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前樣
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まへさま
ふりがな文庫
“
前樣
(
まへさま
)” の例文
新字:
前様
さて、三
年
(
ねん
)
前
(
まへ
)
、……
日
(
ひ
)
は
違
(
ちが
)
ひます。なれども、
同
(
おな
)
じ
此
(
こ
)
の
霜月
(
しもつき
)
の
夜
(
よ
)
さり、
丁
(
ちやう
)
ど
同
(
おな
)
じ
今
(
いま
)
の
時刻
(
じこく
)
、
私
(
われら
)
にもお
前樣
(
まへさま
)
と
同
(
おな
)
じ
事
(
こと
)
がありました。……
三人の盲の話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
他
(
ひと
)
は
他
(
ひと
)
、われは我、さやうな
徒
(
やから
)
にはおかまひなく、お
前樣
(
まへさま
)
は飽までも御先祖以來の御家風によつて……。
箕輪の心中
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
其昔
(
そのむか
)
し
大部屋
(
おほべや
)
あるきのお
人
(
ひと
)
成
(
なり
)
しを一
念
(
ねん
)
ばかりにて
彼
(
あ
)
の
御出世
(
ごしゆつせ
)
、
馬車
(
ばしや
)
に
乘
(
の
)
つてのお
姿
(
すがた
)
は
何
(
ど
)
のやうの
髭武者
(
ひげむしや
)
だとて
立派
(
りつぱ
)
らしう
見
(
み
)
えるでは
御座
(
ござ
)
んせぬか、お
前樣
(
まへさま
)
も
男
(
をとこ
)
なりや
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
『
猫
(
ねこ
)
は
可厭
(
いや
)
!』と
鋭
(
するど
)
い
激
(
げき
)
した
聲
(
こゑ
)
で
鼠
(
ねずみ
)
が
云
(
い
)
ひました。『
若
(
も
)
しお
前樣
(
まへさま
)
が
私
(
わたし
)
だつたら
猫
(
ねこ
)
を
好
(
す
)
くの?』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
聞きお勇
否々
(
いや/\
)
夫は
眞實
(
ほんたう
)
とも存じませんが若御
詞
(
ことば
)
のやうなら
却
(
かへ
)
つて御
羨
(
うらや
)
ましく存じます女の身にては見たき處が有ても見られもせず
然
(
さり
)
ながら御
前樣
(
まへさま
)
には
最早
(
もはや
)
三十に近き御
年頃
(
としごろ
)
に見上ますが御住居を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
何
(
ど
)
うでありませう。お
前樣
(
まへさま
)
。
此
(
これ
)
から
逢
(
あ
)
ひにおいでなさらうと
云
(
い
)
ふ、
其
(
そ
)
の
婦
(
をなご
)
の
方
(
かた
)
は、
裾模樣
(
すそもやう
)
に、
錦
(
にしき
)
の
帶
(
おび
)
、
緋縮緬
(
ひぢりめん
)
の
蹴出
(
けだ
)
しでも。
三人の盲の話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
されども
是
(
こ
)
れぞの
跡
(
あと
)
もなく、
唯
(
たゞ
)
うか/\と
物
(
もの
)
おもふらしく
或時
(
あるとき
)
はしみ/″\と
泣
(
な
)
いて、お
前樣
(
まへさま
)
いつまで
是
(
こ
)
れだけの
月給
(
げつきう
)
取
(
と
)
つてお
出遊
(
いであそ
)
ばすお
心
(
こゝろ
)
ぞ、お
向
(
むか
)
ふ
邸
(
やしき
)
の
旦那
(
だんな
)
さまは
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
大切の大小なれば流しては成ぬ品なり是非共
受出
(
うけいだ
)
すにより今一兩日
待
(
まつ
)
て下されといふに小僧はそれでも御
前樣
(
まへさま
)
來る度に
日延
(
ひのべ
)
ばかりの御口上今日も又一兩日と仰せでは使に來た私しが
困
(
こま
)
ります其度に
譯
(
わか
)
らない使を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
よう
似
(
に
)
た、お
前樣
(
まへさま
)
と
同
(
おな
)
じ
事
(
こと
)
で、
然
(
さ
)
る
婦
(
をんな
)
にあひゞきに
參
(
まゐ
)
るので、
此處
(
こゝ
)
を、
此
(
こ
)
の
坂
(
さか
)
を、
矢張
(
やは
)
り、
向
(
むか
)
つて
下
(
した
)
から、うか/\と
上
(
あが
)
りかけたのでありました。
三人の盲の話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
無器用
(
ぶきよう
)
なお
前樣
(
まへさま
)
が
此子
(
このこ
)
いぢくる
譯
(
わけ
)
にも
行
(
ゆ
)
くまじ、お
歸
(
かへ
)
りに
成
(
な
)
るまで
私
(
わたし
)
が
乳
(
ちゝ
)
を
上
(
あ
)
げませうと、
有
(
あり
)
さまを
見
(
み
)
かねて、
隣
(
となり
)
の
妻
(
つま
)
の
子
(
こ
)
を
抱
(
だ
)
いて
行
(
ゆ
)
くに、
何分
(
なにぶん
)
お
頼
(
たの
)
み
申
(
まをし
)
ますと
言
(
い
)
ひながら
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
只
(
たヾ
)
一人
(
ひとり
)
ありし
妹
(
いもと
)
の
我
(
わ
)
れと
非常
(
ひじやう
)
に
中
(
なか
)
よかりしが、
今
(
いま
)
は
亡
(
う
)
せて
何
(
なに
)
もなき
身
(
み
)
、その
妹
(
いもと
)
が
姉樣
(
ねえさま
)
に
正寫
(
そつくり
)
にて、
今
(
いま
)
も
在世
(
あら
)
ばと
戀
(
こひ
)
しさ
堪
(
た
)
へがたく、お
前樣
(
まへさま
)
に
姉樣
(
ねえさま
)
なれば
我
(
わ
)
れには
妹
(
いもと
)
の
樣
(
やう
)
に
思
(
おも
)
はれて
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
よし
歸
(
かへ
)
らずとて
彼地
(
あしこ
)
はお
前樣
(
まへさま
)
のお
邸
(
やしき
)
ゆゑ、
成長
(
おほきう
)
なり
給
(
たま
)
ふまでのお
留守居
(
るすゐ
)
、
今
(
いま
)
もお
連
(
つ
)
れ
申
(
まうし
)
たけれど
夫
(
それ
)
こそ
淋
(
さび
)
しく、
直
(
す
)
ぐ
嫌
(
い
)
やに
成
(
な
)
りて
母樣
(
かあさま
)
こひしかるべし、
何
(
なに
)
も
柔順
(
おとな
)
しう
成長
(
おほきう
)
なり
給
(
たま
)
へと
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
姉樣
(
ねえさま
)
たちの
御存
(
ごぞん
)
じはなき
事
(
こと
)
なり、もう
此話
(
このはな
)
しは
廢
(
よ
)
しまするほどに、
何
(
なん
)
ぞお
前樣
(
まへさま
)
が
今日
(
けふ
)
あそびて、
面白
(
おもしろ
)
く
思
(
おも
)
ひしお
話
(
はな
)
しがあらば
聞
(
き
)
かして
下
(
くだ
)
され、
今日
(
けふ
)
は
吾助
(
ごすけ
)
がどの
樣
(
やう
)
なお
話
(
はな
)
しをいたしました。
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
さりとて
諂
(
へつら
)
ひの
草履
(
ざうり
)
とりも
餘
(
あま
)
りほめた
話
(
はな
)
しではなけれど
开處
(
そこ
)
が
工合
(
ぐあい
)
ものにて、
清淨
(
せいじよう
)
なり
無垢
(
むく
)
なり
潔白
(
けつぱく
)
なりのお
前樣
(
まへさま
)
などが、
右
(
みぎ
)
をむくとも
左
(
ひだり
)
を
向
(
む
)
くとも
憎
(
に
)
くむ
人
(
ひと
)
は
無
(
な
)
き
筈
(
はづ
)
なれど
夫
(
そ
)
れでは
世
(
よ
)
が
渡
(
わた
)
られず
経つくゑ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
前
常用漢字
小2
部首:⼑
9画
樣
部首:⽊
15画
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前後
前途
前方
前垂
前刻
前様
前栽
前屈
前掛