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律
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りつ
ふりがな文庫
“
律
(
りつ
)” の例文
慎太郎は
咄嗟
(
とっさ
)
に身を起すと、もう次の瞬間には、隣の座敷へ飛びこんでいた。そうして
逞
(
たくま
)
しい両腕に、しっかりお
律
(
りつ
)
を抱き上げていた。
お律と子等と
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
幕開
(
まくあき
)
の
唄
(
うた
)
と三味線が聞え引かれた幕が次第に
細
(
こま
)
かく早める拍子木の
律
(
りつ
)
につれて片寄せられて行く。
大向
(
おおむこう
)
から早くも役者の名をよぶ掛け声。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
必ず音節とおなじような
律
(
りつ
)
がございますものですから、それが音律の好きな私には、ひとりでに、すらすらと覚えられてしまう
所以
(
ゆえん
)
でございます
大菩薩峠:23 他生の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
畢竟
(
ひつきやう
)
十
人
(
にん
)
十
色
(
いろ
)
で、
決
(
けつ
)
して一
律
(
りつ
)
には
行
(
ゆ
)
かぬもので
食
(
しよく
)
の
本義
(
ほんぎ
)
とか
理想
(
りそう
)
とかを
説
(
と
)
いて
見
(
み
)
た
處
(
ところ
)
で
實際問題
(
じつさいもんだい
)
としては
餘
(
あま
)
り
役
(
やく
)
に
立
(
た
)
たぬ。
建築の本義
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
腹の底から
花魁
(
おいらん
)
崇拜で、伜をまでもその道徳で
律
(
りつ
)
しようとするのは、手のつけやうのないお宗旨見たいなものです。
銭形平次捕物控:330 江戸の夜光石
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
本来は、粛然たる趣のある雅楽のはずだが、酒興の乱痴気を沸かせるだけの目的であるから、
呂
(
りょ
)
も
律
(
りつ
)
も
譜
(
ふ
)
もあったものではない。
宛
(
えん
)
として、神楽調である。
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
前主の
是
(
ぜ
)
とするところこれが
律
(
りつ
)
となり、後主の是とするところこれが
令
(
りょう
)
となる。当時の君主の意のほかになんの法があろうぞと。群臣皆この廷尉の類であった。
李陵
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
その
時
(
とき
)
、
横町
(
よこちやう
)
を
縱
(
たて
)
に
見通
(
みとほ
)
しの
眞空
(
まぞら
)
へ
更
(
さら
)
に
黒煙
(
こくえん
)
が
舞起
(
まひおこ
)
つて、
北東
(
ほくとう
)
の
一天
(
いつてん
)
が
一寸
(
いつすん
)
を
餘
(
あま
)
さず
眞暗
(
まつくら
)
に
代
(
かは
)
ると、
忽
(
たちま
)
ち、どゞどゞどゞどゞどゞと
言
(
い
)
ふ、
陰々
(
いん/\
)
たる
律
(
りつ
)
を
帶
(
お
)
びた
重
(
おも
)
く
凄
(
すご
)
い
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
頼るに秩序なく訴えるに法も
律
(
りつ
)
もなくすがるに道徳人情なく、しかも
落魄
(
らくはく
)
窮乏のどん底に追い詰められたとき、人間は赤児のように聞分けなく奇跡の顕現を熱望するものだ
艶妖記:忍術千一夜 第一話
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
涙は流れ、笑は
溢
(
こぼ
)
れ、
生
(
いのち
)
の同じ
律
(
りつ
)
に
上
(
の
)
つて、底知れぬ
淵穴
(
ふちあな
)
へ
共々
(
とも/″\
)
落込んで了ふのである。
落葉
(旧字旧仮名)
/
レミ・ドゥ・グルモン
(著)
良人
(
をつと
)
の
名
(
な
)
は
小松原東二郎
(
こまつばらとうじらう
)
、
西洋小間物
(
せいやうこまもの
)
の
店
(
みせ
)
は
名
(
な
)
ばかりに、
有
(
あり
)
あまる
身代
(
しんだい
)
を
藏
(
くら
)
の
中
(
なか
)
に
寐
(
ね
)
かして、さりとは
當世
(
たうせい
)
の
算用
(
さんよう
)
知
(
し
)
らぬ
人
(
ひと
)
よし
男
(
をとこ
)
に、
戀女房
(
こひにようばう
)
のお
律
(
りつ
)
が
手
(
て
)
ばしこさ
奧
(
おく
)
も
表
(
おもて
)
も
平手
(
ひらて
)
に
揉
(
も
)
んで
うらむらさき
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
過度に厳格な
律
(
りつ
)
の生活を緩和する一種の逃げ道として、むかしから行われている方法だというが、そんなものを飲んでいる間、比丘尼たちの表情に
黄昏
(
たそがれ
)
のようなものしずかな情緒がつき
うすゆき抄
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
流行の心理は
模倣
(
もはう
)
憑依
(
ひようい
)
の
概念
(
がいねん
)
を以て
律
(
りつ
)
すべからず夏の
都会
(
とくわい
)
に
つゆじも
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
うつや
鉦皷
(
しやうこ
)
の
律
(
りつ
)
幽
(
ゆう
)
に
全都覚醒賦
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
淡窓を
呂
(
りょ
)
の
黄鐘
(
こうしょう
)
とすれば、山陽のは
律
(
りつ
)
でしょう。
一
(
いつ
)
は温雅にして沈痛、一は慷慨にして激越とでも言いましょうか。では、ひとつその淡窓流をまねてやってみます
大菩薩峠:26 めいろの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
彼等はお
律
(
りつ
)
の診察が終ってから、その診察の結果を聞くために、博士をこの二階に招じたのだった。
お律と子等と
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
専門たる
律
(
りつ
)
・
暦
(
れき
)
・
易
(
えき
)
のほかに
道家
(
どうか
)
の教えに
精
(
くわ
)
しくまた
博
(
ひろ
)
く
儒
(
じゅ
)
、
墨
(
ぼく
)
、
法
(
ほう
)
、
名
(
めい
)
、
諸家
(
しょか
)
の説にも通じていたが、それらをすべて一家の
見
(
けん
)
をもって
綜
(
す
)
べて自己のものとしていた。
李陵
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
拍子木
(
ひやうしぎ
)
がチヨン/\と
二
(
ふた
)
ツ鳴つた。
幕開
(
まくあき
)
の
唄
(
うた
)
と
三味線
(
しやみせん
)
が
聞
(
きこ
)
え引かれた
幕
(
まく
)
が
次第
(
しだい
)
に
細
(
こま
)
かく早める
拍子木
(
ひやうしぎ
)
の
律
(
りつ
)
につれて
片寄
(
かたよ
)
せられて
行
(
ゆ
)
く。
大向
(
おほむかう
)
から早くも役者の名をよぶ
掛
(
か
)
け声。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
人
(
ひと
)
は
知
(
し
)
らじと
自
(
みづか
)
ら
晦
(
くら
)
ませども、
優
(
やさ
)
しき
良人
(
をつと
)
が
心
(
こゝろ
)
ざし
生憎
(
あやにく
)
纒
(
まつ
)
はる
心地
(
こゝち
)
してお
律
(
りつ
)
は
路傍
(
ろばう
)
に
立
(
たち
)
すくみしまゝ、
行
(
ゆ
)
くまいか
行
(
ゆ
)
くまいか、
寧
(
いつそ
)
思
(
おも
)
ひ
切
(
き
)
つて
行
(
ゆ
)
くまいか、
今日
(
けふ
)
までの
罪
(
つみ
)
は
今日
(
けふ
)
までの
罪
(
つみ
)
うらむらさき
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
妻の
律
(
りつ
)
は志田郡松山にいた。松山の館では、茂庭佐月が
病臥
(
びょうが
)
ちゅうなので、看護のためにゆかせたのである。それは甲斐が帰国するとすぐのことで、律はそのまま松山にとめられていた。
樅ノ木は残った:02 第二部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
外人
(
ぐわいじん
)
の
地震説
(
ぢしんせつ
)
は一
見
(
けん
)
甚
(
はなは
)
だ
適切
(
てきせつ
)
であるが
如
(
ごと
)
くであるが、
要
(
えう
)
するにそは、
今日
(
こんにち
)
の
世態
(
せたい
)
をもつて、いにしへの
世態
(
せたい
)
を
律
(
りつ
)
せんとするもので、いはゆる
自家
(
じか
)
の
力
(
ちから
)
を
以
(
もつ
)
て
自家
(
じか
)
を
強壓
(
けうあつ
)
するものであると
思
(
おも
)
ふ。
日本建築の発達と地震
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
浅川の叔母の言葉には、軽い
侮蔑
(
ぶべつ
)
を帯びた中に、
反
(
かえ
)
って親しそうな調子があった。三人きょうだいがある内でも、お
律
(
りつ
)
の腹を痛めないお絹が、一番叔母には気に入りらしい。
お律と子等と
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
妻の
律
(
りつ
)
とは十六年の余もいっしょに暮し、四人の子を生んだ。けれども、他の幾人かの女たちと同じように、これが自分の女、これが自分の妻である、という実感をもったことはなかった。
樅ノ木は残った:03 第三部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
到底
(
たうてい
)
單純
(
たんじゆん
)
な
理屈
(
りくつ
)
一
遍
(
ぺん
)
で
律
(
りつ
)
することが
出來
(
でき
)
ない。
建築の本義
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
「
律
(
りつ
)
の離縁をまだ不審に思っているのか」
樅ノ木は残った:02 第二部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
だが、
律
(
りつ
)
はなんで出て来たのだろう。
樅ノ木は残った:01 第一部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
律
常用漢字
小6
部首:⼻
9画
“律”を含む語句
旋律
比律賓
規律
律調
法律
律呂
音律
律師
顫律
呂律
律義
律動
韻律
急々如律令
戒律
律詩
律師様
権律師
調律
律儀
...