快活かいかつ)” の例文
あるがたに、不意ふいむすめかえってきました。両親りょうしんは、見違みちがえるようにうつくしく、快活かいかつになっていたのにおどろいたのです。
笑わない娘 (新字新仮名) / 小川未明(著)
じっと突っ立って、二分間ほど考えこんでいた先生は、心配しんぱいそうにとりまいている生徒たちに気がつくと、きそうな顔で笑って、しかし声だけは快活かいかつ
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
と、つとめて、伊那丸の勇気ゆうき鼓舞こぶするため、ふたりが快活かいかつに話していると、あなたの林をへだてたやみにあたって、ドボーン! とすさまじい水音がたった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
たびたびわたしはかの女の目になみだが流れているのを見た。それがかの女の心の苦しみを語っていた。でもやさしい快活かいかつ性質せいしつからその苦しみはすぐに消えた。
いたって元気げんきな、壮健そうけんな、立派りっぱしろ頬鬚ほおひげの、快活かいかつ大声おおごえの、しかもい、感情かんじょうふか人間にんげんである。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
富士男はいまゴルドンが自分を快活かいかつにみちびこうとして、笑話しょうわをつくったのだとはじめてわかった。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
しめっぽい身のうえ話がすむと、ふたりは、だんだん快活かいかつになって、笑い声をたてながら、話しあっていましたが、やがて、光子さんは、こんなことをいいだすのでした。
超人ニコラ (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
快活かいかつ情愛じょうあいがあって、すこしも官吏かんりふうをせぬところから、場中じょうちゅう気受きうけも近郷きんごう評判ひょうばんもすこぶるよろしかった。近郷きんごう農民のうみんはひいきの欲目よくめから、糟谷は遠からずきっと場長じょうちょうになると信じておった。
老獣医 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
その間もあの快活かいかつな娘の姿は、絶えず素戔嗚すさのおの心を領していた。
素戔嗚尊 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
そのかおがまるくて、いろくろ快活かいかつ少年しょうねんでした。ゆうちゃんは、この少年しょうねんきで、いつまでもともだちでいたかったのです。
銀のペンセル (新字新仮名) / 小川未明(著)
だが林の奥から、さびしい木魂こだまがかえってくるだけで、オーイと、あの快活かいかつな竹童の返辞へんじはしてこない。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「やあ、ルミだよ」とかれはそばにりそって歩いていた四十ばかりの男のほうを向いてさけんだ。その人はアッケンのお父さんと同じような、親切な快活かいかつな顔をしていた。
いつも快活かいかつな小林君が、きょうは、うなだれた顔をあげることもできないようすです。
妖人ゴング (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
快活かいかつにやるよ」
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
彼女かのじょにくらべて、ともだちのむすめは、平常へいぜい、はすっぱといわれるほどの、快活かいかつ性質せいしつでありましたから、これをきくと、すぐに
海のまぼろし (新字新仮名) / 小川未明(著)
いかにも快活かいかつな笑いごえである。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「どうしたら、むすめがもっと快活かいかつにものをいったり、わらったりするようになるでしょうか。」と、両親りょうしんは、老人ろうじんいました。
笑わない娘 (新字新仮名) / 小川未明(著)
まちはにぎやかでした。うつくしい、そして快活かいかついもうとは、だれからでもよろこばれたにちがいありません。人々ひとびとは、みんないもうと歓迎かんげいしたにちがいありません。
灰色の姉と桃色の妹 (新字新仮名) / 小川未明(著)
こういって、若者わかものかえしました。快活かいかつ若者わかものは、荷物にもつのひもをほぐしていとつくり、曲玉まがたまとおして、道化半分どうけはんぶんに、自分じぶんくびにかけてあるきました。
トム吉と宝石 (新字新仮名) / 小川未明(著)
これから、わたしは、おじょうさんに、音楽おんがくおしえ、自然しぜんともとすることをおしえましょう。もっとまれわったように、快活かいかつなおかたとなられるとおもうじゃ。
笑わない娘 (新字新仮名) / 小川未明(著)
いもうとは、つねに桃色ももいろ着物きものをきていました。きわめて快活かいかつ性質せいしつでありますが、あね灰色はいいろ着物きものをきて、きわめてしずんだ、口数くちかずすくない性質せいしつでありました。
灰色の姉と桃色の妹 (新字新仮名) / 小川未明(著)
いもうとはこのうえなくうつくしく、また快活かいかつでありましたから、すべてのいのちあるものにはかわいがられていたのです。
消えた美しい不思議なにじ (新字新仮名) / 小川未明(著)
まれつき快活かいかついもうとも、あねのあることをおもったときには、うたうこともいつかくもらざるをなかったのである。
灰色の姉と桃色の妹 (新字新仮名) / 小川未明(著)
いもうとのほうは、やはり、やさしいにはやさしかったけれど、あねにくらべると、快活かいかつなほうでありました。
木と鳥になった姉妹 (新字新仮名) / 小川未明(著)
と、まだ、そんなに、このもりなかではとしをとっていない木立こだちが、快活かいかつに、ほしかってたずねました。
美しく生まれたばかりに (新字新仮名) / 小川未明(著)
おせんといって、むらに、うた上手じょうずなけなげなおんながありました。たいしてうつくしいというのではなかったけれど、くろと、ながいたくさんなかみった、快活かいかつおんなでありました。
北の不思議な話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
つばめは、やなぎえだまって、しきりに快活かいかつになきました。けれど、やなぎえだは、かぜかれて、おりおりおとなくれるばかりで、なんのこたえもいたしませんでした。
木と鳥になった姉妹 (新字新仮名) / 小川未明(著)
いちばんうえねえさんは、やさしい、さびしい口数くちかずすくないかたで、そのつぎのいもうとは、まことにうるわしい、おおきいぱっちりとしたかたで、すえおとうと快活かいかつ正直しょうじき少年しょうねんでありました。
王さまの感心された話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ほんとうに、あのかたは、快活かいかつな、陰気いんきなことのだいきらいのおかたでしたわ。それに、ごろあんなに健康けんこうそうにえましたのに……人間にんげんいのちというものは、わからんものですわね。
死と話した人 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「こんにちは。」と、快活かいかつに、おねえさんにむかって、丁寧ていねいにあいさつをしました。
二少年の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
いつも快活かいかつで、そして、またひとりぼっちに自分じぶんかんじた年子としこは、しばらく、やわらかな腰掛こしかけにからだをげて、うっとりと、波立なみだちかがやきつつある光景こうけいとれて、夢心地ゆめごこちでいました。
青い星の国へ (新字新仮名) / 小川未明(著)
「どうだね、あのならおけでもなんでもない、このはま評判ひょうばん水泳すいえい天才少年てんさいしょうねんなのだ。きみ熱心ねっしんにけいこをすれば、きっとうまくなれるから。」と、先生せんせいは、快活かいかつにおっしゃいました。
海と少年 (新字新仮名) / 小川未明(著)
だまっていていた、岡田上等兵おかだじょうとうへいは、あっはははと快活かいかつわらった。
戦友 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「どうなさったのですか。」と、快活かいかつに、つばめはたずねました。
南方物語 (新字新仮名) / 小川未明(著)
すると、いつも元気げんきで、快活かいかつケー
考えこじき (新字新仮名) / 小川未明(著)