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援
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たす
ふりがな文庫
“
援
(
たす
)” の例文
敵の出で来るを恐れては
勿々
(
なかなか
)
軍はなるまじ、その上に
延々
(
のびのび
)
とせば、横山
終
(
つい
)
に
攻落
(
せめおと
)
さるべし。但し此ほかに横山を
援
(
たす
)
けん
術
(
てだて
)
あるべきや。
姉川合戦
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
呉傑
(
ごけつ
)
、
平安
(
へいあん
)
は、
盛庸
(
せいよう
)
の軍を
援
(
たす
)
けんとして、
真定
(
しんてい
)
より兵を率いて
出
(
い
)
でしが、及ばざること八十里にして庸の敗れしことを聞きて還りぬ。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「
気高
(
けだか
)
過ぎて……」と男の我を
援
(
たす
)
けぬをもどかしがって女は首を傾けながら、我からと顔の上なる姿を変えた。男はしまったと思う。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「それ
援
(
たす
)
けに行け」と、にわかに急ぐと、途中の森林や低地から待っていたとばかり伏兵が起った。張苞、関興ふた手の軍勢だった。
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
〔評〕官軍江戸を
伐
(
う
)
つ、關西諸侯兵を出して之に從ふ。是より先き
尾藩
(
びはん
)
宗家
(
そうけ
)
を
援
(
たす
)
けんと欲する者ありて、
私
(
ひそ
)
かに
聲息
(
せいそく
)
を江戸に
通
(
つう
)
ず。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
▼ もっと見る
私は現在の所へ来てから、この問題に再び着手して、有力な共同者の
援
(
たす
)
けを得て、最近その写真を撮ることが出来るようになった。
指導者としての寺田先生
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
お
援
(
たす
)
けしたいと思つてゐるのです。では、先づ云つて下さい、先づ第一にあなたはどんな仕事に經驗があるか、それから何が出來るか。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
御用聞、下っ引、狩り集めた組子の総勢は二十八人、銭形平次は治太夫を
援
(
たす
)
けて、全部の掛け引の責任を持ったことは言うまでもありません。
銭形平次捕物控:243 猿回し
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
慎しみ深い人のこととて苦しみは
洩
(
もら
)
さなかった。かえって、すこし心持ちがよいからと、
厠
(
かわや
)
にも人に
援
(
たす
)
けられていった。
松井須磨子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
明くる日の午ちかく、薪を折りに入った村の女たちが、藪落しの近くに倒れている勘三郎をみつけて村へ
援
(
たす
)
け帰った。
藪落し
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
お前の印堂の黒いことはどうだ、ああ怖い怖いと言ったので、簡単なアマは大変
吃驚
(
びっくり
)
し、どうしたらこれを避けることが出来ようかと
援
(
たす
)
けを求めた。
さまよう町のさまよう家のさまよう人々
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
青年探偵帆村荘六の必死の努力は、警察官をよく
援
(
たす
)
けて、この前代未聞の怪事件の謎を解くことに成功したのだった。
蠅男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
機械の
援
(
たす
)
けをもってまたはこれなくして得られようとも、それは常に等量の他のすべての貨物と交換されるということが、主張されなければならない。
経済学及び課税の諸原理
(新字新仮名)
/
デイヴィッド・リカード
(著)
(小説家は、事実を述べている時でも、物語を語っているのではないかと思われるらしい。)誰か実際的な地位を
有
(
も
)
つ人物が
援
(
たす
)
けて呉れなければ駄目だ。
光と風と夢
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
そういう風にして何度となく山野を
跋渉
(
ばっしょう
)
した阿賀妻であった。それを
援
(
たす
)
け、つき従っていた大野順平であった。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
能
(
よ
)
くその
所天
(
おっと
)
を
援
(
たす
)
けて
後顧
(
こうこ
)
の
憂
(
うれ
)
いなからしめ、あるいは一朝不幸にして、その
所天
(
おっと
)
に
訣
(
わか
)
るることあるも、独立の生計を営みて、
毅然
(
きぜん
)
その操節を
清
(
きよ
)
うするもの
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
宣告を受けたる同胞の早く毒蛇に卷かれたるを、雲に駕せる靈の
援
(
たす
)
け出さんとするあり。悔い恨める罪人の拳もて我額を撃ちつゝ、地獄の底深く沈み行くあり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
陸羽は
代宗
(
だいそう
)
(七六三—七七九)の
援
(
たす
)
くるところとなり、彼の名声はあがって多くの門弟が集まって来た。
茶の本:04 茶の本
(新字新仮名)
/
岡倉天心
、
岡倉覚三
(著)
今は中宮をお
援
(
たす
)
けしていることで、
聡明
(
そうめい
)
な人だったから、あの世ででも私の誠意を認めておいでになることだろう。中宮のお字はきれいなようだけれど才気が少ない
源氏物語:32 梅が枝
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
西部戦線の聯合軍を
援
(
たす
)
けに、最近本国から
巴里
(
パリー
)
へ渡つた米国青年士官の二人があつた。仏蘭西の婦人達は持前のお愛嬌と行き届いた接待とで、この遠来のお客をもてなした。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
その『閹人顕正論』の四二頁
已下
(
いか
)
にいわく、十一世紀にギリシア人、イタリアのベネヴェント公と戦い、
甚
(
いた
)
くこれを苦しめた後、スポレト侯チッバルドこれを
援
(
たす
)
けてギリシア軍を破り
十二支考:08 鶏に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
震え戦き、永遠の深き
息吹
(
いぶ
)
きによって時々に半ば
援
(
たす
)
け起こされるそれらの女性よ。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
例えば奥州の
三春駒
(
みはるごま
)
は田村麻呂将軍が
奥州征伐
(
おうしゅうせいばつ
)
の時、清水寺の僧
円珍
(
えんちん
)
が小さい駒を
刻
(
きざ
)
みて与えたるに、多数の騎馬武者に
化現
(
かげん
)
して味方の軍勢を
援
(
たす
)
けたという伝説に
依
(
よ
)
って作られたもので
土俗玩具の話
(新字新仮名)
/
淡島寒月
(著)
私共はここに理論と実際とが互に相
援
(
たす
)
け合う有様の著しい例を見るわけである。けだし、たしかに、簿記によって表わされる産業の実際は生産理論の確立に大いに役立ち得るからである。
純粋経済学要論:01 上巻
(新字新仮名)
/
マリー・エスプリ・レオン・ワルラス
(著)
砂利
(
じゃり
)
車のあと押しをして、熱い熱い日の下に働いていたが、ふとはげしい
眩惑
(
げんわく
)
を感じて地に倒れ、
援
(
たす
)
けられて自分の小屋に送り込まれてからは、いかな丈夫な
身体
(
からだ
)
もどうすることもできず
ネギ一束
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
彼
(
か
)
の大久保利通の如きも、当初はこれに相違なかりしといえども、長州再征の時に到り、幕政のいよいよ以て
援
(
たす
)
くべからざるを看破したるがために、遂に倒幕に変じたるが如きを見るなり。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
今他から突如として
援
(
たす
)
けに来る人がなくては、とても
援
(
たす
)
からぬ命である。
捕われ人
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
田が数十
頃
(
けい
)
あるが、
貪縦
(
たんじゅう
)
で
厭
(
あ
)
くことがなく、しきりに隣接地を自分の物にしているが、その手段が甚だよくない、ひとりぽっちで
援
(
たす
)
けのない者を欺いて、
賤
(
やす
)
く買い、中にはその定価を払わないで
富貴発跡司志
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
国民党を
援
(
たす
)
けると決めたなら決めたで、そっちへどんどんお金を注ぎこむ。支那人が日本人と仲よくしてからほんとに暮らしが楽になったと思うようにするのです。それ以外に手はありませんよ。
女の一生
(新字新仮名)
/
森本薫
(著)
他
(
ひと
)
の
援
(
たす
)
けさへなく
六八
世にくだりしものの
田畑
(
たばた
)
をも、
価
(
あたひ
)
を
賤
(
やす
)
くして
六九
あながちに
己
(
おの
)
がものとし、今おのれは
村長
(
むらをさ
)
とうやまはれても、むかしかりたる人のものをかへさず、礼ある人の
席
(
むしろ
)
を譲れば
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
筑波組も西に走ったあとでは彼の同志はほとんど
援
(
たす
)
けのない孤立のありさまであった。襲撃があるというので、一家こぞって逃げなければならない騒ぎだ。長男には家に召使いの
爺
(
じい
)
をつけて逃がした。
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
そして、恐怖だけは、迷いとべつに、尼の神経を冴えさせるばかりだった。山音、風の歩み、雨のようなこおろぎの啼く
音
(
ね
)
も
援
(
たす
)
けて。
私本太平記:02 婆娑羅帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
見ると、その男は富士屋自動車と
云
(
い
)
う帽子を
被
(
かぶ
)
っていた。信一郎は、急に
援
(
たす
)
け舟にでも逢ったように救われたような気持で、立ち止った。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
お幽は伊之吉に
援
(
たす
)
けられて、精一杯の氣持で言ふのです。冷たく、底光りがして、あらゆる情熱を
眞珠
(
しんじゆ
)
に押し包んだやうな、不思議な娘です。
銭形平次捕物控:300 系図の刺青
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
そこで氏郷は之を
援
(
たす
)
けて一揆を鎮圧する為に軍を率いて出張したが、途中の
宿々
(
しゅくじゅく
)
の農民共は、宿も借さなければ薪炭など与うる便宜をも
峻拒
(
しゅんきょ
)
した。
蒲生氏郷
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
大安楽寺
(
こうぼうさま
)
の門前までゆくと、
文字焼
(
もんじやき
)
やのおばさんと、ほおずきやの
媼
(
おば
)
さんが声をかける。下足のお爺さんは、待っていたように
援
(
たす
)
けおろしてくれる。
旧聞日本橋:20 西川小りん
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
すなわち文面は北条氏と長尾義景とのあいだに交わされた密書で、義景の
謀叛
(
むほん
)
を北条氏が
援
(
たす
)
ける意味のものである。
城を守る者
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
〔評〕南洲人に
接
(
せつ
)
して、
妄
(
みだり
)
に
語
(
ご
)
を
交
(
まじ
)
へず、人之を
憚
(
はゞか
)
る。然れども其の人を知るに及んでは、則ち心を
傾
(
かたむ
)
けて之を
援
(
たす
)
く。其人に非ざれば則ち
終身
(
しゆうしん
)
言
(
い
)
はず。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
そこで我々新選組が、甲州鎮撫隊と名を改め、正式に幕府から任命され、駿河守殿を
援
(
たす
)
け、甲府城を守る事になり、
不日
(
ふじつ
)
出発する事になったのじゃが……
甲州鎮撫隊
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
室内にレコードを掛けて、柿丘と雪子とが相抱いて踊りはじめると、
赭顔
(
あからがお
)
の博士は、柿丘夫人呉子さんを
援
(
たす
)
けておこして、
鮮
(
あざや
)
かなステップを踏むのだった。
振動魔
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
孤獨になればなる程、友がなければない程、
援
(
たす
)
け手がなければない程、それだけ、私は自分を尊敬する。私は神の
與
(
あた
)
へ給ふた、人間の認める法律を守らう。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
迷亭は銭に不自由はしないが、あんな偶然童子だから、寒月に
援
(
たす
)
けを与える
便宜
(
べんぎ
)
は
尠
(
すくな
)
かろう。して見ると
可哀相
(
かわいそう
)
なのは首縊りの力学を演説する先生ばかりとなる。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
源氏にも
朝家
(
ちょうけ
)
の政治に携わる上に心得ていねばならぬことをお教えになり、東宮をお
援
(
たす
)
けせよということを繰り返し繰り返し仰せられた。夜がふけてから東宮はお帰りになった。
源氏物語:10 榊
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
元世祖上都に万余の純白馬を
畜
(
か
)
い、その牝の乳汁を自身と皇族のみ飲む、ほかにホリアッド族、かつてその祖父
成吉思汗
(
ジンギスかん
)
を
援
(
たす
)
けて殊勲ありつれば白馬乳を用うる特典を得たりと、ユール註に
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
喰
(
く
)
い止め兼ねる主君は、開拓主事である阿賀妻に
援
(
たす
)
けをもとめるにきまっていた。そのときそこでこの流れを
堰
(
せ
)
きとめる力が彼に在り得たか?——むろん無かった。身をこわすより手はなかった。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
天漢三年の秋に
匈奴
(
きょうど
)
がまたもや
雁門
(
がんもん
)
を犯した。これに
酬
(
むく
)
いるとて、翌四年、漢は
弐師
(
じし
)
将軍
李広利
(
りこうり
)
に騎六万歩七万の大軍を
授
(
さず
)
けて
朔方
(
さくほう
)
を出でしめ、歩卒一万を率いた
強弩都尉
(
きょうどとい
)
路博徳
(
ろはくとく
)
にこれを
援
(
たす
)
けしめた。
李陵
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
齢
(
よわい
)
わずかに十四才にして父を
援
(
たす
)
けて実業界に入った。
経済学及び課税の諸原理
(新字新仮名)
/
デイヴィッド・リカード
(著)
すでに藤吉郎と結んでいて、軍事的に加勢はできないが、裏面からお
援
(
たす
)
けしようという
黙契
(
もっけい
)
のもとになされた
反間
(
はんかん
)
の
計
(
けい
)
だったのである。
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
飛んで行つて見ると、番頭の文六と組んづほぐれつの大格鬪中、ともすれば逃げられさうになつて
援
(
たす
)
けを呼んだのです。
銭形平次捕物控:119 白紙の恐怖
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
今日まで三年の間余は為事を
援
(
たす
)
け余と苦心を分って来たペンが紛失した。余はがっかりした。今日は書きにくい
真鍮
(
しんちゅう
)
のペンで「裸婦」十五枚程書いた。
青べか日記:――吾が生活 し・さ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
援
常用漢字
中学
部首:⼿
12画
“援”を含む語句
援助
救援
後援
應援
応援
後援者
声援
孤立無援
援兵
赴援
援軍
来援
援護
馬援
攀援
攀援類
不渡手形的援醤宣言
側援
相援
相互援助法
...