしていなかった。
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
身體
(
からだ
)
と
頭
(
あたま
)
に
樂
(
らく
)
がないので、
何時
(
いつ
)
でも
上
(
うは
)
の
空
(
そら
)
で
素通
(
すどほ
)
りをする
事
(
こと
)
になつてゐるから、
自分
(
じぶん
)
が
其
(
その
)
賑
(
にぎ
)
やかな
町
(
まち
)
の
中
(
なか
)
に
活
(
いき
)
てゐると
云
(
い
)
ふ
自覺
(
じかく
)
は
近來
(
きんらい
)
頓
(
とん
)
と
起
(
おこ
)
つた
事
(
こと
)
がない。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
黄身は鶏の食物で白身が鶏の身体にある間黄身が養っている。雛になってもまだ半分位腸の上の方に残っているから二、三日食物を与えないでも平気で
活
(
いき
)
ている。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
と
活
(
いき
)
ている者に物をいう様に分らぬ事を繰返し大きに遅れたと帰ろうとすると、ばら/\降出して来て、
他
(
ほか
)
に
行
(
ゆ
)
く処もないから水街道の麹屋へ
行
(
ゆ
)
こうとすると、和尚様は
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
……「精神病院はこの世の
活
(
いき
)
地獄」という事実を痛切に唄いあらわした
阿呆陀羅経
(
あほだらきょう
)
の文句……
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
桃太郎の誕生場をやると、仲見世の何とかいう、今の天勇のもう一つ向こうの通りの勧工場に、永らくかざられてあった
活
(
いき
)
人形にそっくりだった。まったくあれの再来かと疑われた。
随筆 寄席風俗
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
このような簡単なものは、ずいぶん古くからあったもので、僕が少年時代、神戸の
湊川
(
みなとがわ
)
が、まだ淋しい堤防であったとき、その上に掛かった小屋で、「
活
(
いき
)
人形」を見たのを覚えている。
人造物語
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
万年草
(
まんねんそう
)
、高野山大師の御廟にあり一とせに一度日あってこれを採と云此枯たる草を水に浮めて他国の人の安否を見るに存命なるは草。水中に
活
(
いき
)
て
生
(
おい
)
たるがごとし亡したるは枯葉そのまゝ也
植物一日一題
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
「贅沢な老人だな。こんな採りたての、
活
(
いき
)
のいい海老を食べるなんて。」
艸木虫魚
(新字新仮名)
/
薄田泣菫
(著)
中姉樣
(
ちうねえさま
)
は
何時
(
いつ
)
もお
留守居
(
るすゐ
)
のみし
給
(
たま
)
へば、
僕
(
ぼく
)
が
我長
(
おほきく
)
ならば
中姉樣
(
ちうねえさま
)
ばかり
方々
(
はう/″\
)
に
連
(
つ
)
れて
行
(
ゆ
)
きて、ぱのらまや
何
(
なに
)
かヾ
見
(
み
)
せたきなり、
夫
(
そ
)
れは
色々
(
いろ/\
)
の
畫
(
ゑ
)
が
活
(
いき
)
たる
樣
(
やう
)
に
描
(
か
)
きてありて、
鐵砲
(
てつぱう
)
や
何
(
なに
)
かも
本當
(
ほんたう
)
の
樣
(
やう
)
にて
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
われは
大統領
(
ドオジエ
)
の
館
(
たち
)
の
輪奐
(
りんくわん
)
の美を
討
(
たづ
)
ねて、その華麗を極めたる
空
(
むな
)
しき殿堂を
經𢌞
(
へめぐ
)
り、おそろしき
活
(
いき
)
地獄の圖ある
鞠問所
(
きくもんじよ
)
を觀き。われは彼四面皆
塞
(
ふさが
)
りたる橋の、小舟通ふ溝渠の上に架せられたるを渡りぬ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
何か証拠品が落て居たのか夫は実に驚いたナ(谷)ナニ斯う抜目なく立廻らねば駄目だよ夫も君達の目で見ては何の証拠にも成らぬが苦労人の
活
(
いき
)
た目で見れば夫が非常な証拠に成る(大)エ其品は何だ
無惨
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
その魚は、漁師の籠からでも落ちたものらしく、
活
(
いき
)
がよかった。
播州平野
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
兄弟が揃った処、お祖母さんも、この方がお気に入るに違いない、
父上
(
おとうさん
)
、
母上
(
おっかさん
)
の供養の為に、
活
(
いき
)
ものだから大川へ放して来ようよ……
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
関西方面ではともかく、東京で
活
(
いき
)
あゆの料理が自由に食べられるようになったのは、そう古いことではない。
若鮎の塩焼き
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
大事な
活
(
いき
)
證人があつたんだから、それを伴れて來て、首實驗をするのが一番早い、——り組の若い者磯吉——あの男は半九郎を刺し殺した女を見てゐる筈だ。
銭形平次捕物控:310 闇に飛ぶ箭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
……と思う間もなくどこの何者とも知れない女性の叫びに
苛責
(
さい
)
なまれ初めた絶体絶命の
活
(
いき
)
地獄……この世の事とも思われぬほど深刻な悲恋を、救うことも、逃げる事も出来ない
永劫
(
えいごう
)
の苛責……。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
如何
(
どう
)
して此三昼夜ばッか
活
(
いき
)
ちょったか? 何を食うちょったか?
四日間
(新字新仮名)
/
フセヴォロド・ミハイロヴィチ・ガールシン
(著)
人夫たちの眼は
活
(
いき
)
いきとした。権兵衛は軍扇を
揮
(
ふ
)
った。
海神に祈る
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
そこで、讃歎すると、上流、五里七里の山奥から
活
(
いき
)
のまま徒歩で運んで来る、
山爺
(
やまじじい
)
の一人なぞは、七十を越した、もう五十年余りの
馴染
(
なじみ
)
だ、と女中が言った。
古狢
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「その時は
手前
(
てめえ
)
が
活
(
いき
)
証人になってくれるだろう。なア、彦兵衛」
銭形平次捕物控:075 巾着切りの娘
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
*
活
(
いき
)
あゆの刺身は洗い作りの王、一尾から四切れか六切れ。
料理メモ
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
「
鋤
(
すき
)
は要らん、
埋
(
うめ
)
ちゃいかん、
活
(
いき
)
て居るよ!」
四日間
(新字新仮名)
/
フセヴォロド・ミハイロヴィチ・ガールシン
(著)
驚破
(
すわ
)
やと
起
(
た
)
って行き見れば、この時しも得三が
犠牲
(
いけにえ
)
を手玉に取りて、
活
(
いき
)
み殺しみなぶりおれる処なりし。
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
鉄砲巻は山に積むし、近所の
肴屋
(
さかなや
)
から、
鰹
(
かつお
)
はござってら、
鮪
(
まぐろ
)
の
活
(
いき
)
の可いやつを目利して、一土手提げて来て、私が
切味
(
きれあじ
)
をお目にかけたね。素敵な切味、一分だめしだ。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
……
馳走酒
(
ちそうざけ
)
のひどいのをしたたか飲まされ、こいつは
活
(
いき
)
がいいと強いられた、
黄肌鮪
(
きはだ
)
の刺身にやられたと見えて、
家
(
うち
)
へ帰ってから煩った、思い懸けず……それがまた十何年ぶりかで
雪柳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
白い腕を
露呈
(
あらわ
)
に、
衝
(
つ
)
とかがみ腰に手を伸ばして、ばさりと巣を探る
悪戯
(
いたずら
)
のように——指を伏せても
埒
(
らち
)
あく処を——両手に一つずつ饅頭を、しかし
活
(
いき
)
もののごとくふわりと軽く取った。
ピストルの使い方:――(前題――楊弓)
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
美人したたか身を
急
(
あせ
)
れば、
髷
(
まげ
)
崩れ、
装
(
なり
)
乱れ、帯はするする、
裳
(
もすそ
)
ははらはら、いとしどけなくなれるに恥じて、はや
一歩
(
ひとあし
)
も移し得ず、肩をすぼめて地にひれふし、
活
(
いき
)
たる心地更に無し。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「分ってら、分ってらい、いや分ってます。御馳走は分ってら。御馳走でなくッて、この霜枯に
活
(
いき
)
のいいきはだと、濁りのねえ酒が、
私
(
わっし
)
の口へ
入
(
へえ
)
りようがねえや、ねえ、おかみさん。」
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
故郷
(
ふるさと
)
なる、何を見るやら、
向
(
むき
)
は違っても一つ一つ、首を据えて目を
睜
(
みは
)
る。が、人も、もの言わず、
活
(
いき
)
ものがこれだけ居て余りの静かさ。どれかが
幽
(
かすか
)
に、えへん、と
咳払
(
せきばらい
)
をしそうで
寂
(
さみ
)
しい。
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
冬
(
ふゆ
)
の
事
(
こと
)
での、
其
(
そ
)
の
前兆
(
ぜんてう
)
べい、
八尺余
(
はつしやくよ
)
も
積
(
つも
)
つた
雪
(
ゆき
)
が
一晩
(
ひとばん
)
に
融
(
と
)
けて、びしや/\と
消
(
き
)
えた。あれ
松
(
まつ
)
が
蒼
(
あを
)
いわ、と
言
(
い
)
ふ
内
(
うち
)
に、
天
(
てん
)
も
地
(
ち
)
も
赤黒
(
あかぐろ
)
く
成
(
な
)
つて、
活
(
い
)
きものと
言
(
い
)
ふ
活
(
いき
)
ものは、
泥
(
どろ
)
の
上
(
うへ
)
を
泳
(
およ
)
いだての。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
でっくり
肥
(
ふと
)
った
膏親爺
(
あぶらおやじ
)
と、
軽薄
(
けいはく
)
らしい若いものと、誰が見ても、人買が買出した様子なのが、この炎天だから、
白鵞
(
はくが
)
も
鴨
(
かも
)
も、豚も羊も、一度水を打って、
活
(
いき
)
をよくし、ここの清水で、息を継がせて
河伯令嬢
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“活”の意味
《名詞》
(カツ)気合い、気合いを入れること。
(出典:Wiktionary)
活
常用漢字
小2
部首:⽔
9画
“活”を含む語句
生活
活溌
活計
復活
快活
活動
復活祭
活動写真
活惚
生活状態
活々
独活
活仏
活返
活栓
活用
活力
瑞典小農生活
活劇
花活
...