“簷端”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
のきば80.0%
のきは20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
街には宗徒むらがりて、肩と肩と相摩するさま、むかし紅海を渡りけん時も忍ばる。簷端のきばには古衣、雨傘その外骨董どもを、懸けもならべもしたり。
しばしありて、今まで木影こかげに隠れたる苫屋のともしび見えたり。近寄りて、「ハンスルが家はここなりや、」とおとなへば、傾きし簷端のきばの小窓きて、白髪の老女おうな、舟をさしのぞきつ。
うたかたの記 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
まことは藤井屋なり。主人驚きて簷端のきは傾きたる家の一間払いて居らす。家のつくり、中庭をかこみて四方に低き楼あり。中庭より直に楼に上るべきはしごかけたるなど西洋の裏屋うらやの如し。
みちの記 (新字新仮名) / 森鴎外(著)