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枝
>
え
ふりがな文庫
“
枝
(
え
)” の例文
春の頃野山の
樹木
(
きゞ
)
の下
枝
(
え
)
は雪にうづもれたるも
稍
(
こずゑ
)
は雪の
消
(
きえ
)
たるに、シガのつきたるは玉もて作りたる
枝
(
えだ
)
のやうにて見事なるものなり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
やれ、やれ、昼寝の夢が覚めて見れば、今日はまた一段と暑いようじゃ。あの
松
(
まつ
)
ヶ
枝
(
え
)
の
藤
(
ふじ
)
の花さえ、ゆさりとさせるほどの風も吹かぬ。
竜
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
梅
(
うめ
)
が
枝
(
え
)
の
手洗鉢
(
ちょうずばち
)
じゃあるまいし、乃公を叩いたって森川さんが帰って来るものか。けれども此は一の
悲
(
かなし
)
む
可
(
べ
)
き過失に外ならない。
いたずら小僧日記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
ふふみ
音
(
ね
)
の、まだなづむ
音
(
ね
)
の、うぐひすの鳴まねびをる。頬白のふりまねびをる。しづ
枝
(
え
)
ゆり、ゆり遊びをる。移り飛びをる。
篁
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
菜の花、豆の花ならば戯るる
術
(
すべ
)
もあろう。
偃蹇
(
えんけん
)
として
澗底
(
かんてい
)
に
嘯
(
うそぶ
)
く松が
枝
(
え
)
には舞い寄る路のとてもなければ、白き
胡蝶
(
こちょう
)
は薄き翼を収めて身動きもせぬ。
薤露行
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
道に差出でし松が
枝
(
え
)
より怪しき物さがれり。
胆
(
きも
)
太き若者はずかずかと寄りて眼定めて見たり。
縊
(
くび
)
れるは源叔父なりき。
源おじ
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
月の事に就いて詠みました歌でございますが、雲を風で吹払った跡は、松が
枝
(
え
)
に渡る風の声のみで、
光々明々
(
こう/\めい/\
)
として月を見ている心になれば、年中間違いはなきものゆえ
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
彼は二部屋ある二階の六畳の方に古い
桐
(
きり
)
の机を置いて、青年時代から書きためた自作の『
松
(
まつ
)
が
枝
(
え
)
』、それに
飛騨
(
ひだ
)
時代以来の『
常葉集
(
とこわしゅう
)
』なぞの整理を思い立った時であるが
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
が、さらに一層我々の注意をひくのは、浦島の常世の国が海中から天上へ移され、
柘
(
つみ
)
の
枝
(
え
)
の化してなった
柘媛
(
つみひめ
)
も吉野の山の仙女から羽衣で飛ぶ天女に変化させられたことである。
日本精神史研究
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
庭の松が
枝
(
え
)
に
釣
(
つる
)
したる、
仄
(
ほの
)
暗き
鐵燈籠
(
かなどうろう
)
の光に
檐前
(
のきさき
)
を照らさせて、障子一重の内には振鈴の聲、急がず緩まず、四曼不離の夜毎の
行業
(
かうごふ
)
に慣れそめてか、
籬
(
まがき
)
の蟲の
駭
(
おどろ
)
かん樣も見えず。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
上り込むと、これが狭い廊下を一つ置いた隣座敷へ陣取って、危いわ、と女の声。どたんと
襖
(
ふすま
)
に
打
(
ぶ
)
つかる音。どしん、と寝転ぶ音。——
楠
(
くすのき
)
の
正成
(
まさしげ
)
がーと梅ヶ
枝
(
え
)
の
手水鉢
(
ちょうずばち
)
で唄い出す。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「あんたを、あの外国人が、ぜひ
梅
(
うめ
)
が
枝
(
え
)
に連れて来ておくれと言うてなさるが——」
モルガンお雪
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
磐代
(
いはしろ
)
の
浜松
(
はままつ
)
が
枝
(
え
)
を
引
(
ひ
)
き
結
(
むす
)
び
真幸
(
ささき
)
くあらば
亦
(
また
)
かへり
見
(
み
)
む 〔巻二・一四一〕 有間皇子
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
「
無間
(
むけん
)
の鐘や、
梅
(
うめ
)
が
枝
(
え
)
の
手水鉢
(
ちょうずばち
)
じゃああるめえし、そんなにおめえの力で——」
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
五十を少し越した筋張った神経質な武家、一刀を
提
(
さ
)
げて、
松
(
まつ
)
が
枝
(
え
)
のお組と、縁先の平次を当分に見比べた姿は、苛斂誅求で、長い間房州の知行所の百姓を泣かせた
疳癖
(
かんぺき
)
は充分に
窺
(
うかが
)
われます。
銭形平次捕物控:022 名馬罪あり
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
梅雨晴
(
つゆばれ
)
の日はわか
枝
(
え
)
こえきらきらとおん髪をこそ青う照りたれ
舞姫
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
花の
枝
(
え
)
にいとど心をしむるかな人のとがむる香をばつつめど
源氏物語:32 梅が枝
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
柳の
枝
(
え
)
もて縛りつけ賠償とりて放ちにき。
イーリアス:03 イーリアス
(旧字旧仮名)
/
ホーマー
(著)
いろもかぐろき波の上に松が
枝
(
え
)
たるる
駱駝の瘤にまたがつて
(旧字旧仮名)
/
三好達治
(著)
雪は松が
枝
(
え
)
の
上
(
うへ
)
につもつて悲しい
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
うち渡す
三〇
やがは
枝
(
え
)
三一
なす
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
松
(
まつ
)
ヶ
枝
(
え
)
にかゝりて太き初日かな
七百五十句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
さこそは
獨
(
ひと
)
り
野木
(
のぎ
)
の
枝
(
え
)
に
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
松が
枝
(
え
)
のしづくにぬれて
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
一
枝
(
え
)
いだきてただ一人
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
春の頃野山の
樹木
(
きゞ
)
の下
枝
(
え
)
は雪にうづもれたるも
稍
(
こずゑ
)
は雪の
消
(
きえ
)
たるに、シガのつきたるは玉もて作りたる
枝
(
えだ
)
のやうにて見事なるものなり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
ふふみ
音
(
ね
)
の、まだなづむ
音
(
ね
)
の、うぐひすの鳴まねびをる。頬白のふりまねびをる。しづ
枝
(
え
)
ゆり、ゆり遊びをる。移り飛びをる。
風隠集
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
おゝ/\
乱暴狼藉
(
らんばうらうぜき
)
で、
飛石
(
とびいし
)
なぞは
狗
(
いぬ
)
の
糞
(
くそ
)
だらけにして、
青苔
(
あをごけ
)
を
散々
(
さん/″\
)
に
踏暴
(
ふみあら
)
し、
折角
(
せつかく
)
宜
(
よ
)
い
塩梅
(
あんばい
)
に
苔
(
こけ
)
むした
石燈籠
(
いしどうろう
)
を
倒
(
たふ
)
し、
松
(
まつ
)
ヶ
枝
(
え
)
を
折
(
を
)
つちまひ、
乱暴
(
らんばう
)
だね……
何方
(
どちら
)
からお
入来
(
いで
)
なすつた。
にゆう
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
松が
枝
(
え
)
に隔てられ、大屋根の陰になり、
建連
(
たてつらな
)
る二階家に遮られて、男坂の上からも見えず、矢場が取払われて後、鉄欄干から
瞰下
(
みおろ
)
しても、直ぐ目の下であるのに、一棟の屋根も見えない
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
五十を少し越した筋張つた神經質な武家、一刀を
提
(
さ
)
げて、松が
枝
(
え
)
のお組と、縁先の平次を當分に見比べた姿は、
苛斂誅求
(
かれんちうきう
)
で、長い間房州の知行所の百姓を泣かせた
疳癖
(
かんぺき
)
は充分に
窺
(
うかゞ
)
はれます。
銭形平次捕物控:022 名馬罪あり
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
鬱蒼蟠居
(
うつさうばんきよ
)
の古木とある首尾の松は、清元「梅の春」に
首尾
(
しゆび
)
の
松
(
まつ
)
が
枝
(
え
)
竹町のとうたはれてゐるが、この歌詞はたつた一つ例にあげただけで、首尾の松は下谷根岸の時雨の松(お
行
(
ぎやう
)
の松)と共に
花火と大川端
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
芽を吹く今の幹なれば、通わぬ脈の枯れ
枝
(
え
)
の末に、
錐
(
きり
)
の力の
尖
(
とが
)
れるを
幸
(
さいわい
)
と、記憶の命を突き
透
(
とお
)
すは要なしと云わんよりむしろ
無惨
(
むざん
)
である。ジェーナスの神は二つの顔に、
後
(
うし
)
ろをも前をも見る。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
松
(
まつ
)
が
枝
(
え
)
」とは、その庭の
植樹
(
うえき
)
から思いついて、半蔵が自分の歌稿の題としているくらいだ。しかしそれらの庭にあるものよりも、店座敷の床の間に積み重ねてある書物が吉左衛門の目についた。
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
おなじ
枝
(
え
)
を分きて染めける山姫にいづれか深き色と問はばや
源氏物語:49 総角
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
高野川河原のかなた松が
枝
(
え
)
にかはせみ
下
(
お
)
りぬ知る人の家
舞姫
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
沙羅
(
さら
)
のみづ
枝
(
え
)
に花さけば
沙羅の花
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
さこそは獨り野木の
枝
(
え
)
に
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
上
(
ほ
)
つ
枝
(
え
)
は 天を
負
(
お
)
へり。
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
をちこちの
小竹
(
ささ
)
のむら笹、柿もみぢ、梅が
枝
(
え
)
の蔦、とりどりに色に出づれど、神無月すゑの時雨に濡れ濡れて、その葉枯れず、落葉せず、透かず、薄れず
観相の秋
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
萱門
(
かやもん
)
が
有
(
あ
)
つて
締
(
し
)
めてあるのを無理に押したから、
閂
(
かんぬき
)
が
抜
(
ぬ
)
け、
扉
(
とびら
)
が
開
(
あ
)
く
機
(
はず
)
みに
中
(
なか
)
へ
転
(
ころ
)
がり
込
(
こ
)
み、泥だらけになつて、
青苔
(
あをごけ
)
や
下草
(
したくさ
)
を
踏
(
ふ
)
み
暴
(
あら
)
し、
辷
(
すべ
)
つて
転
(
ころ
)
んで
石燈籠
(
いしどうろう
)
を
押倒
(
おしたふ
)
し、
松
(
まつ
)
ヶ
枝
(
え
)
を
折
(
を
)
るといふ
騒
(
さわ
)
ぎで
にゆう
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
かばかりは風にもつてよ花の
枝
(
え
)
に立ち並ぶべき
匂
(
にほ
)
ひなくとも
源氏物語:31 真木柱
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
独居
(
ひとりい
)
のねぶり覚ますと松が
枝
(
え
)
にあまりて落つる雪の音かな
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
生けたるは茶の花ひと
枝
(
え
)
。
晶子詩篇全集拾遺
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
上
(
ほ
)
つ
枝
(
え
)
の
枝
(
え
)
の
末葉
(
うらば
)
は
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
男木
(
をぎ
)
の
枝
(
え
)
に
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
枯れ枯れの木の
枝
(
え
)
を透きて、月はただ遠くあらはに、落葉また風に吹かれて、へうへうとかぎりも知らず。いつの日かまたと還らむ、いつの世か久しかりちふ。
観想の時:――長歌体詩篇二十一――
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
黄金
(
こがね
)
いろづく梅が
枝
(
え
)
に
藤村詩抄:島崎藤村自選
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
小木
(
こぎ
)
の
枝
(
え
)
に
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
枯れ枯れの木の
枝
(
え
)
を透きて、月はただ遠くあらはに、落葉また風に吹かれて、へうへうとかぎりも知らず。いつの日かまたと還らむ、いつの世か久しかりちふ。
観相の秋
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
男木
(
をぎ
)
の
枝
(
え
)
に
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
“枝”の解説
枝(えだ)とは、
草木のえだ。植物の主たる幹から分かれた茎。(多年生の維管束植物の)幹から分かれた茎。
ものの“本”(本筋・本体など)から別れ出たもの。「枝道」
(出典:Wikipedia)
枝
常用漢字
小5
部首:⽊
8画
“枝”を含む語句
一枝
下枝
三枝
上枝
小枝
枝葉
大枝
折枝
枝垂
枝折
茘枝
二枝
叉枝
啣楊枝
枝々
五百枝
枝下
柳枝
大日枝
実枝
...