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しろうと
ふりがな文庫
“
素人
(
しろうと
)” の例文
予は教育に於ては
素人
(
しろうと
)
なれど、日本国民を
如何
(
いか
)
に教育すべきか、換言せば教育の最大目的は
如何
(
いかん
)
との
題下
(
だいか
)
に一
言
(
げん
)
述べてみようと思う。
教育の最大目的
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
「とても
廉
(
やす
)
く仕切るので、
素人
(
しろうと
)
の商売人には
敵
(
かな
)
わないよ。復一、お前は鼎造に気に入っているのだから、代りにたんまりふんだくれ」
金魚撩乱
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
乗物の不自由な頃ですから、お祖母様と一緒に本郷の
素人
(
しろうと
)
下宿に移り、そこから学校通いです。それでもう福羽邸通いはやめました。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
よく慈善の目的で
素人
(
しろうと
)
芝居を催して、自身は老将軍の役を買って出るのだったが、その際の
咳
(
せき
)
のしっぷりがすこぶるもって滑稽だった。
イオーヌィチ
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
「どうせ、
素人
(
しろうと
)
衆のももんがあ見てえな細工だろうが、兎に角一応見て上げよう。長次が拝見いたしますって、丁寧に通すんだぞ」
新奇談クラブ:06 第六夜 人形の獄門
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
小芝居
(
こしばい
)
や、
素人
(
しろうと
)
まじりの改良文士劇や、女役者の一座の中で衰えさせてしまうのかと、その人の芸が
惜
(
おし
)
くって、静枝は思わず涙ぐんだ。
市川九女八
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
「いろんな方法があって、一々
述
(
の
)
べきれないが、
素人
(
しろうと
)
に判りよい方法を三つ四つ、数えてみよう。まずお月様を征服することじゃ」
遊星植民説
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「いま、
出
(
で
)
ていったあの
娘
(
むすめ
)
だろう。あんな
素人
(
しろうと
)
をごまかせないということがあるもんか。みんな、おまえが、
商売
(
しょうばい
)
に
不熱心
(
ふねっしん
)
だからだ。」
トム吉と宝石
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
それで私は蓄音機をきらう音楽家のピュリタニズムを尊敬すると同時に蓄音機を愛好する
素人
(
しろうと
)
を軽視する事はどうしてもできない。
蓄音機
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
この結論に達するまでの理路は極めて
井然
(
せいぜん
)
としていたが、ツマリ
泥水稼業
(
どろみずかぎょう
)
のものが
素人
(
しろうと
)
よりは勝っているというが結論であるから
二葉亭余談
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
彼は画板の袋から二、三枚の写生を取り出して見せたが、その進歩はすこぶる現われて、もはや
素人
(
しろうと
)
の域を脱しているようである。
小春
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
犬
(
いぬ
)
の
皮
(
かわ
)
をかぶって、おせんの
裸
(
はだか
)
を
思
(
おも
)
う
存分
(
ぞんぶん
)
見
(
み
)
た
上
(
うえ
)
に
写
(
うつ
)
し
取
(
と
)
って
来
(
く
)
るなんざ、
素人
(
しろうと
)
にゃ、
鯱鉾立
(
しゃちほこだち
)
をしても、
考
(
かんが
)
えられる
芸
(
げい
)
じゃねえッてのよ
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
「いや、本気です。現代の婦人美は、
玄人
(
くろうと
)
からすっかり
素人
(
しろうと
)
に移りましたね。今の十七八歳から
二十歳
(
はたち
)
までのお嬢さんの美しさは……」
第二の接吻
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
「解んねえな。どうせ
素人
(
しろうと
)
じゃあるめえ。
莫迦
(
ばか
)
に意気な風だぜ、と言って、芸者にしちゃどこか渋皮の
剥
(
む
)
けねえところもあるし……。」
新世帯
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
懐中電燈をさしつけて、調べてみると、心臓のあたりを撃たれていて、
素人
(
しろうと
)
目にも、もう手のほどこしようがないことがわかった。
暗黒星
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
その
施主
(
せしゅ
)
が旅行中であったにしても、ないにしてもやむを得ないが、同行の一隊の者が全く
素人
(
しろうと
)
であったことが悲しいことでした。
大菩薩峠:32 弁信の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
しかし私はなにも美容の先生ではありませんから、専門のことはわかりませんが、
素人
(
しろうと
)
目にもわかるのは、「厚化粧の悲哀」です。
般若心経講義
(新字新仮名)
/
高神覚昇
(著)
下等の醤油やあるいは上等の偽物は甘味と粘着力を加えるためサッカリンといって砂糖より四百倍甘い薬品を交ぜて
素人
(
しろうと
)
を
欺
(
だま
)
しますが
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
それから
次手
(
ついで
)
に小説じみた事実談を一つ報告しましょう。もっともわたしは
素人
(
しろうと
)
ですから、小説になるかどうかはわかりません。
温泉だより
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
無論、少し変わった学説が出ると、理屈に合おうがあうまいが、わかろうがわかるまいが、
素人
(
しろうと
)
はすぐに感心してしまうものだ。
或る探訪記者の話
(新字新仮名)
/
平林初之輔
(著)
私の考えるのにこの年輩の人は絵の好きである事と
素人
(
しろうと
)
としてなぐさみに描く事はいいけれども決して専門に勉強してはいけないと思う。
油絵新技法
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
師匠は特にそういう風に作られたのですが、
素人
(
しろうと
)
にはそういうことは分らないから、
奇瑞
(
きずい
)
のようにも思われてよろこんだのでありました。
幕末維新懐古談:51 大隈綾子刀自の思い出
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
あの早稲田の学生であって、子規や僕らの俳友の藤野
古白
(
こはく
)
は姿見橋——太田
道灌
(
どうかん
)
の
山吹
(
やまぶき
)
の里の近所の——あたりの
素人
(
しろうと
)
屋にいた。
僕の昔
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
同級生の誰とも親しく口をきかなかったのは
勿論
(
もちろん
)
、その
素人
(
しろうと
)
下宿の家族の人たちとも、
滅多
(
めった
)
に打ち解けた話をする事は無かった。
惜別
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
皮
(
かは
)
硬
(
かた
)
うして
素人
(
しろうと
)
の手に刻まれねば、給仕を頼みて切りて貰ひ、片隅に
割拠
(
かつきよ
)
し、食ひつゝ四方を見るに、
丸髷
(
まるまげ
)
の夫人大口開いて焼鳥を召し
燕尾服着初めの記
(新字旧仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
野呂はその二十坪余りの畠にさまざまな野菜を栽培しましたが、
素人
(
しろうと
)
菜園にしてはかなり上成績で、彼は毎日それを
摘
(
つ
)
んでは食べている。
ボロ家の春秋
(新字新仮名)
/
梅崎春生
(著)
「
素人
(
しろうと
)
のくせにしやがって、諸国の親分が出張っている盆へ行って、商売人の金を取ろうっていう量見が、第一、押しがふてえ」
無宿人国記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
馬鈴薯から安価な
焼酎
(
しょうちゅう
)
と、そのころ恐ろしく高価なウ※スキーとが造りだされる化学上の手続を
素人
(
しろうと
)
わかりがするように話して聞かせた。
星座
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
磯五の酌はおせい様が引きうけて、器用に
銚子
(
ちょうし
)
を持っていた。料理は、
素人
(
しろうと
)
の家のものとは思えないほど、立派なものであった。
巷説享保図絵
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
○「お慈悲深い旦那だから本当の事を喋って其の上でお慈悲を願え、お
前
(
めえ
)
だって
万更
(
まんざら
)
素人
(
しろうと
)
じゃアなし、
好
(
い
)
い道楽者じゃアねえか」
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
非人には通例足を洗うて
素人
(
しろうと
)
に成ることが出来るという道が開いていたのに反して、エタには殆どこれが認められてないのが普通であった。
遠州地方の足洗
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
そればかりか、生きているうちはぬらぬらしているから、これを
掴
(
つか
)
んで
串
(
くし
)
に刺すということだけでも、
素人
(
しろうと
)
には容易に、
手際
(
てぎわ
)
よくいかない。
鮎の食い方
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
ただの一平信徒であるにすぎぬから、本書のごときも専門の宗教家から見ればいたって
素人
(
しろうと
)
くさい、素朴な解説であるだろう。
キリスト教入門
(新字新仮名)
/
矢内原忠雄
(著)
「おれは
素人
(
しろうと
)
で、こんな物の眼利きは出来ねえが、
彩色
(
いろどり
)
といい、
木目
(
もくめ
)
といい、どう見ても拵え物じゃあねえらしい。こりゃあ確かに本物だ」
半七捕物帳:50 正雪の絵馬
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
かく呼んだのであろう〕今に
腕
(
うで
)
一本で食べて行かなければならない者が
素人
(
しろうと
)
のこいさんに及ばないようでは心細いぞといった。
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
然
(
さ
)
して
紙数
(
しすう
)
は無かつたけれど、
素人
(
しろうと
)
の
手拵
(
てごしらえ
)
にした物としては、
頗
(
すこぶ
)
る
上出来
(
じやうでき
)
で、
好雑誌
(
こうざつし
)
と
云
(
い
)
ふ
評
(
ひやう
)
が有つたので、
是
(
これ
)
が
我楽多文庫
(
がらくたぶんこ
)
の第四期です
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
ビスマアク街一五五にブラッチ夫人というのがやはり
素人
(
しろうと
)
下宿をやっている。まもなくロイド夫妻はこの家へ現われて間借りを申し込んだ。
浴槽の花嫁
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
……僕はほとんど法律家とは言えず、たかだか
素人
(
しろうと
)
検事というくらいのところだが、その僕をして言わしむれば、こういうことになるんだ。
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
その他弁護士に関する諺は随分沢山あるが、
概
(
おおむ
)
ね皆な
素人
(
しろうと
)
が
拵
(
こしら
)
えた悪口であって、ちょうど我邦の川柳に医者の悪口が多いのと同様である。
法窓夜話:02 法窓夜話
(新字新仮名)
/
穂積陳重
(著)
商売人の船頭にはよく釣れて、
素人
(
しろうと
)
釣りにはさっぱり釣れない。しかし、船頭の餌にも同じ率で魚は窺い寄っているものだ。
鯛釣り素人咄
(新字新仮名)
/
佐藤垢石
(著)
今それをアニリン
染料
(
せんりょう
)
の紫に
比
(
くら
)
ぶれば、
地色
(
じいろ
)
が
派手
(
はで
)
でないから、
玄人
(
くろうと
)
が見れば
凝
(
こ
)
っているが、
素人
(
しろうと
)
の前では損をするわけだ。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
油断をすると
此方
(
こっち
)
の方が
危
(
あぶな
)
いぞ、馬鹿な
奴
(
やつ
)
だあれを知らぬかなどゝ、
宜
(
い
)
い加減に
饒舌
(
しゃべ
)
れば、書生の
素人
(
しろうと
)
の
拙
(
へた
)
囲碁
(
ご
)
で、
助言
(
じょげん
)
は
固
(
もと
)
より勝手次第で
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
素人
(
しろうと
)
の浄瑠璃は鼻の先に巣くつてゐるが、呂昇のやうな
黒人
(
くろうと
)
のは、何処に隠れてゐるのか医者にも一寸判らないといふ事だ。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
素人
(
しろうと
)
ながらも、何ら
生
(
せい
)
ある音を聞き得ない。水を
吐
(
は
)
いたかと聞けば、吐かないという。しかし腹に水のあるようすもない。
奈々子
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
たるむとは一句の聞え
自
(
おのずか
)
ら
緩
(
ゆる
)
みてしまらぬ心地するをいふ。
譬
(
たと
)
へば琴の糸のしまりをるとしまりをらぬとは
素人
(
しろうと
)
が聞きても自ら差違あるが如し。
俳諧大要
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
これは下層民に金が多いのと、
射倖心
(
しゃこうしん
)
が旺盛なのと、
素人
(
しろうと
)
賭博が殖えたのと、家がバラックで露見し易いなぞいう原因からこうなったのである。
街頭から見た新東京の裏面
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
素人
(
しろうと
)
下宿の二階の一室になった
室
(
へや
)
の中には、
洋燈
(
ランプ
)
の石油の泡のような匂いがあって、それがノートのページを
繰
(
く
)
るたびにそそりと動くのであった。
雀が森の怪異
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
以上は舞踊について全然
素人
(
しろうと
)
である自分の印象である。いろいろ間違った個所もあるかと思うが、とにかく印象の薄らがない内に書きつけておく。
日本精神史研究
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
その
素人
(
しろうと
)
っぽい素朴なリアリズムの態度にふれた、彼の言葉の一部にある浅さをも、蒲原に自覚させているらしかった。
道標
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
仲麿は作歌の
素人
(
しろうと
)
なために、この差別があるともおもうが、抒情詩の根本問題は、
素人
(
しろうと
)
玄人
(
くろうと
)
などの問題などではない。よって此歌を選んで置いた。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
“素人”の意味
《名詞》
素人(しろうと、俗・方言:しろと、まれ:しらひと、ソジン)
あることに未熟な者、また、そのことを職業としていない人。アマチュア。
水商売を専業とする女性に対する一般の女性。
(出典:Wiktionary)
素
常用漢字
小5
部首:⽷
10画
人
常用漢字
小1
部首:⼈
2画
“素人”で始まる語句
素人屋
素人目
素人家
素人眼
素人下宿
素人細工
素人衆
素人考
素人流
素人相撲