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礎
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いしずゑ
ふりがな文庫
“
礎
(
いしずゑ
)” の例文
つやゝかな
天鵞絨
(
びろうど
)
のやうな芝生が、邸宅の
礎
(
いしずゑ
)
を近く圍み、公園程もある野には昔ながらの森林が點在し、
焦茶色
(
こげちやいろ
)
の、葉の落ちた森は
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
但
(
た
)
だ、予は従来の一切の経験を以て、わが不動の信念の
礎
(
いしずゑ
)
とせんには、尚ほしかすがに一点の
虧隙
(
きげき
)
あるを感ぜざるを得ざりし也。
予が見神の実験
(新字旧仮名)
/
綱島梁川
(著)
クリストはその最初の弟子達に向ひ、往きて
徒言
(
あだこと
)
を世に
宣傳
(
のべつた
)
へといひ給はず、
眞
(
まこと
)
の
礎
(
いしずゑ
)
をかれらに授け給ひたり 一〇九—一一一
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
兎
(
と
)
ても角ても叶はぬ命ならば、御所の
礎
(
いしずゑ
)
枕
(
まくら
)
にして、
魚山
(
ぎよさん
)
の
夜嵐
(
よあらし
)
に
屍
(
かばね
)
を吹かせてこそ、
散
(
ち
)
りても
芳
(
かんば
)
しき
天晴
(
あつぱれ
)
名門
(
めいもん
)
の
末路
(
まつろ
)
なれ。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
島を囲む黒い
漣
(
さゞなみ
)
がぴたぴたとその
礎
(
いしずゑ
)
を洗ふ如くに、夜よりも
闇
(
くら
)
い無数の房々がその明るい大広間を取り巻いてゐる。
青銅の基督:――一名南蛮鋳物師の死
(新字旧仮名)
/
長与善郎
(著)
▼ もっと見る
礎
(
いしずゑ
)
の朽ちた塔のやうに、
幾度
(
いくたび
)
もゆらゆらと立ちすくんだが、雨風よりも更に難儀だつたは、
怪
(
けし
)
からず肩のわらんべが次第に重うなつたことでおぢやる。
きりしとほろ上人伝
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
是れは神の前に耻づべきことです、万国は互に
競
(
きそ
)
うて滅亡に急ぎつゝあるです、私共は彼等を呼び留めますまい、
寧
(
むし
)
ろ
退
(
しりぞい
)
て新しき王国の
礎
(
いしずゑ
)
を据ゑませう
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
八五郎は平次に言はれた通り、燒跡の眞ん中の
礎
(
いしずゑ
)
の上に、その竿を据ゑて、精一杯眞つ直ぐに押つ立てます。
銭形平次捕物控:249 富士見の塔
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
柱
(
はしら
)
は
圓
(
まる
)
い
材木
(
もくざい
)
をそのまゝ、あるひは
皮
(
かは
)
をむいて
用
(
もち
)
ひ、
柱
(
はしら
)
の
下
(
した
)
には
礎
(
いしずゑ
)
もない、
掘立
(
ほつた
)
て
小屋
(
ごや
)
といふふうなものであつたので、
今日
(
こんにち
)
その
跡
(
あと
)
はなにも
殘
(
のこ
)
つてをりません。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
勘次
(
かんじ
)
は
依然
(
いぜん
)
として
俛首
(
うなだ
)
れた
儘
(
まゝ
)
遂
(
つひ
)
に
隣
(
となり
)
の
主人
(
しゆじん
)
の
門
(
もん
)
を
潜
(
くゞ
)
つた。
燒趾
(
やけあと
)
は
礎
(
いしずゑ
)
を
止
(
とゞ
)
めて
清潔
(
きれい
)
に
掻
(
か
)
き
拂
(
はら
)
はれてあつた。
中央
(
ちうあう
)
の
大
(
おほ
)
きかつた
建物
(
たてもの
)
を
失
(
うしな
)
つて
庭
(
には
)
は
喬木
(
けうぼく
)
に
圍
(
かこ
)
まれて
居
(
ゐ
)
る。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
天守
(
てんしゆ
)
の
礎
(
いしずゑ
)
の
土
(
つち
)
を
後脚
(
あとあし
)
で
踏
(
ふ
)
んで、
前脚
(
まへあし
)
を
上
(
うへ
)
へ
挙
(
あ
)
げて、
高
(
たか
)
く
棟
(
むね
)
を
抱
(
いだ
)
くやうに
懸
(
か
)
けたと
思
(
おも
)
ふと、
一階目
(
いつかいめ
)
の
廻廊
(
くわいらう
)
めいた
板敷
(
いたじき
)
へ、ぬい、と
上
(
のぼ
)
つて
其
(
そ
)
の
外周囲
(
そとまはり
)
をぐるりと
歩行
(
ある
)
いた。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
意
(
こゝろ
)
なく投げ
疊
(
かさ
)
ねたらむやうに見ゆる、
礎
(
いしずゑ
)
の間より、水流れ落ちて、月は
恰
(
あたか
)
も好し棟の上にぞ照りわたれる。
河伯
(
うみのかみ
)
の像は、重き
石衣
(
いしごろも
)
を風に吹かせて、大なる瀧を見おろしたり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
到るところ苔むす
礎
(
いしずゑ
)
のみがのこつて、穗を吹いてゐる薄や名も知れぬ雜草に蔽はれてゐる。
滑川畔にて
(旧字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
其れを
取囲
(
とりかこ
)
んだ一町四方もある広い敷地は、桑畑や大根畑に成つて居て、
出入
(
でいり
)
の百姓が
折々
(
をり/\
)
植附
(
うゑつけ
)
や
草取
(
くさとり
)
に来るが、
寺
(
てら
)
の入口の、昔は
大門
(
だいもん
)
があつたと云ふ、
礎
(
いしずゑ
)
の残つて居る
辺
(
あたり
)
から
蓬生
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
わかくして思ひ合ひたる楽しみを
礎
(
いしずゑ
)
とする人間の塔
註釈与謝野寛全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
いづれ
大厦
(
たいか
)
の
礎
(
いしずゑ
)
や、
彼方
(
かなた
)
を見れば斷え續く
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
彼れ、
礎
(
いしずゑ
)
の堅牢のその宮殿の壁のそば
イーリアス:03 イーリアス
(旧字旧仮名)
/
ホーマー
(著)
わづかに残る
礎
(
いしずゑ
)
に寄せて
詠
(
よ
)
める
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
廃
(
すた
)
れ立つ
礎
(
いしずゑ
)
燃
(
も
)
えて
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
その不思議な感情の
衝動
(
ショック
)
は、ポオルとサイラスの牢獄の
礎
(
いしずゑ
)
を搖り動かした地震のやうにやつて來たのである。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
三年前まで、萬兩分限の榮華を誇つた菱屋の跡は、取壞した跡の
礎
(
いしずゑ
)
と、少しばかりの板塀を殘すだけ。
銭形平次捕物控:102 金蔵の行方
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
たゞ、
今少
(
いますこ
)
し
後
(
のち
)
の
時代
(
じだい
)
のお
寺
(
てら
)
や
宮殿
(
きゆうでん
)
などから、
柱
(
はしら
)
の
礎
(
いしずゑ
)
や
瓦
(
かはら
)
がたくさんみつかるだけであります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
唯今
(
たゞいま
)
お
話
(
はなし
)
をする、……
私
(
わたし
)
が
出會
(
であ
)
ひましたのは、
何
(
ど
)
うも
庭
(
には
)
に
造
(
つく
)
つた
大池
(
おほいけ
)
で
有
(
あ
)
つたらしい。
尤
(
もつと
)
も、
居周圍
(
ゐまはり
)
に
柱
(
はしら
)
の
跡
(
あと
)
らしい
礎
(
いしずゑ
)
も
見當
(
みあた
)
りません。が、
其
(
それ
)
とても
埋
(
うも
)
れたのかも
知
(
し
)
れません。
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
僕等の散文も
羅馬
(
ロオマ
)
のやうに一日に成つたものではない。僕等の散文は明治の昔からじりじり成長をつづけて来たものである。その
礎
(
いしずゑ
)
を
据
(
す
)
ゑたものは明治初期の作家たちであらう。
文芸的な、余りに文芸的な
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
わが滿身の鮮血は
蕩
(
とろ
)
け散りて氣となり、この天この水と同化し去らんと欲す。われは小兒の如く啼きて、涙は兩頬に垂れたり。市に大なる
白堊
(
しろつち
)
の屋ありて、波はその
礎
(
いしずゑ
)
を打てり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
一切の徳の
礎
(
いしずゑ
)
なるこの貴き珠は 八八—九〇
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
殘りたる
瑠璃
(
るり
)
の
礎
(
いしずゑ
)
春鳥集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
礎
(
いしずゑ
)
に
二人
(
ふたり
)
の命
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
こは
瘴氣
(
しやうき
)
を恐るればなり。亭は皆白壁なれど、
礎
(
いしずゑ
)
より
簷端
(
のきば
)
迄、緑いろなる
黴
(
かび
)
隙間なく生ひたり。人も家も、
渾
(
す
)
べて腐朽の色をあらはして、日暖に草緑なる
四邊
(
あたり
)
の景と相容れざるものゝ如し。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
一
揆
(
き
)
が事を起す前に七人の同志と江戸に
潜行
(
せんかう
)
し將軍御膝元で事を擧げるつもりでしたが、島原の亂も案外早く平定し、徳川の
礎
(
いしずゑ
)
はいよ/\
鞏固
(
きようこ
)
で、痩浪人の策動では何うにもならないと解ると
銭形平次捕物控:008 鈴を慕う女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
この
礎
(
いしずゑ
)
の
竝
(
なら
)
べ
方
(
かた
)
を
見
(
み
)
て、そこにはどういふ
形
(
かたち
)
の
御堂
(
おどう
)
が
建
(
た
)
つてゐたかゞ
知
(
し
)
られます。もちろんこの
時分
(
じぶん
)
のお
寺
(
てら
)
の
建築
(
けんちく
)
で、
今日
(
こんにち
)
もなほ
昔
(
むかし
)
の
礎
(
いしづゑ
)
の
上
(
うへ
)
に
立
(
た
)
つてゐるものも、たまには
珍
(
めづ
)
らしく
殘
(
のこ
)
つてゐます。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
蚊柱
(
かばしら
)
の
礎
(
いしずゑ
)
となる
捨子
(
すてこ
)
かな
点心
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
“礎”の意味
《名詞》
(いしずえ)建造物の基になる部分に組み込まれる石。
(出典:Wiktionary)
礎
常用漢字
中学
部首:⽯
18画
“礎”を含む語句
基礎
礎石
土礎石
基礎固
御礎石
断礎
業礎
残塁礎石
残礎
石礎
礎下
遺礎