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鍛冶屋
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かじや
ふりがな文庫
“
鍛冶屋
(
かじや
)” の例文
遊んでいる
金槌
(
かなづち
)
をこっそりにぎったりすると、
鍛冶屋
(
かじや
)
のおやじは
油汗
(
あぶらあせ
)
で黒く光っている
額
(
ひたい
)
にけわしいしわをつくっていうのだった。
空気ポンプ
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
しかし、いちばん偉い連中はたいてい
鍛冶屋
(
かじや
)
にあつまる。この人たちにとっては、駅馬車の通過は、いろいろと思索の種になる事件である。
駅馬車
(新字新仮名)
/
ワシントン・アーヴィング
(著)
たちまち
姿
(
すがた
)
は見えずなって、四五
軒
(
けん
)
先の
鍛冶屋
(
かじや
)
が
鎚
(
つち
)
の音ばかりトンケンコン、トンケンコンと残る。亭主はちょっと考えしが
貧乏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「いや、武家なら刀で斬るだろう。これは
金槌
(
かなづち
)
か何かで力任せにやられたんだ。手際のいい
鍛冶屋
(
かじや
)
か何かの仕事じゃないか」
銭形平次捕物控:018 富籤政談
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
しかし、あまり
安
(
やす
)
かったので
売
(
う
)
る
気
(
き
)
になれなかったのですが、
若者
(
わかもの
)
は、そのことも
打
(
う
)
ち
明
(
あ
)
けました。すると
鍛冶屋
(
かじや
)
の
主人
(
しゅじん
)
は
般若の面
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
▼ もっと見る
智深はぽかんと
麓
(
ふもと
)
の空を眺めやっていたが、そのうちにふと、トンカン、トンカン、
鍛冶屋
(
かじや
)
の
鎚音
(
つちおと
)
が風にのって聞えてきた。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
とッつきが
怠
(
なま
)
けがちの
鍛冶屋
(
かじや
)
で、いつもその山の神に
怒鳴
(
どな
)
られてる。その次ぎが女髪結いで、男が何人代ったか分らない。
猫八
(新字新仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
「
鍛冶屋
(
かじや
)
のとんてんかんというあの音は好きらしい。蓄音器のレコードにあるじゃないか。“森の鍛冶屋”というのがね」
恐竜島
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
そのうちに私はふと近くの町の
鍛冶屋
(
かじや
)
の店につるしてあった芝刈り
鋏
(
ばさみ
)
を思い出した。例年とちがってことしは暇である。
芝刈り
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
「それはぞうさもないことだ。すぐに鍵をこしらえさせよう。」と言って、急いで上手な
鍛冶屋
(
かじや
)
をおよびになりました。
黄金鳥
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
動脈は両のこめかみに、
鍛冶屋
(
かじや
)
の
槌
(
つち
)
のように激しく脈打っているのが聞こえ、胸から出る息は
洞穴
(
どうけつ
)
から出る風のような音を立ててるらしく思えた。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
一、松の節くれ多く木材にならぬものはこれを炭となす、下等の炭なり、しかし東京の
鍛冶屋
(
かじや
)
は一般にこれを用ゐる事
病牀六尺
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
鍛冶屋
(
かじや
)
の
新吉
(
しんきち
)
は、頭ががーんとするほど、うちょうてんになり、今の
曲馬団
(
きょくばだん
)
について、何でもかまわず、めちゃくちゃにしゃべってみたくなりました。
曲馬団の「トッテンカン」
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
工夫詰所を出た森君は
後戻
(
あともど
)
りを始めた。すると、来る時には気がつかなかったが、一軒の小さい
鍛冶屋
(
かじや
)
があった。
贋紙幣事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
詩人
(
しじん
)
も
此
(
これ
)
では、
鍛冶屋
(
かじや
)
の
職人
(
しよくにん
)
に
宛如
(
さながら
)
だ。が、
其
(
そに
)
の
煮
(
に
)
る、
鋳
(
い
)
る、
錬
(
ね
)
りつゝあるは
何
(
なん
)
であらう。
没薬
(
もつやく
)
、
丹
(
たん
)
、
朱
(
しゆ
)
、
香
(
かう
)
、
玉
(
ぎよく
)
、
砂金
(
さきん
)
の
類
(
るゐ
)
ではない。
蝦蟇
(
がま
)
の
膏
(
あぶら
)
でもない。
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ここの親方はへッついという
髪
(
あたま
)
の見本を見せておいてくれた
鍛冶屋
(
かじや
)
さん——表に大きな船板の水槽があって、丸子や
琉金
(
りゅうきん
)
の美事なのが沢山飼養されていた。
旧聞日本橋:14 西洋の唐茄子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
新栄町の
鍛冶屋
(
かじや
)
へ奉公中、主人のすきをうかがい、
箪笥
(
たんす
)
の引き出しより十円紙幣一枚をぬすみ取り、なにくわぬ顔して、深川区成田山不動の開帳に
参詣
(
さんけい
)
し
迷信解
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
西の方へ、道普請に使う石炭屑が段々少くなって、天然の砂の現れて来る町を、西
鍛冶屋
(
かじや
)
町のはずれまで歩く。
鶏
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
巡査
(
じゅんさ
)
はまっかになって
怒
(
おこ
)
った。ホールはせいいっぱい気をきかせて
机
(
つくえ
)
の上のナイフをとり、ちょうど
応援
(
おうえん
)
にかけつけた
鍛冶屋
(
かじや
)
のウォッジャーズにわたした。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
鍛冶屋
(
かじや
)
に注文して置いた
鍬
(
くわ
)
が出来た頃から、三吉は学校から帰ると直ぐそれを手にして、裏の畠の方へ出た。彼は家の持主から桑畠の一部を仕切って借りた。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
下駄屋の店には、中年のかみさんが下駄の
鼻緒
(
はなお
)
の並んだ中に白い顔を見せてすわっていた。
鍛冶屋
(
かじや
)
にはランプが薄暗くついて、奥では話し声が聞こえていた。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
そこは小さな
鍛冶屋
(
かじや
)
の工場で、
韛
(
ふいご
)
の火がかんかんおこっている傍に、銀のような裏白な髪をした老婆がいた。それは鉄の焼けるのを待っているような
容
(
ふう
)
であった。
馬の顔
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
次に天のヤスの河の河上にある堅い
巖
(
いわお
)
を取つて來、また天の
金山
(
かなやま
)
の鐵を取つて
鍛冶屋
(
かじや
)
のアマツマラという人を尋ね求め、イシコリドメの命に命じて鏡を作らしめ
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
アーストロフ ロジジェストヴェンノエ村で、
鍛冶屋
(
かじや
)
に寄って行かなくちゃなるまい。まあ仕方がない。
ワーニャ伯父さん:――田園生活の情景 四幕――
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
「寝ている
間
(
ま
)
に、ヴァルカンの子が来ましてね」「ヴァルカンて何です」「ヴァルカンは
鍛冶屋
(
かじや
)
ですよ。 ...
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
見覚えのある場末の
鍛冶屋
(
かじや
)
や
桶屋
(
おけや
)
が、二三月前の自分の生活を懐かしく想出させた。軒の低い家のなかには、そっちこっちに白い
繭
(
まゆ
)
の
盛
(
も
)
られてあるのが目についた。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
畔草
(
あぜくさ
)
も刈っねばなんねい……山刈りを一丁に草刈りを二丁
許
(
ばか
)
り、
何処
(
どこ
)
の
鍛冶屋
(
かじや
)
でもえいからって。
姪子
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
道場を出た伝七郎、武家町へ曲る
辻
(
つじ
)
まで来ると、そこで立止まってちょっと考えたが、家の方へはゆかずに本町通りをぬけ、
鍛冶屋
(
かじや
)
町のとある路次裏へと入っていった。
恋の伝七郎
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
ついに町はずれ近くなった時、ふと小さな
鍛冶屋
(
かじや
)
が目に止った。狭い店に低い棚を設け、品物がほんの少しまばらに置いてあった。往来の
埃
(
ほこり
)
が店を一層貧乏くさくさせた。
思い出す職人
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
太い電燈の柱の立っているあたりにはいつの間に誰がこしらえたのか大きな
雪達磨
(
ゆきだるま
)
が二つも出来ていた。自動車の運転手と
鍛冶屋
(
かじや
)
の職人が野球の
身構
(
みがまえ
)
で雪投げをしている。
雪解
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
一番最下の族は先にもいいましたように
渡船者
(
とせんしゃ
)
、漁師、
鍛冶屋
(
かじや
)
、
屠者
(
としゃ
)
の四つで、これらの中でも渡船者と漁師とは少しく地位が高い。決して鍛冶屋や屠者のようではない。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
鍛冶屋
(
かじや
)
の薄暗い軒下で青年がヴァイオリンを練習していた。往来の雑音にその音は忽ち
掻消
(
かきけ
)
されるのだが、ああして、あの男はあの場所にいることを疑わないもののようだ。
苦しく美しき夏
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
幕があくと、
天幕張
(
テントば
)
りの漂浪生活の前に、二三のジプシー族の若者が
鍛冶屋
(
かじや
)
をしている。
大菩薩峠:22 白骨の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
これが
非常
(
ひじやう
)
に
有効
(
ゆうかう
)
であつたので、(
勿論
(
もちろん
)
先輩中
(
せんぱいちう
)
、
既
(
すで
)
に
小萬鍬
(
せうまんぐわ
)
を
用
(
もち
)
ゐて
居
(
ゐ
)
た
人
(
ひと
)
が
有
(
あ
)
つたさうだが、それは三
本
(
ぼん
)
爪
(
づめ
)
の、
極
(
きは
)
めて
小
(
せう
)
なる
物
(
もの
)
)
前
(
まへ
)
の
鍛冶屋
(
かじや
)
に四
本
(
ほん
)
刄
(
ば
)
の
大形
(
おほがた
)
のを
別誂
(
べつあつら
)
へするなど
探検実記 地中の秘密:02 権現台の懐古
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
炭を使うのは
鍛冶屋
(
かじや
)
か
鋳物師
(
いものし
)
か、そうでなければ化学の研究室ぐらいのものであった。
雪国の春
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
ぶっそうなことを言ってゆくのは、この横町第一の火事きちがい、
鍛冶屋
(
かじや
)
の
松公
(
まつこう
)
だ。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
鴨なら、あすの朝でも
田圃
(
たんぼ
)
へ出て十羽くらいすぐ落して見せる。朝めし前に、五十八羽撃ち落した事さえあるんだ。嘘だと思うなら、橋のそばの
鍛冶屋
(
かじや
)
の笠井三郎のところへ行って聞いて見ろ。
親友交歓
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
鍛冶屋
(
かじや
)
は
槌
(
つち
)
をおき、八百屋の小僧は
驢馬
(
ろば
)
をつなぎ、政治家と軍人は盛装し、女房と娘は「牛の光栄」のため古めかしくいでたって、みんなが同じ赤と黄の華やかさにはしゃぎ切って急いでいる。
踊る地平線:07 血と砂の接吻
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
江戸中の大きな
鍛冶屋
(
かじや
)
たちに、鉄砲造りを仰せつけるとき、その検分の役に廻されたそのそばに、
何時
(
いつ
)
もついていた家の父親——
衣笠貞之進
(
きぬがさていのしん
)
というのだが、
律儀
(
りちぎ
)
の根性から、これも一生懸命になって
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
どこかで
鍛冶屋
(
かじや
)
の
槌
(
つち
)
の音と精米機のサアサア云う音が聞える。
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「一、
臍
(
へそ
)
問答、二、風や海や空、三、
瘰癧
(
るいれき
)
のある人生、四、不格好な女、五、
鍛冶屋
(
かじや
)
同士の耳打話と、どうだい、どれだって面白そうじゃないか、それなのに、これが一本の酒手にもならんというのだから不思議だよ……」
泣虫小僧
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
鍛冶屋
(
かじや
)
、仕立屋、水車小屋、せんべや、
樽屋
(
たるや
)
。それから自転車屋など。それらはなんというすばらしい
見物
(
みもの
)
だったことだろう。
空気ポンプ
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
翁は、早速用意してあった大きな十字架の上に娘を仰向に
臥
(
ね
)
させた。——
鍛冶屋
(
かじや
)
から五寸釘を五本買って来るように命じた。
点
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
鍛冶屋
(
かじや
)
の煙突から吹き出る真赤な焔が黒い樹に映えて遠い森の上に青い月が出ている絵も欲しかったが、何となく静かなこの「森の絵」にきめた。
森の絵
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
「近頃、あの家の者か、出入りの者で、鍵を拵えさせた者はないだろうか、山の手一円の
鍛冶屋
(
かじや
)
鋳掛屋
(
いかけや
)
を、ごく内緒で調べて貰いたいんだが——」
銭形平次捕物控:034 謎の鍵穴
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「でまかせをこけ。この村には、ここともう一
軒
(
けん
)
鍛冶屋
(
かじや
)
よりほかに人はいやしない。そんなことは
承知
(
しょうち
)
のうえで、
柿泥棒
(
かきどろぼう
)
にきやがったくせにして」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ですから新吉は、いなかの
鍛冶屋
(
かじや
)
にいた
時分
(
じぶん
)
よりは、もっとまっ黒けになって、朝っから夜まで、その夜も十一時から十二時
頃
(
ごろ
)
まで働きつづけました。
曲馬団の「トッテンカン」
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
表通りは
何処
(
どこ
)
か閑散として、
古鉄屋
(
ふるがねや
)
や、かもじ屋や、
鍛冶屋
(
かじや
)
位が目に立ったが、横町は
小奇麗
(
こぎれい
)
だった。
旧聞日本橋:18 神田附木店
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
待て待て、
崎
(
さき
)
の
浜
(
はま
)
の
鍛冶屋
(
かじや
)
の
婆
(
ばんば
)
じゃの、
海鬼
(
ふなゆうれい
)
じゃの、七人
御崎
(
みさき
)
じゃの、それから皆がよく云う、
弘法大師
(
こうぼうだいし
)
の
石芋
(
いしいも
)
じゃの云う物は、皆
仮作
(
つくりごと
)
じゃが、
真箇
(
ほんと
)
の神様は在るぞ
海神に祈る
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
やがて夜がすっかり明けはなれ、明るい
太陽
(
たいよう
)
の光がまばゆくかがやきはじめると、
黒馬旅館
(
くろうまりょかん
)
には、
鍛冶屋
(
かじや
)
のウォッジャーズ、
雑貨屋
(
ざっかや
)
のハクスターがよび集められた。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
“鍛冶屋”の解説
鍛冶屋(かじや、en: blacksmith)とは、一般的に鍛冶を行う店舗、もしくはその職人を指す。
(出典:Wikipedia)
鍛
常用漢字
中学
部首:⾦
17画
冶
常用漢字
中学
部首:⼎
7画
屋
常用漢字
小3
部首:⼫
9画
“鍛冶屋”で始まる語句
鍛冶屋派
鍛冶屋町
鍛冶屋郷
鍛冶屋前丁
鍛冶屋町筋
鍛冶屋富五郎