内容ないよう)” の例文
またその内容ないよう古今ここんわたり、顕幽けんゆうまたがり、また部分ぶぶんは一般的ぱんてきまた部分ぶぶん個人的こじんてきった具合ぐあいに、随分ずいぶんまちまちにみだれてります。
多分たぶん廣告くわうこくに、修養しうやうのためにむべきしよだとふやうなこといてあつたので、子供こども熱心ねつしん内容ないようりたくおもつたのであらう。
寒山拾得縁起 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
旋頭歌せどうかといふものに發達はつたつしてくと同時どうじに、片歌かたうた自身じしんが、短歌たんかつくげるように、次第しだいに、おんかずし、内容ないよう複雜ふくざつになつてゐました。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
他人ひとばいしてせはしい勘次かんじがだん/\にりつゝあるたわら内容ないようにしてひどをしつゝ戸口とぐち出入でいりするのを卯平うへいるのがいやかつつらかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「いかに早足はやあしなお使番つかいばんでも、夕方からただいままでに、ここへ着くともうすのはふしぎなしだい。そして、御書ごしょ内容ないようは?」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
云い出したからには、事務長、勢いよくおもむくところ、何とも仕方がなく、開かれたトランクの内容ないよう如何いかんのぞきこんだ。が、途端に怪訝けげんな面持で
噴煙ふんえんくははつて火山灰かざんばひやラピリは、噴火ふんか經過けいかともなつて、其形状そのけいじようおいても内容ないようおいても色々いろ/\變化へんかする。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
御互おたがひ御互おたがひきるの、物足ものたりなくなるのといふこゝろ微塵みぢんおこらなかつたけれども、御互おたがひあたまれる生活せいくわつ内容ないようには、刺戟しげきとぼしい或物あるものひそんでゐるやうにぶうつたへがあつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
かうなつて來ると、一體私は内容ないようの方に心をかれるものですが、とても形式方面の缺點けつてん非難ひなんかへりみる暇はありません。そのゑがかれてゐる事に對して、作の大きなたふとさをかんじて了ふのです。
三作家に就ての感想 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
自供じきょう内容ないようは、ほとんどあらかじめ当局側とうきょくがわ想像そうぞうしていたのとおなじである。
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
内容ないようとゝのつたものゝほうがよいといふことになるのであります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
あなたがたは、このうたると、内容ないようがからっぽだとかんじるかもれません。しかしさういふふうに早合點はやがつてんしてしまふようでは、日本につぽんうたはわかりません。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
で、材料ざいりょう取捨しゅしゃ選択せんたくせめ当然とうぜんわたくし引受ひきうけなければなりませんが、しかし通信つうしん内容ないよう全然ぜんぜん原文げんぶんのままで、私意しいくわへて歪曲わいきょくせしめたような個所かしょはただの一箇所かしょもありません。
しかしそれは分別ふんべつある壯年さうねんあひだにのみ解釋かいしやく記憶きおくされた。事件じけん内容ないよう勘次かんじのおつぎにたいする行爲かうゐ猜忌さいぎ嫉妬しつととのもつ臆測おくそくたくましくするやうに興味きようみ彼等かれらあたへなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
いはゞ一種いつしゆ枕詞まくらことばで、かういふふうしづかなうたでは、すこしでもいひすぎたり内容ないようえすぎると、全體ぜんたい調和ちようわやぶれてます。むしろ、内容ないようのないものをれなければならないのです。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
勘次かんじすこ自分じぶんのいふことの内容ないようけるやうにいつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)