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無慈悲
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むじひ
ふりがな文庫
“
無慈悲
(
むじひ
)” の例文
乳母
天
(
てん
)
は
如何
(
どう
)
あらうと、ロミオは
無慈悲
(
むじひ
)
ぢゃ。おゝ、ロミオどのが、ロミオどのが! ……
誰
(
た
)
れが
思
(
おも
)
ひがけうぞい? ロミオどのが!
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
彼れの英語の発音を試験したり、彼れの英文について
無慈悲
(
むじひ
)
な批評を下したりしたがるそぶりを見せて驚かす者がなくなるのだ。
入江のほとり
(新字新仮名)
/
正宗白鳥
(著)
いや
阿關
(
おせき
)
こう
言
(
い
)
ふと
父
(
ちゝ
)
が
無慈悲
(
むじひ
)
で
汲取
(
くみと
)
つて
呉
(
く
)
れぬのと
思
(
おも
)
ふか
知
(
し
)
らぬが
決
(
けつ
)
して
御前
(
おまへ
)
を
叱
(
し
)
かるではない、
身分
(
みぶん
)
が
釣合
(
つりあ
)
はねば
思
(
おも
)
ふ
事
(
こと
)
も
自然
(
しぜん
)
違
(
ちが
)
ふて
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
何という
無慈悲
(
むじひ
)
な疑いであろう。私は値切れるだけ値切ったのである。相手がじれったがるほどきまりのわるい思いをして値切ったのである。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
この上は
縛
(
しば
)
りからげても引つ立てゝ
行
(
ゆ
)
かなければならぬが、それもあまりに
無慈悲
(
むじひ
)
で、当人は勿論、親たちにも気の毒だ。
梟娘の話
(新字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
そしてこんな
有様
(
ありさま
)
はそれから
毎日
(
まいにち
)
続
(
つづ
)
いたばかりでなく、
日
(
ひ
)
に
増
(
ま
)
しそれがひどくなるのでした。
兄弟
(
きょうだい
)
までこの
哀
(
あわ
)
れな
子家鴨
(
こあひる
)
に
無慈悲
(
むじひ
)
に
辛
(
つら
)
く
当
(
あた
)
って
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
へいそなにごともドノバンにゆずっている富士男も、ドノバンの幼年者に対する
無慈悲
(
むじひ
)
な
挙動
(
きょどう
)
を見ると、心の底から
憤怒
(
ふんぬ
)
のほのおがもえあがった。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
困苦をともにした友に危難の
迫
(
せま
)
った場合、
無慈悲
(
むじひ
)
に見捨て去るとは、実に見下げた人だ。
八幡
(
はちまん
)
のたたりを恐れられい。
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
白
(
しろ
)
は、
人間
(
にんげん
)
の
無慈悲
(
むじひ
)
にとうとう
気
(
き
)
が
狂
(
くる
)
って、ようすの
変
(
か
)
わった
人
(
ひと
)
を
見
(
み
)
ると、かみつくようになり、
夜
(
よ
)
ごとに
子供
(
こども
)
を
思
(
おも
)
い
出
(
だ
)
しては、
悲
(
かな
)
しい
声
(
こえ
)
で
泣
(
な
)
き
叫
(
さけ
)
びました。
野菊の花
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
自分の娘にだって、君の馬鹿を証明するような
策略
(
さくりゃく
)
を、始めから
吹聴
(
ふいちょう
)
するほど
無慈悲
(
むじひ
)
な男じゃない。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
が、——しかし、
杢之進
(
もくのしん
)
、その時、その若人たちの前途に、明るき春あれ
幸
(
さち
)
あれと、祈る心は湧いても、
無慈悲
(
むじひ
)
な
飛縄
(
ひじょう
)
を飛ばそうとは、
露
(
つゆ
)
ほども思わなかったのである。
増長天王
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
無慈悲
(
むじひ
)
な
役人
(
やくにん
)
なんぞに
引
(
ひ
)
きずられて、どこだか
知
(
し
)
れない
島
(
しま
)
に
捨
(
す
)
てられるよりも、これはいっそ、
自分
(
じぶん
)
でおかあさんを
捨
(
す
)
てて
来
(
き
)
た
方
(
ほう
)
が
安心
(
あんしん
)
だ。」と
思
(
おも
)
うようになりました。
姨捨山
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
猶
種々
(
さま/″\
)
詫言
(
わびごと
)
なし漸々にして追々に償ふ事を
免
(
ゆる
)
されしかば
直樣
(
すぐさま
)
引取の一
札
(
さつ
)
を
指出
(
さしいだ
)
し久八を連歸りけるは
無慈悲
(
むじひ
)
なりける有樣なり久八は
子供
(
こども
)
の時より主人を大切と我が身の
苦患
(
くげん
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
貴女は私をこんなにも打ち負かしておいて、此の上苦しめようとなさるのでせうか。今の私の淋しさや心細さに一点の同情も寄せて下さらないほど、
無慈悲
(
むじひ
)
なお方なのでせうか。
猫と庄造と二人のをんな
(新字旧仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
警戒兵は、番小屋の中で、どこから聞えてくるともない、
無慈悲
(
むじひ
)
な寒冷の音を聞いた。
国境
(新字新仮名)
/
黒島伝治
(著)
無慈悲
(
むじひ
)
な家主は
怖
(
こわ
)
い顔をして、
荒々
(
あらあら
)
しく
怒
(
おこ
)
って家賃の
催促
(
さいそく
)
をしました。二人の子供は
驚
(
おどろ
)
きと悲しみのあまりものを言うことも出来ませんでした。首をすくめ、目をしばたたいているばかりでした。
神様の布団
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
ああ、なんという、
無慈悲
(
むじひ
)
な笑い顔だったでしょう。
超人ニコラ
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
なよたけ
無慈悲
(
むじひ
)
なこと!……蝗麻呂! お前は?
なよたけ
(新字新仮名)
/
加藤道夫
(著)
わしは
幾百度
(
いくひゃくたび
)
裏切られたろう。しかも今度は、今度はと思って希望をかけないではいられない。きょうもまた
無慈悲
(
むじひ
)
に
方角
(
ほうがく
)
を変えてしまうのかもしれない。
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
一
度
(
ど
)
、
人間
(
にんげん
)
が
手
(
て
)
に
取
(
と
)
り
上
(
あ
)
げて
育
(
そだ
)
ててくれたら、きっと
無慈悲
(
むじひ
)
に
捨
(
す
)
てることもあるまいと
思
(
おも
)
われる。……
赤いろうそくと人魚
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「じゃ道也先生に違ない。——世の中は随分
無慈悲
(
むじひ
)
なものだなあ。——君番地を知ってるだろう」
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
貴女は私をこんなにも打ち負かしておいて、此の上苦しめようとなさるのでせうか。今の私の淋しさや心細さに一点の同情も寄せて下さらないほど、
無慈悲
(
むじひ
)
なお
方
(
かた
)
なのでせうか。
猫と庄造と二人のをんな
(新字旧仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
恨まれな
無慈悲
(
むじひ
)
なことと思へども頼まれてする
荒手業
(
あらしごと
)
呉々
(
くれ/″\
)
私
(
わし
)
が爲るではなし長庵殿の
計
(
はから
)
ひなりと云にお安は
聲
(
こゑ
)
震
(
ふる
)
はし扨は兄さん長庵殿がお前を頼んで殺すのか聞えぬぞへ長庵殿私を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
泣きながら
城内
(
じょうない
)
へついてきた
娘
(
むすめ
)
も、その百姓も、ちょうど
酒宴
(
しゅえん
)
をしていた
長安
(
ながやす
)
のよい
酒
(
さけ
)
の
興味
(
きょうみ
)
になって
無慈悲
(
むじひ
)
な
手討
(
てう
)
ちにあって殺されたが、その
死骸
(
しがい
)
を投げすてられたと聞くこの
濠
(
ほり
)
へ
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
せめて
無慈悲
(
むじひ
)
な
役人
(
やくにん
)
の
手
(
て
)
にかけるよりはと
思
(
おも
)
ったからです。
姨捨山
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
ヂュリ え、それほどに
天
(
てん
)
が
無慈悲
(
むじひ
)
か!
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
オヽお
前
(
まへ
)
の
留守
(
るす
)
に
差配
(
さはい
)
どのが
見
(
み
)
えられてといひさしてしばたゝく
瞼
(
まぶた
)
の
露
(
つゆ
)
白岡鬼平
(
しらをかきへい
)
といふ
有名
(
いうめい
)
の
無慈悲
(
むじひ
)
もの
惡鬼
(
あくき
)
よ
羅刹
(
らせつ
)
よと
蔭口
(
かげぐち
)
するは
澁團扇
(
しぶうちは
)
の
縁
(
えん
)
はなれぬ
店子共
(
たなこども
)
が
得手勝手
(
えてがつて
)
家賃
(
やちん
)
奇麗
(
きれい
)
に
拂
(
はら
)
ひて
盆暮
(
ぼんくれ
)
の
砂糖袋
(
さたうぶくろ
)
甘
(
あま
)
き
汁
(
しる
)
さへ
吸
(
す
)
はし
置
(
お
)
かば
下
(
さ
)
ぐる
目尻
(
めじり
)
と
諸共
(
もろとも
)
に
眉毛
(
まゆげ
)
の
名
(
な
)
によぶ
地藏顏
(
ぢざうがほ
)
にも
見
(
み
)
ゆべけれど
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
俊寛 清盛はなぜ特別にわしを
憎
(
にく
)
むのだ。わしから二人の
伴侶
(
はんりょ
)
を
無慈悲
(
むじひ
)
に
奪
(
うば
)
い去ろうとするのだ。
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
無慈悲
(
むじひ
)
な
領主
(
りょうしゅ
)
に殺されたお
時
(
とき
)
は、すこし気がヘンになって、戸狩村からどこともなくさまよいだしていたが、あぶない
命
(
いのち
)
をすくわれて、かの
女
(
じょ
)
はまた、気もくるわしく泣くのであった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「これ、なにを
無慈悲
(
むじひ
)
なことをなさる」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“無慈悲”の解説
無慈悲
(出典:Wikipedia)
無
常用漢字
小4
部首:⽕
12画
慈
常用漢字
中学
部首:⼼
13画
悲
常用漢字
小3
部首:⼼
12画
“無”で始まる語句
無
無暗
無頓着
無理
無垢
無花果
無事
無聊
無造作
無慙