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鐘
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がね
ふりがな文庫
“
鐘
(
がね
)” の例文
老人
(
ろうじん
)
たちは、ごんごろ
鐘
(
がね
)
に
別
(
わか
)
れを
惜
(
お
)
しんでいた。「とうとう、ごんごろ
鐘
(
がね
)
さまも
行
(
い
)
ってしまうだかや。」といっている
爺
(
じい
)
さんもあった。
ごんごろ鐘
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
吊
(
つ
)
り
鐘
(
がね
)
だけ見える
鐘楼
(
しゅろう
)
の内部。
撞木
(
しゅもく
)
は誰かの手に綱を引かれ、
徐
(
おもむ
)
ろに鐘を鳴らしはじめる。一度、二度、三度、——鐘楼の外は松の木ばかり。
浅草公園:或シナリオ
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
これは
少
(
すこ
)
し
平
(
ひら
)
たい
釣
(
つ
)
り
鐘
(
がね
)
のような
形
(
かたち
)
をしたもので、
小
(
ちひ
)
さいものは
四五寸
(
しごすん
)
、
大
(
おほ
)
きいものになると
四五尺
(
しごしやく
)
もあり、すてきに
大
(
おほ
)
きなものであります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
ゴリラが
破
(
わ
)
れ
鐘
(
がね
)
の様な声で云った。ギャアギャア叫ぶばかりだと思っていたら、この猛獣は人間の言葉を知っているのだ。
恐怖王
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
まるで
揶揄
(
やゆ
)
されているような気がする。
憤
(
む
)
ッとした顔を雲八の耳のそばへつき出して、勝家は
破
(
わ
)
れ
鐘
(
がね
)
のような声でいった。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
「わしかてその方がええ」ともう一人の若者がそれに
相槌
(
あいづち
)
を打つのを聞くと、その男は怒ったような
破
(
わ
)
れ
鐘
(
がね
)
のような声を出して怒鳴るのであった。
癩
(新字新仮名)
/
島木健作
(著)
そうとは知らず康おじさんは
破
(
わ
)
れ
鐘
(
がね
)
のような声を出して喋りつづけた。あまり声が大きいので奥に寝ていた小栓は眼を覚ましてさかんに咳嗽はじめた。
薬
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
仙之助、栄三郎に真向い立ってぴったりとつけたとたん! 足もとの草むらから沸き起こった
破
(
わ
)
れ
鐘
(
がね
)
のような笑い声がかたわらの左膳を振りむかせた。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
絹
(
きぬ
)
はいくら
裁
(
た
)
っても
裁
(
た
)
っても
減
(
へ
)
りません。
釣
(
つ
)
り
鐘
(
がね
)
はたたくと
近江
(
おうみ
)
の
国中
(
くにじゅう
)
に
聞
(
き
)
こえるほどの
高
(
たか
)
い
音
(
おと
)
をたてました。
田原藤太
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
祇園精舍の鐘われがねならば、聞くものこれを
厭
(
いと
)
はしとし、われ
鐘
(
がね
)
ならずば
好
(
この
)
ましとせむ。沙羅雙樹の花
萎
(
しほ
)
ればなならば、見る人これより去り、しほれ花ならずばこれに就かむ。
柵草紙の山房論文
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
のみならず顔から
髯
(
ひげ
)
が
生
(
は
)
えているのか髯の中に顔が同居しているのか分らない赤つらを
反
(
そ
)
り返して、日盛りに
破
(
わ
)
れ
鐘
(
がね
)
をつくような声を出して「うめろうめろ、熱い熱い」と叫ぶ。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
と怪人が喜びの声をあげたとき、不意に天井の方から
破
(
わ
)
れ
鐘
(
がね
)
のような声が鳴り響いた。
流線間諜
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
知らしめんがためか聖徳太子の吟作なりとて「照る月のなかなる物の
大弓
(
おおゆみ
)
はあぞちにたちて
的
(
まと
)
にあたらず」また
和泉式部
(
いずみしきぶ
)
が「南無仏の
御舎利
(
みしゃり
)
を
出
(
いだ
)
す
七
(
なな
)
つ
鐘
(
がね
)
むかしもさぞな今も
双調
(
そうちょう
)
」
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
と、そういう範覚の耳へ、鬼火の姥のいる沼の方から、けたたましい
退
(
ひ
)
き
鐘
(
がね
)
の音が聞こえ、つづいて烈しい喊声が聞こえ、やがてこっちへ大勢の者が、走って来る音が聞こえて来た。
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
香水の表情の音色を譬へてみると、
私語
(
ささやき
)
、口笛、草笛、銀笛、朝鮮
鐘
(
がね
)
の夕暮
余音
(
よいん
)
、バイオリン、クラリネツト、バス、テノル、蝶の羽ばたき、木の葉のかすれ、雛のふくみごゑ等がある。
「香水の表情」に就いて:――漫談的無駄話――
(新字旧仮名)
/
大手拓次
(著)
こんなチッポケな痩身のどこからでると思ふやうな
破
(
わ
)
れ
鐘
(
がね
)
の声で応援団のやうに熱狂乱舞して合ひの手に胴間声にメッキのやうなツヤをかぶせて御婦人を讃美礼讃したり口説いたりする。
オモチャ箱
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
と安斉先生はわれ
鐘
(
がね
)
のような声をたてた。
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
鐘供養
(
かねくよう
)
というのは、どんなことをするのかと
思
(
おも
)
っていたら、ごんごろ
鐘
(
がね
)
の
前
(
まえ
)
に
線香
(
せんこう
)
を
立
(
た
)
てて
庵主
(
あんじゅ
)
さんがお
経
(
きょう
)
をあげることであった。
ごんごろ鐘
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
銅鐸
(
どうたく
)
はその
形
(
かたち
)
が、
釣
(
つ
)
り
鐘
(
がね
)
のようでありますから、やはり
樂器
(
がつき
)
ではあるまいかといふ
人
(
ひと
)
もありますが、さて
樂器
(
がつき
)
に
使
(
つか
)
つた
跡
(
あと
)
も
見
(
み
)
られませんので
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
一番
鐘
(
がね
)
をついた見附のすり
鐘
(
ばん
)
に合せて、やがて遠く、両国のやぐらや鳥越あたりのお火の見でも、コーン、コーンと、冴えた二ツ鐘をひびかせてきた。
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
破
(
わ
)
れ
鐘
(
がね
)
のような声。グイと握った二つ折りの手拭で、ヒョイと鼻の頭をこすりながら、このとき膝をすすめたのは、長屋の入口に陣どっている
左官
(
さかん
)
の伝次だ。
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
乞食はいいながら、小わきにかかえていた、きたならしいふろしき包みをほどくと、中から一枚の
釣
(
つ
)
り
鐘
(
がね
)
マントを出して、それをやぶれた着物の上から、はおりました。
怪人二十面相
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
藤太
(
とうだ
)
は
釣
(
つ
)
り
鐘
(
がね
)
を
三井寺
(
みいでら
)
に
納
(
おさ
)
めて、あとの
二品
(
ふたしな
)
を
家
(
いえ
)
につたえていつまでも
豊
(
ゆた
)
かに
暮
(
く
)
らしました。
田原藤太
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
こんなチッポケな
痩身
(
そうしん
)
のどこからでると思うような
破
(
わ
)
れ
鐘
(
がね
)
の声で応援団のように熱狂乱舞して合いの手に胴間声にメッキのようなツヤをかぶせて御婦人を讃美礼讃したり口説いたりする。
オモチャ箱
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
大江山課長が
破
(
わ
)
れ
鐘
(
がね
)
のような声で呶鳴った。
恐怖の口笛
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
僕
(
ぼく
)
たちの
学校
(
がっこう
)
の
門
(
もん
)
や
鉄柵
(
てつさく
)
も、もうとっくに
献納
(
けんのう
)
したのだから、
尼寺
(
あまでら
)
のごんごろ
鐘
(
がね
)
だって、お
国
(
くに
)
のために
献納
(
けんのう
)
したっていいのだと
思
(
おも
)
っていた。
ごんごろ鐘
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
揺れ返る船の
舳
(
みよし
)
に立って
角鍔
(
かくつば
)
の一刀を引ッ抱えた生不動は、
破
(
わ
)
れ
鐘
(
がね
)
のような声を、伝馬の中に向って叩きつけた。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そして
家来
(
けらい
)
にいいつけて、
奥
(
おく
)
から
米
(
こめ
)
一
俵
(
ぴょう
)
と、
絹
(
きぬ
)
一
疋
(
ぴき
)
と、
釣
(
つ
)
り
鐘
(
がね
)
を一つ
出
(
だ
)
させて、それを
藤太
(
とうだ
)
に
贈
(
おく
)
りました。そしてこの
土産
(
みやげ
)
の
品
(
しな
)
を
家来
(
けらい
)
に
担
(
かつ
)
がせて、
龍王
(
りゅうおう
)
は
瀬田
(
せた
)
の
橋
(
はし
)
の下まで
見送
(
みおく
)
って行きました。
田原藤太
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
そのとき、錯乱した
破
(
わ
)
れ
鐘
(
がね
)
のようなピカ一の声がとどろいた。
不連続殺人事件
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
折
(
お
)
れよとばかり手をたたいて、
破
(
わ
)
れ
鐘
(
がね
)
のような声で叫んだ。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
きさまは、まだ
釜師根性
(
かましこんじょう
)
がぬけんからだめだ。そんな
飯炊
(
めした
)
き
釜
(
がま
)
や
吊
(
つ
)
り
鐘
(
がね
)
などばかり
見
(
み
)
てくるやつがあるか。それに
何
(
なん
)
だ、その
手
(
て
)
に
持
(
も
)
っている、
穴
(
あな
)
のあいた
鍋
(
なべ
)
は。
花のき村と盗人たち
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
と、
破
(
わ
)
れ
鐘
(
がね
)
のような声でこうご
託宣
(
たくせん
)
をくだしたのである。そして彼は広間の法廷に出て、壇の中央にある知事席に腰をすえ、大真面目で、
槐
(
えんじゅ
)
の
笏
(
しゃく
)
を胸のまえに構え込んだ。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それから、
破
(
わ
)
れ
鐘
(
がね
)
のやうな大音声でかうと問ふた。
閑山
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
人々が立つ頃、八幡
鐘
(
がね
)
も明けの
報
(
し
)
らせを
撞
(
つ
)
いた。大太鼓が鳴りとどろき、
施粥
(
せがゆ
)
が始まった。
大岡越前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
破
(
わ
)
れ
鐘
(
がね
)
のやうな声だつた。
吹雪物語:――夢と知性――
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
破
(
わ
)
れ
鐘
(
がね
)
ごえでこう叫んだのを見ると、雲つくような大男が三人、大小
打
(
ぶ
)
ッこみ、侍すがた、へべれけに
酔
(
よ
)
って
熟柿
(
じゅくし
)
のような
息
(
いき
)
をはき、
晃々
(
こうこう
)
たる大刀をぬきはらい、花や
女子
(
おなご
)
の踊りにまじって
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
気殺! まず気をもって対手の胆を
挫
(
ひし
)
ぐ
破
(
わ
)
れ
鐘
(
がね
)
声
(
ごえ
)
。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
暁暗
(
ぎょうあん
)
・うつつ
鐘
(
がね
)
雲霧閻魔帳
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“鐘”の解説
鐘(かね、en: bell)は、音を出す金属製の器具。日本語の「鐘」は狭義には叩いたり撞(つ)いたりして音を出すもので、内部に装着した舌(ぜつ)などを振動させて音を出す鈴と区別する。広義には内部にぶら下げた舌(ぜつ)という分銅を振動させて音を出す器具も含めて「鐘」という。
(出典:Wikipedia)
鐘
常用漢字
中学
部首:⾦
20画
“鐘”を含む語句
鐘楼
時鐘
半鐘
自鳴鐘
釣鐘草
警鐘
梵鐘
破鐘
鐘馗
鐘声
號鐘
鐘撞堂
鐘撞
巨鐘
鐘鼓
鳧鐘
霜夜鐘
鐘愛
硝子鐘
大鐘王
...