正倉院展を観るしょうそういんてんをみる
ちかごろこんなにみたされた気もちはなかった。正倉院宝物展を見てである。その晩は“咲く花の匂うが如き”とうたわれた千二百年前の天平びとに返った夢でもみるかもしれないと思ったほどだ。 博物館の第一室では、いきなりあの楽毅論の臨書にふれ、光明皇后 …