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可成
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ふりがな文庫
“
可成
(
かな
)” の例文
武尊なども
可成
(
かな
)
り下まで現れて居るのですけれども、矢張り雲が懸っている、雪が遅くまで降るので雲がねばって居るのであります。
望岳都東京
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
何と
云
(
い
)
つても探偵小説でその構想の卓拔、トリツクの妙味、筋の複雜、心理解剖の巧さ、文章の流麗、それに
可成
(
かな
)
りな藝術味を加へて
探偵小説の魅力
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
捜査の苦心、証拠蒐集の不備の為の焦慮、当時の世論の
囂々
(
ごう/\
)
たる
毀誉褒貶
(
きよほうへん
)
の声、呪の手紙、そんなものが
可成
(
かな
)
り彼を苦しめた。
支倉事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
「純粋な芸術」というような言葉は、
可成
(
かな
)
り滑稽な言葉である。社会的効果を標準にして、芸術の高下は定める可きである。
愚言二十七箇条
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
何でも現金や債券を
可成
(
かな
)
り持っているという噂であったが、近所の人と顔を合せる毎に、貧乏で困るとか、不景気だとかいうのが口癖であった。
秘められたる挿話
(新字新仮名)
/
松本泰
(著)
▼ もっと見る
もっと、くわしく紹介したいのであるが、いまは、それよりも、この家族全部で連作した一つの
可成
(
かな
)
り長い「小説」を、お知らせしたいのである。
ろまん灯籠
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
が、二分
経
(
た
)
っても、五分過ぎても、冷凍船
虎丸
(
タイガーまる
)
の火薬庫は爆発しそうにもなく、本船は悠々潮流に乗って、
可成
(
かな
)
りの速さで、僕等を遠ざかって
往
(
い
)
く。
怪奇人造島
(新字新仮名)
/
寺島柾史
(著)
可成
(
かな
)
り
大
(
おほ
)
きいけれど、
僅
(
わづ
)
かに一
小破片
(
せうはへん
)
を
見出
(
みいだ
)
したのみといふ
八木
(
やぎ
)
水谷
(
みづたに
)
二
氏
(
し
)
の
談話
(
だんわ
)
など
考
(
かんが
)
へて、
余
(
よ
)
はおぼろ
氣
(
げ
)
ながら。
探検実記 地中の秘密:06 疑問の加瀬貝塚
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
何しろ
可成
(
かな
)
り距離はあるんだし、暗くはあるし、けれども私は体中の神経を目に集めて、その一固りを見詰めた。
淫売婦
(新字新仮名)
/
葉山嘉樹
(著)
誰も拾いてのない川の中に、彼らのいるところよりは
可成
(
かな
)
り低い水面に、
抛物線
(
ほうぶつせん
)
を描いてずぶりと墜ちた。流れの下にすッと
潜
(
もぐ
)
ったような落ちかたであった。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
が幸にも細田氏はあの駅を下りて私の方とは反対の側に行ったところなんですけれども駅から二丁ばかりのところにあって
可成
(
かな
)
り大きな家を構えて居りました。
三角形の恐怖
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
可成
(
かな
)
り
手重
(
ておも
)
くて
二月
(
ふたつき
)
ばかり
隔離室
(
かくりしつ
)
に寝ていた後のこと、若い軍医が、『大佐殿のチブスには
症状
(
しょうじょう
)
に特別のところがありましたから、実はお案じ申上げて居りました』
親鳥子鳥
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「ああら、玉子とは丸いものかや。
妾
(
わらわ
)
は初めて拝見しまする」と、下情に通じさせながら、毎月のお買上げ金二万円也も、
可成
(
かな
)
り古いお
噂
(
うわ
)
さであるが、——その先祖以来
青バスの女
(新字新仮名)
/
辰野九紫
(著)
倭文子さんの生涯に、他人の恨みを受けたことがあるとすれば、この谷山二郎君の外にはない。倭文子さんは、一度は同棲までした二郎君に、
可成
(
かな
)
り残酷なしうちをした。
吸血鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
可成
(
かな
)
り重大な事でも
極
(
ごく
)
無雑作にかたをつけるあつさりした人達があるものです。
秋の夜がたり
(新字旧仮名)
/
岡本かの子
(著)
道
(
みち
)
は
三浦
(
みうら
)
の
東海岸
(
ひがしかいがん
)
に
沿
(
そ
)
った
街道
(
かいどう
)
で、たしか
武山
(
たけやま
)
とか
申
(
もう
)
す、
可成
(
かな
)
り
高
(
たか
)
い
一
(
ひと
)
つの
山
(
やま
)
の
裾
(
すそ
)
をめぐって
行
(
ゆ
)
くのですが、その
日
(
ひ
)
は
折
(
おり
)
よく
空
(
そら
)
が
晴
(
は
)
れ
上
(
あが
)
っていましたので、
馬上
(
ばじょう
)
から
眺
(
なが
)
むる
海
(
うみ
)
と
山
(
やま
)
との
景色
(
けしき
)
は
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
その筈です、こんどの船も
可成
(
かな
)
りの借金をして出したのですから——
不思議な魚
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
誰
(
たれ
)
もが
體
(
からだ
)
をぐらつかせながら、まるで
出來
(
でき
)
の
惡
(
わる
)
い
機械人形
(
きかいにんぎやう
)
のやうな
足
(
あし
)
を
運
(
はこ
)
んでゐたのだつた。
隊列
(
たいれつ
)
も
可成
(
かな
)
り
亂
(
みだ
)
れてゐた。
一兵卒と銃
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
尤も後世になって竜王信仰の衰えと共に祭神の変ったものもあるであろうから、それらをも合せたならば全国では
可成
(
かな
)
りの数に上ることと信ずる。
二、三の山名について
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
夜がもう
可成
(
かな
)
り
更
(
ふ
)
けた時、ヒョッコリ酒場へ出て来たのは、支配人やボーイに冷遇された例の貧弱な紳士であった。
闘牛
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
可成
(
かな
)
りの変質者なのです。以後、浮気は固くつつしまなければいけません。このみそかは、それじゃ困るのでしょう? 私は、もうお世話ごめん
被
(
こうむ
)
ります。
虚構の春
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
「それなら、僕もそうおもうね。渦巻く海面から、
忽然
(
こつぜん
)
と消えて無くなるなンか、やっぱり幽霊船だった」そのまに、飛行機は、もう
可成
(
かな
)
り遠くまで飛んでいた。
怪奇人造島
(新字新仮名)
/
寺島柾史
(著)
彼女は
瞬
(
またたき
)
をした。彼女は見ていたのだ。そして呼吸も
可成
(
かな
)
り整っているのだった。
淫売婦
(新字新仮名)
/
葉山嘉樹
(著)
けれども、この母のこの返事は、
可成
(
かな
)
り秋成に世の中を住みよくさして
呉
(
く
)
れた。
上田秋成の晩年
(新字旧仮名)
/
岡本かの子
(著)
然し
何
(
ど
)
うして見たところで硬張った死人を運ぶのは
可成
(
かな
)
りの重荷であったが、他に工夫のしようもなかったのでその儘歩き続けた。この露路をぬけてドンドン橋を渡ると瓦斯会社の横に出る。
白蛇の死
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「これです。男の靴の跡が、
可成
(
かな
)
りハッキリ出ているでしょう」
殺人迷路:05 (連作探偵小説第五回)
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
出發前、その旅先の
苫小牧
(
とまこまい
)
でと
計畫
(
けいくわく
)
してゐた
處女作
(
しよぢよさく
)
「
雪消
(
ゆきげ
)
の日まで」は
可成
(
かな
)
りな苦心努力にも拘らず、遂に一部分をさへ書き上げることが出來なかつた。
処女作の思い出
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
廊下は
可成
(
かな
)
り長かったが、さりとて一町もありはしない。ところが彼には其廊下が一里もあるように思われた。
人間製造
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
其の範囲は一府八県に
亙
(
わた
)
り、九ヶ国に跨って居りますから、
可成
(
かな
)
り広い区域を含んで居ります。
望岳都東京
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
僕は、いくたびか
辷
(
すべ
)
り落ちて、やっと、怪物の背中へ
這
(
は
)
い上ることが出来た。そこは、やはりつべつべしているが、小丘のように広い。足もとに気をつけて、歩いてみると、
可成
(
かな
)
りある。
怪奇人造島
(新字新仮名)
/
寺島柾史
(著)
そして、家の中での人
物
(
ぶつ
)
撮影
(
さつえい
)
は、いふまでもなく日
曜
(
よう
)
日には
可成
(
かな
)
り
重
(
おも
)
いそれの鞄をかついで
郊外
(
こうぐわい
)
へ
撮影
(
さつえい
)
に行く。
写真と思ひ出:――私の写真修行――
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
その中の二人が
可成
(
かな
)
り大きい檻を支えて居た。「やあ!」と新井君が声をかけると警官も背広服も一様に丁寧に頭を下げながら、「お蔭さまで」と云っていた。
広東葱
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
まったく、ドイツの火焔砲はウエルスが頭脳の中で創造した殺人光線放射器に
可成
(
かな
)
り似ているのである。
今昔茶話
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
それに
自分
(
じぶん
)
でも
可成
(
かな
)
り
後悔
(
こうくわい
)
しかけてゐる
矢先
(
やさき
)
だつたのが、
反撥的
(
はんぱつてき
)
に、
夫
(
をつと
)
の
氣持
(
きもち
)
をあまのじやくにした。
画家とセリセリス
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
当時は世間でも随分騒ぎ、警察方面でも
可成
(
かな
)
り熱心に、そうして勿論同情を
以
(
も
)
って、手を尽くして八方捜索しましたが、行衛を知ることが出来なかったそうです。
さまよう町のさまよう家のさまよう人々
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
が、もう
一
(
ひと
)
つは
氣質
(
きしつ
)
の
相違
(
そうゐ
)
によるものだらう。
言
(
い
)
ひ
換
(
か
)
へると、
支那人
(
しなじん
)
は
技法
(
ぎはふ
)
の
巧拙
(
かうせつ
)
は
別問題
(
べつもんだい
)
として、
可成
(
かな
)
り
自由
(
じいう
)
に
延
(
の
)
び
延
(
の
)
びと
麻雀
(
マージヤン
)
を
遊
(
あそ
)
び
樂
(
たの
)
しむからではあるまいか?
麻雀を語る
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
氏の世界と夫人及び坊ちゃんやお嬢さんの世界とは、
可成
(
かな
)
りハッキリ区別されていたように思う。これは氏が理性に富んでいると共に人情に富んでいたからである。
名古屋の小酒井不木氏
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
とは
或
(
あ
)
る
向
(
むか
)
うの
消息通
(
せうそくつう
)
が
僕
(
ぼく
)
に
聞
(
き
)
かせた
詞
(
ことば
)
だが、ばくち
好
(
ず
)
きで、またばくちの
天才
(
てんさい
)
の
支那人
(
しなじん
)
だけに
麻雀道
(
マアジヤンだう
)
に
於
(
おい
)
ても
中
(
なか
)
には
恐
(
おそ
)
ろしい
詐欺
(
さぎ
)
、いんちきを
企
(
くはだ
)
てるものが
可成
(
かな
)
りあるらしい。
麻雀を語る
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
……ところが其奴は執念深く、
可成
(
かな
)
り、そうです、相当長く、門口に立ってせがむんです、『開けて下さいよ、開けて下さいよ!』——何んの私が開けますものか。
奥さんの家出
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
つまり人間のあり
來
(
きた
)
りの心的
葛藤
(
かつとう
)
や、因果關係の紛糾に、ピストルだの短刀だのと單純に含ませた古い型の探偵小説では、一面に科學知識の
可成
(
かな
)
り深くなつてゐる私達には物足りない。
探偵小説の魅力
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
この作を読んだ大方の人は、
可成
(
かな
)
り長い間考えさせられ、憂鬱になるだろうと思われます。
御存与太話
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
そこは町からも
可成
(
かな
)
り離れてゐて、あたりには一軒の家もなく、人影も見えず、ただ「
濱
(
はま
)
なし」と云ふ
野薔薇
(
のばら
)
に似たやうな赤い花がところどころにぽつぽつ咲いてゐるばかりであつたが
処女作の思い出
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
満載したのは当然としても「苦楽」「現代」「サンデー毎日」「大衆文芸」「講談倶楽部」これらの雑誌が多くの頁を、そのために裂いたということは、
可成
(
かな
)
り目立った傾向でした。
探偵文壇鳥瞰
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
その
刹那
(
せつな
)
から
可成
(
かな
)
りな心身の疲れにも
拘
(
かゝは
)
らず、こまかく
推敲
(
すゐかう
)
しつつ全部を書き直し、更にそれを三度書き直して、最後の
筆
(
ふで
)
を置いたのが忘れもしない十月十七日の夜の十二時近くなのであつた。
処女作の思い出
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
だが其中今も云った通り
可成
(
かな
)
り隆盛になったので、『うっちゃって置くことも出来ないだろう、不本意ながら論じてやろうぜ』
即
(
すなわ
)
ち恩恵的態度を
以
(
もっ
)
て、これを論じたというものです。
大衆文芸問答
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
例へば
可成
(
かな
)
り世間を騷がしたと
云
(
い
)
ふやうな、實際に起つた探偵事件が文章に書かれたとしても、一
體
(
たい
)
現實の事件には讀物的興味をそぐやうな無駄や、まはりくどいいきさつなどのあるのが普通だから
探偵小説の魅力
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
バンガローの横手まで歩いて行くと広い後庭の中央に
可成
(
かな
)
り大きな温室が夕陽に硝子屋根を反射させて秋霧の中に横倒わっていた。と、その温室の戸が開いて姿を現わした者がある。
温室の恋
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
それと同
額
(
がく
)
ぐらゐの足し前を
祖
(
そ
)
母にせがんで
漸
(
やうや
)
く
理想
(
りそう
)
に近い
寫眞器
(
しやしんき
)
を買つたそれは
可成
(
かな
)
り
明
(
あか
)
るいアナスチグマツトレンズに百分の一
秒
(
べう
)
まで利くオオトシヤツタア
裝置
(
そうち
)
を持つプレモ
形
(
かた
)
の二
枚
(
まい
)
掛
(
かけ
)
寫眞器
(
しやしんき
)
で
写真と思ひ出:――私の写真修行――
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
「探偵雑誌とは
嚇
(
おど
)
しつけるもの」こう思っていた人もあったでしょうが、それを相当ぶちこわしました。
可成
(
かな
)
り
是迄
(
これまで
)
は嚇し付けていたのですから、是からは笑わせた方が
可
(
よ
)
いでしょう。
マイクロフォン:「新青年」一九二八年二月
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
ああいう場合にトップを切るということは
可成
(
かな
)
りの勇気の要ることさ。ヤンキー達はポーカをやったりトランプをやったりして仲々踊り出さない。で無駄にバンドは数番演奏したというものさ。
赤げっと 支那あちこち
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
可
常用漢字
小5
部首:⼝
5画
成
常用漢字
小4
部首:⼽
6画
“可成”で始まる語句
可成的