手首てくび)” の例文
そして、信心しんじんぶかいおかげで、神さまのおめぐみによって、切りとられたお妃さまの手首てくびが、もういちど、もとのようにはえたのです。
自分じぶんかへりましたとき兩臂りやうひぢと、ちゝしたと、手首てくびみやくと 方々はう/″\にじんで、其處そこ眞白まつしろくすりこな振掛ふりかけてあるのがわかりました。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
左の手に蝋燭ろふそくを持つて兄の背後うしろまはつたが、三筋みすぢ麻縄あさなはで後手にしばつてはしらくヽり附けた手首てくびは血がにじんで居る。
蓬生 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
それよ今宵こよひよりは一時いちじづゝの仕事しごとばして此子このこため收入しうにふおほくせんとおほせられしなりき、火氣くわき滿みちたるしつにてくびやいたからん、ふりあぐるつち手首てくびいたからん。
軒もる月 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
その中に手首てくびからさきのないうでが、にゅっとかれのほうにつきだされ、のっぺらぼうのまっ白な大きな顔が、うす青い三つのふかあなをあけて、空中くうちゅういていた。
おさえたたもとはらって、おせんがからだをひねったその刹那せつな、ひょいと徳太郎とくたろう手首てくびをつかんで、にやりわらったのは、かさもささずに、あたまから桐油とうゆかぶった彫師ほりしまつろうだった。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
燕作はしたたかに手首てくびをうたれて、ホロリと刀を落としたので、それをひろい取ろうとすると、ふたたびヤッ! というするどい気合い、こんどはどての下へつき落とされた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それでもたしかにながれていたことは、二人ふたり手首てくびの、水にひたったとこが、少し水銀すいぎんいろにいたように見え、その手首てくびにぶっつかってできたなみは、うつくしい燐光りんこうをあげて
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
彼が動くと鎖がガチヤ/\と鳴つた。彼の手首てくびには手械てかせがはめられてあつたのだ。
それから、むすめは手首てくびのなくなったうで背中せなかにしばりつけてもらって、朝日がのぼるといっしょにたびにでかけました。
いか按摩あんま、とばゝつて、備中守びつちうのかみゆびのしなへでウーンとつたが、一向いつかうかんじた様子やうすがない。さすがに紫色むらさきいろつた手首てくびを、按摩あんまさすらうとせず
怪力 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ぐっとおこのの手首てくびをつかんだしん七には、もはや主従しゅじゅうさかいもなくなっていたのであろう。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
兄ははしらつて立上り、縄の食ひ込んだ、血のにじんだ手首てくびさすり乍ら言つた。貢さんは
蓬生 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
ねずみのぐたりとした帽子ばうしかぶつて、片手かたてつゑみぎ手首てくびに、赤玉あかだま一連いちれん數珠じゆずにかけたのに、ひとつのりん持添もちそへて、チリリリチリリリと、おほきつてらし
松の葉 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
悪魔あくまはまたまたやってきました。けれども、むすめは手首てくびのないうでを顔にあてて、長いことさめざめときましたので、腕はなみだにぬれて、すこしのけがれもなく、きよらかでした。
玄庵げんあんは、夜着よぎしたれて、かるく菊之丞きくのじょう手首てくびつかんだままくびをひねった。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
ねがはくははりきずつくことなかれ。お孃樣ぢやうさまこれめせと、乳母うばならむはしさゝぐるを、いはく、ヱプロンけて白魚しらうを料理れうり出來できますかと。うをくべし。手首てくびしろさら可三寸さんずんばかり
婦人十一題 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
蓮葉はすは手首てくびつゝましげに、そでげてたもとけると、手巾ハンケチをはらりとる。……
艶書 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ふるママながら、そつと、大事だいじに、内証ないしやうで、手首てくびをすくめて、自分じぶん身躰からだやうとおもつて、左右さいうそでをひらいたときもうおもはずキヤツとさけんだ。だつてわたしとりのやうにえたんですもの。
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)