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術
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じゅつ
ふりがな文庫
“
術
(
じゅつ
)” の例文
いながらにして百里の先をも見とおす
果心居士
(
かしんこじ
)
の遠知の
術
(
じゅつ
)
、となりの
部屋
(
へや
)
に寝ている
竹童
(
ちくどう
)
のはらを読むぐらいなことはなんでもない。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それは
勿論
(
もちろん
)
、これは
我々
(
われわれ
)
だけの
話
(
はなし
)
だが、
彼
(
かれ
)
は
余
(
あま
)
り
尊敬
(
そんけい
)
をすべき
人格
(
じんかく
)
の
男
(
おとこ
)
では
無
(
な
)
いが、
術
(
じゅつ
)
に
掛
(
か
)
けてはまたなかなか
侮
(
あなど
)
られんと
思
(
おも
)
う。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
若者
(
わかもの
)
は、
金
(
きん
)
や、
銀
(
ぎん
)
に、
象眼
(
ぞうがん
)
をする
術
(
じゅつ
)
や、また
陶器
(
とうき
)
や、いろいろな
木箱
(
きばこ
)
に、
樹木
(
じゅもく
)
や、
人間
(
にんげん
)
の
姿
(
すがた
)
を
焼
(
や
)
き
付
(
つ
)
ける
術
(
じゅつ
)
を
習
(
なら
)
いました。
あほう鳥の鳴く日
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
お蔦は急に起上った
身体
(
からだ
)
のあがきで、寝床に添った押入の暗い方へ顔の向いたを、こなたへ見返すさえ
術
(
じゅつ
)
なそうであった。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
そこでそっと
物
(
もの
)
を
換
(
か
)
える
術
(
じゅつ
)
を
使
(
つか
)
って、お
三方
(
さんぽう
)
の中の
品物
(
しなもの
)
を
素早
(
すばや
)
く
換
(
か
)
えてしまいました。そしてすました
顔
(
かお
)
をしながら
葛の葉狐
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
▼ もっと見る
それから、かねがね、母親から
魔法
(
まほう
)
の
術
(
じゅつ
)
をならっておいたので、この肌着をぬいながら魔法をしかけておきました。
六羽の白鳥
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
「この
度
(
たび
)
私が人形をひとりで
踊
(
おど
)
らせる
術
(
じゅつ
)
を、
神
(
かみ
)
から
授
(
さず
)
かりましたので、それを
皆様
(
みなさま
)
にお目にかけます。このとおり人形には、なんの
仕掛
(
しかけ
)
もございません」
人形使い
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
松明
(
たいまつ
)
は再び
点
(
とぼ
)
されたが、広い穴の中に何者の影も見えなかった。幾ら𤢖でも
隠形
(
おんぎょう
)
の
術
(
じゅつ
)
を心得ている筈はない。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「そんな事も無かろう」と
術
(
じゅつ
)
なげに答える。さっきまで迷亭の悪口を随分ついた揚句ここで
無暗
(
むやみ
)
な事を云うと、主人のような無法者はどんな事を
素
(
す
)
っ
破抜
(
ぱぬ
)
くか知れない。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
それでこの
術
(
じゅつ
)
には
熟練
(
じゅくれん
)
していた。わたしはとび上がって、いちばん下のえだにとびついた。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
母は、ストーヴや
鍋
(
なべ
)
や、ナイフやフォークや、
布巾
(
ふきん
)
やアイロンや、そういうものに
生命
(
いのち
)
を
吹
(
ふ
)
きこみ、話をさせる
術
(
じゅつ
)
を心得ていた。つまり彼女は、たくまないお
伽話
(
とぎばなし
)
の
作者
(
さくしゃ
)
だった。
母の話
(新字新仮名)
/
アナトール・フランス
(著)
と
質
(
ただ
)
すと、源三は
術
(
じゅつ
)
無
(
なさ
)
そうに、かつは
憐愍
(
あわれみ
)
と
宥恕
(
ゆるし
)
とを
乞
(
こ
)
うような
面
(
かお
)
をして
微
(
かすか
)
に
点頭
(
うなずい
)
た。源三の腹の中は
秘
(
かく
)
しきれなくなって、ここに至ってその
継子根性
(
ままここんじょう
)
の
本相
(
ほんしょう
)
を現してしまった。
雁坂越
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
なる程人に催眠術を
施
(
ほどこ
)
そうと云う女の、
瞳
(
ひとみ
)
の光は違ったものだ、と己は
直
(
すぐ
)
に感心した。事に依ったら、己は最初ちらりと彼の女に見られた時に、もう
術
(
じゅつ
)
を施されて居たのかも知れない。
小僧の夢
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
南
阿弗利加
(
アフリカ
)
の
黒奴
(
こくど
)
は
獣
(
けもの
)
の如く口を開いて
哄笑
(
こうしょう
)
する事を知っているが、声もなく言葉にも出さぬ美しい
微笑
(
ほほえみ
)
によって、いうにいわれぬ複雑な内心の感情を表白する
術
(
じゅつ
)
を知らないそうである。
妾宅
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「おっと
皆
(
みな
)
までのたまうな。
手前
(
てまえ
)
、
孫呉
(
そんご
)
の
術
(
じゅつ
)
を
心得
(
こころえ
)
て
居
(
お
)
りやす」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
これは
兵法
(
へいほう
)
でいう八
門
(
もん
)
遁甲
(
とんこう
)
。
諸葛孔明
(
しょかつこうめい
)
が
司馬仲達
(
しばちゅうたつ
)
をおとし入れた
術
(
じゅつ
)
でもある。秀吉、それを
試
(
こころ
)
みて、
滝川一益
(
たきがわかずます
)
をなぶったのだ。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「じつは、あたしのまま母はわるい
術
(
じゅつ
)
をつかいますし、それに、よそのかたにはしんせつにしないんですの。」
なぞ
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
そこで
天子
(
てんし
)
さまは
阿倍
(
あべ
)
の
晴明親子
(
せいめいおやこ
)
をお
呼
(
よ
)
び
出
(
だ
)
しになり、
御前
(
ごぜん
)
で
術
(
じゅつ
)
比
(
くら
)
べさせてごらんになることになりました。
葛の葉狐
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
雪
(
ゆき
)
が、あのように
積
(
つ
)
もっては、どんな
男
(
おとこ
)
も
山
(
やま
)
を
越
(
こ
)
してくることはできぬだろう。……しかし、その
勇士
(
ゆうし
)
は、また
非凡
(
ひぼん
)
な
術
(
じゅつ
)
で、
雪
(
ゆき
)
の
上
(
うえ
)
を
渡
(
わた
)
ってこないともかぎらない。
びんの中の世界
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
あの、押入の奥のサイダの函から首を出して
術
(
じゅつ
)
なさそうに見ていた時、———あの時から彼女の眼差に哀愁の影が宿り始めて、そののち老衰が加わるほどだんだん濃くなって来たのである。
猫と庄造と二人のおんな
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「そうかも——知れないです」と小野さんは
術
(
じゅつ
)
なげながら、正直に白状した。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ボブは犬どろぼうの
術
(
じゅつ
)
を知っているのだ
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
これこそ、剣、
槍
(
やり
)
、
薙刀
(
なぎなた
)
の武術のほかのかくし
技
(
わざ
)
、
吹針
(
ふきばり
)
の
術
(
じゅつ
)
ということを、竹童も、話には聞いていたが、であったのは、きょうがはじめてである。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
人間
(
にんげん
)
は、このごろいろいろの
花
(
はな
)
を、
自分
(
じぶん
)
たちで
変化
(
へんか
)
をさせる
術
(
じゅつ
)
を
覚
(
おぼ
)
えたので、みごとに
咲
(
さ
)
かしています。あんな
美
(
うつく
)
しい
花
(
はな
)
は、この
天国
(
てんごく
)
にきましても
容易
(
ようい
)
に
見
(
み
)
ることはできません。
消えた美しい不思議なにじ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
じつは
天災
(
てんさい
)
というのもわたしが
術
(
じゅつ
)
をつかってさせたのですが、
王
(
おう
)
はこれを
知
(
し
)
らないものですから、わたしのいうとおりに、
毎日
(
まいにち
)
罪
(
つみ
)
のない
人民
(
じんみん
)
を十
人
(
にん
)
ずつ
殺
(
ころ
)
して、千
人
(
にん
)
の
首
(
くび
)
をまつりました。
殺生石
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
「あなた、いつまでこうしていらっしゃるの」と細君は
術
(
じゅつ
)
なげに聞いた。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「それほどまでにいうなら、三
人
(
にん
)
の
姿
(
すがた
)
をかえて
街
(
まち
)
のほうへ、とんでゆけるようにしてあげよう……。」と、おばあさんはいわれました。おばあさんは、ふしぎな
術
(
じゅつ
)
を
知
(
し
)
っていました。
すももの花の国から
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
自分は
嘲弄
(
ちょうろう
)
のうちに、
術
(
じゅつ
)
なくこの
南京米
(
ナンキンまい
)
を呑み下した。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
その
女
(
おんな
)
は、なんでも、
魔術
(
まじゅつ
)
をインド
人
(
じん
)
から
教
(
おそ
)
わったということです。
人間
(
にんげん
)
をはとにしたり、からすにしたり、また、はとを
皿
(
さら
)
にしたり、りんごにしたりする
不思議
(
ふしぎ
)
な
術
(
じゅつ
)
を
知
(
し
)
っていました。
初夏の空で笑う女
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
“術”の解説
術 (じゅつ)は、特別の技。技術。手段。方法。
テクニカルなことつまり技に関係することを示す接尾語 。
(出典:Wikipedia)
術
常用漢字
小5
部首:⾏
11画
“術”を含む語句
技術
藝術
手術
美術館
魔術
芸術
剣術
催眠術
奇術
柔術
詐術
芸術家
蠱術
忍術
呪術
錬金術
幻術
施術
術策
幻術師
...