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千歳
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ちとせ
ふりがな文庫
“
千歳
(
ちとせ
)” の例文
のりかへの
千歳
(
ちとせ
)
駅で四十分ばかり時間があるので構外に出てみると、駅のすぐ側の茶店で食事をする人たちもゐた。どんぶりの御飯に煮魚。
東北の家
(新字旧仮名)
/
片山広子
(著)
今は更に、
千歳
(
ちとせ
)
の命、継ぎたりと心の
落居
(
おちい
)
たるにや、疵口を縫いつくろう折、仲々、堪えがたくて人々に笑われたりき。このとき全く日暮れたり。
玉取物語
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
『近代の偉人故
五代友厚
(
ごだいともあつ
)
伝』という本を見たら、友厚が文久二年に幕府の
千歳
(
ちとせ
)
丸に水夫に化けて乗込んで上海へゆき
咸臨丸その他
(新字新仮名)
/
服部之総
(著)
「ハーモニカですか。あれは、おとといの晩
千歳
(
ちとせ
)
の
女将
(
おかみ
)
さんと警察署のお方が預けておいでになった、トムさんです」
かんかん虫は唄う
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
常盤
(
ときは
)
の松を名に呼べれば、
千歳
(
ちとせ
)
ならずとも枯野の末まではあるべきを、
萩
(
はぎ
)
の花ちりこぼるゝやがて声せずなり行く。
あきあはせ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
▼ もっと見る
石狩
(
いしかり
)
国
千歳
(
ちとせ
)
のどこかの村にウエピカンという若い美貌の酋長がいた。ある日いつものように山から降りてくると、川岸で大勢の男女がにぎやかに踊っている。
えぞおばけ列伝
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
鼓草
(
たんぽぽ
)
の花の散るように、娘の
身体
(
からだ
)
は幻に消えても、その黒髪は、
金輪
(
こんりん
)
、奈落、長く深く残って朽ちぬ。
百年
(
ももとせ
)
、
千歳
(
ちとせ
)
、
失
(
う
)
せず、枯れず、次第に伸びて艶を増す。
陽炎座
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
こんな場合の歌は文学者らしくしている男の人たちの作も、平生よりできの悪いのが普通で、松の
千歳
(
ちとせ
)
から解放されて心の琴線に触れるようなものはないからである。
源氏物語:35 若菜(下)
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
山形市より遠くない。窯は
千歳
(
ちとせ
)
山の
麓
(
ふもと
)
に散在する。歴史はそう古くは
溯
(
さかのぼ
)
らないが、
化政
(
かせい
)
の頃は既に盛である。今は磁器陶器を焼くが、土地では一方を石焼、一方を
土焼
(
どやき
)
と呼ぶ。
現在の日本民窯
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
「
籠釣瓶花街酔醒
(
かごつるべさとのえひざめ
)
」として、三世河竹新七が、初代市川左団次のため劇化したのは、明治廿一年五月の
千歳
(
ちとせ
)
座(のちの明治座)でもちろん講談や人情噺の方が、その以前からあつた。
吉原百人斬り
(新字旧仮名)
/
正岡容
(著)
それから北へ連なる
雁戸
(
がんど
)
山、もっと近くて低い
千歳
(
ちとせ
)
山、丘と云っていい
盃
(
さかずき
)
山、また西方には
朝日岳
(
あさひだけ
)
連峰がつらなり、それから北方へかけて、
月山
(
がっさん
)
、湯殿山、羽黒山などが望見された。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
胆振国
千歳
(
ちとせ
)
町内千歳川第四発電所より下流に、シュネチセ
(9)
という所がある。
あの世の入口:――いわゆる地獄穴について――
(新字新仮名)
/
知里真志保
(著)
其年九月のはじめ
安産
(
あんざん
)
してしかも男子なりければ、
掌中
(
てのうち
)
に
珠
(
たま
)
を
得
(
え
)
たる
心地
(
こゝち
)
にて
家内
(
かない
)
悦
(
よろこ
)
びいさみ、
産婦
(
さんふ
)
も
健
(
すこやか
)
に
肥立
(
ひだち
)
乳汁
(
ちゝ
)
も一子に
余
(
あま
)
るほどなれば
小児
(
せうに
)
も
肥太
(
こえふと
)
り
可賀名
(
めでたきな
)
をつけて
千歳
(
ちとせ
)
を
寿
(
ことぶき
)
けり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
明くれば夜のさまをかたり、暮るれば明くるを慕ひて、
一七一
此の月日頃
千歳
(
ちとせ
)
を過ぐるよりも久し。かの鬼も夜ごとに家を
繞
(
めぐ
)
り、或は屋の
棟
(
むね
)
に叫びて、
忿
(
いか
)
れる声
一七二
夜ましにすざまし。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
文壇の聖者といわれた
蘆花
(
ろか
)
徳富健次郎氏、市外
千歳
(
ちとせ
)
村の邸に閉じ籠って、いっさい客を絶ち俗界と絶縁、京王電車の下高井戸で下車、畑道を約五丁ばかり、生垣を
繞
(
めぐ
)
らした一軒の平家建て
明治世相百話
(新字新仮名)
/
山本笑月
(著)
僕はたぶん明日
親父
(
おやじ
)
に会いに
千歳
(
ちとせ
)
まで帰ってくる。都合ではむこうの滞在が少し長びくかもしれない。できるなら僕は秋のうちに……冬にならないうちに東京に出たいと思っているんだがね。
星座
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
炭層
(
たんそう
)
に
千歳
(
ちとせ
)
うづもる蓮の実も芽を吹き花の日に匂ふちふ
夢殿
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
立ち並ぶかひこそなけれ
桜花
(
さくらばな
)
松に
千歳
(
ちとせ
)
の色はならはで
川中島合戦
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
胆振
(
いぶり
)
千歳
(
ちとせ
)
郡マオイ沼 タンネ、エンルム 長崎
地名の研究
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
業
(
ごふ
)
のかげ、
輪廻
(
りんね
)
の
千歳
(
ちとせ
)
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
千歳
(
ちとせ
)
の
業
(
わざ
)
を立てましぬ。
晶子詩篇全集拾遺
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
千歳
(
ちとせ
)
の色をうつすとも
藤村詩抄:島崎藤村自選
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
千歳
(
ちとせ
)
の
女将
(
おかみ
)
は、朝詣りの帰りを、呼びこまれた
常盤町
(
ときわまち
)
の
金春
(
こんぱる
)
で、三十分ほど
縁喜棚
(
えんぎだな
)
の下でしゃべりこんでいた。
かんかん虫は唄う
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
後
(
のち
)
に
小田原
(
をだはら
)
の
町
(
まち
)
を
放
(
はな
)
れ、
函嶺
(
はこね
)
の
湯本
(
ゆもと
)
近
(
ぢか
)
に
一軒
(
いつけん
)
、
茶店
(
ちやみせ
)
の
娘
(
むすめ
)
、
窶
(
やつ
)
れ
姿
(
すがた
)
のいと
美
(
うつく
)
しきが、
路傍
(
みちばた
)
の
筧
(
かけひ
)
、
前
(
まへ
)
なる
山
(
やま
)
凡
(
およ
)
そ
三四百間
(
さんしひやくけん
)
遠
(
とほ
)
き
處
(
ところ
)
に
千歳
(
ちとせ
)
久
(
ひさ
)
しき
靈水
(
かたちみづ
)
を
引
(
ひ
)
いたりといふ
城の石垣
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
おいと
答
(
こた
)
へて
米
(
こめ
)
かし
桶
(
をけ
)
に
量
(
はか
)
り
出
(
だ
)
すほどの
惚
(
の
)
ろさ、
斯
(
か
)
くて
終
(
おは
)
らば
千歳
(
ちとせ
)
も
美
(
うつ
)
くしき
夢
(
ゆめ
)
の
中
(
なか
)
に
過
(
すぎ
)
ぬべうぞ
見
(
み
)
えし。
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
開拓されるまえの札幌は、乾いた大川という意味のサッポロベツの乱流が密林を左右にわけているところを、川口からいまの米軍事基地
千歳
(
ちとせ
)
まで通じる一条の小径が、はっていたにすぎない。
望郷:――北海道初行脚――
(新字新仮名)
/
服部之総
(著)
其江戸の元日を
聞
(
きけ
)
ば
縉紳朱門
(
しんしんしゆもん
)
の
㕝
(
こと
)
はしらず、
市中
(
しちゆう
)
は千
門
(
もん
)
万
戸
(
こ
)
千歳
(
ちとせ
)
の松をかざり、
直
(
すぐ
)
なる
御代
(
みよ
)
の竹をたて、太平の
七五三
(
しめ
)
を引たるに、
新年
(
しんねん
)
の
賀客
(
れいしや
)
麻上下の
肩
(
かた
)
をつらねて
往来
(
ゆきゝ
)
するに万歳もうちまじりつ。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
ツウツンボ
安房
(
あわ
)
千歳
(
ちとせ
)
村
野草雑記・野鳥雑記:01 野草雑記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
ゆくて
千歳
(
ちとせ
)
の
砦
(
とりて
)
あと
都喜姫
(新字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
千歳
(
ちとせ
)
の
暦
(
こよみ
)
ひるがえし
全都覚醒賦
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「あ……
千歳
(
ちとせ
)
の
女将
(
おかみ
)
からだろう、大隈伯がお目ざめになったら、知らせてくれるように頼んでおいたから」
かんかん虫は唄う
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
拾
(
ひろ
)
つて
来
(
き
)
たのは
雄鹿
(
をじか
)
の
角
(
つの
)
の
折
(
をれ
)
、
山
(
やま
)
深
(
ふか
)
ければ
千歳
(
ちとせ
)
の
松
(
まつ
)
の
根
(
ね
)
に
生
(
お
)
ふると
聞
(
き
)
く、
伏苓
(
ふくれう
)
と
云
(
い
)
ふものめいたが、
何
(
なに
)
、
別
(
べつ
)
に……
尋常
(
たゞ
)
の
樹
(
き
)
の
枝
(
えだ
)
、
女
(
をんな
)
の
腕
(
かひな
)
ぐらゐの
細
(
ほそ
)
さで、
一尺
(
いつしやく
)
有余
(
いうよ
)
也
(
なり
)
。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
其江戸の元日を
聞
(
きけ
)
ば
縉紳朱門
(
しんしんしゆもん
)
の
㕝
(
こと
)
はしらず、
市中
(
しちゆう
)
は千
門
(
もん
)
万
戸
(
こ
)
千歳
(
ちとせ
)
の松をかざり、
直
(
すぐ
)
なる
御代
(
みよ
)
の竹をたて、太平の
七五三
(
しめ
)
を引たるに、
新年
(
しんねん
)
の
賀客
(
れいしや
)
麻上下の
肩
(
かた
)
をつらねて
往来
(
ゆきゝ
)
するに万歳もうちまじりつ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
門長屋の
兵六老爺
(
ひょうろくおやじ
)
、大手を開けに朝
疾
(
と
)
く起出でて、眼と鼻を
摩
(
こす
)
りながら、御家の
万代
(
よろずよ
)
を表して、
千歳
(
ちとせ
)
の
翠
(
みどり
)
濃
(
こまや
)
かなる
老松
(
おいまつ
)
の下を通りかかれば、朝霜解けた枝より、ぽたり。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
……
千歳
(
ちとせ
)
百歳
(
ももとせ
)
にただ一度、たった一度の恋だのに。
天守物語
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“千歳”の意味
《名詞》
1000年、非常に長い期間の喩え。
(出典:Wiktionary)
千
常用漢字
小1
部首:⼗
3画
歳
常用漢字
中学
部首:⽌
13画
“千歳”で始まる語句
千歳座
千歳村
千歳茶
千歳米坡
千歳米波
千歳川
千歳町
千歳経
千歳谷
千歳烏山