大急おほいそ)” の例文
召上めしあがれ』とふのだから此程これほど結構けつこうなことはないが、悧巧りこうちひさなあいちやんは大急おほいそぎでれをまうとはしませんでした。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
つまりラクダルに全然すつかり歸依きえしてしまつたのである。大急おほいそぎでうちへり、父にむかつて最早もう學校がくかうにはきたくない、何卒どうか怠惰屋なまけやにしてくれろと嘆願たんぐわんおよんだ。
怠惰屋の弟子入り (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
慾張抜よくばりぬいて大急おほいそぎであるいたからのどかはいて為様しやうがあるまい早速さつそくちやのまうとおもふたが、まだいてらぬといふ。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
たこひました。とうさんが大急おほいそぎでいとしますと、たこ左右さいうくびつたり、ながかみをヒラ/\させたりしながら、さも心持こゝろもちよささうにあがつてきました。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
ふねがまた一間半けんはんばかりきしはなれたとき玄竹げんちく下男げなんうながして兩掛りやうがけをかつがせ、大急おほいそぎできしけて
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
おくさまさむさうなと御覽ごらんじて、おまへ羽織はをりはまだ出來できぬかえ、なかたのんで大急おほいそぎに仕立したてゝもらふやうにお此寒このさむ綿入わたいれ一つで辛棒しんぼうのなるはづい、かぜでもいたらうお
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
かれ大急おほいそぎでビラを
大急おほいそ
赤い旗 (旧字旧仮名) / 槙本楠郎(著)
『あァ、公爵夫人こうしやくふじん公爵夫人こうしやくふじん!あァ、辛抱しんばうしてつてたら此麽こんななさけないやしなかつたらうに!』とつぶやきながら、大急おほいそぎでけてました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
こゝへけつけるのに人數ひとかずおそらくなからう、「あなたをつけてね、のすらりとした容子ようすのいゝ、人柄ひとがらかたえたら大急おほいそぎでわたしてください。」畜生ちくしやうおごらせてやれ——をんなくち赤帽君あかばうくん
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
三五らうるか、一寸ちよつときてくれ大急おほいそぎだと、文次ぶんじといふ元結もとゆひよりのよぶに、なん用意よういもなくおいしよ、よしきたがるに敷居しきゐとびこゆるときこの二タまた野郎やらう覺悟かくごをしろ、横町よこてうつらよごしめたゞかぬ
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
するとうさぎなんおもつたか大急おほいそぎで、しろ山羊仔皮キツド手套てぶくろおとせば扇子せんす打捨うツちやつて、一目散もくさんやみなかみました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
よしかくくるまねがひたしとおしかへしてたのるゝに師匠しゝやうにもとどくがりてらばおまをすまじとてもおかへりなさるゝにけてはよろしからずくるま大急おほいそぎにまをしてよとしゆ命令いひつけには詮方せんかたなくてやうらめしげながらうけたまはりて梯子はしごあわたゞしくりしが水口みづぐち
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)