踊る地平線:07 血と砂の接吻 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
大菩薩峠:31 勿来の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
旗本退屈男:04 第四話 京へ上った退屈男 (新字新仮名) / 佐々木味津三(著)
青銅の基督:――一名南蛮鋳物師の死 (新字旧仮名) / 長与善郎(著)
津村と村井とは、互に後れるのを恐れるように、犇めきながら部屋の中に這入って、扉をピッタリと閉めた。
殺人迷路:10 (連作探偵小説第十回) (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
それなのに、私は枕の上に身を投げて、財産という重荷に犇がれ、悩まされぬいているのだ。しかも、その財産というのは、大部分私のものじゃアないのだ。
小公女 (新字新仮名) / フランシス・ホジソン・エリザ・バーネット(著)
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア (旧字旧仮名) / シャーロット・ブロンテ(著)
犇めき、微妙につながり合ひ、その或る時は軽快に、或る時は重々しく、何かはつきりしてゐるかと思へば混乱し、——さういふ得体のしれない経過のせゐだつたのである。
太い根曲り竹の藪が深山榛や樺の類を犇と抱きすくめて、絡み合った小枝が網目よりも細かい。矢でも鉄砲でも来いとはこのこった。そこへ人間がぶつかったのだから堪らない。
卑しい利得一点張りの本屋や画商やが朝から晩迄犇めき合う雑然たる長屋区域Q街の一隅の屋根裏の部屋にとぐろをまいていた頃、次郎蔵の懐ろに巨額の上演料が転げ込んで来た。
私はいつの間にか、これから三里の道を歩いて次の温泉までゆくことに自分を予定していた。犇ひしと迫って来る絶望に似たものはだんだん私の心に残酷な欲望を募らせていった。
しかし、私たち親子の一心が通ったものか、とにかく、親子は犇と抱き合いました。
幕末維新懐古談:14 猛火の中の私たち (新字新仮名) / 高村光雲(著)
義仲も今日を最後とこれを迎え撃ち、東国勢は義仲を討たんと互いに犇めきあった。
現代語訳 平家物語:09 第九巻 (新字新仮名) / 作者不詳(著)
「そしてあらゆる犇めき、あらゆる闘ひは主なる神における永遠の安らひである。」
ゲーテに於ける自然と歴史 (新字旧仮名) / 三木清(著)
夢は呼び交す:――黙子覚書―― (新字新仮名) / 蒲原有明(著)