トップ
>
伍
>
ご
ふりがな文庫
“
伍
(
ご
)” の例文
しかしそのうち、父親の身辺も非常に急がしくなって、
老躯
(
ろうく
)
をひっさげながら壮人と
伍
(
ご
)
するわけで、勢い子供から手を抜くの外はない。
親は眺めて考えている
(新字新仮名)
/
金森徳次郎
(著)
民衆の上にある英雄と、民衆のなかに
伍
(
ご
)
してゆく英雄と、いにしえの英雄たちにも、星座のように、各〻の性格と軌道があった。
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
併し此等の歌を以て、万葉最上級の歌と
伍
(
ご
)
せしめるのはいかがとも思うが、万葉鑑賞にはこういう歌をもまた通過せねばならぬのである。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
かといって、又、己は俗物の間に
伍
(
ご
)
することも
潔
(
いさぎよ
)
しとしなかった。共に、我が臆病な自尊心と、尊大な羞恥心との
所為
(
せい
)
である。
山月記
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
しかしあのめかしこんだ老人が、いつわって青年たちに
伍
(
ご
)
していた結果、どんな様子になってしまったか、それはじつに不愉快なながめだった。
ヴェニスに死す
(新字新仮名)
/
パウル・トーマス・マン
(著)
▼ もっと見る
私が訊いたのは何も
背丈
(
せた
)
けのことばかりではない。西洋人に
伍
(
ご
)
して
角逐
(
かくちく
)
出来る体力や
気魄
(
きはく
)
に
就
(
つい
)
て探りを入れたのである。
巴里のむす子へ
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
そしてすぐに野の片すみの田舎者は
僧侶
(
そうりょ
)
と
伍
(
ご
)
するに至る。田舎者の仕事着を少し広くすれば、そのまま道服である。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
見られよ、私たちのために形を整え、姿を飾り、模様に身を彩るではないか。私たちの間に
伍
(
ご
)
して悩む時も
荒
(
すさ
)
む時も、生活を
頒
(
わか
)
とうとて交わるのである。
工芸の道
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
最後の拍手とともに人びとが
外套
(
がいとう
)
と帽子を持って席を立ちはじめる会の終わりを、私は病気のような
寂寥感
(
せきりょうかん
)
で人びとの肩に
伍
(
ご
)
して出口の方へ動いて行った。
器楽的幻覚
(新字新仮名)
/
梶井基次郎
(著)
従って彼は世間に
伍
(
ご
)
して、目まぐるしい生活の渦の中へ、思い切って飛びこむ事が出来なかった。
袖手
(
しゅうしゅ
)
をして傍観す——それ以上に出る事が出来なかった。
路上
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
妓輩の主人生時は貴人と
伍
(
ご
)
を成すが、一旦命
終
(
しゅう
)
すれば最卑民中にすら
住
(
とど
)
まるを許されず、口に藁作りの
韁
(
たづな
)
を
食
(
は
)
ませ、死んだ時のままの衣服で町中引きずり
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
今は、昇殿も許され、殿上人に
伍
(
ご
)
して舞う身ながら、元はといえば、お前なんか、伊勢の
田舎
(
いなか
)
ものじゃないか、ひっこめ、ひっこめ、というわけなのである。
現代語訳 平家物語:01 第一巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
そして、この
濛々
(
もうもう
)
たる蒸気と臭気とに
伍
(
ご
)
して、ドーッと音がすれば、それは、汚物が流れ出した証拠である。
海に生くる人々
(新字新仮名)
/
葉山嘉樹
(著)
それ以外にもアチラコチラの新聞雑誌社から寄書を依頼されるという日の出の勢いであったから、紅葉は
左
(
と
)
に
右
(
か
)
く他の硯友社同人と
伍
(
ご
)
するには余りに地位が懸隔し
美妙斎美妙
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
霽月らの諸君に
伍
(
ご
)
して子規居士の
傘下
(
さんか
)
に集まった一人として別に意に介する所もなかったのであろう。
漱石氏と私
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
今こうして
市井
(
しせい
)
の巷を庶民に
伍
(
ご
)
してもまれもまれて
徒歩
(
ひろ
)
っているのを誰ひとり知るものもないという、
稚
(
おさな
)
い、けれども満ちたりたよろこびなどはすこしもなかった。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
それだけに生れついて居るものは生れついているだけの情懐が有る。韓信が
絳灌樊噲
(
こうかんはんかい
)
の輩と
伍
(
ご
)
を為すを
羞
(
は
)
じたのは韓信に取っては何様することも出来ないことなのだ。
蒲生氏郷
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「昨日も、今日も、ただ水の上に、陽が
暮
(
く
)
れて行った」と日記に書く、気の弱いぼくが、それも一人だけの、
新人
(
フレッシュマン
)
として、
逞
(
たくま
)
しい先輩達に
伍
(
ご
)
し、
鍛
(
きた
)
えられていたのですから
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
倫敦
(
ロンドン
)
に住み暮らしたる二年は尤も不愉快の二年なり。余は英国紳士の間にあつて
狼群
(
ろうぐん
)
に
伍
(
ご
)
する一匹のむく犬の如く、あはれなる生活を営みたり。倫敦の人口は五百万と聞く。
『文学論』序
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
はたして向こうへ追って行くわ! ……飛天夜叉の一団が
伍
(
ご
)
を
調
(
ととの
)
え、松明の光に道を照らし
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
周囲を見回すごとに、他の本陣問屋に
伍
(
ご
)
して行くことすら彼には心苦しく思われて来た。
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
勿論
(
もちろん
)
この人の趣味でもなく、特別の理解でもなかったであろうが、この時代までは折々彼の見たようなすね者、もしくは風狂人などと呼ばれた中年者が、風雅の人の間に
伍
(
ご
)
して
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
戦前、日本の科学は世界の第一線に
伍
(
ご
)
したということがよく言われた。それは
嘘
(
うそ
)
であるが、世界の科学の進歩にほぼ
踵
(
きびす
)
を接して追従して行けるくらいのところまでは進歩していた。
簪を挿した蛇
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
気違いじみたしわざとお笑いになるかもしれないが、自分にはどう考えてみてもそれよりほかに道はない。葉子に離れて路傍の人の間に
伍
(
ご
)
したらそれこそ狂気になるばかりだろう。
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
しかし今の場合は
異
(
ちが
)
っていた。異いつつあった。成熟した大人たちと
伍
(
ご
)
して、肉体の力で相並ぶことが一つの条件になりかけていた。彼らの必要としているのは格式や典礼ではない。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
枳園
(
きえん
)
は俳優に
伍
(
ご
)
して登場した罪によって、阿部家の禄を失って、
永
(
なが
)
の
暇
(
いとま
)
になった。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
僕
(
ぼく
)
は今も
壯
(
そう
)
者に
伍
(
ご
)
していさぎよく
戰
(
たゝか
)
ふ
關根
(
せきね
)
名人の
磊落性
(
らいらくせい
)
を
寧
(
むし
)
ろ
愛敬
(
あいけい
)
し、一方自
負
(
ふ
)
しつつ出でざる
坂
(
さか
)
田三吉八
段
(
だん
)
に或る
憐憫
(
れんみん
)
さへ
感
(
かん
)
じてゐる者だが、
將棋
(
せうき
)
だけは
若
(
わか
)
い者には
勝
(
か
)
てないものらしい。
下手の横好き:―将棋いろいろ―
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
今日でこそ
有閑
(
ゆうかん
)
婦人の贅沢はさまで珍しくないようなものの昔は男子でもそうは行かぬ
裕福
(
ゆうふく
)
な家でも
堅儀
(
かたぎ
)
な旧家ほど衣食住の
奢
(
おご
)
りを
慎
(
つつし
)
み
僭上
(
せんしょう
)
の
誹
(
そしり
)
を受けないようにし成り上り者に
伍
(
ご
)
するのを
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
妻の手前ながら定めて
断腸
(
だんちょう
)
の思いなりしならんに、日頃
耐忍
(
たいにん
)
強き人なりければ、この上はもはや
詮方
(
せんかた
)
なし、自分は死せる
心算
(
しんさん
)
にて郷里に帰り、
田夫野人
(
でんぷやじん
)
と
伍
(
ご
)
して一生を終うるの覚悟をなさん。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
客に、丁寧に
会釈
(
えしゃく
)
をしてから、父に向って名刺を差し出しながら、しとやかそうに
云
(
い
)
った。
傲岸
(
ごうがん
)
な父の娘として、白痴の兄の妹として、彼女は
狼
(
おおかみ
)
に
伍
(
ご
)
した羊のように、美しく、しとやかだった。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
いやしくも
潔清
(
けっせい
)
無垢
(
むく
)
の
位
(
くらい
)
に
居
(
お
)
り、この腐敗したる醜世界を
臨
(
のぞ
)
み見て、自ら自身を区別するの心を生ぜざるものあらんや。
僅
(
わず
)
かに資産の厚薄、才学の深浅を以てなおかつ他と
伍
(
ご
)
をなすを
屑
(
いさぎよ
)
しとせず。
日本男子論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
男子の間に
伍
(
ご
)
して社会主義建設のために積極的に活動している。
十月革命と婦人の解放
(新字新仮名)
/
野呂栄太郎
(著)
「私の姓は、
伍
(
ご
)
で、名は
秋月
(
しゅうげつ
)
といいます」
蘇生
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
兵士
伍
(
ご
)
を組む。
饑餓陣営:一幕
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
けれどこんな御生活の許へも、
一朝
(
いっちょう
)
、吉野の軍令が来れば、宮は征夷府大将軍として馬上兵甲のあいだに
伍
(
ご
)
し、即刻、庵を立たねばならなかった。
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼は快活で
朦朧
(
もうろう
)
たる心持の、のんきな連中に
伍
(
ご
)
しているのが耐えられなかった上、また彼の額にある極印が、その連中には邪魔になったからである。
トニオ・クレエゲル
(新字新仮名)
/
パウル・トーマス・マン
(著)
おお
聖
(
きよ
)
き貞女よ! 汝は既に久しき以前よりこの世の者ではなかった。汝は光明のうちに汝の姉妹の童貞たちや汝の兄弟の天使たちと
伍
(
ご
)
していたのである。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
京都あたりの今日の個人作家に
伍
(
ご
)
してゆこうという苦心が見える。しかし惜しいかな、技巧と美とを同一だと誤認しているきらいがある。腕はよいが方向は悪い。
雲石紀行
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
倭寇
(
わこう
)
は我我日本人も優に列強に
伍
(
ご
)
するに足る能力のあることを示したものである。
侏儒の言葉
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
我が
稲門健児
(
とうもんけんじ
)
は不幸にも、北側の第一レインを割り当てられ、逆風と
逆浪
(
げきろう
)
の最も
激
(
はげ
)
しい難路を
辿
(
たど
)
らねばならず、
且
(
か
)
つ、長身に
伍
(
ご
)
して、
短躯
(
たんく
)
のクルウを連ね、天候さえ冷え勝ちで、天の利、地の利
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
また一例を云うと、ここに一人の男がある。この人は学校へ出る。その時には教師の仲間へ入れて見なければなりません。筆を
執
(
と
)
る。その時には著作家の
群
(
むれ
)
に
伍
(
ご
)
するものと認めるのが至当であります。
創作家の態度
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
歴々の人々の間に
伍
(
ご
)
している彼を見るのは始めてゞあった。
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
伍
(
ご
)
雁
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
と、あれから間もなく、院へも、
出仕
(
しゅっし
)
し始めている。そして、父子ともに、近ごろはまったく別人のように、からっと明るくなって、人びとに
伍
(
ご
)
していた。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
人も揃い、
技
(
わざ
)
も揃い、材料も整っているのである。そうして何より職人
気質
(
かたぎ
)
が残っているのである。あとは正しい形と模様とを植えつければ、昔の秀衡椀に
伍
(
ご
)
す品を作ることは決して難事ではない。
陸中雑記
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
迷惑の人と
伍
(
ご
)
せんとするものはこの門をくぐれ。
倫敦塔
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
道は
嶮
(
けわ
)
しいし、夜はまだ明けないし、味方には違いないが、誰の手勢やら組やら分らない中に
伍
(
ご
)
して、ここの将士はただえいえいと山上へ急いだのだった。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
かかる間に
伍
(
ご
)
して個人作家は立ったのである。彼らは来るべき工藝に対していかなる位置にあるか、いかなる任務を彼らが負うているか。そのことへの自覚は現代において最も重要な問題と云えよう。
工芸の道
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
武門に
伍
(
ご
)
して、日頃は人並の言を吐いている又兵衛も、いざとなっては、わずか数丈の
切岸
(
きりぎし
)
に
怯
(
ひる
)
んで、馬を
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
計らずも、先に行った旧友や新参の明智などと
伍
(
ご
)
して、彼も、伊勢に戦うこととはなったのである。
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“伍”の意味
《名詞》
(ゴ:サ変動詞)列(なら)ぶ。匹敵する。水準が等(ひと)しくなる。
(出典:Wiktionary)
伍
漢検準1級
部首:⼈
6画
“伍”を含む語句
一伍一什
落伍者
伍長
卒伍
伍子胥
一伍仔什
伍一什
隊伍
落伍
列伍
伍々
吉田東伍
伍瓊
相伍
伍伴
三々伍々
閭伍
源伍兵衛
波多伍若
法伍
...