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やぬし
ふりがな文庫
“
家主
(
やぬし
)” の例文
これを
聞
(
き
)
いて、
事情
(
じじょう
)
の
知
(
し
)
らぬ
人
(
ひと
)
たちは、
金持
(
かねも
)
ちや、
家主
(
やぬし
)
にありそうなことだと、
逃
(
に
)
げ
出
(
だ
)
した
青服夫婦
(
あおふくふうふ
)
へ、
同情
(
どうじょう
)
したかもしれません。
春はよみがえる
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
話
(
はなし
)
は
夫
(
それ
)
から
前
(
まへ
)
の
家
(
うち
)
を
離
(
はな
)
れて、
家主
(
やぬし
)
の
方
(
はう
)
へ
移
(
うつ
)
つた。
是
(
これ
)
は、
本多
(
ほんだ
)
とは
丸
(
まる
)
で
反對
(
はんたい
)
で、
夫婦
(
ふうふ
)
から
見
(
み
)
ると、
此上
(
このうへ
)
もない
賑
(
にぎ
)
やかさうな
家庭
(
かてい
)
に
思
(
おも
)
はれた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
一度ならず二度までもあまりといえば不思議なので
翌朝
(
よくあさ
)
彼は
直
(
すぐ
)
に
家主
(
いえぬし
)
の家へ行った、
家主
(
やぬし
)
の
親爺
(
おやじ
)
に会って今日まであった事を一部始終
談
(
はな
)
して
暗夜の白髪
(新字新仮名)
/
沼田一雅
(著)
左右に居ります
縄取
(
なわとり
)
の同心が右三人へ早縄を打ち、役所まで連れ
行
(
ゆ
)
きまして、
一先
(
ひとま
)
ず縄を取り、手錠を
箝
(
は
)
め、
附添
(
つきそい
)
の
家主
(
やぬし
)
五人組へ引渡しました。
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
やがてとうとう、その
布団
(
ふとん
)
はもと、ある
貧
(
まず
)
しい家のもので、その家族が住んでいた家の
家主
(
やぬし
)
の手から、買い取ったものだということがわかりました。
神様の布団
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
▼ もっと見る
家主
(
やぬし
)
の
硝子屋
(
ガラスや
)
へは出放題の事を言って、
間代
(
まだい
)
の残りも奇麗に払い、重吉は荷物の半分を
新橋駅
(
しんばしえき
)
の手荷物預り処に預け
ひかげの花
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「千兩の褒美で長屋でも建てるんだね、岡つ引よりは
家主
(
やぬし
)
の方が柄に合ひさうだぜ。嫁は俺が世話してやらア」
銭形平次捕物控:164 幽霊の手紙
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
今住んでいる家も、私は一度も頼んだことはないが、いつのまにか
家主
(
やぬし
)
の建てておいてくれたものである。
貧乏物語
(新字新仮名)
/
河上肇
(著)
主人出張勝ちの若い綺麗な奥さんの家へ、仲人を頼んでいるにしろ、
家主
(
やぬし
)
店子
(
たなこ
)
の関係があるにしろ、若い吉川君が遠慮なく出入するのは現象として面白くない。
求婚三銃士
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
荷物を出してから、二人して来たこの家に、
家主
(
やぬし
)
のところから
提燈
(
ちょうちん
)
を借りて来て、二人は相対していた。
遠藤(岩野)清子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
私共が
転居
(
ひっこ
)
して来た時、裏の
家主
(
やぬし
)
で貸してくれたものだから、もしやと思って、私は
早速
(
さっそく
)
裏の
家
(
うち
)
へ行って訊ねてみると、案の条、婆さんが黙って持って行ったので。
一寸怪
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
口には出さず、心の中でそう云った。しんじつそう思っていたからである。おれは
家主
(
やぬし
)
の喜平におさんのことを頼み、急な場合のために幾らか金も預けて、江戸を立った。
おさん
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
来て見ると、前日中に明け渡す約束なのに、
先住
(
せんじゅう
)
の人々はまだ
仕舞
(
しま
)
いかねて、最後の荷車に物を積んで居た。以前石山君の
壮士
(
そうし
)
をしたと云う
家主
(
やぬし
)
の大工とも
挨拶
(
あいさつ
)
を交換した。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
土井は最初そこへ
着
(
つ
)
いた
晩
(
ばん
)
、筆を執るやうな落着きがないのに、ちよつと
失望
(
しつばう
)
したが、
家主
(
やぬし
)
の
住
(
すま
)
つてゐる家の
離
(
はな
)
れを一
室
(
しつ
)
借
(
か
)
りておいたからと、甥が言ふので、彼はそれを信じて
閾
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
あれは
田原町
(
たわらちょう
)
三丁目の
家主
(
やぬし
)
喜左衛門
(
きざえもん
)
と
鍛冶屋富五郎
(
かじやとみごろう
)
鍛冶富
(
かじとみ
)
というのを
請人
(
うけにん
)
にして雇い入れたのだ。よく働く。眼をかけてやってくれ。どうも下女は婆あに限るようだて。当節の若いのはいかん
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
しかも鼠を捕ろうとして取り
遁
(
に
)
がすと、その
復讎
(
ふくしゅう
)
が最も怖ろしいものと信じられて、常の日も決して彼らの本名を口にせず、家々村々には色々の
忌言葉
(
いみことば
)
があって、たとえば
殿
(
との
)
がなし、
家主
(
やぬし
)
がなし
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
けれども
彼
(
かれ
)
は
自身
(
じしん
)
に
家主
(
やぬし
)
の
宅
(
たく
)
へ
出向
(
でむ
)
いてそれを
聞
(
き
)
き
糺
(
たゞ
)
す
勇氣
(
ゆうき
)
を
有
(
も
)
たなかつた。
間接
(
かんせつ
)
にそれを
御米
(
およね
)
に
問
(
と
)
ふことは
猶
(
なほ
)
出來
(
でき
)
なかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
家主
(
やぬし
)
は、
戦争中
(
せんそうちゅう
)
、
竹
(
たけ
)
の
子
(
こ
)
生活
(
せいかつ
)
をした
人
(
ひと
)
から、
時計
(
とけい
)
や、
双眼鏡
(
そうがんきょう
)
や、
空気銃
(
くうきじゅう
)
など
安
(
やす
)
く
買
(
か
)
い
取
(
と
)
ったのだと、やはり
酒屋
(
さかや
)
のおじさんがいっていました。
春はよみがえる
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
家主
(
やぬし
)
は下の中の間の六畳と、奥の五畳との二間に
住居
(
すま
)
いて、店は八畳ばかり板の間になりおれども、
商売家
(
あきないや
)
にあらざれば、昼も一枚
蔀
(
しとみ
)
をおろして、ここは使わずに打捨てあり。
化銀杏
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
殊
(
こと
)
に便所は座敷の
傍
(
わき
)
の細い
濡椽
(
ぬれえん
)
伝いに
母家
(
おもや
)
と離れている様な具合、当人も
頗
(
すこぶ
)
る気に入ったので
直
(
すぐ
)
に
家主
(
やぬし
)
の
家
(
うち
)
へ行って相談してみると、
屋賃
(
やちん
)
も思ったより
安値
(
やす
)
いから非常に喜んで
暗夜の白髪
(新字新仮名)
/
沼田一雅
(著)
柳原町
(
やなぎはらちょう
)
と町内が
繋
(
つな
)
がって居りますが、小田原町の
家主
(
やぬし
)
に金兵衞と申す者がございまして、其の頃は
家号
(
いえな
)
を申して
近江屋
(
おうみや
)
の金兵衞と云う処から
近金
(
ちかきん
)
と云われます、
年齢
(
とし
)
は四十二に成りますが
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「ひどい
家主
(
やぬし
)
だね」
負けない男
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
正吉
(
しょうきち
)
はあとで、この
事件
(
じけん
)
を
聞
(
き
)
いたのであるが、これがため、
青服
(
あおふく
)
は
家主
(
やぬし
)
に
銃
(
じゅう
)
を
返
(
かえ
)
されなくなったので、
弁償
(
べんしょう
)
することに、
話
(
はなし
)
がついたといいました。
春はよみがえる
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
話はそれから前の
家
(
うち
)
を離れて、
家主
(
やぬし
)
の方へ移った。これは、本多とはまるで反対で、夫婦から見ると、この上もない
賑
(
にぎ
)
やかそうな家庭に思われた。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
私が
曾
(
かつ
)
て、
逗子
(
ずし
)
に居た時分その魔がさしたと云う事について、こう云う事がある、
丁度
(
ちょうど
)
秋の
中旬
(
はじめ
)
だった、当時田舎屋を借りて、家内と
婢女
(
じょちゅう
)
と三人で居たが、
家主
(
やぬし
)
はつい裏の
農夫
(
ひゃくしょう
)
であった。
一寸怪
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
窓には竹の
格子
(
こうし
)
がついている。
家主
(
やぬし
)
の庭が見える。鶏を飼っている。美禰子は例のごとく掃き出した。三四郎は四つ
這
(
ば
)
いになって、あとから
拭
(
ふ
)
き出した。
三四郎
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
もう
少
(
すこ
)
しの
事
(
こと
)
で、
其
(
その
)
安井
(
やすゐ
)
と
同
(
おな
)
じ
家主
(
やぬし
)
の
家
(
いへ
)
へ
同時
(
どうじ
)
に
招
(
まね
)
かれて、
隣
(
とな
)
り
合
(
あは
)
せか、
向
(
むか
)
ひ
合
(
あは
)
せに
坐
(
すわ
)
る
運命
(
うんめい
)
にならうとは、
今夜
(
こんや
)
晩食
(
ばんめし
)
を
濟
(
すま
)
す
迄
(
まで
)
、
夢
(
ゆめ
)
にも
思
(
おも
)
ひ
掛
(
が
)
けなかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
裏
(
うら
)
の窓も
開
(
あ
)
ける。窓には竹の格子が付いてゐる。
家主
(
やぬし
)
の庭が見える。
鶏
(
にはとり
)
を飼つてゐる。美禰子は例の如く
掃
(
は
)
き出した。三四郎は四つ
這
(
ばい
)
になつて、
後
(
あと
)
から拭き出した。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
宗助は暗い座敷の中で
黙然
(
もくねん
)
と
手焙
(
てあぶり
)
へ手を
翳
(
かざ
)
していた。灰の上に出た火の
塊
(
かた
)
まりだけが色づいて赤く見えた。その時裏の
崖
(
がけ
)
の上の
家主
(
やぬし
)
の家の御嬢さんがピヤノを鳴らし出した。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
下からして
一側
(
ひとかわ
)
も石で畳んでないから、いつ
壊
(
くず
)
れるか分らない
虞
(
おそれ
)
があるのだけれども、不思議にまだ壊れた事がないそうで、そのためか
家主
(
やぬし
)
も長い間昔のままにして放ってある。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
愚
(
ぐ
)
なるものは主人にあらず、吾輩にあらず、
家主
(
やぬし
)
の伝兵衛である。いないかな、いないかな、下駄屋はいないかなと桐の方で催促しているのに知らん
面
(
かお
)
をして
屋賃
(
やちん
)
ばかり取り立てにくる。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“家主(
借家
)”の解説
借家(しゃくや)とは、借りた状態の住宅のこと。物件の所有者である家主(やぬし)から見た場合は貸家(かしや)という。
通常、借り手は物件の所有者に賃料(家賃)を支払う。
なお、「借家権」については、借地借家法が適用される建物の賃借権を指すもので、本項目の対象となる建物とは、範囲が大幅に異なる。
(出典:Wikipedia)
家
常用漢字
小2
部首:⼧
10画
主
常用漢字
小3
部首:⼂
5画
“家主”で始まる語句
家主中
家主抔
家主方
家主様
家主惣兵衞店