“千歳座”の読み方と例文
読み方割合
ちとせざ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
前の千歳座ちとせざは二十三年の五月に焼けて、爾来じらいそのままになっていたのが、今度新しく建て直されて、十一月の一日に開場式を挙げたのである。
明治劇談 ランプの下にて (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
久松町の千歳座ちとせざが焼けて、明治座が建つと、あの辺は一体にはなやかになり、景気だった。芝居小屋がやけて芝居小屋がたつのに、そんなかわりがあるかといいたいほど代った。
乳母うばに抱かれ、久松座ひさまつざ新富座しんとみざ千歳座ちとせざなぞの桟敷さじきで、鰻飯うなぎめし重詰じゅうづめを物珍しく食べた事、冬の日の置炬燵おきごたつで、母が買集めた彦三ひこさ田之助たのすけ錦絵にしきえを繰り広げ、過ぎ去った時代の芸術談を聞いた事。
監獄署の裏 (新字新仮名) / 永井荷風(著)