つゝし)” の例文
新字:
記録きろくつゝしまなければらない。——のあたりで、白刃しらは往來わうらいするをたは事實じじつである。……けれども、かたきたゞ宵闇よひやみくらさであつた。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
し今日露顯ろけんに及ばんとする事衆怨しうゑんの歸する所にして就中なかんづく道十郎が無念むねん魂魄こんぱくとお光が貞心ていしんを神佛の助け給ふ所ならん恐るべしつゝしむべし。
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
大變つゝしみ深くて、感じの早い方だから、大丈夫御自分で身を守つてゐらつしやるようにと望んでゐたのです。
この崩壞ほうかい結果けつか有明灣ありあけわん大津浪おほつなみおこし、沿岸地方えんがんちほうおい合計ごうけい一萬五千人いちまんごせんにんほどの死者ししやしようじた大事件だんじけんもあつたので、原因げんいん輕々かる/″\しく斷定だんていすることはつゝしまねばならぬ。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
〔譯〕聖人は強健きやうけん病無き人の如し。賢人は攝生せつしやう病をつゝしむ人の如し。常人は虚羸きよるゐ病多き人の如し。
ガラツ八の八五郎は、尋常な挨拶をして、つゝしみ深く入つて來ると、お靜のくんで出した温い茶を、お藥湯のやうに押し戴いて、二た口三口すゝり乍ら、上眼づかひに四邊を見廻すのでした。
何時いつまでかんがへてつたとて際限さいげんのないことつは此樣こんなかすのは衞生上ゑいせいじやうにもきわめてつゝしことおもつたのでわたくしげん想像さうぞう材料ざいりようとなつて古新聞ふるしんぶんをば押丸おしまろめて部室へや片隅かたすみ押遣おしや
「どうだ勘次かんじ以來いらいつゝしめるか、つぎにこんなことがつたら枯枝かれえだ一つでもゆるさないからな、今日けふはまあれでかへれ、くぬぎ此處こゝいてくんだぞ」勘次かんじ草刈籠くさかりかごおろさうとした。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
くすがながら口惜くちをしきなりりとてもひとこと斷念あきらめがたきはなにゆゑぞはでまんの决心けつしんなりしが親切しんせつことばきくにつけて日頃ひごろつゝしみもなくなりぬと漸々やう/\せまりくる娘氣むすめぎなみだむせびて良時やゝありしが
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
年甲斐としがひもない、おつゝしみなさい!』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
かへつて我等に塗付ぬりつけんと當途あてどもなきこと言散し若年ながらも不屆至極ふとゞきしごくかさねて口をつゝしみ給へ若き時より氣を付て惡き了簡れうけん出さるゝな親々達おや/\たちに氣を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
もとより些細ささいのことながら萬事ばんじしてくのごとけむ、向後かうご我身わがみつゝしみのため、此上このうへ記念きねんとして、鳥籠とりかごとこゑ、なぐさみとなすべきぞ。
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
音吉は少し足をゆるめ乍ら、つゝしみ深く言ふのでした。
のやうにおぼしめして御苦勞ごくらうなき御苦勞ごくらうやら我身わがみ新參しんざん勝手かつてらずおもとようのみつとめれば出入でいりのおひとおほくも見知みしらず想像さうぞうには此人このひとかとゆるもけれどこのみはひと心々こゝろ/″\なにがおそみしやらはでおもふは山吹やまぶきしたゆくみづのわきかへりてむねぐるしさもさぞなるべしおつゝしぶかさは
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
さても吉兵衞は今ぞ大事と思ひきりつゝしんで又々申立る樣もとより久八と千太郎とは兄弟に御座候と顏をあからめて云ければ越前守殿是を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
縁日えんにちあるきの若人わかうどたち、つゝしまずばあるべからず、とから伯父御をぢごまをさるゝ。
麦搗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
庄兵衞はつゝしみ深く眉を垂れるのです。