“切岸”の読み方と例文
読み方割合
きりぎし100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
本間、渋谷の手の者が、真っ先立って突き進み、堀の中へこみ入りこみ入り、忽ち切岸きりぎしの下まで押し進み、逆茂木さかもぎを引きのけ打ち入ろうとした。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
上を見ると、大きな空は、いつの世からか、仕切られて、切岸きりぎしのごとくそびえる左右のむねに余された細い帯だけが東から西へかけて長く渡っている。
永日小品 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
一人の老いさらぼうた老翁ろうおうが、夕闇の切岸きりぎしの端に腰かけて、遠くの方を見つめたまま、石像の様にじっとしているのだ。
孤島の鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)