トップ
>
俺
>
おら
ふりがな文庫
“
俺
(
おら
)” の例文
「八さア、頼むからそうして下せえ。
俺
(
おら
)
、この辺で待ってるだ。
俺
(
おら
)
、一人であの家へ行くのは、おっかなくて、とても出来ねえだよ」
青服の男
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
「
俺
(
おら
)
んとこは無人で敢り次ぎが居んさかい、この圓窓が取り次ぎや。……この窓
開
(
あ
)
けて
喚
(
わめ
)
いて呉れ、
家
(
うち
)
にゐたら俺が出て來るぞ。」
太政官
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
「うむ。ほんでな、
俺
(
おら
)
は市平に、貴様が、せっかく出世しかけだどこだげっとも、一つ
家
(
うち
)
へ戻ってもらうべかと思ってな。ほんで……」
土竜
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
お榧しばらく考えたが、「ちょうど
俺
(
おら
)
も道人様の居場所を、知りてえと思っていたところ、ようがす、聞いてお知らせしましょう」
任侠二刀流
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
好矣
(
よし
)
、
俺
(
おら
)
が一番先に信者になつて、村の衆の鼻毛を抜いてやらうと、初めて松太郎の話を聴いた晩に寝床の中で度胸を決めて了つたのだ。
赤痢
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
▼ もっと見る
「
俺
(
おら
)
がとこちつともこら
離
(
はな
)
んねえんだよ
仕
(
し
)
やうねえやうだよ
本當
(
ほんたう
)
に」おつぎはもう
段々
(
だん/\
)
手
(
て
)
に
餘
(
あま
)
つて
來
(
き
)
た
與吉
(
よきち
)
を
膝
(
ひざ
)
にしていつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
聞いてくろ!
俺
(
おら
)
、どげえな思いしてこの托児所こせえた? 一年かかって、てんでが家から、枕あ、敷布だしあって、やっとこせえたんだ。
ピムキン、でかした!
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
村人七
俺
(
おら
)
も、可哀相で見ておられなんだぞ。勘五郎どん、お前どうしただ。お前が一揆の大将を、甚兵衛どんの家へ案内したいうじゃないか。
義民甚兵衛
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
「立てて云うけに
俺
(
おら
)
あ立って聞きおったら、気の遠うなってグラグラして来た。
今
(
ま
)
一時間も立っとったなら
俺
(
おら
)
あ仁三郎より先に天国へ登っとる」
近世快人伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「あゝ、おつ
魂消
(
たまげ
)
た。」
農夫
(
ひやくしやう
)
は眼をこすり/\言つた。「
俺
(
おら
)
はあ、何にも知んねえだよ。お
前
(
めえ
)
様のやうな
女子
(
あまつこ
)
みたいな男初めて見ただからの。」
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
家の者は
俺
(
おら
)
の家出を知つてゐるのに、知らん顔しよるんではないかしらん。さう思ふと、彼は家族の誰からも黙殺され見捨てられた自分を感じた。
青年
(新字旧仮名)
/
北条民雄
(著)
何故って、ここはお前……お前が何時か
腓
(
こむら
)
を返して
沈
(
しずみ
)
懸った時に、
俺
(
おら
)
がその柔かい真白な体を
引抱
(
ひんだ
)
いて
助
(
たすけ
)
揚げたとこだ。
片男波
(新字新仮名)
/
小栗風葉
(著)
「ええ、
俺
(
おら
)
が事か。兄さん、とけつかったな。
聞馴
(
ききな
)
れねえ口を利きやあがる。
幾干
(
いくら
)
で泊める。こう、旅籠は幾干だ。」
浮舟
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
俺
(
おら
)
あ馬鹿だつただ。とんだことをしてしまつただ。だから今から、その坊さんのところへいつて
謝罪
(
あやま
)
つて来る。」
良寛物語 手毬と鉢の子
(新字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
俺
(
おら
)
も
能
(
よ
)
く知らないが、
其
(
そ
)
の宝物というのは実に立派なものだ。
真闇
(
まっくら
)
な処でもぴかぴか光って……。何だか
斯
(
こ
)
う……。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
俺
(
おら
)
は
直
(
ぢ
)
きこの
附近
(
あたり
)
に住まふものぢや。われら家に
往
(
い
)
て持つて来るものがおぢやるわ。
少時
(
しばし
)
がほどここに待たれよ。
南蛮寺門前
(新字旧仮名)
/
木下杢太郎
(著)
意地を張っている
俺
(
おら
)
方の母親も分らず屋だが、犬っころみたいにお前を連れ帰ったお父さんも少し短気すぎる。
凍雲
(新字新仮名)
/
矢田津世子
(著)
「
俺
(
おら
)
もお前様に力をつけて
辛抱
(
しんぼう
)
するように言ってみたあけれど、どっちにしてもこのお邸は為めになんねえお邸だ、いっそのこと、逃げ出した方がいいだ」
大菩薩峠:02 鈴鹿山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「そんなことがあるもんか。
俺
(
おら
)
、ちゃんと知ってるんだ。黒公の奴はちょいちょい葉ちゃんに撲られてんだぜ」
夢鬼
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
「うんにゃ。も少し待で。又すぐ晴れる。おらも弁当食ふべ。あゝ心配した。
俺
(
おら
)
も
虎
(
とら
)
こ山の下まで行って見で来た。はあ、まんつ
好
(
え
)
がった。雨も晴れる。」
種山ヶ原
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
「
俺
(
お
)
らがも困るだ。
汝
(
わ
)
れが困ると俺らが困るとは困りようが土台ちがわい。口が
干上
(
ひあが
)
るんだあぞ
俺
(
おら
)
がのは」
カインの末裔
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
「今に、その悪い血の道が、
冷
(
さ
)
めるだろうと、
俺
(
おら
)
あ、壁隣りから、おめえの顔も見ずに、
怺
(
こら
)
えているんじゃないか。よそうよ、なあ、夫婦喧嘩は、犬も喰わねえ」
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
俺
(
おら
)
も娘さなくした人を知ってるだがな、その人ァ巴里さ行って、その娘を探しあてただとよ」
親ごころ
(新字新仮名)
/
ギ・ド・モーパッサン
(著)
俺
(
おら
)
にもわからない。しかし、俺ア、あのお経を聞いて手を合はせずには居られなくなつた。実際、俺ア、何も知らずに来た。わるいこともわるいと思はずにこれまでやつて来た。
ある僧の奇蹟
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
勘爺さんが
頷
(
うなず
)
いた。「然だ/\、
手代
(
てがわ
)
りでやるだな。野良番が
四人
(
よったり
)
に、此家の作代に、
俺
(
おら
)
が家の作代に、それから石山さんの作代に、それから、七ちゃんでも
舁
(
か
)
いてもらうべい」
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
何しろお前、あの
小
(
こ
)
が
崎
(
さき
)
の
端
(
はし
)
の暗礁へ乗り上げたので、——それで村中の
漁夫
(
りょうし
)
がその
大暴風
(
おおしけ
)
の中に船を
下
(
おろ
)
して助けに行ったのだが、あんな恐ろしいことは
俺
(
おら
)
ァ覚えてからなかった。
少年と海
(新字新仮名)
/
加能作次郎
(著)
「本当かい。
俺
(
おら
)
あ又、もっと
外
(
ほか
)
の仲間が、その辺の藪の中に隠れているんだと思った」
妖虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「湯島の家で
俺
(
おら
)
がから鎧櫃を受け取った女郎みてえなお侍さんがねじ込んで来てるだ」
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
サン いやさ、
俺
(
おら
)
が
癇
(
コーラー
)
に
障
(
さは
)
るが
最後
(
さいご
)
、すぐにも
引
(
ひ
)
ッこ
拔
(
ぬ
)
いてくれようといふンぢゃ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
処で
俺
(
おら
)
の旦那がお世辞半分に新聞記者の天職を
壮
(
さか
)
んなりと褒めて娘も新聞記者に
嫁
(
や
)
る
意
(
つもり
)
だと
戯謔面
(
からかひづら
)
に
煽動
(
おだ
)
てたから、先生グツト乗気になつて早や
聟
(
むこ
)
君に
成済
(
なりすま
)
したやうな気で毎日
入浸
(
いりびた
)
つてゐる。
犬物語
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
(著)
罪も、咎も無い、あの別嬪が、巻きぞえ食うなんて——
俺
(
おら
)
あ、あの女に手を折られたのじゃねえ、だから怨みもねえのに、畜生っ——何うしてあんな別嬪の、可愛らしいのがいやがったんだろう。
南国太平記
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
「
盗人
(
ぬすっと
)
の女を
伴
(
つ
)
れて家へ帰れるものか、舟は
俺
(
おら
)
が漕ぐ」
参宮がえり
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
丘や畑は万作じや、おや、
俺
(
おら
)
ちの
陸穂
(
おかぼ
)
もやつと
熟
(
う
)
れた。
畑の祭
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「うむ……旦那が
俺
(
おら
)
がことを聞いたか。」
特殊部落の犯罪
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
俺
(
おら
)
のこの
笛
(
ふえ
)
聞
(
き
)
いて
鳴
(
な
)
いているだろの?
管笛
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
『
俺
(
おら
)
がとこは十八貫あれば好いだ。』
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「うんにゃ、
俺
(
おら
)
ァだめだよ」
あまり者
(新字新仮名)
/
徳永直
(著)
「
俺
(
おら
)
がに用事かね」
銭形平次捕物控:057 死の矢文
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
俺
(
おら
)
泣いた
雨情民謡百篇
(新字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
何だべえせえ、自分の
居
(
を
)
ツ
家
(
とこ
)
が
然
(
そ
)
でなかつたら
具合
(
ぐあえ
)
が悪かんべえが?
然
(
そ
)
だらハア、
俺
(
おら
)
ア酒え飲むのさ邪魔さねえば、
何方
(
どつち
)
でも
可
(
い
)
いどら。
赤痢
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「
俺
(
おら
)
も、
兄
(
あん
)
つあんと行ぐは。」と一人で土を
弄
(
いじく
)
って遊んでいたよしが、土煙の中から飛び出してヨーギの方へ駈けて行った。
土竜
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
……
渾名
(
あだな
)
で分かりますくらいおそろしく
権柄
(
けんべい
)
な、家の系図を鼻に掛けて、
俺
(
おら
)
が家はむかし代官だぞよ、と二言めには、たつみ上がりになりますので。
眉かくしの霊
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「そんだら
見
(
み
)
さつせえそれ、十五
匁
(
もんめ
)
だんべ、
俺
(
おら
)
がな
他人
(
たにん
)
のがよりや
大
(
え
)
けえんだかんな」
商人
(
あきんど
)
は
目笊
(
めざる
)
の
目
(
め
)
を
掛
(
か
)
けて
見
(
み
)
せて
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「昼間は家ン中や庭さ歩き廻って、何するでなしにソワ/\してたっけが、夕方になって、
俺
(
おら
)
頼まれた通り夕飯さ
拵
(
こしら
)
えて持って行くと、どこにもいねえだ」
青服の男
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
おい、お
駒
(
こ
)
ちやん、旦那はえゝがな。……そらお前、旦那は燒いて喰はうと炊いて喰はうと、お前の勝手やがな。坊んちに手を付けると、
俺
(
おら
)
ア承知せんで。
父の婚礼
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
「ウム。
俺
(
おら
)
あ途方もない幽霊に附纏われた御蔭で、この通りスッテンテンに落ぶれて来た。何とかしてくれい」
近世快人伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「うんにゃ。も少し
待
(
ま
)
で。またすぐ晴れる。おらも
弁当
(
べんとう
)
食うべ。ああ心配した。
俺
(
おら
)
も
虎
(
とら
)
こ山の下まで行って見で来た。はあ、まんつ
好
(
え
)
がった。雨も晴れる。」
種山ヶ原
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
「ううん、
俺
(
おら
)
、死んだ方がよかったなあ、その方がサッパリすらあ……極東が解散しちゃ飯の喰上げで……」
夢鬼
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
いったいお前道人様は、どこに住んでいるんだね? そいつを
俺
(
おれ
)
に聞かしておくれ、
俺
(
おら
)
が行って取ってくる
任侠二刀流
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「どうしても
忌
(
いや
)
か。
俺
(
おら
)
が
斯
(
こ
)
んなに云っても
肯
(
き
)
いて
呉
(
く
)
れないのか。」と、重太郎は泣かぬばかりに口説いた。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
“俺”の意味
《代名詞》
(おれ)主に男性が用いる、ぞんざいな自称。
(出典:Wiktionary)
俺
常用漢字
中学
部首:⼈
10画
“俺”を含む語句
俺等
俺家
俺達
俺共
俺許
俺故
俺方
此方俺