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手段
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てだて
ふりがな文庫
“
手段
(
てだて
)” の例文
此凄まじい日に照付られて、一滴水も飲まなければ、
咽喉
(
のど
)
の
炎
(
も
)
えるを
欺
(
だま
)
す
手段
(
てだて
)
なく
剰
(
あまつ
)
さえ
死人
(
しびと
)
の
臭
(
かざ
)
が
腐付
(
くさりつ
)
いて
此方
(
こちら
)
の体も
壊出
(
くずれだ
)
しそう。
四日間
(新字新仮名)
/
フセヴォロド・ミハイロヴィチ・ガールシン
(著)
かう見たところ、家の中には、私を狙ふほどの者が居さうも無いのに、私は毎日、何んか變つた
手段
(
てだて
)
で、脅かされて居るのでございます。
銭形平次捕物控:246 万両分限
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「いやいやそれは偽りでござる! 腰元も
近習
(
きんじゅう
)
も知る訳がない! ——がしかしここにただ一つ、それを知られる
手段
(
てだて
)
がござる」
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
こゝにても次の圓よりいと急に垂るゝ岸、かゝる
手段
(
てだて
)
によりて
緩
(
ゆる
)
まりぬ、されど右にも左にも身は高き石に觸る 一〇六—一〇八
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
彼はその
手段
(
てだて
)
として一種の方法を案出した。ある
晩餐
(
ばんさん
)
の席へ招待された好機を利用して、彼は急に
劇
(
はげ
)
しい
発作
(
ほっさ
)
に
襲
(
おそ
)
われたふりをし始めた。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
そこで先づ試みに一微風を漏脱したところ、ことごとく思量に反して、あとはもはや大流風の思ふがままの奔出を防ぎかける
手段
(
てだて
)
もなかつた。
閑山
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
途は一つ! 只一つ! 事を荒立てないで、怪我人も出さず、
科人
(
とがにん
)
も作らず、未然にすべてを防ぐ
手段
(
てだて
)
を講ずる以外には何ものもないのです。
旗本退屈男:08 第八話 日光に現れた退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
……さような風評の立たぬうちに、いかなる
手段
(
てだて
)
を講じても事件の本末をたずね、十三人の所在をあきらかにせねばならぬ
顎十郎捕物帳:11 御代参の乗物
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
「これが外れても、未だ他の
手段
(
てだて
)
がある。所詮は、八郎太が一手柄立てさえすればよいのではないか——こういう機——一手柄や、二手柄——」
南国太平記
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
ば
討取
(
うちとら
)
ば此度の公事は
必定
(
ひつぢやう
)
勝利
(
しようり
)
ならん右兩人を
討取
(
うちとり
)
手段
(
てだて
)
を一
刻
(
こく
)
も
早
(
はやく
)
成
(
な
)
さるが
捷徑
(
ちかみち
)
なりと申ければ主税之助は首を
傾
(
かたぶ
)
け兩人を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
ピドールカはありとあらゆる
手段
(
てだて
)
をつくした。修験者に相談したり、
★
怯え落しや癪おさへの
呪術
(
まじなひ
)
もしてみたが——しかし、なんの
験
(
しるし
)
もなかつた。
ディカーニカ近郷夜話 前篇:04 イワン・クパーラの前夜
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
そして、最後に、酒乱の父と強欲な母とをか細い女の手で養う
手段
(
てだて
)
は、どう考えてもほかにないと、なかば自嘲的にいい放つて、つと座を起つた。
光は影を
(新字新仮名)
/
岸田国士
(著)
「一つ珍物を喰はさうかなあ。」と、父は
毎
(
いつ
)
も
年齡
(
とし
)
を訊かれた時にするやうな
手段
(
てだて
)
で、話を
他
(
わき
)
へ持つて行かうとした。
父の婚礼
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
伸びつ
反
(
そ
)
りついたして
楼内
(
うち
)
の様子にばかり気を配って、
此処
(
こゝ
)
へ舟をつけて待っていてくれろというからは、屹度花里が忍んで出てくる
手段
(
てだて
)
に違いなかろう
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
諸方に
散亡
(
さんぼう
)
していた山徒をよびあつめ、あらゆる
手段
(
てだて
)
を尽して、山門復興の運動をしておるようでございます
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「やり切れねえから眠る振りをしてやつてゐたんだぞ、
奴等
(
うぬら
)
の馬鹿酒を飲んでやる
手段
(
てだて
)
だつたつてえことが解らねえとは、さりとは、三国一の剣術使ひだよ。」
武者窓日記
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
いかなる大軍も攻め入る
手段
(
てだて
)
はなかろう、一夫これを守れば万卒も越え難しというのはまさにこれじゃ。
大菩薩峠:11 駒井能登守の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
医師は騒がず看護婦を呼びて、応急の
手段
(
てだて
)
を施しつ。さしずして寝床に近き
玻璃窓
(
はりそう
)
を開かせたり。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
文学者や
画家
(
ゑかき
)
の
許
(
とこ
)
へは、何ぞと言つては書いた者を
強請
(
ねだ
)
りに来る
輩
(
てあひ
)
が少くない。とりわけそれに幾らかの市価があるといふ事になると、色々の
手段
(
てだて
)
を尽して引出しに来る。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
吉田磯吉の勢力をバックにして、友田喜造一派は、いよいよ、これから
暴
(
あば
)
れる算段をしとる。この前のパナマ丸では失敗し居ったが、この先、どんな
手段
(
てだて
)
で来るかも知れん。
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
歌の文句の活版刷りです。あとで何やらマヤカシ物をば。無理に買わせる
手段
(
てだて
)
じゃないかと。疑うお方があるかも知れぬが。ソンナ心配一切御無用。これは私の道楽仕事じゃ。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
で、
其
(
それ
)
を
取戻
(
とりもど
)
す
唯一
(
たゞひと
)
つの
手段
(
てだて
)
と
言
(
い
)
ふのが、
償
(
つくな
)
ひの
像
(
ざう
)
を
作
(
つく
)
るにある、
其
(
そ
)
の
像
(
ざう
)
が、
御身
(
おみ
)
たちに
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
初めて
覺
(
さと
)
る我身の罪、あゝ我れ
微
(
なか
)
りせば、御邊も
可惜
(
あたら
)
武士を捨てじ、横笛も亦世を早うせじ、とても叶はぬ戀とは知らで、道ならぬ
手段
(
てだて
)
を用ひても望みを貫かんと務めし愚さよ。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
クログスタット それともこの兩三日のうちにその金を拵へる
手段
(
てだて
)
がおありですか?
人形の家
(旧字旧仮名)
/
ヘンリック・イプセン
(著)
王子はいろいろ思い廻された上、遂にお
守役
(
もりやく
)
の
老女
(
ろうじょ
)
にわけを話して、
白樫
(
しらがし
)
の森に行けるような
手段
(
てだて
)
を相談されました。老女は
大層
(
たいそう
)
王子に同情しまして、いいことを一つ考えてくれました。
お月様の唄
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
かうしたことが、その見習にも、すこし煙草をすふ
手段
(
てだて
)
を與へた。彼は圓顏の、達者さうな子供で、多少とも互ひに身寄りになつてゐるこれ等總ての水夫等の彼もまた遠縁にあたつてゐた。
氷島の漁夫:01 氷島の漁夫
(旧字旧仮名)
/
ピエール・ロティ
(著)
彼らに知らせようとする
瓦
(
かわら
)
を積んでは
崩
(
くず
)
すような取り止めもない
謀略
(
はかりごと
)
が幼い胸中に幾度か
徒事
(
あだ
)
に
廻
(
めぐ
)
らされたのであったがとうとう何の
手段
(
てだて
)
をも自分からすることなくある日崖下の子の一人が私を
山の手の子
(新字新仮名)
/
水上滝太郎
(著)
それならば進んで、その店の安売りを中止させる
手段
(
てだて
)
は——。
一商人として:――所信と体験――
(新字新仮名)
/
相馬愛蔵
、
相馬黒光
(著)
あらん限りの
手段
(
てだて
)
もて妻を
虐
(
しひた
)
げる之を称して倦怠期といふ
小熊秀雄全集-01:短歌集
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
誠こそ
手段
(
てだて
)
のなかの
方便
(
てだて
)
なれ
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
神はわがその王宮を、
近代
(
ちかきよ
)
に全く
例
(
ためし
)
なき
手段
(
てだて
)
によりて見るを
好
(
よみ
)
したまふまで、我をその
恩惠
(
めぐみ
)
につゝみたまへるなれば 四〇—四二
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
お隣にいる中村新八郎に、たった一と目別れを惜しみたい——と、思い乍らも、此時刻になっては、
呼出
(
よびだ
)
す
手段
(
てだて
)
もありません。
奇談クラブ〔戦後版〕:10 暴君の死
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
そこで先ず試みに一微風を
漏脱
(
ろうだつ
)
したところ、ことごとく思量に反して、あとはもはや大流風の思うがままの
奔出
(
ほんしゅつ
)
を防ぎかける
手段
(
てだて
)
もなかった。
閑山
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
大工と鳶なら近よる
手段
(
てだて
)
もあろうし、よしまた近寄ることが出来ずとも、お抱えお出入りの鳶、大工があろうゆえ、少しく智慧を働かしなば
旗本退屈男:10 第十話 幽霊を買った退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
各自
(
めいめい
)
お得意の音楽を奏するのだとは聞いておりましたが、それが誘惑の主を現わす
手段
(
てだて
)
であるのでござりますか。
レモンの花の咲く丘へ
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
湯女
(
ゆな
)
奉公しているうちに、又十郎から柳生家の内状をそれとなく探り、大機——お由利——と順々に
手段
(
てだて
)
をかえて、但馬守の
生命
(
いのち
)
から、十兵衛、又十郎、右門
柳生月影抄
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
お國と源次郎の
奸策
(
わるだくみ
)
の
一伍一什
(
いちぶしゞゅう
)
を
立聞
(
たちぎゝ
)
致しまして、孝助は自分の部屋へ帰り、もう是までと思い詰め、
姦夫
(
かんぷ
)
姦婦
(
かんぷ
)
を殺すより
外
(
ほか
)
に
手段
(
てだて
)
はないと忠心一
途
(
ず
)
に思い込み
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「夜盗だ。夜蔭に乗じて垣を乗り越へて潜入した曲者と、私は取引きいたす
手段
(
てだて
)
は弁へぬわい。」
酒盗人
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
「
角力取
(
すもうとり
)
らしい男が人を斬って、あの空屋へ逃込んでいるが捕える
手段
(
てだて
)
が無くて困っている」
鍵屋の辻
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
それほど
滑稽
(
こっけい
)
とも思わなかったが、心の内で、この男は心得があってわざとこんな
言葉遣
(
ことばづかい
)
をするのだろうか、または無学の結果こうよりほか言い現わす
手段
(
てだて
)
を知らないのだろうかと考えた。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
医者は何とかして口を利かせたいものだと、頭を絞つて色々の
手段
(
てだて
)
を試してみたが、小娘は髪の毛一つ動かさない済ました顔で、石のやうに黙りこくつてゐる。かうしてさんざ
焦慮
(
じら
)
しぬいた末
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
越前守殿コリヤ平左衞門何と
斯樣
(
かやう
)
の屆書是有る上は
其方儀
(
そのはうぎ
)
主税之助と申合
島
(
しま
)
を
害
(
がい
)
して其死骸を
隱
(
かく
)
さん爲淺草了源寺よりの
送
(
おく
)
りなりと
僞
(
いつは
)
りを構へ其
手段
(
てだて
)
をせし所光明院にて
差拒
(
さしこば
)
みし故彼處へ
棺桶
(
くわんをけ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
それを
跟
(
つ
)
けて、巣を突き止める
手段
(
てだて
)
もありませんが、暇にあかして詮索をしたら、疑問の旗本の名前位は搜り出せるかも知れないのでした。
銭形平次捕物控:080 捕物仁義
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
抑〻クリストの
新婦
(
はなよめ
)
を、わが血及びリーン、クレートの血にてはぐゝめるは、これをして
黄金
(
こがね
)
をうるの
手段
(
てだて
)
たらしめん爲ならず 四〇—四二
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
だから
手段
(
てだて
)
に困って、出入りのこのあっしに渡りをつけやがって、うまくいったら五百両分け前をやるからと、仲間に抱き込みやがったんです。
旗本退屈男:04 第四話 京へ上った退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
「誠の事情は相談ずくで、右衛門さんと別れたと見せ、紋十郎に油断をさせ、
彼奴
(
きゃつ
)
の恐ろしい
悪謀
(
わるだくみ
)
をそれとなく聴き出して、右衛門さんに知らせるのが
手段
(
てだて
)
……」
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
そして、今度こんがらやせいたかを連れて、秩父へ出かけるということをどこからか聞き込み、前に生不動を
殺
(
や
)
ったと同じ
手段
(
てだて
)
で、怖ろしい
罠
(
わな
)
の支度をしていますのさ
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
身請の
下談
(
したばな
)
しが始まりましたんで、花里は
恟
(
びっく
)
りいたして一度二度は
体
(
てい
)
よく
瞞
(
ごま
)
かしておき、斯うなっては
最
(
も
)
う振ってふって振りぬいて、先から
愛憎
(
あいそ
)
をつかさせるより
手段
(
てだて
)
はないと
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「吉井、村野等の帰国を待ちまして、すぐ様、その
手段
(
てだて
)
に取りかかりましょう」
南国太平記
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
ボーラスの
玄関番
(
ブラツク
)
は、思はぬ失策をしてしまつて眼を白黒させながら思案したが、肚の中のパトリツクを殺すためには自分も死ななければならぬといふ
手段
(
てだて
)
より他に、何んな考へも浮ばなかつた。
南風譜
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
“手段”の意味
《名詞》
手 段(しゅだん)
ある目的を実現させるための方法。
(出典:Wiktionary)
手
常用漢字
小1
部首:⼿
4画
段
常用漢字
小6
部首:⽎
9画
“手”で始まる語句
手
手拭
手前
手巾
手繰
手許
手向
手綱
手際
手燭