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漸々
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やう/\
ふりがな文庫
“
漸々
(
やう/\
)” の例文
番頭久八は大いに驚き主人五兵衞へ
段々
(
だん/\
)
に
詫言
(
わびごと
)
に及び千太郎には厚く
異見
(
いけん
)
を加へ
彼方
(
あち
)
此方
(
こち
)
と
執成
(
とりな
)
しければ五兵衞も
漸々
(
やう/\
)
怒
(
いか
)
りを治め此後を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
昨日逢つた時、明日辭表を出すつてゐだつけが、何しろ村教育も
漸々
(
やう/\
)
發展の緒に就いた許りの時だのに、千早先生に罷められては誠に困る。
足跡
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
夜
(
よ
)
は
漸々
(
やう/\
)
に
深
(
ふか
)
くならんとす
人影
(
ひとかげ
)
ちらほらと
稀
(
まれ
)
になるを
雪
(
ゆき
)
はこゝ
一段
(
いちだん
)
と
勢
(
いきほひ
)
をまして
降
(
ふ
)
りに
降
(
ふ
)
れど
隱
(
かく
)
れぬものは
鍋燒饂飩
(
なべやきうどん
)
の
細
(
ほそ
)
く
哀
(
あは
)
れなる
聲
(
こゑ
)
戸
(
と
)
を
下
(
おろ
)
す
商家
(
しやうか
)
の
荒
(
あら
)
く
高
(
たか
)
き
音
(
おと
)
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
それは永い涙の忍従と苦がい/\血とによつて
漸々
(
やう/\
)
皮を
被
(
か
)
ぶせた許りの深い
傷手
(
いたで
)
であつた。
青銅の基督:――一名南蛮鋳物師の死
(新字旧仮名)
/
長与善郎
(著)
とぴよこ/\
出掛
(
でか
)
けましたが、
愚
(
おろ
)
かしい
故
(
ゆゑ
)
萬屋
(
よろづや
)
五
左衛門
(
ざゑもん
)
の
表口
(
おもてぐち
)
から
這入
(
はい
)
ればよいのに、
裏口
(
うらぐち
)
から
飛込
(
とびこ
)
んで、二
重
(
ぢう
)
の
建仁寺垣
(
けんねんじがき
)
を
這入
(
はい
)
り、
外庭
(
そとには
)
を
通
(
とほ
)
りまして、
漸々
(
やう/\
)
庭伝
(
にはづた
)
ひに
参
(
まゐ
)
りますと
にゆう
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
其処
(
そこ
)
で
疵
(
きづ
)
だらけに
成
(
な
)
つて
漸々
(
やう/\
)
出
(
で
)
て
来
(
き
)
た
処
(
ところ
)
が、
此
(
こ
)
の
取着
(
とつゝ
)
きで、
以前
(
いぜん
)
夫婦
(
ふうふ
)
づれで
散歩
(
さんぽ
)
に
出
(
で
)
た
場所
(
ばしよ
)
とは、
全然
(
まるで
)
方角
(
はうがく
)
が
違
(
ちが
)
う、——
御存
(
ごぞん
)
じの
通
(
とほ
)
り、
温泉
(
をんせん
)
は
左右
(
さいう
)
へ
見上
(
みあ
)
げるやうな
山
(
やま
)
を
控
(
ひか
)
へた、ドン
底
(
ぞこ
)
から
湧
(
わ
)
きます。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
力草
(
ちからぐさ
)
漸々
(
やう/\
)
と山へ
這上
(
はひあが
)
りて見ば此は
何
(
いか
)
に山上は
大雪
(
おほゆき
)
にて一面の
銀世界
(
ぎんせかい
)
なり
方角
(
はうがく
)
はます/\見分がたく
衣類
(
いるゐ
)
には
氷柱
(
つらゝ
)
下
(
さが
)
り
汐
(
しほ
)
に
濡
(
ぬれ
)
し上を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
釧路は、人口と云へば僅か一萬五千足らずの、
漸々
(
やう/\
)
發達しかけた許りの小都會だのに、
怎
(
どう
)
したものか新聞が
二種
(
ふたつ
)
出て居た。
菊池君
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
彼
(
あ
)
れほどの
地邸
(
ぢやしき
)
に
公債
(
こうさい
)
も
何
(
なに
)
ほどかは
持
(
もち
)
たまふならんが、
夫
(
それ
)
も
孃
(
ぢやう
)
さまが
身
(
み
)
じんまく
丈
(
だけ
)
漸々
(
やう/\
)
なるべしと、
我
(
わ
)
れ
入
(
い
)
り
立
(
た
)
ツて
見
(
み
)
し
樣
(
やう
)
な
話
(
はな
)
しなり、
老爺
(
ぢい
)
は
何
(
なん
)
として
其
(
その
)
やうに
委
(
くわ
)
しく
知
(
し
)
るぞと
問
(
と
)
へば
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
急
(
きふ
)
にものもいはれなんだが
漸々
(
やう/\
)
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
遣ひ居て下されよと出すを久八はおし返し
達
(
たつ
)
て
辭退
(
じたい
)
をなしけれども千太郎は
猶
(
な
)
ほ
種々
(
さま/″\
)
に言ひなし
漸々
(
やう/\
)
金子を
差置
(
さしおき
)
つゝ我が家へこそは歸りけれ
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
兎角して渠は
漸々
(
やう/\
)
三十行許り書いた。大儀さうに立上つて、其原稿を主任の前に出す時、我乍ら餘り汚く書いたと思つた。
病院の窓
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
盡
(
つ
)
くすが
我
(
わ
)
が
身
(
み
)
ながら
口惜
(
くちを
)
しきなり
左
(
さ
)
りとても
彼
(
か
)
の
人
(
ひと
)
の
事
(
こと
)
斷念
(
あきらめ
)
がたきは
何
(
なに
)
ゆゑぞ
云
(
い
)
はで
止
(
や
)
まんの
决心
(
けつしん
)
なりしが
親切
(
しんせつ
)
な
詞
(
ことば
)
きくにつけて
日頃
(
ひごろ
)
の
愼
(
つゝし
)
みも
失
(
なく
)
なりぬと
漸々
(
やう/\
)
せまりくる
娘氣
(
むすめぎ
)
に
涙
(
なみだ
)
に
咽
(
むせ
)
びて
良時
(
やゝ
)
ありしが
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
泣きたくなるのを漸く辛抱して、
凝
(
ぢつ
)
と疊の目を見てゐる辛さ。九時半頃になつて、
漸々
(
やう/\
)
『疲れてゐるだらうから』と、裏二階の六疊へ連れて行かれた。
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
出
(
い
)
でつ
漸々
(
やう/\
)
東京
(
こゝ
)
へは
着
(
つ
)
きし
物
(
もの
)
の
當處
(
あてど
)
なければ
御行衛
(
おゆくゑ
)
更
(
さら
)
に
知
(
し
)
るよしなく
樣々
(
さま/″\
)
の
憂
(
う
)
き
艱難
(
かんなん
)
も
御目
(
おめ
)
にかゝる
折
(
をり
)
の
褒
(
ほ
)
められ
種
(
ぐさ
)
にと
且
(
か
)
つは
心
(
こゝろ
)
に
樂
(
たの
)
しみつゝ
賤
(
いや
)
しい
仕業
(
しわざ
)
も
身
(
み
)
は
清
(
きよ
)
し
行
(
おこな
)
ひさへ
汚
(
け
)
がれずばと
都乙女
(
みやこおとめ
)
の
錦
(
にしき
)
の
中
(
なか
)
へ
木綿衣類
(
もめんぎもの
)
に
管笠
(
すげがさ
)
脚袢
(
きやはん
)
は
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
それから二人は、一時間前に
漸々
(
やう/\
)
寢入つたといふ老女の話などをしてゐたが、お利代は立つて行つて、今日凾館から來たといふ手紙を持つて來た。そして
鳥影
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
漸々
(
やう/\
)
の思で改札口から吐出されると、何百輛とも數知れず列んだ腕車、廣場の彼方は晝を欺く滿街の燈火、お定はもう之だけで氣を失ふ位おッ
魂消
(
たまげ
)
て了つた。
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
身體を
縮
(
ちゞ
)
めて床の中で待つて居たが、寒國の人は總じて朝寢をする、
漸々
(
やう/\
)
女中の入つて來たのは、ものの一時間半も
經
(
た
)
つてからで、起きて顏を洗ひに行かうと
菊池君
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
間もなく、とある空地に梨箱の樣な小さい家が一軒建てられて、其家が
漸々
(
やう/\
)
壁塗を濟ませた許りの處へ、三十恰好の、背の低い、色の黒い理髮師が遣つて來た。
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
漸々
(
やう/\
)
開園式が濟んだ許りの、文明的な、
整然
(
きちん
)
とした、別に俗氣のない、そして
依然
(
やはり
)
昔と同じ美しい遠景を備へた此新公園が、少からず自分の氣に入つたからである。
葬列
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
出來てから
漸々
(
やう/\
)
半年位にしかならず、社も裏長屋みたいな所で、給料の支拂が何時でも翌月になるとか云ふ噂、職工共の
紛擾
(
ごた/\
)
が珍しくなく、
普通
(
あたりまへ
)
の四頁の新聞だけれど
菊池君
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
眞紅
(
まつか
)
な奴が枝も裂けさうになつてるのへ、眞先に僕が木登りして、
漸々
(
やう/\
)
手が林檎に屆く所まで登つた時「誰だ」つてノソ/\出て來たのは、そら、あの畑番の六助爺だよ。
漂泊
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
渠は
漸々
(
やう/\
)
筆を
執上
(
とりあ
)
げて、其處此處手帳を
飜反
(
ひつくりか
)
へして見てから、二三行書き出した。そして又手帳を見て、書いた所を讀返したが、急がしく墨を塗つて、手の中に丸めて机の下に投げた。
病院の窓
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
イヤ餘程心配しましたが、これで青天白日
漸々
(
やう/\
)
無罪に成りました。
雲は天才である
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
漸
常用漢字
中学
部首:⽔
14画
々
3画
“漸々”で始まる語句
漸々的