軍人ぐんじん)” の例文
こうして清作せいさくさんは、じつにりっぱな軍人ぐんじんでした。だからまちとおると、おとこおんないて、その雄々おおしい姿すがたをながめたのです。
村へ帰った傷兵 (新字新仮名) / 小川未明(著)
貴樣達きさまたちはあのとき中根なかね行爲かうゐわらつたかもれん。しかし、中根なかねまさしく軍人ぐんじんの、歩兵ほへい本分ほんぶんまもつたものだ。えらい、えらい‥‥」
一兵卒と銃 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
ひと月ほどもすぎますと、おかの上には、ふしぎな銅像どうぞうができました。一ぴきの、小さな馬をまたいで立っている、わかい軍人ぐんじんの銅像でした。
丘の銅像 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
して、官吏くわんりまたは軍人ぐんじんにして、身分の體面を維持いじし、家の基礎きそを動かさぬだけの人間に仕上げやうと期してゐたのであツた。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
無論むろんつま大佐たいさ病氣びやうき次第しだいはやかれおそかれかへつてますが、ながく/\——日本帝國につぽんていこく天晴あつぱ軍人ぐんじんとしてつまでは、芙蓉ふようみねふもとらせぬつもりです。
こうした適塾てきじゅく生徒せいとなかから、わかい革命家かくめいか橋本左内はしもとさない軍人ぐんじん政治家せいじか村田蔵六むらたぞうろく(のちの大村益次郎おおむらますじろう)、医療いりょう制度せいどをあらためた長与専斎ながよせんさい日本赤十字社にほんせきじゅうじしゃをつくった佐野常民さのつねたみなど
モスクワへつてから、ミハイル、アウエリヤヌヰチは肩章けんしやう軍服ぐんぷくに、赤線あかすぢはひつたヅボンを穿いてまちあるくにも、軍帽ぐんばうかぶり、軍人ぐんじん外套ぐわいたうた。兵卒へいそつかれ敬禮けいれいをする。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
いさちゃんのお婿むこさんなども、日露戦争にも出て、何処どこやらあかぬけのした在郷ざいごう軍人ぐんじんである。奉公に出た女にも、東京に嫁入よめいる者もあるが、田舎に帰ってとつぐ者が多い。何を云うても田舎は豊かである。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
ぼくは、軍人ぐんじんになりたい。」と達吉たつきちは、こたえたのです。いつか准尉じゅんいにあってから、かれはそうこころなかおもったのでした。
僕はこれからだ (新字新仮名) / 小川未明(著)
しかるに、中根なかね危急ききふわすれてじうはなさず、くまでじうまもらうとした。あの行爲かうゐ、あの精神せいしんまさ軍人精神ぐんじんせいしん立派りつぱ發揚はつやうしたもので、まこと軍人ぐんじんかがみである。
一兵卒と銃 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
さいはつまあに本國ほんこく相當さうたう軍人ぐんじんであれば、其人そのひと手許てもとおくつて、教育けういく萬端ばんたん世話せわたのまうと、餘程よほど以前いぜんからかんがへてつたのですが、どうもしか機會きくわいなかつた。
わかい軍人ぐんじんは、ヘンデル先生から、いっぺんにかわってしまった、ペテロでした。ペテロにはあごひげがなかったので、ヘンデル先生のあごひげは、けずりとられてしまいました。
丘の銅像 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
モスクワへってから、ミハイル、アウエリヤヌイチは肩章けんしょう軍服ぐんぷくに、赤線あかすじはいったズボンを穿いてまちあるくにも、軍帽ぐんぼうかぶり、軍人ぐんじん外套がいとうた。兵卒へいそつかれ敬礼けいれいをする。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
軍人ぐんじんにか、それはいい。おまえは、ひくいが、なかなか強情ごうじょうだから、いい軍人ぐんじんになれるだろう。」と親方おやかたは、達吉たつきち意見いけんに、反対はんたいしませんでした。
僕はこれからだ (新字新仮名) / 小川未明(著)
はじめ、詩人しじんハンスであった銅像どうぞうは、医者のヘンデル先生にかわり、つぎは軍人ぐんじんのペテロにかわり、つぎには、おそろしい強盗ごうとうにかわり、ついには、とけて七つのかねになりました。
丘の銅像 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
このはなし何事なにごと分明ぶんめいになつた。それにけても濱島武文はまじまたけぶみむかしながら壯快おもしろ氣象きしやうだ、たゞ一人ひとり帝國ていこく軍人ぐんじん養成ようせいせんがめに恩愛おんあいきづな斷切たちきつて、本國ほんごくおくつてやるとは隨分ずゐぶんおもつたことだ。
おお、おれは、きているぞ! おれは、たすかったのだ。おとうさんにちかいます。ぼくは、軍人ぐんじんになります。かみさまにちかいます。ぼくは、かならず飛行兵ひこうへいになります。
僕はこれからだ (新字新仮名) / 小川未明(著)
せまいけれど、清潔せいけつだよ。あのおじさんは、こわかおをしているけれど、やさしいよ。わかいときは、軍人ぐんじんで、満洲まんしゅうへいったんだって、いろいろ戦争せんそうはなしをしてきかせたよ。
子供の床屋 (新字新仮名) / 小川未明(著)
なぜなら、世間せけんは、戦争せんそうにたいして無関心むかんしんなのか、それとも軍人ぐんじん戦争せんそうにいって負傷ふしょうをするのをあたりまえとでもおもっているのか、どちらかのようにしかかんがえられなかったからでした。
村へ帰った傷兵 (新字新仮名) / 小川未明(著)