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効
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き
ふりがな文庫
“
効
(
き
)” の例文
旧字:
效
こいつが、なかなか
効
(
き
)
き
目
(
め
)
があって、それからというものは敵の陣地や砲台が、どんどん落ちるようになった。わが工兵隊のお手柄だ
未来の地下戦車長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
撲
(
う
)
つ、蹴る、払う。虎の戦法はこう三つを奥の手とする。そのすべてが
効
(
き
)
かないとなると、さしもの獣王も
気萎
(
きな
)
えをするものだとか。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
君の家の亀はいつごろから存在するのか、その薬は何に
効
(
き
)
くのか、香水か、それとも線香か、私は随分その答弁に悩まされたものであった。
めでたき風景
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
伝吉
(
でんきち
)
が
駕籠
(
かご
)
の
中
(
なか
)
で
鼻
(
はな
)
の
頭
(
あたま
)
を
引
(
ひ
)
ッこすってのひとり
啖呵
(
たんか
)
も、
駕籠屋
(
かごや
)
には
少
(
すこ
)
しの
効
(
き
)
き
目
(
め
)
もないらしく、
駕籠
(
かご
)
の
歩
(
あゆ
)
みは、
依然
(
いぜん
)
として
緩
(
ゆる
)
やかだった。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
自分は子供心にも、破れた古太鼓の皮などの
効
(
き
)
き
目
(
め
)
を信じる事が出来ず、その丸薬を求めに五里の路を往復するのが、ひとしお苦痛であった。
惜別
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
▼ もっと見る
「神尾は、確かに乱心致したとみえる。
小心者
(
しょうしんもの
)
のことじゃ。薬が
効
(
き
)
き過ぎたかも知れぬ。いま追うて出るは
不策
(
ふさく
)
じゃ」
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
しかしここでの半艇身ばかりの差では敵のラスト・ヘビーが
効
(
き
)
けば何の役にも立たない。久野は「あと一分だ。もう死んでもいいぞ」などと激励した。
競漕
(新字新仮名)
/
久米正雄
(著)
この作り話の
効
(
き
)
き
目
(
め
)
がいつもあるわけではなかったが、たまにそれが当たるといい
一晩
(
ひとばん
)
が
過
(
す
)
ごされた。そうだ、わたしはほんとにひつじの
乳
(
ちち
)
を
好
(
す
)
いていた。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
一週間で直すと云ひながら、
一月
(
ひとつき
)
かゝつても直さない。初めのうちは、
効
(
き
)
かない薬を飲ましよるに違ひない。
医術の進歩
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
頼朝の許へは何度も使いをやって、いろいろ陳情してみたが、景時の
讒言
(
ざんげん
)
が余程
効
(
き
)
いたと見えて、どんな義経の弁明も一向に耳を貸そうとしないのであった。
現代語訳 平家物語:11 第十一巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
そんなこともしまいには
効
(
き
)
かなくなって、へっ、うちの嫁はん景気えいことやんのやな、育ちがえいさかいようけ銭でも持ってきたんやろ、といやみをいう。
暦
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
遥かかなたの太平洋の上に、不連続線が現れても、その影響が敏感に、これらの高層雲に
効
(
き
)
くようである。
黒い月の世界
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
「君、医者に売るんだよ。医者ならそこは彼らの手先でどこへでも自由が
効
(
き
)
くのさ。もともと僕だって、学術用に英国人の医者から頼まれたのが初まりなんだ。」
上海
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
然し内心(!)心配していたことが起らずに、不思議でならなかったが、かえって「サボ」が
効
(
き
)
いてゆくのを見ると、若い漁夫達の云うように、動きかけてきた。
蟹工船
(新字新仮名)
/
小林多喜二
(著)
「へい、万病に
効
(
き
)
きますそうで。そうしてそいつを水へ入れると、ポンと天井へ飛び上がりますそうで」
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
ここで七兵衛は種々なる探偵眼と猟犬性を働かしてみたけれども、さっぱり
効
(
き
)
き目がありませんでした。
大菩薩峠:32 弁信の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
旦那様
(
だんなさま
)
、誠にまア
結構
(
けつこう
)
な
薬
(
くすり
)
でございます、
有難
(
ありがた
)
う
存
(
ぞん
)
じます、
疼痛
(
いたみ
)
がバツタリ
去
(
さ
)
りましてございます。主「それは
去
(
さ
)
るよ、
極
(
よ
)
く
効
(
き
)
く
薬
(
くすり
)
だもの……
其
(
そ
)
の
子
(
こ
)
はお
前
(
まへ
)
の
子
(
こ
)
かえ。 ...
大仏餅。袴着の祝。新まへの盲目乞食
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
あまりしばしば繰り返してやると、
効
(
き
)
き
目
(
め
)
がないのである。好運も同じ合図にいちいち
応
(
こた
)
えることは面倒なのであろう。で、にんじんは、控え目に
間
(
ま
)
を置くのである。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
まぐろ茶漬けのわさびは、お茶を注ぐ前に飯茶碗の中に入れては、
辛
(
から
)
さが消えてしまう。お茶を注いでおいて、最後に入れてまぜて食べる方が、わさびの
効
(
き
)
きめがある。
鮪の茶漬け
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
駄賃が
効
(
き
)
いたのか、小僧が肴を二品ずつに、酒を四本持って来た。それを見たとたん、作次の眼が
活
(
い
)
き活きと光を帯び、落ち窪んだ頬にも赤みがさすように感じられた。
おさん
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
これによって汝は防腐せられ、汝の罪は癒される。聖言に接して己が罪の傷口の痛みを感ずる者は、塩が
効
(
き
)
いているのだ。痛くとも我慢して、十分に罪の審判を受けよ。
イエス伝:マルコ伝による
(新字新仮名)
/
矢内原忠雄
(著)
僕は怒髪天をつき、その空箱をはっしと壁に投げつけました。学校出入りの薬屋か何かが売込みに来たのを、
効
(
き
)
くか効かないか、僕を実験台にして使ってみたのでしょう。
ボロ家の春秋
(新字新仮名)
/
梅崎春生
(著)
地中の球根を
搗
(
つ
)
きつぶせば強力な
糊
(
のり
)
となり、女の
乳癌
(
にゅうがん
)
の
腫
(
は
)
れたのにつければ
効
(
き
)
くといわれる。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
それから大声で(それは麦畑の穂の列を吹き抜けて行く、乾いた快い風のやうな響きを帯びてゐた)彼の持牛についた
虱
(
しらみ
)
をとる薬はやはり人間にも同じ
効
(
き
)
き
目
(
め
)
があるのかね
医師高間房一氏
(新字旧仮名)
/
田畑修一郎
(著)
「なァに、ちょっとした神経性の頭痛でしょう。この甘美な、詩人の飲料(シャンパン酒)の泡のなかでぶくぶくいっている快活なたましいほど、よく
効
(
き
)
く薬はありませんよ」
世界怪談名作集:10 廃宅
(新字新仮名)
/
エルンスト・テオドーア・アマーデウス・ホフマン
(著)
「熱はもうすっかり
退
(
さ
)
がりました。津軽先生が、この薬とてもよく
効
(
き
)
くとおっしゃるの」
秋日記
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
奥方
(
おくがた
)
がこのごろ
重
(
おも
)
い
病
(
やまい
)
にかかって、いろいろの
医者
(
いしゃ
)
に
見
(
み
)
せても
少
(
すこ
)
しも
薬
(
くすり
)
の
効
(
き
)
き
目
(
め
)
が
見
(
み
)
えないものですから、ちょうど
自分
(
じぶん
)
のにいさんが
芦屋
(
あしや
)
の
道満
(
どうまん
)
といって、その
時分
(
じぶん
)
名高
(
なだか
)
い
学者
(
がくしゃ
)
で
葛の葉狐
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
今もチャーコールなどというのがありますから、きっと
効
(
き
)
き目があったのでしょう。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
ふた回りか三回り入浴して来なければ、温泉の
効
(
き
)
き目はないものと決められていた。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「いや、薬が
効
(
き
)
いたんですよ。
俺
(
わし
)
は責任の地位にある重役が思惑をやることは反対ですから、行く度に議論をしたんです。
他
(
ひと
)
の金の自由の利く人ほど危いんです。お気をつけ下さいって」
勝ち運負け運
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
それならば暗い顔をする訳はないがと思うと、
効
(
き
)
きすぎたのだとまた言った。
旧聞日本橋:09 木魚の配偶
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
でないと出来上った六神丸の
効
(
き
)
き
目
(
め
)
が
尠
(
すくな
)
いだろうから、だが、——私はその階段を昇りながら考えつづけた——起死回生の霊薬なる六神丸が、その製造の当初に於て、その存在の最大にして
且
(
か
)
つ
淫売婦
(新字新仮名)
/
葉山嘉樹
(著)
「ガラスの
破片
(
はへん
)
を
道路
(
どうろ
)
にまきちらすのです。
透明人間
(
とうめいにんげん
)
は、はだかで、はだしで歩いていますから、これは
効
(
き
)
きめがありますよ。すこし
残酷
(
ざんこく
)
なやりかたですが、そんなことは言っておられませんので」
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
ふつふつたる香りにばかり
煽
(
あお
)
られていると酔ったとも酔わぬとも名状もなしがたい、前世にでもいただいた
唐
(
から
)
天竺
(
てんじく
)
のおみきの酔いがいまごろになって
効
(
き
)
いて来たかのような、まことに有り難いような
鬼涙村
(新字新仮名)
/
牧野信一
(著)
効
(
き
)
き目がそろそろ出て来たことを私は看て取った……
ベートーヴェンの生涯:02 ベートーヴェンの生涯
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
この企画を「皇太子殿下の御結婚記念」とうたって、第一室にこれをおいた当事者のあたまは見事に全館すべての展列品に
効
(
き
)
いている。
正倉院展を観る
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
敬二が
早口
(
はやくち
)
に、あの黒眼鏡のローラがいまそこまで追っかけてきていることを告げると、さすがのドン助もこれが大いに
効
(
き
)
いたと見え
○○獣
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
効
(
き
)
くのは当然、というようなお顔で深くうなずき、ていねいにご診察なさって、そうして私のほうに向き直り
斜陽
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
ところがさ、そのお金の
効
(
き
)
き目が一向現れて来ないつて、それを出した男が、あたしを責めるんだよ
双面神
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
だがぼくは……さてとうとうガロフォリは、ぶってもたたいてもぼくには
効
(
き
)
き
目
(
め
)
がないのをみて、ほかのしかたを考えた。それは
毎晩
(
まいばん
)
ぼくの
晩飯
(
ばんめし
)
のいもを
減
(
へ
)
らすのだ。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
「散歩してきます」と云うと、
何時
(
いつ
)
も黙っているおばさんが、「行っていらっしゃい」と、こっちを向いて云った。
効
(
き
)
きめはあらたかだ。私は暗がりに出ながら苦笑した。
党生活者
(新字新仮名)
/
小林多喜二
(著)
これが
効
(
き
)
いた。殿中ということも、元旦であるということも、忘れていたわけではないが、前後して出て行った喬之助と近江之介が、何となく気になる空気を残して行った。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
表面はもちろんでこぼこしているし、また全体として
歪
(
ゆが
)
んでもいる。それであまり精密に測ると、偏差が大きく
効
(
き
)
いて来て、かえって本当の形から離れた曲線が出来てしまう。
茶碗の曲線:――茶道精進の或る友人に――
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
良
(
よ
)
い
薬
(
くすり
)
が
有
(
あ
)
るから……お
美那
(
みな
)
や
其粉薬
(
そのこぐすり
)
を
出
(
だ
)
して
遣
(
や
)
んな……
此薬
(
これ
)
は
他
(
ほか
)
にない
能
(
よ
)
く
効
(
き
)
く
薬
(
くすり
)
だからな……
血止
(
ちど
)
めには
善
(
よ
)
く
効
(
き
)
くし、
直
(
す
)
ぐに
痛
(
いたみ
)
が
去
(
さ
)
るから、
此薬
(
これ
)
を
遣
(
や
)
るから
此方
(
こつち
)
へ足を出しな。
大仏餅。袴着の祝。新まへの盲目乞食
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
家
(
うち
)
の高さよりも高く、天まで届くほど抛り上げても、さっぱり
効
(
き
)
き目がない。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
「大難が小難でした。このお灸が
効
(
き
)
けば、千円のお灸も安くつきます」
勝ち運負け運
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
余人には
効
(
き
)
くかもしれぬが、世情の表裏から、戦争のかけひきまで、あらゆる人間の機微を、
舐
(
な
)
めつくしている池田入道勝入には
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
というドクター・ヒルの紹介状が、とんだところで
効
(
き
)
き目をあらわして、仏は、無事に駅の階段を、町へ降りることが出来た。
英本土上陸戦の前夜
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
よく見ると、どうもその
秘訣
(
ひけつ
)
の一つは、歩脚の先の指節にあるらしく、針のように細いしかし強い線で描かれた指節の突端が、石に
喰
(
く
)
い入っていた。それが
効
(
き
)
いているらしい。
南画を描く話
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
このうえよけいなぐられるのは
損
(
そん
)
だからね。なにしろこのごろいただくげんこは
先
(
せん
)
よりもずっと
効
(
き
)
くからね。人間はなんでも
慣
(
な
)
れっこになるなんて言うが、それはお人よしの言うことだよ
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
効
常用漢字
小5
部首:⼒
8画
“効”を含む語句
効果
効力
効験
効能
効々
生効
成効
効性
無効
年効
有効
効目
即効紙
効無
馴染効
効驗
効能書
成効者
頼効
奏効
...