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行者
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ぎょうじゃ
ふりがな文庫
“
行者
(
ぎょうじゃ
)” の例文
「
来年
(
らいねん
)
の
夏
(
なつ
)
は、
方々
(
ほうぼう
)
の
山
(
やま
)
へまいります。
私
(
わたし
)
が
見
(
み
)
つけなければ、おちおうた
行者
(
ぎょうじゃ
)
に
頼
(
たの
)
んで、どうにかして、
手
(
て
)
に
入
(
い
)
れてまいります。」
山に雪光る
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
そうしてこんな人にわずかな思索力、ないしはわずかな信心があれば、すなわち
行者
(
ぎょうじゃ
)
であり、或いは
仙人
(
せんにん
)
であり得るかと思われる。
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
博士が身を
多難
(
たなん
)
にさらして、各地をめぐり、心霊学者や
行者
(
ぎょうじゃ
)
に会い、親しく見聞し、あるいは共に研究したところについて
概略
(
がいりゃく
)
をのべた。
霊魂第十号の秘密
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
これ以上車が通らないというところまで行って、そこから赤岳のふもとの
行者
(
ぎょうじゃ
)
小屋まで歩いた。疲れたら、その夜はここに泊る筈であった。
八※[#小書き片仮名ガ]岳登山記
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
親鸞はその弥陀への信を自己の生活に具現する意味において、徹底的な
行者
(
ぎょうじゃ
)
であった。そうしてその信の強い力はこの行の中から輝き出た。
日本精神史研究
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
▼ もっと見る
「さては寒行の
行者
(
ぎょうじゃ
)
修験者
(
しゅげんじゃ
)
が、霧の中を通って行くと見える。天の与えじゃ、
遁
(
に
)
がしてはならぬ。声を揃えて呼んで見ようぞ」
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
人間の頭
位
(
ぐらい
)
は
拳
(
げんこ
)
で
砕
(
くだ
)
くことができると云っている。
何
(
な
)
んだか
山師
(
やまし
)
のようでもあるが、また
真箇
(
ほんとう
)
に
真言
(
しんごん
)
の
行者
(
ぎょうじゃ
)
のようでもある。
仙術修業
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
まことによいところへ気がついてくれたと、そう思った乳母は不安がる娘を
促
(
うなが
)
し立てゝ、
行者
(
ぎょうじゃ
)
に案内されながら河原へ降りて行ったのである。
聞書抄:第二盲目物語
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「
可厭
(
いや
)
なものは連れては参らぬ。いや、お
行者
(
ぎょうじゃ
)
御覧の通りだ。御苦労には及ぶまい。——屑屋、
法衣
(
ころも
)
の
袖
(
そで
)
を取れ、
確
(
しか
)
と取れ、江戸へ帰すぞ。」
妖魔の辻占
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
遠山の家を
訪
(
と
)
うおりには必ずこの禰宜のところへ来て泊まったが、来て見るたびに変わって行く
行者
(
ぎょうじゃ
)
宿の光景が目につく。
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
そのうちに大野屋の総領息子、すなわち要次郎の兄が或る人から下谷に偉い
行者
(
ぎょうじゃ
)
があるということを聞いて来たが、要次郎はそれを信じなかった。
影を踏まれた女
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
雨の音は、お通の泣き声を打ちたたいたが、お通は、滝つぼの中にある
行者
(
ぎょうじゃ
)
のように、合わせた
掌
(
て
)
をかたくして
宮本武蔵:02 地の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
此処が
偶々
(
たまたま
)
滋賀津彦の塚の前だったので、この魂呼いの
行者
(
ぎょうじゃ
)
たちは、滋賀津彦のためにも、魂呼いの行をする。
『死者の書』
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
男3
御修法
(
みずほう
)
をやっておもらいなさい。……北山の何とか云うお寺にとてもかしこい
行者
(
ぎょうじゃ
)
さんがいるそうです。
なよたけ
(新字新仮名)
/
加藤道夫
(著)
大山
(
おおやま
)
登山の
行者
(
ぎょうじゃ
)
などはお得意のものであった。行者を白い紙で拵え、山を、小さな、芝居の岩山のようなものにして、登山のさまを見るようにこしらえました。
幕末維新懐古談:41 蘆の葉のおもちゃのはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
いかにも
沈黙
(
ちんもく
)
の
行者
(
ぎょうじゃ
)
といった
感銘
(
かんめい
)
をかれに
与
(
あた
)
えていたので、口をきるのがよけいにためらわれるのだった。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
この本を読んだ人が
役
(
えん
)
の
行者
(
ぎょうじゃ
)
になれる——というような世俗的魅力がお銀様をとらえたのですが、その
直下
(
じきげ
)
にこれをこなすの機会と時間とを与えられなかったから
大菩薩峠:41 椰子林の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
そして、しばらくすると、この大胆なる恋愛
行者
(
ぎょうじゃ
)
は、もうかすかな寝息を立てているのであった。
貞操問答
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
そのうちに、
額
(
ひたい
)
から汗を流して一生懸命に祈っていた
行者
(
ぎょうじゃ
)
は、はたと祈りをやめて言いました。
正覚坊
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
土瓶の絵附師と念仏の
行者
(
ぎょうじゃ
)
と、道は
異
(
ことな
)
っても同じ歩み方をしているのではないでしょうか。
益子の絵土瓶
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
衆僧 ——(一度に声を合せ)清浄法身本体の生命、円満報身導きの生命、
相
(
すがた
)
に在す現実の生命、今われらに
食
(
じき
)
を与えて道に進む
行者
(
ぎょうじゃ
)
の歩みを健かならしめらるるを感謝する。
阿難と呪術師の娘
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
しかも私はまだ天香師をそのままにナハフォルゲンできない心のありさまにありながら、私のすぐそばにかかる愛と犠牲の
行者
(
ぎょうじゃ
)
を持っているのはどのように不安だか知れません。
青春の息の痕
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
お
医者
(
いしゃ
)
というお
医者
(
いしゃ
)
、
行者
(
ぎょうじゃ
)
という
行者
(
ぎょうじゃ
)
を
集
(
あつ
)
めて、いろいろ手をつくして
療治
(
りょうじ
)
をしたり、
祈祷
(
きとう
)
をしたりしているが、
一向
(
いっこう
)
にしるしが
見
(
み
)
えない。それはそのはずさ、あれは
病気
(
びょうき
)
ではないんだからなあ。
葛の葉狐
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
ある時馬が柴橋から落ちて死んだから馬
転
(
ころ
)
ばし、その馬の
供養
(
くよう
)
に
馬頭観世音
(
ばとうかんぜおん
)
をまつると観音岩、そこに
行者
(
ぎょうじゃ
)
でもいれば行者谷というような名が附く。
地名の研究
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
待て/\、お
行者
(
ぎょうじゃ
)
。灸と言へば、
煙草
(
たばこ
)
が
一吹
(
ひとふか
)
し吹したい。
丁
(
ちょう
)
ど、あの
岨道
(
そばみち
)
に
蛍
(
ほたる
)
ほどのものが見える。猟師が出たな。
火縄
(
ひなわ
)
らしい。借りるぞよ。来い。
妖魔の辻占
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
神主や僧侶や山伏や
行者
(
ぎょうじゃ
)
などを代るがわるに呼び迎えて、あらゆる加持祈祷をさしてみたが、いずれも効験がない。
青蛙堂鬼談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
ご
心配
(
しんぱい
)
くださいますな、けっして、わたしはなんともありゃしませんで。ハイ、
行者
(
ぎょうじゃ
)
さまわたしはきのうのことを
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
当麻の寺が
役
(
えん
)
の
行者
(
ぎょうじゃ
)
と結びつき、
中将姫
(
ちゅうじょうひめ
)
奇蹟の伝説を育てて行ったのは、恐らくこの種の印象の結果であろう。
古寺巡礼
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
七分通り燃え盡した蝋燭の火に今や
睫毛
(
まつげ
)
が焦げそうになって居ても、
婆羅門
(
ばらもん
)
の
行者
(
ぎょうじゃ
)
の如く
胡坐
(
あぐら
)
をかいて拳を
後手
(
うしろで
)
に括られたまゝ、
大人
(
おとな
)
しく端然と控えて居る。
少年
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「なかなかしぶとい
奴
(
やつ
)
だ」とも一人の男が言いました。「この上は
行者
(
ぎょうじゃ
)
に祈ってもらおう」
正覚坊
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
念仏は、
行者
(
ぎょうじゃ
)
のために、非行非善なり。わがはからひにて行ずるにあらざれば、非行といふ。わがはからひにてつくる善にあらざれば、非善といふ。ひとへに
他力
(
たりき
)
にして、自力を
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
勇吉
(
ゆうきち
)
は、そのようすつきで、
旅
(
たび
)
をするお
坊
(
ぼう
)
さんか、
行者
(
ぎょうじゃ
)
であろうと
思
(
おも
)
いましたから、
自分
(
じぶん
)
は
母親
(
ははおや
)
が
病気
(
びょうき
)
なので、これから
町
(
まち
)
へお
医者
(
いしゃ
)
さまを
迎
(
むか
)
えにいくのだということを
話
(
はな
)
しました。
一粒の真珠
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
文字が示す通り一種の秘密宗派であるが、篤心な念仏
行者
(
ぎょうじゃ
)
の集団である。
陸中雑記
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
羽黒の
小法師
(
こほうし
)
、秋葉の
行者
(
ぎょうじゃ
)
、二個は
疑
(
うたがい
)
もなく、魔界の一党、
狗賓
(
ぐひん
)
の類属。東海、奥州、ともに
名代
(
なだい
)
の
天狗
(
てんぐ
)
であつた。
妖魔の辻占
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
この者達は、三年に一度くらい大峰の修築をするとか、
役
(
えん
)
の
行者
(
ぎょうじゃ
)
を
祀
(
まつ
)
るとか、いい加減な名目を設けて、諸国の手蔓を
手繰
(
たぐ
)
って勧進の悪銭をあつめ廻る
輩
(
やから
)
だった。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
定めて
行者
(
ぎょうじゃ
)
かなんぞのように、長い髪でも垂れているのか、
髯
(
ひげ
)
でもぼうぼうと生やしているのか、冠のような帽子でもかぶっているのか、白い袴でも穿いているのか。
青蛙堂鬼談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
富士の
行者
(
ぎょうじゃ
)
は山に登る時に特に歩みをつつしんで石などを踏み落さぬようにしていたそうですし、また近江国の土を持って来て、お山に納める者もあったそうであります。
日本の伝説
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
そして自分たちは
役
(
えん
)
の
行者
(
ぎょうじゃ
)
の
前鬼
(
ぜんき
)
の
後裔
(
こうえい
)
だと称している。
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
変な奴の正体は女の
行者
(
ぎょうじゃ
)
だ。案外に年を食っているかも知れねえが、見たところは十七か十八ぐらいの美しい女で、何かいろいろの
祈祷
(
きとう
)
のようなことをするのだそうだ。
半七捕物帳:26 女行者
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
貴客
(
あなた
)
には限りませず、薬売の衆、
行者
(
ぎょうじゃ
)
、巡礼、この村里の人たちにも、お間に合うものがござんして、そのお代をと云う方には、
誰方
(
どなた
)
にも、お談話を
一条
(
ひとつ
)
ずつ伺います。
夜叉ヶ池
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
何か、感動するか、事にぶつかると彼は
行者
(
ぎょうじゃ
)
の念仏のように、今に! を胸の底で繰り返した。
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
すなわち五鬼は五人の山伏の家であろうと思うにかかわらず、
前鬼後鬼
(
ぜんきごき
)
とも書いて
役
(
えん
)
の
行者
(
ぎょうじゃ
)
の二人の
侍者
(
じしゃ
)
の子孫といい、従ってまた御善鬼様などと称して、これを崇敬した地方もありました。
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
「高野詣りか三
塔
(
とう
)
の
行者
(
ぎょうじゃ
)
か……それともただの通行人か、なにしろ四、五人でございますな」
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
なんでも浅草の方に大層えらい
行者
(
ぎょうじゃ
)
がありますそうで、御新造はこの間そこへ何かお
祷
(
いの
)
りを
青蛙堂鬼談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
大神宮様のお
庇
(
かげ
)
で、
繁昌
(
はんじょう
)
をいたしまするが、旧の
大晦日
(
おおみそか
)
と申しますと、諸国の
講中
(
こうじゅう
)
、
道者
(
どうじゃ
)
、
行者
(
ぎょうじゃ
)
の
衆
(
しゅ
)
、京、大阪は申すに及びませぬ、夜一夜、古市でお
籠
(
こもり
)
をいたしまして、元朝、宇治橋を渡りまして
伊勢之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
……そして
行者
(
ぎょうじゃ
)
作りに、髪も切りそろえ、
額
(
ひたい
)
の金印(いれずみ)のとこは、前髪でかくし、もっと念入りに、小さい
膏薬
(
こうやく
)
でも
貼
(
は
)
っておけば、おそらく、ちょっとやそっとじゃ
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ここには、
崔道成
(
さいどうせい
)
という悪僧と、
丘
(
きゅう
)
小
(
しょう
)
一という
行者
(
ぎょうじゃ
)
の悪いのが、わがもの顔に住んでおる。……わしらはその二人に寺を奪われて、やっと
粟粥
(
あわがゆ
)
をすすって生きているばかりなのじゃ」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
逢曳
(
あいび
)
きの寝疲れなどで、
鴉
(
からす
)
の声にも目覚めずにすごしたら大変だから、朝まわりの
頭陀
(
ずだ
)
(
朝勤行
(
あさごんぎょう
)
に町の軒々を歩く暁の
行者
(
ぎょうじゃ
)
)をたのみ、朝々裏口で
木魚
(
もくぎょ
)
を叩いて貰うことにしておけば
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「金吾様、まちがいなくお出かけ下さいよ。ただし、人目にふれるといけませんから、例の白い
行者
(
ぎょうじゃ
)
ごしらえはやめてください。そして、鼻寺の山門から、ズッと離れたところで待っていておくんなさい」
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「じゃあ引ッこめ、引ッこめ!
鉦叩
(
かねたた
)
きのやせ
行者
(
ぎょうじゃ
)
め」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“行者”の意味
《名詞》
仏道の修行をする者。
修験道の修行をする者。
(出典:Wiktionary)
行
常用漢字
小2
部首:⾏
6画
者
常用漢字
小3
部首:⽼
8画
“行者”で始まる語句
行者宿報設女犯
行者久
行者様
行者洞
行者杉越